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○科学技術委員会

[1] 原子力災害対策特別措置法案(内閣提出第70号)

成立(平成11年法律第156号)

本案は、最近の原子力施設における重大な事故の発生の際に明らかとなった原子力災害に対する対策の現状、原子力災害の特殊性にかんがみ、特別の措置を定めることにより、災害対策基本法その他の法律と相まって、国、地方公共団体、原子力事業者等による原子力災害に対する対策の抜本的な強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、財産等を保護することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりである。

1 原子力災害の予防に関する措置

(1) 原子力事業者は、事業所ごとに、原子力事業者防災業務計画を作成し、放射線測定設備その他の必要な資機材を整備しなければならないものとするとともに、防災組織を設置し、防災要員を置くものとすること。また、事業所ごとに防災管理者を選任するものとし、防災管理者は、事業所の境界付近において基準以上の放射線量が検出されたことその他の事象の発生について、直ちに、主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事に通報しなければならないものとすること。

(2) 主務大臣は、事業所ごとに、緊急事態応急対策拠点施設を指定するものとすること。

(3) 原子力災害予防責任者が共同して行う防災訓練は、主務大臣が作成する計画に基づいて行うものとすること。

2 原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等

(1) 内閣総理大臣は、主務大臣から緊急事態の報告があったときは、直ちに、原子力緊急事態宣言を発出し、閣議にかけて、臨時に原子力災害対策本部を設置するものとすること。

(2) 原子力災害対策本部の本部長は内閣総理大臣とし、副本部長、本部員その他の職員を置くとともに、対策本部の事務の一部を行う組織として1の(2)の緊急事態応急対策拠点施設に原子力災害現地対策本部を置くものとし、本部長は緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため、関係者に対し必要な指示をすることができるものとすること。

(3) 緊急事態宣言があったときは、現地対策本部と地方自治体の災害対策本部は、情報を交換し、緊急事態応急対策について相互に協力するための原子力災害合同対策協議会を組織するものとすること。

3 その他

(1) 緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策を的確かつ円滑に実施するため、対策事項、実施責任及び実施に当たっての連携協力について所要の規定を設けるものとすること。

(2) 原子力防災専門官を置くものとし、原子力事業者の防災業務計画の作成、原子力防災組織の設置等に関する指導及び助言を行うほか、必要な情報の収集等の業務を行うものとすること。

4 災害対策基本法の規定の適用について読替えを規定する等、所要の規定を設けるものとすること。

(修正要旨)

原子力防災管理者から事象の発生について通報があった場合の原子力防災専門官の業務内容について、明確化を図るための措置を講ずるものとすること。

附帯決議(11.11.24)

政府は、原子力の安全対策に万全を期すとともに、万が一の際の防災体制を確立するため、本2法の実施に当たっては、特に次の諸点についての適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。

1 地方分権の時代背景をも踏まえ、都道府県及び市町村の防災会議が、原子力災害に関する地域防災計画の策定や関係機関との連携強化のための活動を定期的に行う場合においては、それらの活動が円滑かつ的確に実施されるよう、必要な支援に努めること。

2 原子力災害時の初期対応の重要性とその際に応急措置の実施等を行う市町村長の役割の重要性に鑑み、常駐する原子力防災専門官による助言を含め、国、都道府県等の関係機関は、その支援に万全を期すこと。

3 地域防災計画、緊急事態応急対策拠点施設、放射線等の監視、情報伝達などについて住民の安心と納得が十分に得られるよう整備の充実、情報開示に努めること。

4 主務大臣に対する申告に関する制度について、申告者の利益の保護のために万全の配慮をするとともに、虚偽の申告が意図的になされていた事実が明らかになった場合においては適切な運用を行うこと。

5 原子力安全規制の徹底を図るため、規制官庁による法の厳格な実施及び原子力安全委員会による規制行政監視機能の十分な発揮が図られるよう、独自性の強化、事務局体制の充実等適切な措置を速やかに講ずること。

[2] 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第71号)

成立(平成11年法律第157号)

本案は、最近の核燃料加工施設における重大な事故の発生にかんがみ、加工の事業についての保安対策の強化を図るため、加工施設の定期検査等の制度を設けるほか、加工の事業その他の原子力事業における核燃料物質の取扱い等について万全を期するため、これらの事業者に対し、保安教育についての規定を含む保安規定の整備及び当該保安規定の遵守の状況に関する検査の受検を義務付ける等所要の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。

1 加工施設の定期検査等の制度の新設

(1) 使用前検査

加工事業者は、加工施設の工事及び性能について内閣総理大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、加工施設を使用してはならないものとすること。

(2) 施設定期検査

加工事業者は、加工施設の性能について、内閣総理大臣が毎年一回定期に行う検査を受けなければならないものとすること。

2 保安教育、保安規定の遵守の状況に関する検査等に関する規定の整備

(1) 製錬事業者等が定め、主務大臣の認可を受けなければならないものとされる保安規定に、核燃料物質の取扱い等に関する保安教育についての規定を含むものとするとともに、製錬事業者等は保安規定の遵守の状況について、主務大臣が定期に行う検査を受けなければならないものとすること。また、この検査に当たっては、主務大臣の指定する職員は、事業所等への立入り、帳簿等の検査、関係者に対する質問及び核燃料物質等の必要な試料の提出をさせることができるものとすること。

(2) 原子力保安検査官

科学技術庁及び通商産業省に、原子力保安検査官を置くものとするとともに、原子力保安検査官は(1)の検査に関する事務に従事するものとすること。

3 主務大臣に対する申告に関する制度の新設

製錬事業者等がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反する事実があるときは、これらの者の従業者は、その事実を主務大臣に申告することができるものとするとともに、製錬事業者等は申告をしたことを理由として、その従業者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること。

4 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

附帯決議(11.11.24)

(注)前記[1]附帯決議と同文。



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