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答弁本文情報

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令和六年二月九日受領
答弁第二七号

  内閣衆質二一三第二七号
  令和六年二月九日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員小熊慎司君提出地方における農業の振興と農村地域の活性化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小熊慎司君提出地方における農業の振興と農村地域の活性化に関する質問に対する答弁書


一について
  
 お尋ねの「農産物価格の変動に応じた所得補償を行い、農業所得の安定化を図る」ことの具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論としては、農業者の所得を補償する施策については、農業経営の改善に向けた取組を妨げる懸念があること等から、その導入は考えていない。

二の1について
  
 御指摘の「安定的な農業所得につながる施策の拡充」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和三年五月に農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」に掲げる目標の実現に向けて、同省においては、環境保全型農業直接支払交付金等により有機農業などの自然環境の保全に資する農業の生産方式を導入した農業生産活動の実施を推進するとともに、農林水産物の生産等における環境への負荷の低減の状況をラベルの貼付等により可視化し、消費者の選択に資する取組を進めている。また、令和五年十二月二十七日に食料安定供給・農林水産業基盤強化本部において取りまとめた「食料・農業・農村基本法の改正の方向性について」において、「食料の価格形成に当たっては、農業者、食品事業者、消費者といった関係者の相互理解と連携の下に、農業生産等に係る合理的な費用や環境負荷低減のコストなど、「食料の持続的な供給に要する合理的な費用」が考慮されるようにしなければならないことを明確化する」としていること等を踏まえ、食料・農業・農村基本法(平成十一年法律第百六号)の一部を改正する法律案の第二百十三回国会への提出に向けて必要な検討を進めているところである。

二の2について
  
 御指摘の「教育分野等地域の食料システムに取り組む自治体」の意味するところが必ずしも明らかではないが、農林水産省においては、みどりの食料システム戦略推進交付金により、御指摘の「有機農業指導員の確保」に取り組む都道府県や、地域全体で有機農業に取り組む市町村への支援を行っているところであり、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたい。

三について
  
 農作物の高温障害として、例えば、米穀の白濁化や果実の着色不良が挙げられ、農林水産省としては、これらの問題に対処する必要があると認識している。このため、同省においては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が行う高温の環境下においても白濁しにくい水稲の品種や着色不良が発生しにくいりんごの品種の開発等を支援しているところである。

四について
  
 農林水産省においては、新規就農者育成総合対策により、都道府県や市町村等が行う、新たに就農しようとする者が農業の技術を習得するための研修施設の整備、就農準備段階や経営開始直後の青年就農者を対象とした資金の交付、農業に関する学科を置く高等学校等における企業や他の教育機関、研究機関等の関係機関と連携した教育の実施等について支援を行っているところであり、こうした取組を通じて農業の担い手の育成・確保を推進してまいりたい。

五について
  
 御指摘の「戦略的作物助成交付単価や産地交付金分配単価、畑地化促進助成支援単価」については、主食用米から麦・大豆といった需要があり、かつ、海外からの輸入に依存している作物への転換等が進むよう設定等をしているところである。

六について
  
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、農林水産省においては、御指摘の「農村型地域運営組織(農村RMO)の推進、支援」に当たり、農村型地域運営組織形成推進事業により、中山間地域等において、複数の集落が、地域の実情に応じて、自治会等を含めた多様な主体の連携・協働により、農地保全対策又は地域資源の活用の取組及び当該取組と併せて行う生活の利便性の向上に向けた取組を実施する場合、これらの取組に関する計画の策定や、当該計画に応じた調査、実証等の経費に対する補助を行っているところである。

七について
  
 農林水産省においては、御指摘の「化学肥料原料の国際価格」の影響を受けにくい畜産経営を確保すること等を目的として、国内肥料資源利用拡大対策事業により、地方公共団体又は民間事業者等による家畜排せつ物や下水汚泥等の国産の肥料原料の利用拡大に向けた取組に対する支援を行っているほか、飼料自給率向上緊急対策事業により、飼料生産を行う農家等と畜産農家との連携の強化等による国産飼料の生産及び利用拡大の推進等を行っているところである。

八の1について
  
 お尋ねの「被害防止に向けた国の各種補助制度の拡充の施策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、野生鳥獣による農作物等の被害を防止するため、農林水産省においては、鳥獣被害防止総合対策交付金(以下「交付金」という。)により、鳥獣の捕獲等による個体数調整、侵入防止柵の設置等による被害防除及び緩衝帯の設置等による生息環境管理の取組を支援している。交付金については、これまでも鳥獣被害をめぐる状況の変化に応じてその拡充や見直しを行ってきており、例えば、令和五年度補正予算においては、鳥獣による農作物等への被害の増大の主要な原因となっているシカに対応するため、都道府県等が行う、これを効果的・効率的に捕獲する取組等への支援を強化したところである。

八の2について
  
 農林水産省においては、野生鳥獣による農作物等の被害を防止するためには、鳥獣の捕獲に係る優れた技術を有する専門家の確保及び育成が重要であると考えており、交付金により、市町村ごとに開催される農業者等を対象とした捕獲技術の取得に関する講習会や、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第三十九条第一項の狩猟免許の取得等に関する講習会の開催に対する支援等を行っているところである。

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