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○商工委員会

[1] 中小企業基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第1号)

成立(平成11年法律第146号)

本案は、近年の我が国における経済の発展、経済活動の多様化等中小企業をめぐる経済情勢の変化にかんがみ、中小企業に関する施策の総合的な推進を図るため、中小企業基本法を改正し、その基本理念、基本方針その他の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするほか、中小企業者の範囲の拡大を行うとともに、これにあわせ、中小企業等協同組合法、中小企業信用保険法等の関係32法律においても、施策の対象となる中小企業者の範囲を拡大するための規定を改正しようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 中小企業を新たな産業の創出、就業機会の増大、市場における競争の促進及び地域経済の活性化の促進等我が国経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有するものとして位置付け、独立した中小企業の自主的な努力が助長されることを旨とし、その経営の革新及び創業の促進、その経営基盤の強化並びに経済的社会的環境の変化への適応の円滑化により、中小企業の多様で活力ある成長発展を図ることを中小企業基本法の基本理念とする。

2 中小企業基本法において、新たな政策理念に基づき、中小企業の創意工夫に基づく成長発展に向けた自主的努力に対する支援施策として、経営の革新、創業及び創造的な事業活動の促進を図るため、研究開発の促進、情報提供及び研修の充実、資金調達の円滑化等の施策を講ずるとともに、中小企業の経営基盤の強化を図るため、資金、設備、技術及び人材等の中小企業に不足する経営資源の確保の円滑化、交流又は連携及び共同化の推進、取引の適正化等の施策を講じ、さらに、経済的社会的環境の変化への適応の円滑化を図るため、事業転換の円滑化、共済制度の整備、事業の再建又は廃止の円滑化等の施策を講ずる。

3 中小企業基本法及び関係32法律における中小企業に関する施策の対象となる中小企業者の範囲を、製造業その他の事業を営む企業については資本金基準を現行の1億円以下から3億円以下に、卸売業については現行の3,000万円以下から1億円以下に引き上げ、サービス業については現行の1,000万円以下から5,000万円以下に引き上げるとともに従業員基準を現行の50人以下から100人以下に引き上げ、小売業については資本金基準を現行の1,000万円以下から5,000万円以下に引き上げる。

4 この法律の施行期日を公布の日(下請代金支払遅延等防止法、小売商業調整特別措置法及び中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律の一部改正並びに関連の附則については、公布の日から起算して3月を経過した日)とするとともに、所要の経過措置に関する規定等を設ける。

附帯決議(11.11.16)

政府は、長期低迷する我が国経済を早急に回復させるため、引き続き適切な景気対策を講じつつ、中小企業が我が国経済活力の源泉であるとの認識の下、中小企業の多様で活力ある成長発展を図るために一層の努力を傾注するとともに、本法施行に当たり、特に次の諸点につき、適切な措置を講ずべきである。

1 中小企業者の範囲の拡大に伴い、既存の中小企業者に対する施策が手薄とならないよう、特に小規模企業や個人事業者に対し十分な配慮を払い、これら企業を支援するきめ細かく、メリハリの効いた施策の一層の充実に努めるとともに、本法に基づく各般の施策の実効を確保するため、必要な制度整備、予算等の確保に努めること。また、大企業系の企業が中小企業に該当することとならないよう留意すること。

2 本法に係る中小企業者の範囲に係る常時使用する従業員についての解釈は、雇用実態等を勘案しつつ、原則として、2ヵ月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該企業の通常の従業員と概ね同等である者とすること。なお、パートタイム労働者に依存せざるを得ない中小企業者が多くなっている実態等を踏まえ、経済情勢の変化等を迅速・適確に反映させるため、今後とも中小企業者の範囲に係る基準を含め、10年程度を目途に本法の見直しについて柔軟に対応すること。

3 中小企業者が行う失業者・高齢者の受け入れ等、雇用の確保・創出および従業員の労働条件の向上のための努力並びに技能・技術の継承および人材育成等、ものづくりのための基盤技術の振興努力に対し、特段の支援措置を講ずること。

