衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十八年十一月二日受領
答弁第一一五号

  内閣衆質一六五第一一五号
  平成十八年十一月二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員笹木竜三君提出防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員笹木竜三君提出防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に関する質問に対する答弁書



一の1について

 防衛庁のままでは、その所掌する法令の制定や重要な活動に関する閣議請議や財務大臣への予算要求を防衛庁長官が直接行うことができない。また、「庁(Agency)」であることで諸外国の国防を担当する行政機関と対等ではないと対外的に誤解が生ずる場合がある。
 防衛庁を省に移行することで、国の防衛に専任する主任の大臣が置かれることとなり、その結果、このような閣議請議や予算要求を直接行うことができ、様々な緊急事態により迅速に対応することが可能となり、我が国の危機管理態勢がより充実し、強化される。また、諸外国の国防を担当する行政組織と対等な「省(Ministry)」という位置付けになることでそのような誤解を招くこともなくなる。さらに、我が国の防衛と国際社会の平和の実現に取り組む我が国の姿勢がより明確になるものと考えている。

一の2及び3について

 我が国においては、行政機関を省とするか庁とするかは、その行政機関が担う任務の性格等によるものと考えられるところ、防衛庁がこれまで庁とされてきたのは、その任務の性格が主として防衛力整備や人事といった自衛隊の管理にあると考えられていたことが、その主な理由であると考えられ、自衛隊の憲法上の位置付けによるものではない。したがって、防衛庁の省移行によって、お尋ねのような憲法上の問題が生じることはない。

一の4について

 防衛庁の省移行に伴い、国の防衛に関する事務を分担管理する主任の大臣は防衛大臣となることから、主任の大臣としての指揮監督は、内閣総理大臣ではなく防衛大臣が行うこととなる。また、防衛大臣は閣議請議や財務大臣への予算要求を自ら行うこととなる。
 一方、自衛隊の最高の指揮監督権(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第七条)や防衛出動の下令(同法第七十六条)等の内閣の首長としての内閣総理大臣の権限は、現行のまま変更しないこととしており、シビリアン・コントロールの基本的な枠組みに変更はない。

一の5について

 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)上、内閣府の所掌事務のうち防衛庁の所掌事務は、内閣府の長たる内閣総理大臣を主任の大臣とする分担管理事務の一つと整理されており、行政各部の施策の統一を図るために必要となる総合調整権限の対象となる事務とはされていない。したがって、防衛庁の省移行により、内閣府の総合調整権限についての位置付けの変更はない。

一の6について

 内閣の首長としての内閣総理大臣については、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する。」という内閣法(昭和二十二年法律第五号)第六条にいう内閣総理大臣であり、具体的には、自衛隊の最高の指揮監督権を有する内閣総理大臣(自衛隊法第七条)のほか、防衛出動(同法第七十六条)、治安出動(同法第七十八条及び第八十一条)及び自衛隊の施設等の警護出動(同法第八十一条の二)の下令、海上における警備行動の承認(同法第八十二条)等を行う内閣総理大臣がこれに当たる。
 また、内閣府の長としての内閣総理大臣については、防衛庁の所掌事務を分担管理する主任の大臣と解釈される内閣総理大臣であり、具体的には、防衛出動下令前の行動関連措置としての物品の提供(同法第七十七条の三)、後方地域支援としての物品の提供(同法第百条の九)、訓練のための漁船の操業の制限又は禁止(同法第百五条)等を行う内閣総理大臣がこれに当たる。

一の7について

 現行自衛隊法第八条は、内閣府の長としての内閣総理大臣の防衛庁長官に対する指揮監督権を確認的に規定したものである。この規定は、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(以下「本法案」という。)において、防衛大臣が国の防衛に関する主任の大臣となることに伴い、「防衛大臣は、この法律の定めるところに従い、隊務を統括する。」と改正することとしているところであり、また、自衛隊の最高指揮監督権等自衛隊法の定める内閣の首長としての内閣総理大臣の権限については現行のまま変更しないことから、シビリアン・コントロールの基本的枠組みに変更はない。

一の8について

 我が国の安全保障や危機管理については、内閣の統轄の下で、関係する各府省の長がそれぞれ分担管理している行政事務を行うとともに、内閣官房の主任の大臣である内閣総理大臣が、必要に応じ、これらに関する事務について、法律の規定に基づき、総合調整等を行うこととされている。
 この枠組みは、防衛庁の省移行によって変更されることはない。

