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令和六年二月二十日提出
質問第四八号

がん治療を必要とする高校生が治療と高校生活を両立するための支援に関する質問主意書

提出者  青柳陽一郎




がん治療を必要とする高校生が治療と高校生活を両立するための支援に関する質問主意書


 平成二十八年に改正された「がん対策基本法」第二十一条においては、「国及び地方公共団体は、小児がんの患者その他のがん患者が必要な教育と適切な治療とのいずれをも継続的かつ円滑に受けることができるよう、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする」と規定され、がん患者の学習と治療の両立について明記された。
 平成三十年三月に閣議決定された「第三期がん対策推進基本計画」においては、小児・AYA世代(思春期・若年成人)のがん患者のサポート体制は必ずしも十分なものでなく、特に、高等学校教育の段階における取組が遅れていることが指摘されており、小児・AYA世代のがん患者が治療を受けながら学業を継続できるよう、入院中・療養中の教育支援、退院後の学校での受入れ体制の整備等の教育環境の更なる整備が求められるとされた。これを受けて、文部科学省の調査研究や厚生労働科学研究等が行われているが、国立がん研究センターが令和三年三月に公表した「小児患者体験調査(令和元年度調査)」によれば、治療開始前に、教育支援等について医療従事者から説明があったと回答した割合は、小・中学校では八割程度であったのに対して、高等学校では逆に説明がなかったとの回答が六割を超すなど、高等学校段階のがん患者に対する学習と治療を両立するための支援体制の強化は喫緊の課題であると言える。
 これを踏まえ、次の事項について質問する。

一 令和三年度に「高校生活とがん治療の両立のための教育サポートブック」(厚生労働科学研究費補助金)が作成された。本成果物には、病気の負担の上に高校生活への復帰や進級・進学等に対する不安も抱える高校生のため、患者である高校生、保護者、学校関係者、医療関係者、教育委員会等の連携によるサポート体制の構築方法や、入院中から退院後の学習を継続し、安心して高校生活を送るための情報が記載されている。
 1 本成果物は、いかなる現場で実際に配布・周知されているのか。また、配布・周知のため、関係機関においてどのような体制が採られているのか。政府として把握されているところを明らかにされたい。
 2 現在のような配布・周知により、支援を必要とする患者である高校生、保護者等に対して十分かつ適時に本成果物が行き渡っていると考えているのか。
 3 文部科学省と厚生労働省は、本成果物の公開や関係機関への共有の際、何らかの連携をしているのか。
二 文部科学省が令和元年度及び令和二年度に実施した「高等学校段階における入院生徒に対する教育保障体制整備事業」においては、高等学校段階の入院生徒に対する教育保障体制の整備に係る調査研究を、合わせて八地域の都道府県・政令指定都市教育委員会等に委託したが、この成果に関し、他の都道府県教育委員会等や高等学校が参考とし、患者である高校生が必要な支援を受けることができるよう、文部科学省は何らかのフォローアップを行ったのか。
三 令和五年三月に閣議決定された「第四期がん対策推進基本計画」においては、教育支援の充実に向け、医療従事者と教育関係者との連携に努めるとともに、療養中に教育を必要とする患者が適切な教育を受けることのできる環境の整備、就学・復学支援等の体制の整備を行うこととされたが、今後、具体的にどのような取組を進めるのか。
四 文部科学省令の改正により、令和五年四月から、病気療養中の生徒等に対する事前に収録した授業動画を視聴するオンデマンド型の授業による単位認定も可能とされたが、病院等における視聴のための環境整備等について、いかなる取組を実施しているのか。また、在宅で療養する場合にも受講できる環境整備等については、いかなる取組を実施しているのか。
五 高等学校は義務教育ではないため、治療のために特別支援学校等に転校した場合に元に戻れる保証がないことや、そもそも高等部のある特別支援学校が少ないことなど、義務教育段階とは異なる難しさがある。このような高等学校段階の特性を踏まえ、今後、がん治療を必要とする高校生に対して、国はどのような支援策を推進していくつもりか。

 右質問する。

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