4 中小企業者に対し積極的に各種施策の周知に努め、各種支援措置を中小企業者にとって分かりやすく、使いやすいものとするため、中小企業施策情報に対するアクセスを容易化しつつ、中小企業関係法制・制度等の整理統合・合理化を図るとともに、各種申請手続等を更に簡素化・迅速化すること。

5 中小企業の経営の革新および創業の促進を図るため、創業の意義および必要性に対する国民の関心および理解の増進に努め、企業家精神の涵養のための教育分野における取組みを強化するとともに、ベンチャー企業と投資家を適切に結びつける資本市場制度等の整備、資金の円滑な供給、十分な情報の提供など必要な施策を適確に実施し、中小企業者や創業者等の自立意欲を一段と喚起するよう努めること。

6 経済の多様化に伴い中小企業・ベンチャー企業政策としての税制の役割は益々増大していることに照らし、事業承継税制や各種ベンチャー税制等について、早急にその見直し・改善を図ること。

7 中小企業者に不当な不利益を与えるなどの不公正な取引を排除するため、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法および建設業法を、元請下請関係の実態などに十分に留意しつつ、厳正・迅速に運用すること。

8 中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止するため、分野調整法等の調整制度を遵守し、中小企業の事業活動の機会の適正な確保に努めること。

9 地域経済における中小企業の重要性にかんがみ、地方公共団体が地域の特性に応じた柔軟な中小企業関連施策の実施が可能となるよう、使いやすい施策メニューを提示する等格段の工夫を図るほか、民間能力の活用も含め地方公共団体の対応能力の向上を促すように十分配慮すること。

10 新たな中小企業施策の実効を期するため、商工会議所、商工会等各種中小企業団体の組織および人材の再活性化を図るよう、必要な措置を講ずること。

[2] 中小企業の事業活動の活性化等のための中小企業関係法律の一部を改正する法律案(内閣提出第72号)

成立(平成11年法律第222号)

本案は、近年の中小企業をめぐる経済環境の変化にかんがみ、中小企業の事業活動の活性化を図るため、中小企業信用保険法、中小企業金融公庫法等の中小企業関係7法律等を改正し、中小企業の事業活動に必要な資金の供給の一層の円滑化、事業協同組合等の組織の活性化、中小企業者の行う技術に関する研究開発等に対する支援の強化等を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 中小企業の事業活動に必要な資金の供給の一層の円滑化

(1) 中小企業信用保険法及び信用保証協会法を改正し、信用保証協会の業務として、中小企業者の発行する社債に係る債務の保証を行う業務を追加するとともに、信用保証協会が当該社債に係る債務保証を行う場合に、一定の要件を満たせば中小企業総合事業団との間で保険関係が成立する制度の創設等の措置を講ずる。

(2) 中小企業金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法を改正し、中小企業金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫が中小企業者が新たに発行する社債を取得できる制度の創設等の措置を講ずる。

(3) 中小企業近代化資金等助成法を改正し、中小企業者の設備の近代化に必要な資金の貸付けを行う都道府県に対し、国が必要な助成を行う制度から、小規模企業者等の創業及び経営基盤の強化に必要な設備の導入の促進に資するための資金の貸付けを行う都道府県への助成制度に移行する措置等を講ずる。

2 中小企業組合の組織の活性化

中小企業団体の組織に関する法律を改正し、事業協同組合、企業組合又は協業組合から株式会社又は有限会社への組織変更を可能とする規定を創設するとともに、商工組合による安定事業及び合理化事業を廃止する措置等を講ずる。

3 中小企業者の行う技術に関する研究開発等に対する支援の強化

中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法を改正し、特定中小企業者の範囲を拡大するとともに、研究開発等事業計画の認定事業者に係る新株引受権の付与に関する商法の特例措置等を講ずる。

