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4 本会議の概況

(1) 内閣総理大臣の指名

第147回国会(常会)は1月20日に召集された。当初、小渕内閣の下でスタートした国会であったが、4月2日、小渕総理大臣が病に倒れ、4月4日、青木内閣総理大臣臨時代理のもとで小渕内閣が総辞職し、翌5日の衆参の本会議において森喜朗君が内閣総理大臣に指名された。

(2) 国務大臣の演説及び質疑

1月28日に小渕総理大臣の施政方針演説、河野外務大臣の外交演説、宮澤大蔵大臣の財政演説及び堺屋経企庁長官の経済演説が衆議院の本会議において行われ、これに対して、1月31日及び2月1日に各党の代表質問が行われた。

また、小渕内閣退陣後、4月7日、森総理大臣の所信表明演説が行われ、これに対して、10、11日の両日、各党の代表質問が行われた。

ア 小渕総理大臣の施政方針演説(1月28日)

(はじめに)

新しい千年紀の幕あけという記念すべき西暦2000年を迎え、第147回国会の開会に当たり、国政をお預かりする立場から、施政に関する所信を申し述べます。

西暦2000年の元日、この記念すべき日に我が国で誕生したいわゆるミレニアムベビーは2,000余人であります。20世紀から21世紀へ時代が移ろうとするそのときに、私は、あすの時代を担う子供たちのために何ができるのか、何をしなければならないのか、一人の政治家としてそのことをまず第1に考えるものであります。

この子供たちにどのような日本を引き継いでいくのか、この子供たちがやがて大人になったとき、日本という国家は世界から確固たる尊敬を得られるようになっているのであろうかと案ずるのであります。時代の転換期に当たり、私たちは、当面する短期の問題に集中する虫の目ではなく、10年、20年先を見据える鳥の目で日本のあるべき姿を熟慮し、そのために今何をなすべきかを考える必要があると確信いたします。

そのような思いから、私は、各界有識者から成る「21世紀日本の構想」懇談会を設置いたしました。新しい世紀の日本のあるべき姿を、富国有徳の理念のもと、さまざまな角度から議論していただき、先ごろ、10ヵ月に及ぶ議論の末にまとめられた報告書を受け取りました。

報告書は、21世紀最大の課題は、日本及び日本人の潜在力をどのように引き出すかであると述べております。これまで幾多の苦難を見事に乗り切ってきた私たち日本には、はかり知れないほどの潜在力があると私も確信いたしております。「日本のフロンティアは日本の中にある」という報告書の表題は、日本及び日本人の中にこそ大きな可能性があるのだということを力強く宣言しております。まさに私の思いと一致するところであります。

昨年の施政方針演説で、私は、建設的な楽観主義という言葉を使いました。コップの半分の水を、もう半分しかないと嘆くのではなく、まだ半分あると思う意識の転換が必要だと申し上げました。今、私は、日本及び日本人の意欲と能力をもってすれば、再びなみなみとコップに水を注ぐことが可能だと考えるものであります。

やればできるという立ち向かう楽観主義が大切であります。踏みとどまっていては、21世紀の明るい展望を開くことはできません。大事なことは、嘆き続けることではなく、一歩力強く踏み出すことであります。

経済再生内閣と銘打って内閣をお預かりしてから1年半が過ぎました。まだまだ安心できるような状況ではありませんが、時折ほのかな明るさが見えるところまでたどり着いたように思います。立ち向かう楽観主義で、この明るさを確かなものとするため、さらなる努力を傾注してまいることをお誓いいたす次第であります。

2000年の到来と同時に、新しい時代の風が吹き始めております。この風をしっかりととらえ、あすの日本の基礎を築いていかなければなりません。あすの日本は、個人が組織や集団の中に埋没する社会ではなく、個人が輝き、個人の力がみなぎってくるような社会でなければなりません。

個人と公が、従来の縦の関係ではなく横の関係となり、両者の協同作業による協治の関係を築いていかなければならないと考えます。自立した個人がその能力を十二分に発揮する、そのことが国家や社会を品格あるものにする、そのように国民と国家との関係を変えていく必要に迫られております。ここでは、失敗しても再挑戦が可能な寛容さを社会が持つとともに、社会のセーフティーネットが有効に機能することが必要であります。

先進諸国を初めとする多くの国々が、グローバル化、少子高齢化、それに社会の構造を根本から変える可能性を秘めた情報技術革命のうねりの中にあります。我が国もまた例外ではありません。明治以来、我が国は追いつき追い越せを目標に努力を重ねてまいりましたが、もはや世界のどこを探しても目標となるモデルは存在しておりません。日本のあるべき姿を、私たちはみずから考えなければならないのであります。

この際、私は2つの具体的目標を掲げたいと思います。輝ける未来を築くために最も重要なことは、いかに人材を育てるかであります。教育立国を目指し、21世紀を担う人々はすべて、文化と伝統の礎である美しい日本語を身につけると同時に、国際共通語である英語で意思疎通ができ、インターネットを通じて国際社会の中に自在に入っていけるようにすることであります。

もう1つは、科学技術創造立国であります。現在、日本も加わって遺伝子の解析が行われておりますが、こうした分野で日本が果たすべき役割は極めて大きいと確信いたしております。科学技術分野で日本が重要な位置を占めることができるよう、例えば遺伝子治療でがんの根治を可能にするなど高い目標を掲げ、その実現を図ってまいります。

昨年の施政方針演説で掲げました5つのかけ橋をさらに進め、国民の決意と英知をもって取り組むべき課題に、私は本年、5つの挑戦と名づけました。創造への挑戦、安心への挑戦、新生への挑戦、平和への挑戦、地球への挑戦の5つであります。国民の皆様の御理解と御支援を賜りたいとお願いするものであります。

(創造への挑戦)

新しい時代を輝けるものにするために、私はまず創造への挑戦に全力で取り組みます。未知なるものに果敢に挑戦し、我が国の明るい未来を切り開き、同時に世界に貢献していくためには、創造性こそ大きなかぎとなります。組織や集団の和をとうとぶ日本社会は、ともすれば発想や行動が画一的になりがちだと指摘されてまいりました。あすの日本社会は、いろいろなタイプ、さまざまな発想を持った人々であふれている、そうならなければ国際社会で生きていくことは難しいと考えます。

