質問本文情報
平成二十一年四月二十八日提出質問第三五一号
外務省における各種手当の変遷並びに同省職員による実際の使われ方等に関する質問主意書
提出者 鈴木宗男
外務省における各種手当の変遷並びに同省職員による実際の使われ方等に関する質問主意書
これまでの答弁書で、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年四月二十一日法律第九十三号)の第六条にある在勤手当の、平成二十年度及び平成二十一年度における予算総額がそれぞれ三百六億百二十万円、二百九十九億千四百九十三万八千円であり、在外公館に勤務している外務省職員の定員はそれぞれ三千四百二十八人、三千五百二十八人であることが明らかにされている。在外公館に勤務する職員の定員数をもって単純に一人あたりの在勤手当の予算額を計算することは完全に正確なものとは言えないものの、あくまで目安として、右の定員数でそれぞれの在勤手当の予算総額並びに主にそれを構成する在勤基本手当、住居手当、配偶者手当、子女教育手当の四手当を除した場合、平成二十年度は予算総額が一人あたり約八百九十二万六千八百三十八円、在勤基本手当が約五百二十万千九十三円、住居手当が約二百七十七万三千三百四十六円、配偶者手当が約五十五万九千百六十三円、子女教育手当が約二十万八千六百八十三円、同様に二十一年度分については、予算総額は約八百四十七万九千二百九十一円、他の諸手当は同様にそれぞれ約四百九十九万三千六百九十円、約二百五十五万千二百七十四円、約五十三万七千百六十二円、約二十一万三千五百十六円となる。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七一第三〇九号)を踏まえ、質問する。
二 先の質問主意書で、平成二十年度、二十一年度の在勤手当のうち住居手当につき、なぜ平成二十年度に年間約二百七十七万円、月額約二十三万円、平成二十一年度には年間約二百五十五万円、月額約二十一万円もの金額が、本俸とは全く別に支給されることが決められたのか、それぞれ客観的な数値を挙げ、具体的に説明されたいと問うたところ、「政府答弁書」では「住居手当の予算額は、平成二十年度については為替の変動及び在外職員の定員の増加を反映して五・五パーセントの増額となったものであり、平成二十一年度については主として為替の変動を反映して五・三パーセントの減額となったものである。」との答弁がなされている。右答弁には為替の変動と外務省在外職員の定員について触れられているが、住居手当の予算額を決定する際、各在外公館の所在地における不動産価格、賃借料の水準及び変遷について考慮されることはないのか。
三 先の質問主意書で、在外公館に勤務する職員に対して本棒とは全く別個に支給される在勤手当が、それが個々人の蓄財等に回されることなく、我が国の国益確保のための外交活動を行うに必要な諸経費として使用されているか、国民の平均月給が下がり、多くの国民が不況による生活苦に喘いでいる中、在勤手当のあり方に関しても、何らかの見直し、改善をし、少なくとも、例えばそれを渡しきりのものとするのではなく、必要経費分を支給し、余った部分は精算する等の措置をとる、または、それが本来の趣旨に反し、在外職員の個人的な蓄財等に回されていることがないか否かを定期的にチェックする体制を構築する等、国民に対してより透明性を高める必要があるのではないかと問うたところ、「政府答弁書」では「外務省として、個々の職員の貯蓄等の状況について把握していないが、在勤手当は、名称位置給与法に基づき、在外職員が在外公館において勤務するのに必要な経費に充当するために支給される手当として、在外公館の所在地における物価、為替相場、生活水準等を勘案して、適正に定められているものと認識しており、現時点において制度の見直しが必要とは考えていない。」との答弁がなされている。では外務省として、右答弁にある様に、「在外職員が在外公館において勤務するのに必要な経費に充当するため」として支給される在勤手当が、実際にその様に使われていると認識しているか。外務省は右答弁で「個々の職員の貯蓄等の状況について把握していない」としているが、個々の在外職員が在勤手当を実際にどの様に使用しているか、同省としてきちんと把握しているか。
四 三の答弁には「在勤手当は、名称位置給与法に基づき、在外職員が在外公館において勤務するのに必要な経費に充当するために支給される手当として、在外公館の所在地における物価、為替相場、生活水準等を勘案して、適正に定められている」とある様に、外務省として、在勤手当の予算額が適正に定められていると認識していることは当方も承知している。当方が問うているのは、その在勤手当の実際の使われ方が適正であるか否かという点である。在勤手当が、在外職員の外交活動のために使われる、または住居や子女教育に係る費用に充てられるのではなく、個々人の私的な蓄財に回される、または本来の外交活動ではなく、私的な遊興費等として費消される等の事例はないか。
右質問する。