答弁本文情報
昭和二十九年二月五日受領答弁第四号
(質問の 四)
内閣衆質第四号
昭和二十九年二月五日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 堤 康次※(注) 殿
衆議院議員並木芳雄君提出品種改良家の表彰に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員並木芳雄君提出品種改良家の表彰に関する質問に対する答弁書
優良品種を育成することは食糧増産上きわめて重要なことであり、従来より品種改良に貢献した技術者及び篤志家も少なくないがこれらの品種改良における貢献者に対する感謝又は表彰については、古くは小麦江島神力(昭和十四年における栽培面積六万五千五百九十二町歩)さらに最近では昨年の冷害克服にきわめて顕著な効果をあげた水稲藤坂五号(昭和二十八年における栽培面積一万七千二百十八町歩推定)の育成者に対して行われた。
しかしながら、これらの感謝又は表彰についての具体的な基準、方法等については国家公務員及びこれに準ずる者を除いてはこれまで規定されたものがない。
ただ育成者の地元又は有志等による表彰は大分行われているようであるが、これも国で行う場合はその品種の適用範囲及び経済効果並びにそれらの将来性等を全国的視野から検討する必要があると思われる。
今回表彰方御要望のあつた林丈太※(注)氏の育成した「平山オカボ」の栽培は、現在のところ東京都及び神奈川県が中心であつてその栽培面積も一千町歩以下と推定されるので、この程度では国家表彰としては不適当なものと考える。
右答弁する。