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平成二十二年八月三日提出質問第三四号
菅内閣の日本航空再生施策に関する質問主意書
提出者 三ッ矢憲生
菅内閣の日本航空再生施策に関する質問主意書
日本航空(以下「日航」とする)は、平成二十二年一月十九日に経営破綻し、会社更生法の適用を申請、即日更生手続きに入った。以降、半年以上が経過し、その間、更生計画案の提出が六月末から二カ月も遅滞するに留まらず、報道によれば、債務超過は約九百億円増の九千五百億円に拡大すると共に、金融機関の債権放棄額も増加、そして、今なお、更生計画は、企業再生支援機構・日航と金融機関の間で合意に至らずに迷走を続けている。
これらの状況を鑑み、政府の見解及び取り組みに関し、次の事項について質問する。
少なくとも、金融機関がリファイナンスに応じることが「再生可能な更生計画」の前提であり、金融機関が借り換えに応じない計画を「更生計画」と言えるのか、政府の見解を問う。
二 機構が三千五百億円の出資をした後でも、実質債務超過が解消されないとも言われているようだが、その計画が「再生可能な更生計画」と言えるのか、政府の見解を問う。
三 報道によれば、債権カット料率を八十三パーセントから八十七・五パーセントに引き上げ、更に、出資を三千億円から更に五百億円も増やし、それでも金融機関はリファイナンスに応じていない。その理由を政府はどう考えているのか、見解を問う。
金融機関がリファイナンスに応じないのは、今の更生計画では日航が再建する蓋然性が極めて乏しいからではないのか、政府の見解を問う。
四 前原国土交通大臣は、リストラの範囲を決めるのは、機構であり日航であると言われているが、その計画で、結果、公的資金が回収できなければ、地方路線も守れず、税金も無駄になる。前原大臣は、この問題は、日航の再建が目的ではなく、航空産業の発展と地域の活力がより生まれることが目的と言われているが、機構と日航にその責任能力はない。責任は、機構と日航に再生を委ねた行政にあると考えるが、政府の見解を問う。
また、過剰支援により、三年後にスポンサーがなく、国が肩代わりして国営化することがないか、見解を問う。
五 日航再建は、多額の公的資金を使う極めて重要な問題であり、国会への徹底した情報開示と丁寧な説明は、国民に対する国会の責務である。なかでも、その資金の使い道については、不透明な人件費関係の支払いや営業関連経費の支払いに充てられないようにすることが、航空産業の発展と地域の活力を生む目的にかなうと考える。
しかしながら、先の第百七十四回国会では、情報開示も参考人招致も殆ど対応されず、更生手続きの透明性・衡平性が確保されていない。
機構が三年後に債権譲渡等の処分を決定するまでの間、更生計画とその進捗及び公的資金の使途等の各種情報を適宜、国会に開示すること、政府の見解を問う。
右質問する。