創造性の高い人材を育成すること、それがこれからの教育の大きな目標でなければなりません。志を高く持ち、さまざまな分野で創造力を生かすことのできる人材をどのように育てていくか、単に教育制度を見直すだけでなく、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革が求められております。広く国民各界各層の意見を伺い、教育の根本にまでさかのぼった議論をするために、私は教育改革国民会議を早急に発足させる考えであります。

教育は、学校だけでできるものではありません。学校とともに大事なのは家庭での教育であります。また、学校と家庭、それに地域コミュニティーがうまくかみ合ったものでなければならないと考えます。学校、家庭、地域の3者の共同作業で、あすの日本を担う人材育成に当たらなければなりません。

必要なときには先生も親もきちんと子供をしかる、悪いことをしている子供がいたらよその子供でもいさめてあげる、そのような社会をつくり上げなければならないと考えるものであります。子供たちは、学校や家庭だけのものではなく、社会全体の宝であるという考え方に立つべきであります。

申し上げるまでもなく、科学の進歩の速さには驚異的なものがあります。科学が進歩し続ければし続けるほど、科学をしっかりとコントロールできるような確かな心が必要になります。知識と心の均衡がとれた教育が求められるゆえんであります。

子供たちは、大人社会を見ながら育ちます。まず大人みずからが、倫理やモラルにふだんから注意しなければなりません。また、過激な暴力シーンや性表現のある出版物やゲームなどが青少年に悪影響を与えており、これを放置している社会にも問題があるとの指摘があります。子供の健全な発達を支えていく社会を築いていかなければなりません。

私は、司馬遼太郎氏の「21世紀に生きる君たちへ」を読むたびに、強い感動を覚えます。その中で、若い人たちに対し、自己の確立、自分に厳しく、相手に優しく、素直で賢い自己の確立を呼びかけ、また、助け合い、いたわりの気持ちの大切さを訴えております。これを改めて心に刻み、私は内閣の最重要課題として教育改革に全力で取り組むことをお誓いするものであります。

我が国の発展の原動力たるものは、科学技術であります。科学技術の進歩こそ、創造性の高い社会を築くために不可欠なものであります。政府一丸となってその振興を図ってまいります。とりわけ、情報化、高齢化、環境対応という今最も重要な3つの分野で、産業界、学界、政府共同のミレニアムプロジェクトを推進するとともに、研究を進めるに当たっての環境整備や産業技術力強化に力を注ぐ決意であります。また、我が国経済を支えてきた物づくりの大切さを深く認識し、ものつくり大学の設立を初め、その基盤強化を進めてまいります。

(安心への挑戦)

人々が生き生きと、しかも安心して暮らせる社会、そのような社会を築くことは、政治にとって最も重要な責任であります。青少年も、働き盛りの世代も、そして老後を暮らす人々も、皆健康で豊かで安心して生活できる社会をつくるために、私は安心への挑戦に取り組みます。

充実した人生を送るために必要な教育、雇用、育児、社会保障などを国民の一人一人がみずから選択し、人生設計ができるようにしていかなければなりません。

世界に例を見ない少子高齢化が進行する中で、国民の間には社会保障制度の将来に不安を感ずる声も出ております。医療、年金、介護など、制度ごとに縦割りに検討するのでなく、実際に費用を負担し、サービスを受ける国民の視点から、税制を初め関連する諸制度まで含めた総合的検討が求められております。

戦後の第1次ベビーブーム世代、いわゆる団塊の世代の人々がやがて高齢世代の仲間入りをいたします。社会保障構造のあり方についての検討が急がれるゆえんであり、私は、最後の検討機会との思いで、有識者会議を設置いたしました。高齢世代の社会的役割を積極的に位置づけ、多様な選択を可能にするために何が必要なのか、こうした問題を含め横断的な観点からの検討をお願いし、将来にわたり安定的で効率的な社会保障制度の構築に全力を挙げてまいります。

年金制度につきましては、国会で御審議をいただいておる法案の実施により世代間の負担の公平化を図るほか、新たに確定拠出型年金制度の導入を図ります。また、医療制度改革を進めるとともに、介護保険制度の本年4月からの円滑なスタートに万全を期し、介護サービス提供体制の計画的な整備など高齢者の保健福祉施策を積極的に推進いたします。

急速な少子化は社会全体で取り組むべき課題であります。明るい家庭をつくり、子育てに夢を持てるように保育・雇用環境の整備や児童手当の拡充などを進めてまいります。また、女性も男性も喜びと責任を分かち合える男女共同参画社会の実現に一層努力いたしてまいります。

現下の雇用情勢はまことに厳しいものがあります。これを重く受けとめ、雇用情勢を改善させ雇用不安をなくすために全力で立ち向かう考えであります。社会の変化に対応する雇用保険制度の再構築を図るとともに、高齢者の雇用機会の確保に努めてまいります。

安心できる生活の基盤は良好な治安によってもたらされます。治安を支える警察は国民とともになければなりません。一連の不祥事によって揺らいだ警察に対する国民の信頼を回復するため、公安委員会制度の充実強化を初め、必要な施策を推進いたします。また、時代の変化に対応し、国民にとって利便性の高い司法制度にするために必要な改革を行います。

阪神・淡路大震災から5年がたちました。多くの犠牲者の上に得られた教訓を決して忘れてはなりません。災害対策を初めとする危機管理に終わりはなく、さらなる対策の充実強化に努めてまいります。

(新生への挑戦)

我が国経済は緩やかな改善を続けております。大胆かつスピーディーに実施してまいりましたさまざまな政策の効果があらわれつつあり、またアジア経済の回復などもよい影響をもたらしております。しかしながら、民間需要の回復力はまだ弱い状況にあります。

私は、目の前の明るさを確かなものとするため、日本経済の新生への挑戦に果敢に取り組んでまいります。単に景気を立ち直らせるだけでなく、本格的な景気回復と構造改革の2つをともに実現するため、力の限り立ち向かってまいります。

昨年秋に決定した経済新生対策などを力強く推進することにより、公需から民需へと転換を図り、設備投資や個人消費など民需主導の自律的景気回復を実現させます。私は、これまで金融システムの改革や産業競争力の強化、規制緩和など構造改革に積極的に取り組んでまいりました。その推進、定着に一層の努力をいたしてまいります。中小企業は経済の活力の源泉であります。意欲あふれた中小・ベンチャー企業への支援や金融対策に万全を期してまいります。

