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平成二十三年十月二十日提出
質問第三号

我が国が目指す自由貿易体制のあり方に関する質問主意書

提出者  浅野貴博




我が国が目指す自由貿易体制のあり方に関する質問主意書


一 昨年十月一日、当時の菅直人内閣総理大臣が第一七六回臨時国会での所信表明演説において、環太平洋経済連携協定(TPP)について言及し、以後、政府としてそれに関する交渉、そしてその枠組みへの参加を目指していると承知する。当方が過去に提出した質問主意書に対しても、「TPPはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋の中で唯一交渉が開始されている協定である」旨の答弁(内閣衆質一七七第一三号、五三号等)がなされているが、そもそもFTAAPとはどのような枠組みであるのか。二〇〇六年十一月のAPECにおいて、FTAAPの研究を進めていくことについて一致がなされていると承知するが、右の研究は、現時点までどの程度進められているのか。関税はじめ非関税障壁等、貿易並びに投資のルールはどのようなものになるのか、そしてその枠組みに我が国が参加することにより、メリット、デメリットとしてそれぞれどのような影響が我が国のどの分野に及ぶと考えられるのか。その詳細を明らかにされたい。
二 政府として、農業団体はじめ各種団体だけでなく、与党の民主党内も含め、様々なところから根強い反対論、慎重論が出されている中、TPPの交渉参加、そしてその枠組みへの参加を目指しているのはなぜか。突き詰めれば、将来的にFTAAPの枠組みを構築し、それに参加するためであり、TPPはあくまでもFTAAPへの一里塚であって、それにつながるステップの一つであるからと理解して良いか。
三 WTOにおいては、二〇〇一年よりドーハ・ラウンドが始められているが、交渉国間の合意が得られず、未だ合意に至ることができていない。この点に関し、昨年十一月九日に閣議決定がなされた「包括的経済連携に関する基本方針」において「WTOドーハ開発アジェンダ交渉の妥結を通じた国際貿易ルールの強化が今後とも重要であるが、ラウンド交渉の行方が不透明の中、主要貿易国間において高いレベルのEPA/FTA網が拡大している。しかし、こうした動きの中、我が国の取組は遅れている。」との記述がなされている。我が国として今後、ドーハ・ラウンドでの交渉にどのようなスタンスで臨む考えでいるのか説明されたい。
四 三で指摘した基本方針の中には、「主要貿易国間において高いレベルのEPA/FTA網が拡大している。」との政府の見方が披歴されているが、二国間のEPA、FTA締結の流れと、FTAAP、そしてその前提としてのTPPへの参加、並びにWTOドーハ・ラウンドでの多国間での貿易の枠組み作りという三つの流れに対し、我が国としてどのように相対していくのか。我が国として、遅々として進まないWTOドーハ・ラウンドでの妥結を目指すよりも、二国間のEPA、FTA交渉を進めていく考えなのか。そうであるならば、WTOと類似していると言ってもよい、FTAAP、そしてその前段階としてのTPPという多国間の取り決めに、現在こうも前のめりになって参加を目指しているのはなぜなのか。これらの連関性、整合性に係る政府の見解を示されたい。
五 我が国として、最終的に目指す貿易体制のあり方はどのようなものなのか。あくまでWTOの枠組みに沿った多国間での自由貿易ルールの確立を目指すのか、それとも個別の二国間でのEPA、FTA締結を積み重ねていくのか。または、FTAAPやTPPのような、WTOとは異なる新たな多国間の枠組み作りを目指すのか。政府の説明を求める。

 右質問する。



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