答弁本文情報
平成十四年六月四日受領答弁第七三号
内閣衆質一五四第七三号
平成十四年六月四日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 綿貫民輔 殿
衆議院議員川田悦子君提出有事立法における日本赤十字社の役割に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員川田悦子君提出有事立法における日本赤十字社の役割に関する質問に対する答弁書
一及び二について
武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案(以下「法案」という。)第二条第五号は、公共的機関として日本赤十字社等を例示しているが、同号に定める指定公共機関(以下「指定公共機関」という。)は、今後政令で指定されるものに限られる。また、法案が成立した場合には、指定公共機関に実施を求めることが必要となる対処措置の具体的な内容については、その後に整備される個別の法制において定められることとなる。
日本赤十字社については、日本赤十字社法(昭和二十七年法律第三百五号)第一条において、「赤十字に関する諸条約及び赤十字国際会議において決議された諸原則の精神にのっとり、赤十字の理想とする人道的任務を達成することを目的とする」とされ、また、同法第三条において「その自主性は、尊重されなければならない」とされている。また、赤十字国際会議で決議された国際赤十字・赤新月運動の基本原則においては、赤十字の公平、中立、独立等の原則が定められているところである。
このため、仮に、日本赤十字社が指定公共機関に指定されるとしても、その自主性、公平性及び中立性は尊重されなければならないものであって、今後の個別の法制の整備やその運用に当たって、このことに配慮することは当然であると考えている。
なお、法案第三条第五項は、武力攻撃事態への対処に係る基本理念を定めたものであり、直ちに、個々の指定公共機関に具体的な義務を課するものではない。