このようなさまざまな施策を推進することにより、12年度の国内総生産の実質成長率は1.0%程度に達するものと見通しております。

予算編成に当たりましては、経済運営に万全を期する観点から、公共事業や金融システム安定化、預金者保護に十分な対応を行うとともに、総額5,000億円の経済新生特別枠を初め、新しい千年紀にふさわしい分野に重点的、効率的に資金を配分することといたしました。

税制面では、昨年から実施しております6兆円を上回る規模の個人所得課税や法人課税の恒久的な減税が継続しております。加えて、12年度には、本格的な景気回復を目指し、民間投資の促進や中小・ベンチャー企業の振興を図るための措置を講ずるほか、年金税制、法人関係税制等について適切に対応してまいります。

健全なる財政がもとより重要であることは申すまでもありません。私は、来年度末の債務残高が645兆円にもなることを重く受けとめております。財政構造改革という重要な課題を忘れたことは片時もありません。しかしながら、私は今、景気を本格軌道に乗せるという目的と財政再建に取り組むという重要課題の双方を同時に追い求めることはできない、二兎を追う者は一兎をも得ずとなってはならないと考えております。

私は、まず、経済新生に全力で取り組みます。

80年代半ば、未曾有の財政赤字に苦しんでいた米国は、今や史上空前の黒字を記録することとなり、その使い道をめぐって大論争が起こっているほどであります。不可能とも言われた米国の財政再建が実現したのは、さまざまな改革とともに106ヵ月に及ぶ史上最長の景気拡大があったからであります。

我が国の景気回復は、我が国ばかりでなく、国際社会がひとしく強い期待を寄せているところであります。財政再建は極めて重要でありますが、足元を固めることなく、景気を本格軌道に乗せる前に取りかかるという過ちを犯すべきではありません。我が国経済が低迷を脱し、名実ともに国力の回復が図られ、それにより財政、税制上の諸課題について将来世代のことも展望した議論に取り組む環境を整え、その上で財政構造改革という大きな課題に立ち向かってまいりたいと考えております。

国民生活の質を高めることは経済新生の重要な課題であります。規制緩和が一段と進展する中で、不公正な取引などによる被害者の救済制度や、消費者が事業者と結んだ契約に係る紛争の公正円滑な解決のためのルールを整備いたします。また、毎日の生活をより快適なものとするため、生活空間の倍増を目指すとともに、時代の変化に対応した魅力ある都市づくりに向け、都市再生の具体化に取り組んでまいります。

ペイオフにつきましては、金融システムを一層強固なものにするため、その解禁を1年延長いたします。あわせて、金融機関の破綻処理等に係る恒久的な制度を整備することといたします。

(平和への挑戦)

私は、21世紀を平和の世紀と位置づけ、20世紀に繰り返された体制間、国家間、地域間の戦争の廃絶に向け、我が国として力を尽くしていきたいと考えるものであります。世界が平和で安定するところに我が国の輝かしい未来があるのであります。平和への挑戦を掲げ、国際社会で積極的な役割を担ってまいりたいと考えます。

私は、昨年、九州・沖縄サミットの開催を万感の思いを込めて決断いたしました。2000年という節目の年に開かれるこのサミットを平和の世紀の建設を世界に発信する重要な機会ととらえ、明るく力強いメッセージを打ち出したいと考えております。九州、沖縄地域はアジア各国と密接なつながりを持っており、アジアの視点を十分に踏まえた議論が行われるものと期待しております。

このサミットは絶対に成功させなければなりません。我が国が国際社会で果たすことを求められている大きな役割は、すべてこのサミットの成功の上に積み上げられると信じるからであります。

首脳会合の開催地である名護市を初め各自治体の御協力もいただきながら、私は、持てる情熱のすべてを傾け、国際社会に対する我が国の責任をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。

我が国みずからの安全保障基盤を強固なるものとしながら、国際的な安全保障の確立に貢献することも、平和への重要な課題であります。国民の皆様の御理解をいただきながら、国連の平和活動への一層の協力を進めてまいります。

私は先日、カンボジア、ラオス、タイ、各国を訪問いたしました。アジア経済危機の際の我が国からの積極的な支援に対し、日本はまさに、まさかのときの友こそ真の友との高い評価をいただきました。

日韓関係は未来を志向する新たな段階を迎えており、両国国民の感情は劇的に改善しつつあります。今年の元日、私は金大中大統領とともに、両国のメディアを通じて、お互いの国民に新年のメッセージを送りました。こうした取り組みは史上初めてのことであります。2002年のサッカーワールドカップ及び日韓国民交流の年に向け、さらに幅広く交流を進めてまいります。

日朝関係につきましては、韓国、米国との密接な連携のもと、昨年来芽生え始めた対話をさらに進め、その中で国交正常化、人道及び安全保障の問題につき真摯に話し合い、双方が互いに前向きの対応をとり合うようにしていきたいと考えております。

また、アジアの主要国である中国との関係の発展に一層努めてまいります。

昨年11月、私と中国と韓国の首脳が、史上初めて3カ国の会談を行いました。私は、この会談が将来の東アジアの平和につながっていくものと確信いたしております。

米国との関係は我が国外交の基軸であり、首脳間の確固たる信頼関係をもとに、さらなる強化を図ってまいります。

普天間飛行場の移設、返還問題につきましては、稲嶺沖縄県知事から代替施設の移設候補地の表明があり、さらに岸本名護市長からその受け入れが表明されました。政府といたしましては、その建設に当たり、安全、環境対策に万全を期するとともに、地域の振興に全力で取り組み、地元の期待にこたえてまいります。

また、沖縄におけるさらなる米軍施設・区域の整理、統合、縮小にも、SACO最終報告の着実な実施に向け、真剣に取り組んでまいります。

エリツィン大統領は退任されましたが、ロシアの新しい指導者との間で、日ロ間で合意された目標期限である本年、各分野での関係を一層強化しながら、東京宣言などに基づき平和条約を締結すべく力を尽くしてまいります。

21世紀の外交は、国と国との関係ばかりでなく、国家を構成する一人一人の個人にも焦点を当てることが求められているのではないでしょうか。私は、世界じゅうの人々が自由に生きられる世界を築くため、心を砕いてまいります。人権を尊重し、自由の基礎となる民主主義を守り、貧困の撲滅やヒューマンセキュリティー、人間の安全保障の確保に直結するような開発途上国への援助に力を注いでまいります。

また、多角的な自由貿易体制の維持強化のため、WTOの新ラウンドの早期立ち上げに向け、引き続き努力をいたします。

(地球への挑戦)

