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平成二十一年六月十七日提出質問第五五八号
いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する佐藤勉国家公安委員長の見解等に関する再質問主意書
提出者 鈴木宗男
いわゆる足利事件に関連した取り調べの全面可視化導入に対する佐藤勉国家公安委員長の見解等に関する再質問主意書
一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき佐藤勉国家公安委員長は、同月五日の閣議後の記者会見(以下、「会見」という。)で、現在は一部のみに限定されている取り調べの可視化につき、「すべて今の態勢でいいという話でもない」との旨述べ、対象範囲の拡大を検討することを示唆したものの、全面的な導入については慎重な姿勢を見せたと報道されている。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七一第五一二号)を踏まえ、再質問する。
二 一の答弁は、要するに佐藤委員長として、確たる根拠も見解もないまま、当時の栃木県警は「しっかりした証拠の下に逮捕した」と述べたというものか。
三 菅家さんは十七年という人生の貴重な時間を奪われたのである。そのきっかけを作った当時の栃木県警の責任は重大であるが、それを監督指導する立場にある佐藤委員長が、確たる根拠も見解もないまま、当時の栃木県警を擁護する発言をするのは、菅家さんの感情を逆撫でする、極めて不適切な行動であり、何より国家公安委員長としての適性が疑われるものではないのか。
四 一の答弁には「委員長就任以前の経験」とあるが、右はどの様な経験であるのか詳細に説明されたい。
五 「前回答弁書」では「御指摘のような菅家氏に対する暴力行為等が行われたという事実は把握しておらず、お尋ねにお答えすることは困難である。」と、菅家さんが当時の栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたことについては、政府としてそもそも把握していないとの答弁がなされているが、今後菅家さんが右の様な非人道的な取り調べを受けた事実はないか、栃木県警を指導監督する責任者として、佐藤委員長は何らかの調査を指示する考えはあるか。
六 五で、あるのなら、佐藤委員長として当該調査をいつからどの様な方策をもって行わせる考えでいるのか説明されたい。
七 五で、ないのなら、それはなぜか説明されたい。
八 本年六月十七日、栃木県警の石川正一郎本部長は直接菅家さんに面会し、謝罪したと承知するが、佐藤委員長としても、菅家さんに直接面会し、謝罪する考えはあるか。
九 八で、あるのなら、いつ謝罪する考えでいるのか明らかにされたい。
十 八で、ないのなら、それはなぜか説明されたい。
右質問する。