4 附則

(1) この法律は、別段の定めがあるものを除き、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(2) 所要の経過措置等について規定するほか、関係法律について所要の改正を行う。

附帯決議(11.12.8)

政府は、創業・ベンチャー振興促進と併せ、小規模企業者等既存の中小企業者支援の重要性を十分認識し、間断なく政策評価を行い経済情勢の変化等を迅速・適確に中小企業政策に反映するとともに、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

1 中小企業者の直接金融による資金調達手段の多様化を図る重要性にかんがみ、中小企業信用保険法に基づく特定社債保険の対象中小企業者の要件の決定に当たっては、モラルハザードに十分留意しつつ、事業資金を社債によって調達する意欲のある将来性・成長性のある中小企業者が債務保証の途を閉ざされることとならないよう、十分な配慮を払うとともに、本法の施行状況に応じその見直しについても柔軟に対応すること。

2 中小企業金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫による社債引受の対象企業の審査に当たっては、民間専門家の積極的な活用等により成長性・新規性等について的確な判断を行い、中小企業者のニーズに応じた迅速かつ積極的な対応を行うよう努めるとともに、民間専門家の活用に当たっては当該企業の企業秘密の保全に万全を期するよう措置すること。

3 小規模企業者等設備導入資金助成法の実効性を確保するため、都道府県知事が本法の改正の趣旨に則した運用を適切かつ迅速に開始できるように、通商産業大臣告示を可能な限り早期にかつ明確な形で示すとともに、必要な財源確保に努める等施策の積極的な展開を図ること。

4 個人投資家によるベンチャー企業及びベンチャーキャピタルへの投資が活発化するよう、エンジェル税制について更なる制度の拡充を図るよう努めること。

[3] 新事業創出促進法の一部を改正する法律案(内閣提出第73号)

成立(平成11年法律第223号)

本案は、我が国の経済情勢の現状を踏まえ、我が国における事業活動を活性化させるためには新たな事業の創出を一層促進することが重要であることにかんがみ、新商品の生産等により新たな事業分野の開拓を図る事業活動を支援するための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 新事業分野開拓の実施に関する計画の認定事業者であって株式会社であるものに対し、次の措置等を講ずる。

(1) 資金調達の円滑化を図るため、商法の特例措置として、議決権のない株式の発行上限を2分の1に引き上げるとともに、優先配当をしなくてもよい期間を延長する措置

(2) 優秀な人材確保の円滑化を図るため、商法の特例措置として、新株引受権の付与上限を発行済株式総数の3分の1に引き上げるとともに、外部の支援者に対しても付与を可能とする措置

2 ベンチャーキャピタリストの育成及び活用を図るため、中小企業等に対する積極的な指導を行い得る中小企業等投資事業有限責任組合に対し、産業基盤整備基金による出資を可能とする措置等を講ずる。

3 附則

(1) この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(2) 特定新規事業実施円滑化臨時措置法を廃止することとし、所要の経過措置等について定めるほか、関係法律について所要の改正を行う。

附帯決議(11.12.8)

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

1 本法の運用に当たっては、実施計画申請の手続を簡素化するなど、利用者の利便性に配慮するとともに、認定事業者等が各種支援策を十分に活用できるようその周知徹底を図ること。

2 新事業分野開拓における資金調達の円滑化に資する中小企業等投資事業有限責任組合に対する支援施策の一層の拡充に努めること。

3 中小企業技術革新制度(日本版SBIR制度)について、参加省庁の拡大及びその予算額の一層の確保に努めること。

4 我が国経済の再活性化に向け、個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業に対する支援、中小企業者の新技術を利用した事業活動の促進及び地域産業の資源を活用した事業環境の整備の推進等の施策を積極的に展開すること。

5 ベンチャー企業等に対し、国有特許の円滑な活用、特許料の軽減等について早急に検討し、実現に努めるとともに、産学連携を一層推進し、その実効が確保されるよう各般の措置を講ずること。


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