私は、平成12年度を循環型社会元年と位置づけ、地球への挑戦に果敢に取り組みます。

大量生産、大量消費、大量廃棄という我が国社会のあり方は、地球環境に大きな負荷をかけております。こうした社会のあり方を見直し、生産、流通、消費、廃棄といった社会経済活動の全段階を通じ、物質循環を基調とした循環型社会を構築しなければなりません。今国会にその基本的な枠組みとなる法案を提出いたします。

エネルギーの安定供給を確保するための総合的な政策にも万全を期してまいります。省エネルギー、新エネルギー政策などに積極的に取り組み、環境保全、市場効率化の要請に対応してまいります。また、原子力に関しましては、昨年9月の臨界事故の厳しい反省の上に立ち、さきに成立した原子力災害対策特別措置法等の着実な実施により、安全規制の抜本的な強化と防災対策の確立を早急に図ってまいります。

世界の総人口が爆発的にふえ続ける中で、食料の確保は地球的規模での重要な課題であります。農林水産業と農山漁村の健全な発展に引き続き取り組み、国土、環境の保全や文化の伝承など多面的な機能の発揮とともに、食料の安定供給の確保を図ってまいります。

(むすび)

新しい千年紀を迎え時代が大きく変わろうとしている今、私は、内閣をお預かりする責任の重さをひしひしと感じております。次の時代を背負って立つ私たちの子供や孫たちの世代が、あのときに先輩たちが頑張ってくれたんだと思ってくれるよう、なすべきことをきちんと仕上げていかなければならないと考えます。

きょう、あしたの利害よりも、5年後、10年後にきちんとした花を咲かせるような、地味であってもあすの日本のために死活的に大事な種をまかなければなりません。そのためには、国会において志を同じくする人たちの協力を得たい、それが自由党に加えて公明党にも政権参加をお願いした理由であります。必要な政策を遅滞なく推し進め、3党連立による成果を得たいと願うものであります。

この1年は、いつにも増して極めて重要な1年であります。明年1月6日から、中央省庁再編により、新しい形での政府がスタートいたします。地方自治も大転換の時期を迎えております。内政から外交まで、取り組むべき課題は目の前に山積いたしております。また、国会改革も行われ、党首同士の討論や政府委員制度の廃止などが国会の役割を一段と大きく変えるものと思われます。

今国会から、衆参両院に憲法調査会が設置をされました。国民の負託を受けた真の有識者である国会議員の皆様による、幅広い議論が展開されるものと期待いたしております。

演説を締めくくるに当たり、私は、21世紀を担う若い世代の人々に、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の中から、次の言葉を贈りたいと思います。

ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつです

国民の皆様、また議員各位の御理解と御支援を心からお願い申し上げ、施政に関する演説を終わりたいと思います。

イ 国務大臣の演説に対する質疑要旨(1月31日、2月1日)

国務大臣の演説に対する質疑は、1月31日に森喜朗君(自民)及び神崎武法君(明改)が行い、翌2月1日には二見伸明君(自由)が行った。

(民主、共産及び社民の3党は、公職選挙法の一部を改正する法律案の取り扱いをめぐる問題で、政府与党の国会冒頭での処理の方針に反発し、1月28日の施政方針演説の本会議に引き続き、31日、2月1日の代表質問の本会議も欠席し、当初、予定されていた野党側からの質疑は行われなかった。)

質疑の主なものは、次のとおりである。

第1に、小渕内閣の政権基盤である自民、公明、自由の連立政権及び今後の政治運営について、「[1]3党派の連立政権についての総理の所感、[2]連立政権の評価、[3]今後の連立政権のあり方、[4]政治のリーダーシップ、政党のあり方等に対する総理の所見、[5]衆議院の解散、総選挙に対する総理の考え方」等の質疑に対して、「[1]重要政策課題を迅速に実行していくためには、安定した政治基盤が不可欠、[2]連立政権は発足以来着実に成果を上げており今後も結束を強化していく、[3]各党間の相互信頼と互譲の精神に則り政策合意事項の実現に向けて努力していく、[4]各般の国会改革等により政治のリーダーシップも高まり政党の重みも増したと認識する、[5]国民の信を問うべき事態になれば解散権の行使に躊躇することはない」旨の答弁があった。

第2に、政治改革問題等について、「[1]衆議院議員の定数削減問題、[2]永住外国人参政権付与問題、[3]地方分権の促進、[4]憲法改正問題に対する総理の所感」等の質疑に対して、「[1]国会が率先して定数削減を実現することを期待する、[2]永住外国人への参政権付与については各党の動向を見守っていく、[3]地方分権推進計画等を踏まえ、地方分権の推進に積極的に取り組む、[4]国会に設置された憲法調査会等で幅広く議論されていくことが必要である」旨の答弁があった。

第3に、経済運営について、「[1]現在の我が国の経済状況に対する認識、[2]今後の経済運営方針、[3]自由な経済体制実現に向けての方策、[4]中小企業対策の推進」等の質疑に対して、「[1]日本経済は現在緩やかな改善状況にある、[2]経済新生対策等の推進により民需主導の自律的景気回復を図っていく、[3]規制緩和等の施策の推進により自由な市場経済原理に立脚した経済体制整備に努める、[4]中小企業の自助努力支援策、金融対策に万全を期していく」旨の答弁があった。

第4に、財政について、「[1]財政構造改革への基本的取り組み姿勢、[2]経済再建と財政再建との関係」等の質疑に対して、「[1]将来展望を踏まえた財政構造改革に積極的に取り組む、[2]日本経済新生のため、景気回復と経済改革を進め、その上で財政構造改革に正面から取り組む決意である」旨の答弁があった。

第5に、教育改革、青少年育成等について、「[1]教育改革に取り組む総理の基本姿勢、[2]教育基本法の見直し、[3]健全な人格形成、自立した個人育成の重要性」等の質疑に対して、「[1]教育改革は内閣の最重要課題として全力で取り組む、[2]教育基本法については幅広い議論を積み重ねることが重要、[3]健全な人格形成が富国有徳の国家づくりの基礎である」旨の答弁があった。

第6に、社会保障制度、少子化対策について、「[1]少子高齢化社会の到来に向けての社会保障制度の構築、[2]公的年金改革、確定拠出型年金の導入、[3]医療制度改革、[4]総合的な少子化対策」等の質疑に対して、「[1]将来にわたり安定的で効率的な社会保障制度の構築に全力を尽くす、[2]公的年金に対する国民の信頼確立、確定拠出型年金の導入に向けて努力する、[3]今後とも医療制度の改革の実現に向けて着実に取り組む、[4]保育、雇用環境整備、児童手当拡充等総合的な少子化対策を実施していく」旨の答弁があった。