一の9について

 現行自衛隊法第八十条第一項において、海上保安庁を「その統制下」に入れる権限を有する「内閣総理大臣」については、国土交通大臣の指揮監督下にある海上保安庁の統制の権限を与えるという事柄の性質及びその重要性にかんがみれば、内閣の首長としての内閣総理大臣と解される一方、「その統制下」の「その」が意味する内閣総理大臣については、海上保安庁の統制の権限を与えられた内閣府の長としての内閣総理大臣と解される。
 本法案においては、これを踏まえ、内閣の首長としての内閣総理大臣の権限は変更せず、内閣府の長としての内閣総理大臣の権限は新たな主任の大臣である防衛大臣に移行させるため、同項中「その統制下」とあるのを「防衛大臣の統制下」と改正するものであり、問題はない。

一の10について

 今般の北朝鮮による核実験実施の発表に関する防衛庁・自衛隊の対応については、危機管理上特段の問題があったとは認識していない。なお、防衛庁の省移行により、様々な緊急事態により迅速に対応することが可能となり、我が国の危機管理態勢がより強化されると考えている。

一の11について

 防衛庁の省移行により、現在、内閣官房に置かれている国務大臣秘書官一名を防衛省に置くこととなるため、その定員については、内閣官房から防衛省に振り替えられる。また、省移行によって、自衛隊の装備に変更はなく、予算についても、内閣府から防衛省に所管その他の所要の移し替えを行うほかは、変更はない。
 防衛施設庁の廃止及びその機能の本省への統合に当たっては、業務の合理化、効率化等を図るとの観点から、防衛省の事務官等の定員を全体で百十五名純減するとの内容で、防衛庁より平成十九年度概算要求を行い、現在、政府部内で調整及び検討をしているところである。また、その統廃合により、自衛隊の装備については変更はなく、予算については外局である防衛施設庁の予算が防衛本省の予算に統合されることとなる。

一の12について

 防衛庁の省移行により、防衛参事官の設置趣旨に変更は生じない。

一の13について

 防衛庁の省移行によって、現在の「政治任用職」を変更することは考えていない。
 なお、防衛庁の省移行に当たっては、自衛隊に係る法律、予算等が国会の民主的コントロールの下に置かれること、文民たる内閣総理大臣が内閣を代表して自衛隊に対する最高の指揮監督権を保有し、文民たる防衛庁長官(省移行後は防衛大臣)が自衛隊の隊務を統括していること、内閣に国防に関する重要事項等を審議する安全保障会議が置かれていることなど、シビリアン・コントロールの基本的枠組みは変更しないこととしており、シビリアン・コントロールは引き続き厳格に確保される。

一の14について

 自衛隊による国民保護等派遣を行う場合には、防衛庁長官の命令に関して内閣総理大臣の承認を得ることが必要とされている(自衛隊法第七十七条の四)ところ、防衛庁の省移行により、その承認を得る手続が効率化され、自衛隊がより迅速に対応できることとなるものと考える。

一の15について

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号)、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)等については、国会での御審議の上成立した法律であり、その内容にシビリアン・コントロールの観点から問題があるとは考えていない。
 また、政府として、その審議の場などにおいて、国会に対し十分に御理解いただけるよう、これまでもできる限りの説明をしてきたところであり、防衛庁が省に移行しても、政府が国会に対して説明責任を果たすべく、引き続き努力するのは当然のことと考えている。

一の16について

 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(平成八年条約第四号)との関係で、防衛庁の省移行後に何らかの新法を制定することが、現時点において具体的に検討されているわけではない。

