細田博之前衆議院議長の突然の訃報に接し、誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
細田前議長は、平成2年に衆議院議員に初当選されて以来、11回の当選を重ねられ、平成27年には衆議院から永年在職議員表彰を受けられました。
細田前議長は内閣官房長官、自由民主党の幹事長や総務会長等を歴任された後、令和3年に第78代の衆議院議長に就任されました。令和4年2月には、ロシアによるウクライナ侵略が開始され、この力による一方的な現状変更の試みに対し、翌3月、細田前議長は本会議における非難決議の採択のほか、ウクライナのゼレンスキー大統領による憲政史上初となるオンラインでの演説を実現されました。
また、安定的な皇位継承をめぐる立法府の議論に関しては、令和4年1月に政府から報告を受け、衆参両院の各党・各会派からなる全体会議を開催し、速やかな検討を要請されました。細田前議長は、その推移を最期まで気にかけておられました。私も微力ながらその思いを引き継いでまいりたいと存じます。
本年10月、細田前議長はご自身の体調が万全でないことから、議長としての重要な公務に支障をきたすことを避けるため、議長職を辞することを決断されました。議長退任の後、一刻も早い回復をお祈りしておりました私どもにとっては痛恨の極みであります。
細田前議長は、エネルギー政策をはじめとした経済政策や選挙制度への造詣など幅広い分野に関し、精通した知識と豊富な政治経験に加え、与野党を問わず数多くの議員から信頼され、また尊敬される政治家でありました。
御生前の憲政への御貢献に敬意を表し、謹んで御冥福をお祈りいたします。
(令和5年11月10日) |