第7に、外交政策等について、「[1]九州・沖縄サミットに向けての総理の決意、[2]九州・沖縄サミットとアジア外交、[3]平和条約締結等今後の日ロ関係の見通し、[4]日朝の国交正常化問題及び両国間の人道問題解決の見通し、[5]北東アジア地域での国際的な対話の場の創出」等の質疑に対して、「[1]サミットは最重要外交課題であり、地元と連携を図りながら万全の体制で臨む、[2]九州・沖縄サミットをアジアにも軸足を置いたサミットとする、[3]日ロ関係の全面的な発展に今後も努める、[4]日朝国交正常化交渉の再開に向け対話を進める、[5]北東アジア地域の平和と繁栄のため、6者協議の実現を図る」旨の答弁があった。

第8に、安全保障政策、安全管理問題等について、「[1]国際社会の平和と安定への積極的貢献策、[2]有事法制の整備、領域警備、PKF本体業務への参加、[3]サイバーテロ対策に関する政府の見解」等の質疑に対して、「[1]国連中心の国際平和のための法制について検討を進める、[2]有事法制、領域警備の法的整備やPKF本体業務凍結解除は重要検討課題である、[3]情報セキュリティー対策については推進強化を図っていく」旨の答弁があった。

第9に、沖縄問題について、「[1]普天間飛行場の移設問題、[2]沖縄振興策の推進」等の質疑に対して、「[1]代替施設の安全、環境対策に十分配慮する、[2]沖縄経済振興21世紀プランを策定し、沖縄の自立的発展の基礎条件整備を図る」旨の答弁があった。

第10に、農業、環境政策、情報化社会について、「[1]日本の農業再生策、[2]循環型社会構築のための法整備、[3]IT革命等高度情報化社会の構築」等の質疑に対して、「[1]食料の安定供給、国土環境保全など農業の持つ多面的機能を発揮させるための施策を実施する、[2]循環型社会構築に向けて廃棄物・リサイクルの基本的枠組みの法案を検討している、[3]高度情報化社会構築に向けて合意形成を図っていく」旨の答弁があった。

ウ 森総理大臣の所信表明演説(4月7日)

(はじめに)

日本経済の新生など5つの挑戦を掲げ、果断に政策に取り組んでこられた小渕前総理は、志半ばにして病に倒れ、退陣されました。

国内はもとより、海外からも各国首脳のお見舞いの言葉が相次いで寄せられているのを見るとき、内政から外交に至るまでの広範な分野において、前総理が取り組んでこられた政策の意義やそれに対する評価の大きさに、改めて思いをいたすものであります。

そして、それらの政策の成果を十分に見届けることなく病の床にある小渕前総理の心情を思い、私は痛惜の念を禁じ得ないのであります。一日も早く健康を回復されることを心からお祈り申し上げる次第です。

こうした中にあって、私は、このたび、図らずも内閣総理大臣に任命されました。小渕前総理の後継者に私が選ばれたことは天命だと受けとめております。前総理の志を引き継ぎ、持てる力の限りを尽くし、身命を賭して国政に取り組んでまいります。

前内閣は、安定した政権基盤のもとで速やかに意思決定を行うことが国家の発展と国民生活の安定を図る上で肝要だとの認識に立ち、志を同じくする人たちとの政策協議を踏まえ、連立政権のもとで政策の立案、実施を進めてまいりました。

私は、こうした連立政権による今日までの成果を踏まえながら、強い信頼関係に立脚した安定した政局のもとで、21世紀への新しい日本の国づくりを目指した政策を積極的に実行するため、自由民主党、公明党・改革クラブ、保守党の3党派による連立内閣を発足させました。山積する諸課題に果敢に挑戦し、国民の皆様からの負託にこたえてまいる決意であります。

先月末から活発な噴火活動を続ける有珠山に関しましては、まず、不自由な避難生活を余儀なくされている地元住民の方々に心からお見舞いを申し上げます。既に、有珠山噴火非常災害対策本部を設置するなど、政府として総力を挙げて対応しているところでありますが、今後とも、地元関係者と密接な連携をとりながら、警戒に万全を期すとともに、避難されている住民の方々の生活や、農林水産業や観光業など生業面での支援を初めとする各般の対策を強力に推進してまいります。

最近、相次いで公務員の不祥事が起きていることは、極めて遺憾であります。公務員諸君に対しては、先般施行された国家公務員倫理法をも踏まえ、綱紀の粛正と倫理の向上に取り組むよう強く求めます。また、治安の維持に重要な役割を果たす警察の制度や運営について、警察刷新会議における精力的な議論を踏まえ見直しを図るなど、抜本的な取り組みを進め、国民からの信頼の回復に全力を尽くしてまいります。

(時代認識)

戦後50余年を経て、我が国だけでなく世界の多くの国々が、グローバル化、情報技術革命、少子高齢化といった時代の大きなうねりの中にあります。こうした中、戦後の我が国の驚異的な発展を支えたシステムや物の考え方の多くが、時代に適合しないものとなっております。

次なる時代への改革をちゅうちょしてはなりません。私は、本内閣を日本新生内閣として、安心して夢を持って暮らせる国家、心の豊かな美しい国家、世界から信頼される国家、そのような国家の実現を目指してまいります。このため、前総理の施政方針を継承しながら施策の発展を図り、内政、外交の各分野にわたり果断に政策に取り組んでまいります。

(安心して夢を持って暮らせる国家)

我が国が目指すべき第1の姿は、安心して夢を持って暮らせる国家であります。

我が国経済は、金融システムに対する信認の低下などを背景として、平成9年度秋以降、5四半期連続のマイナス成長を続け、デフレスパイラルに陥るのではないかとの懸念すらありました。しかしながら、政府・与党が大胆かつ迅速に取り組んできた広範な政策の効果もあり、我が国経済は、雇用情勢などの面で厳しい状況をなお脱してはいないものの、緩やかな改善を続けております。設備投資を初めとする企業活動に積極性が見られるなど、自律的回復に向けた動きも徐々にあらわれ、経済は明るさを増しつつあります。この機を逃さず、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、景気を本格的な回復軌道に乗せていくよう全力を尽くします。