二の1について

 御指摘の「防衛施設庁の入札談合事件」については、防衛施設庁長官を委員長とする防衛施設庁入札談合等に係る事案に対する調査委員会及び防衛庁副長官を委員長とする防衛施設庁入札談合等再発防止に係る抜本的対策に関する検討会を設けた。同検討会においては、建設工事の入札手続、職員の再就職、人事管理、組織、所管公益法人との関係の在り方等の各分野における抜本的な再発防止策を取りまとめ、これにより同種事案の再発防止を図ることとしているところである。本事案についての処分としては、八十四名の関係者について懲戒処分等を実施した。
 御指摘の「薬物事案」については、平成十七年七月以降、自衛隊において大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)違反等の事案が続発したことを受けて、防衛庁副長官を議長とする薬物問題対策検討会議を設けた。同検討会議においては、服務指導及び教育の一層の徹底、入隊後における薬物検査の導入、各種相談、通報窓口の整備などの再発防止策を取りまとめ、これにより同種事案の再発防止を図ることとしているところである。平成十七年七月以降の本事案についての処分としては、平成十八年十月二十七日時点においては、二十二名の関係者について懲戒処分等を実施した。
 御指摘の「インターネットを通じた情報流出事案」については、防衛庁において発生した一連の情報流出を受けて、緊急の対策として、職務上使用したことのある私有パソコンからのファイル共有ソフトの削除、私有パソコンからの秘密の情報及び必要のないデータの削除並びに私有パソコンによる秘密の情報の取扱いの禁止を防衛庁の全機関に指示するとともに、流出した情報について早急にその内容の変更を図る等の措置を講じた。また、防衛庁長官政務官を委員長とする秘密電子計算機情報流出等再発防止に係る抜本的対策に関する検討会を設け、情報セキュリティ、秘密保全及び懲戒処分の観点からの再発防止策を取りまとめるとともに、現在、再発防止策の実施を監督するため防衛庁長官政務官を委員長とする秘密電子計算機情報流出等再発防止に係る対策実施委員会を設け、これにより同種事案の再発防止を図ることとしているところである。平成十八年十月二十七日までに報道がなされた海上自衛隊の護衛艦「あさゆき」の秘密情報流出事案をはじめとする情報流出事案の処分としては、五十二名の関係者の懲戒処分等を実施した。なお、報道がなされていない情報流出事案については、流出した資料の検索、閲覧等を誘発し、情報漏えいの範囲を拡大させる可能性があることから、公表を行っていないところであり、その処分についてもお答えを差し控えたい。
 御指摘の「海外への無断渡航」については、海上自衛隊の隊員による無断海外渡航を受けて、防衛庁に勤務する全職員を対象とした海外渡航に関する実態調査等を実施した。現在、海外渡航承認申請に係る制度の改善及び周知徹底、懲戒処分等の基準の作成、保全教育の強化等の対応を検討しているところであり、再発防止に努める所存である。処分については、平成十七年一月以降の関係者を対象とし、七名を懲戒処分等としたほか、その他の処分については、平成十八年十月二十七日時点においては、検討中である。
 御指摘の「陸上自衛隊第四戦車大隊における小銃等紛失事案」については、平成十八年九月八日、大分県玖珠駐屯地において、六四式小銃、九ミリ拳銃等の紛失を確認したことを受け、直ちに当該駐屯地所在の部隊や第四師団等により、当該駐屯地及びその関係先の捜索・調査を開始するとともに、警務隊による捜査を開始した。同月十一日、防衛庁長官の指示の下、陸上幕僚長から各部隊長等に対し、小火器等の管理要領についての再徹底を通達したところであり、武器管理の徹底により、再発防止に努める所存である。なお、本事案については、同年十月二十七日時点においては、捜索・調査及び捜査を継続中である。
 御指摘の「機関砲誤射事案」については、発生当日の平成十八年九月五日に海上幕僚監部監察官を委員長とする艦船事故調査委員会を設けた。同委員会においては、事故原因の調査等を行い、訓練作業において港内で砲に弾が装てんされた状態とならないよう措置を講じること及び発砲に係る点検時において砲に俯角をかけるなど砲を安全な方向に向ける措置を講じることを要点とする事故防止策を取りまとめ、これにより同種事案の再発防止を図ることとしているところである。関係者の処分については、同年十月二十七日時点においては、検討中である。

二の2について

 国民の信頼を基盤として存在している自衛隊において、一連の事案が生じたことで、国民の信頼を大きく損ねたことは誠に遺憾である。防衛庁においては、全庁を挙げて再発防止に取り組んでおり、国民の信頼回復に努めるべく、誓いを新たに、職員一丸となって厳格な規律の保持に努めているところである。
 その一方で、自衛隊の活動は、国内外での災害対応や国際平和のための活動が増加するなど、防衛庁・自衛隊の役割は重要性を増しており、「省」と位置付ける必要があると考えている。
 なお、防衛施設庁入札談合等事案については、二の1についてで述べたとおり抜本的な再発防止策を講じているほか、現在、防衛施設庁の廃止及びその機能の本省への統合を含む概算要求を行うなど、一連の施策を速やかに実施しているところであり、省移行により、組織が肥大化することはない。

二の3について

 防衛庁の省移行は、平成九年の行政改革会議最終報告において「政治の場で議論すべき課題である」とされて以後、政治の場で議論されてきたものであり、かかる議論の状況を踏まえ、本年六月九日に本法案を国会に提出したものである。
 一方、防衛施設庁の廃止及びその機能の本省への統合については、現在同庁が行っている業務に係る所掌事務、組織及び定員の変更を伴う抜本的な組織改編となることから、平成十九年度概算要求を行い、来年の通常国会に関連法案を提出する必要がある。

三の1について

 御指摘の「自衛隊の運用管理」の意味が必ずしも明らかではないが、自衛隊の指揮監督については、防衛庁の省移行に伴い、国の防衛に関する事務を分担管理する主任の大臣は防衛大臣となることから、主任の大臣としての指揮監督は、内閣総理大臣ではなく防衛大臣が行うこととなる。また、防衛大臣は、閣議請議や財務大臣への予算要求を自ら行うこととなる。
 一方、自衛隊の最高の指揮監督権や防衛出動の下令等の内閣の首長としての内閣総理大臣の権限に変更はない。