雇用対策にも万全を期し、国民の雇用不安を払拭するよう努めてまいります。あわせて、21世紀型社会資本の戦略的な整備や、規制改革の一層の推進、科学技術の振興などの構造改革を強力に推進し、また、IT革命を起爆剤とした経済発展を目指すなど、21世紀における新たな躍進を目指した政策に取り組んでまいります。この関連で、インターネット博覧会を鋭意推進いたしたいと存じます。

また、経済の活力の源泉である中小企業、ベンチャー企業につきましては、意欲あふれる企業の自助努力を支援しながら、金融対策等を初めとするきめ細かな政策を実施してまいります。

財政構造改革が必ず実現しなければならない重要課題であることは、論をまちません。まずは我が国経済を本格的な回復軌道に乗せた上で、単に財政面のみの問題にとどまらず、税制や社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係や経済社会のあり方まで視野に入れて取り組むべき課題であると考えております。

また、省庁ごとの縦割りを優先する予算配分がもたらす財政の硬直化を打破すべく、平成13年度予算編成に際しては、来年1月の中央省庁再編の理念を踏まえ、経済財政諮問会議で経済財政政策の総合調整を図るとの考え方を先取りし、私みずからの主導で、21世紀のスタートにふさわしい予算編成を行ってまいりたいと考えます。

急速な少子高齢化の進展の中で、生涯を安心して暮らせる社会を築くため、意欲と能力に応じて生涯働くことができる社会の実現を目指すとともに、老後の安心を確保すべく社会保障構造改革を推進してまいります。

既に、世代間の負担の公平化を図るための年金制度改正法案が国会で成立し、また、この4月からは介護保険制度がスタートするなど、取り巻く環境の変化に対応した制度の整備を着実に進めているところであります。

今後さらに、さきに設置された社会保障構造の在り方について考える有識者会議における議論を踏まえ、私は、年金、医療、介護などの諸制度について横断的な観点から検討を加え、将来にわたり、持続的、安定的で効率的な社会保障制度の構築に全力を挙げてまいります。

(心の豊かな美しい国家)

我が国が目指すべき姿の第2は、心の豊かな美しい国家であります。

今国会冒頭の施政方針演説において、前総理は、内閣の最重要課題として教育改革に取り組むとの決意を述べられました。今まで一貫して教育問題、教育改革に取り組んできた私は、まさに同じ思いでその演説を聞いておりました。

戦後の我が国の教育を振り返れば、我が国経済の発展を支える人材の育成という観点からはすばらしい成果を上げてきたといえます。他方、思いやりの心や奉仕の精神、日本の文化、伝統の尊重など、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心をはぐくむという観点からは必ずしも十分でなく、こうしたことが、昨今の学級崩壊、校内暴力等の深刻な問題を引き起こし、さらには社会の風潮にさまざまな影響を及ぼしているとも考えらえます。

教育の目標は、学力だけがすぐれた人間を育てることではなく、創造性豊かな立派な人間を育てることにあります。また、子供を取り巻く社会そのものが、子供の健全な育成を支えるものであるべきであります。

発足したばかりの教育改革国民会議から、ことし夏ごろを目途に中間報告を提出していただき、その後、広く国民の皆様の御意見を伺いながら、教育改革を推進し、国民的な運動につなげていきたいと考えております。

美しい国家を築くためには、環境問題への取り組みも重要な課題であります。

私たちが直面しているさまざまな環境問題の多くは、大量生産、大量消費、大量廃棄という経済社会のあり方に根差したものであり、その根本的な解決を図るためには、我が国社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、環境への負荷の少ない循環型社会を構築する必要があります。政府・与党一体となって検討を進め、今国会にその基本的な枠組みとなる法案を提出いたします。

美しい国土は、我が国にとってかけがえのない財産であります。各地の自然や伝統を生かしながら、地方公共団体の自主性や自立性を高め、個性的で魅力のある地域社会づくりを進めてまいります。

また、自然環境の保全など農業、農村の多面的機能の発揮に対する期待や食料の安定供給に対する要請が高まる中で、先月末に総理大臣を本部長として設置された食料・農業・農村政策推進本部のもと、食料自給率の目標の達成に向けた取り組みを初めとする各般の施策を推進してまいります。

(世界から信頼される国家)

第3に、我が国は世界から信頼される国家でなければなりません。そのためには、我が国が国際社会で求められている責任、役割を着実に果たしていくことが必要であります。

前総理が万感の思いを込めて開催を決断された九州・沖縄サミットが、いよいよ目前に迫っております。

このサミットでは、世界じゅうのすべての人々が21世紀に一層の平和と繁栄を享受し、心の安寧を得、より安定した世界に生きる上で、各国、そして国際社会は何をなすべきかとのテーマにつきまして、沖縄から力強いメッセージを発信したいと考えております。

沖縄県民の皆様や地元名護市を初めとする各自治体の御協力をいただきながら、サミットの成功に万全を期してまいります。また、沖縄振興策の推進や普天間飛行場の移設、返還問題など、沖縄の抱える諸課題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。

かつて安倍晋太郎外務大臣は、我が国のあるべき外交の姿として、創造的外交を掲げられました。これは、我が国の国益を守るため、創意を持って能動的に外交に取り組むべきとの精神をあらわしたものであります。

こうした観点に立つとき、日米関係を基軸としつつ、アジア、とりわけ北東アジアを中心とした平和の創造に向け、我が国として一層の外交努力を重ねることが求められます。私は、日中共同声明を踏まえ、中国との関係のさらなる発展に努めてまいります。また、前総理が金大中大統領とともに切り開いた未来志向の日韓関係を一層推進していく決意であります。

日朝関係につきましては、韓国、米国と引き続き密接に連携しつつ、7年半ぶりに再開した国交正常化交渉に粘り強く取り組んでまいります。その際、人道及び安全保障の問題を含む日朝間の諸懸念の解決に向けて全力を傾けてまいります。

日ロ関係に関しましては、平和条約交渉を含めたあらゆる分野における両国間の関係を発展させるとの方針は、本内閣においても不変であります。今月末には私みずから訪ロし、プーチン次期大統領と会談する予定であり、今後の両国関係の発展について胸襟を開いた意見交換を行ってまいります。

私は、サミット前に、各国首脳との間に緊密な信頼関係を築く努力をしてまいりたいと考えております。

我が国みずからの安全保障基盤を強固なものとしながら国際的な安全保障の確立に貢献することも、世界から信頼される国家を形づくる上で重要な課題であります。国民の皆様の御理解をいただきながら、国連の平和活動への一層の協力を進めてまいりたいと考えております。

また、有事法制につきましては、法制化を目指した検討を開始するよう政府に要請するとの先般の与党の考え方を十分に受けとめながら、今後、政府としての対応を考えてまいります。

(むすび)

日本新生の実現を目指す取り組みは、言いかえれば、このたびの3党連立政権合意の中にある「日本経済の新生と大胆な構造改革」に果敢に挑戦していくことであります。そしてこれは、輝かしい21世紀を切り開いていく上で避けて通れない課題であります。政治の強力なリーダーシップのもと、必ずやその実現を図ってまいります。また、政府におきましても、地方分権の推進や来年1月の中央省庁再編の実施を通じ、行政改革を徹底的に推進してまいります。

こうした構造改革は時として痛みを伴います。私は、国民と痛みを分かち合い、手を携えて進んでまいる覚悟であります。そして、国民とともに歩み、国民から信頼される政府を信条として、現下の難局に全力で取り組み、その結果生ずる責任については一身に担ってまいる決意であります。

国民の皆様並びに議員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げる次第です。

エ 国務大臣の演説に対する質疑要旨(4月10日、11日)

国務大臣の演説に対する質疑は、4月10日に鳩山由紀夫君(民主)、野中広務君(自民)、坂口力君(明改)及び枝野幸男君(民主)が行い、翌11日には不破哲三君(共産)、野田毅君(保守)、二見伸明君(自由)及び土井たか子君(社民)が行った。

質疑の主なものは、次のとおりである。

第1に、小渕前総理の緊急入院から森内閣成立に至る経緯について、「[1]内閣の危機管理の不備と情報管理のあり方、[2]小渕前総理の病状と経過報告の必要性、[3]内閣総理大臣臨時代理指名の経過、[4]臨時代理決定までの政治的空白の問題性、[5]総理に事故があるときの国会への報告、臨時閣議開催の必要性、[6]危機管理としての臨時代理制度のあり方、[7]首班指名に関する与党内協議の有無、[8]現内閣の正統性、[9]鳩山代表を誹謗した野中幹事長の発言に対する総理の所感」等の質疑に対して、「[1]今回の一連の手続について瑕疵はないが、今後、危機管理については万全の体制を構築する、[2]御家族の気持ちや医師団の考えを尊重することが大切である、[3]小渕前総理が昏睡状態に陥る前に内閣法第9条の臨時代理の指定を受けており、手続上の瑕疵はない、[4]事態の推移を見ながら対応しており、空白との指摘はあたらない、[5]臨時代理の指名に関しては、慣例上衆参の両議長に通知している、[6]あらかじめ内閣総理大臣臨時代理を置くことを検討中である、[7]首班指名に関して与党で協議した事実はない、[8]衆参の本会議で指名されたものであり、内閣の正統性に疑義はない、[9]野中幹事長の発言は一政治家の発言と理解する」旨の答弁があった。

第2に、森新内閣の政治姿勢と連立政権について、「[1]21世紀を目前にして日本丸の舵取りとしての総理の決意、[2]自民、公明、保守の連立政権の政治志向及び連立政権のあり方、[3]選挙管理内閣との報道に対する所感、[4]自民党の再生・改革に向けての総裁としての決意、[5]人権問題に関する総理発言、[6]解散・総選挙により国民の審判を仰ぐ必要性」等の質疑に対して、「[1]日本経済新生と大胆な構造改革により輝かしい21世紀を切り開くべく全力を傾注していく、[2]強い信頼関係に立脚した安定した政局のもと新しい日本の国づくりの諸施策を積極的に推進する、[3]前内閣の経済新生を継承、実現するための内閣であると認識している、[4]政権与党としての自覚のもと国家国民を第一に党改革を断行する、[5]人権が尊重される平和で豊かな社会の実現を目指し人権擁護行政を積極的に推進していく、[6]国民の信を問うべき事態になれば躊躇なく解散権を行使する」旨の答弁があった。

第3に、政治改革、政治倫理問題等について、「[1]政治資金パーティーの自粛、[2]政治倫理確立と国民の政治への信頼回復、[3]憲法問題に関する総理の所見」等の質疑に対して、「[1]政治資金規正法に則って行われるパーティーに問題はない、[2]国民の政治への信頼回復には政治家の倫理確立が重要であり、政治資金の透明性の確保が大事である、[3]国会に設置された憲法調査会の議論を見守っていく」旨の答弁があった。

第4に、経済運営等について、「[1]経済構造改革に取り組む総理の決意、[2]景気の現状に対する総理の認識、[3]経済成長率目標0.6%達成の見込み、[4]低金利政策の是非、[5]経済政策転換の時期、[6]日本の経済新生と大胆な構造改革の必要性、[7]情報通信分野の規制改革、[8]電子政府の実現に向けての総理の決意、[9]地方分権促進による地域間競争の自由化、[10]NTT接続料引き下げ問題への取り組み姿勢、[11]IT関連投資のあり方」等の質疑に対して、「[1]景気回復と経済構造改革を実現するため全力を挙げる、[2]我が国経済は緩やかな改善状況にある、[3]平成11年度成長率の目標達成を期待する、[4]日銀において景気や金融市場の動向等を総合的に勘案して対応していくものと考える、[5]経済回復が本格的軌道に乗った時点で財政構造改革に取り組む、[6]輝かしい21世紀のために経済新生と構造改革に強力なリーダーシップを発揮していく、[7]情報通信分野における競争環境整備等の構造改革に積極的に取り組む、[8]世界最高水準の電子政府実現のためミレニアムプロジェクト等を推進する、[9]地方分権を推進し、中小企業のニーズに合わせたきめ細かな施策を実施し、中小企業の自助努力を支援していく、[10]接続料引き下げのための改正法案の早期成立を期する、[11]教育の情報化等情報通信の人材育成のための重点投資を推進する」旨の答弁があった。