三の2について

 自衛隊員は、自衛隊法第五十三条に基づき、内閣府令で定めることにより、服務の宣誓をしなければならないとされており、その宣誓文は、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」である。したがって、本法案により、自衛隊の任務の位置付けが変更された場合においても、直ちに、宣誓文を変える必要があるとは考えていない。

三の3について

 防衛庁としては、「平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成十六年十二月十日閣議決定。以下「防衛計画の大綱」という。)に基づき、今後、国際的な安全保障環境を改善するために国際社会が協力して行う活動に主体的かつ積極的に対応していくこととしているが、当該活動の実施に関し、自衛隊員の負担がどの程度のものになるのかについては、個々の活動の内容や情勢の変化等により異なるものであり、現時点で一概にお答えすることは困難である。

三の4について

 若年定年退職者給付金制度や自衛官に支給される手当については、防衛庁の省移行に伴って見直しをすることは想定していない。

四の1及び12について

 国際平和協力活動(本法案第二条の規定による改正後の自衛隊法第三条第二項第二号に掲げる活動をいう。以下同じ。)については、防衛計画の大綱に示されているように、新たな安全保障環境においては、国際社会の平和と安定が我が国の平和と安全に密接に結びついているとの認識の下、これに主体的かつ積極的に取り組み得るための体制整備の一環として、自衛隊の本来任務(自衛隊法第三条に規定する自衛隊の任務をいう。以下同じ。)と位置付けることが適切と考え、本法案を提出したところである。
 このような措置と併せて、国際平和協力活動を行うに当たり、関係省庁、NGOやNPO等との協力を含め、現地での活動をより効果的かつ円滑に実施するための措置についても、状況に応じて適切に講じていく所存である。

四の2について

 在外邦人等の輸送(自衛隊法第百条の八)は、海外における緊急事態に際して、国民の生命又は身体の安全を確保するための活動であり、また、機雷等の除去(同法第九十九条)は、我が国の領海内における航行の安全確保及び公海における我が国船舶の航行の安全を確保するための活動であり、いずれも、国民の生命又は財産の保護を含めた公共の秩序の維持の観点から重要な活動と考えられる。
 したがって、国際平和協力活動を自衛隊の本来任務と位置付けることに併せ、これらの国民の安全に直結する在外邦人等の輸送等の活動も本来任務と位置付けることが適当と考えている。

四の3について

 国際平和協力活動等(国際平和協力活動及び本法案第二条の規定による改正後の自衛隊法第三条第二項第一号に掲げる活動をいう。以下同じ。)については、本法案により、その任務の性格が変更されるものではない。

四の4について

 防衛庁としては、国際平和協力活動に主体的かつ積極的に取り組むため、これまでも国際平和協力活動に対応し得る装備品等の整備を行ってきたところであり、本法案により国際平和協力活動の自衛隊の任務における位置付けが変更されることを踏まえつつ、今後ともこうした施策を推進していく考えである。

四の5について

 自衛隊が行う警戒監視活動については、本法案により、その実施する内容に変更があるわけではない。

四の6について

 本法案においては、自衛隊の任務における国際平和協力活動等の位置付けを見直し、本来任務として位置付ける一方、主たる任務である「防衛」との関係では、「主たる任務の遂行に支障を生じない限度」において実施することとしている。

四の7について

 御指摘の「テロ対策特措法やイラク特措法に基づく活動に対する基本的な考え」の意味が必ずしも明らかではないが、本法案により、これらの活動の性格や内容が変更されるものではない。

四の8について

 御指摘の「領域警備」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、武装工作員等による不法活動や不審船事案が生じた場合において、より有効な対処ができるよう、平成十三年に自衛隊の施設等の警護出動(自衛隊法第八十一条の二)を創設する等の取組とともに、海上保安庁の武器使用権限及び海上における警備行動時の自衛隊の武器使用権限を強化する等の取組を行ったところであり、今後とも我が国の平和と安全を守り、公共の秩序を維持するための態勢に間隙を生じさせることのないよう、万全を期してまいりたい。

四の9について

 国際平和協力活動については、停戦監視、軍艦への給油など軍事的な機能が重要な役割を担う任務がその中核的な部分を占めていることを踏まえると、自衛隊が長年にわたって蓄積してきた技能、経験、組織的な機能を活用することが最も適切であるだけでなく、自衛隊とは別に自己完結性を備えた組織を整備することは、膨大な経費と時間を要し、適切ではないと考えている。

四の10について

 お尋ねの「国権の発動」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、我が国が国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)に基づき国際連合平和維持活動等のために実施する業務は、国家の意思に基づいて行われるものである。

四の11について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、我が国としては、憲法の禁じる武力の行使をすることはできない。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.