第5に、財政構造改革及び行政改革等について、「[1]抜本的な財政構造改革にかける総理の決意、[2]財政構造改革への着手時期、[3]財政における公共事業のあり方に対する見直し、[4]政治主導の予算編成、[5]公共事業依存体質からの脱却、[6]財政再建策としての消費税増税、[7]租税特別措置の見直し等税制のあり方、[8]補助金制度、地方交付税制度の再検討の必要性、[9]国、地方における効率的で簡素な政府の形成、[10]国会議員の歳費カット及び国家公務員の給与カット、[11]国家公務員の定数削減、[12]特殊法人、公益法人施策のあり方、[13]ODAの根本的見直し」等の質疑に対して、「[1]財政構造改革は、単に財政面にとどまらず、税制や社会保障のあり方、中央と地方との関係や経済社会のあり方まで視野に入れて取り組むべき課題である、[2]景気が本格的な回復軌道に乗るのを見極めた上で速やかに着手する、[3]将来の経済社会発展に必要となる施策、事業に重点的、効率的に予算配分していく、[4]予算編成にあたり総理として主導権を発揮していく、[5]公需から民需への移行を円滑に行い、景気回復、経済構造改革の実現を図る、[6]将来の税制のあり方については、経済社会の構造変化や財政状況等を踏まえ国民的な議論により検討されるべきと考える、[7]公正、中立、簡素等の税制の基本原則に立ち、国民的議論を喚起していく、[8]補助金の整理合理化、地方交付税の適正配分に努める、[9]国の行政組織、事務事業の減量化、国の役割の重点化による行財政改革に取り組む、[10]歳費のカットは国会で議論すべきことと認識する、国家公務員の給与については人勧制度尊重の精神のもと国政全般との関連を考慮し適切に対処する、[11]10年で25%の削減を目指す、[12]特殊法人の整理合理化、情報公開の推進、公益法人の管理体制の強化を進める、[13]効果的、効率的な援助を実施し、ODAに対する国民の理解と支持が得られるよう努める」旨の答弁があった。

第6に、社会保障制度、環境対策等について、「[1]社会保障制度の全般的見直しの必要性、[2]社会保障にシフトした財政政策の推進、[3]消費税の福祉目的税化等高齢化社会における社会保障の費用負担のあり方、[4]介護保険の制度改善、[5]介護保険制度の財政基盤確保、[6]介護保険制度と家族のあり方、[7]年金福祉事業団の運用損失問題、[8]循環型経済社会構築に向けての施策、[9]地球温暖化問題に関する京都議定書発効のための具体的施策」等の質疑に対して、「[1]持続的、安定的、効率的な社会保障制度を構築していく、[2]必要な給付は確保しつつ、社会保障制度改革を推進し、制度の効率化、合理化を進める、[3]持続的、安定的、効率的な社会保障制度の構築のため、給付と負担のあり方も含め年金、医療、介護等の諸制度について横断的に検討を加えていく、[4]利用者の声に耳を傾け、介護保険が国民に信頼される制度となるよう努める、[5]介護保険の国庫負担は老人保健制度等の負担割合を踏まえたもので適切な負担と考える、[6]介護保険は家族の介護を支援する制度である、[7]累積赤字については重く受けとめ、収益の改善に向けて最大限の努力を払う、[8]循環型社会構築のための基本的枠組み法案の国会提出を図る、[9]国内の各種温暖化対策の推進、議定書発効のための国際協力を進める」旨の答弁があった。

第7に、教育問題等について、「[1]教育改革に取り組む基本姿勢、[2]教育基本法改正問題、[3]地域社会、保護者、学校の三位一体による学校運営の改善、[4]倫理観、道徳心に関する総理の所感、[5]日本及び日本人のあり方についての総理の所感」等の質疑に対して、「[1]広く国民の議論を喚起し、教育改革を内閣の最重要課題として取り組む、[2]教育制度全般の議論の中で教育基本法の見直しも検討していく、[3]学校の自主性、自律性の確立に努め、学校、家庭、地域社会の連携の強化を図っていく、[4]教育は人間が人間を教える崇高な営みであり、教える側の大人がまず倫理と道徳を実践することが大切、[5]我が国を心豊かな美しい国家とするため日本人としての自覚をもった創造性豊かな人間形成が大切と考える」旨の答弁があった。

第8に、雇用対策等について、「[1]雇用創出の具体的施策、[2]雇用創出に向けたベンチャー企業の育成、[3]雇用関係法規の見直し、[4]解雇規制、サービス残業規制のためのルールづくり」等の質疑に対して、「[1]国民の雇用不安を払拭するため各般の雇用対策を実行する、[2]ベンチャー企業の育成を通じての新たな事業の創出、雇用機会の確保を図る、[3]雇用形態の多様化に応じて雇用関係法制の整備を行っていく、[4]労働基準法等による長時間労働の抑制、サービス残業の解消に努める」旨の答弁があった。

第9に、警察行政、警察改革等について、「[1]警察不祥事を受けての警察改革への決意、[2]警察の信頼回復への取り組み、[3]国家公安委員会委員長再任の理由、[4]警察法改正の実現、[5]国家公安委員会の持ち回り議決の適否、[6]石川県公安委員会委員の人選の適否、[7]警察に対する外部監察制度導入の必要性、[8]桶川ストーカー殺人に関する総理の所感、[9]ストーカー法案、犯罪被害者支援基本法案についての考え方、[10]通信傍受法の廃止、施行延期、[11]交通違反照会の政治的責任、[12]あっせん利得罪導入の要否」等の質疑に対して、「[1]警察制度及び運営の見直しについては、警察刷新会議の議論を踏まえて対処する、[2]国民の信頼を回復すべく警察の刷新、改革を早期に行うことが必要、[3]警察の信頼回復の陣頭に立つものとして責任を全うすることが重要と考える、[4]法案の取り扱いは、国会、警察刷新会議等の議論の推移を見つつ、適切に対処していく、[5]持ち回り議決は警察法に抵触するものではない、[6]当該人選は警察法に抵触するものではない、[7]監察の公正性及び実効性の確保策について検討する必要がある、[8]被害者のご冥福をお祈りするとともに警察のあり方を改善する必要がある、[9]国民が安心して暮らせる社会の実現のため政府としても前向きに考える、[10]警察において適正な運用を図るものであり、廃止や施行延期の必要はないものと考える、[11]警察の対応すべき事項に政治が介入すべきでないと考える、[12]各党間の議論を踏まえて対応していく」旨の答弁があった。

第10に、外交政策等について、「[1]朝鮮半島の南北首脳会談の実現、[2]日朝国交正常化交渉の促進、[3]1つの中国の原則と台湾問題」等の質疑に対して、「[1]南北の首脳会談は史上はじめての画期的なことであり政府としても全面的に支持する、[2]日朝の国交正常化に粘り強く取り組む、[3]日中共同声明において中華人民共和国を中国の唯一の合法政府として承認している」旨の答弁があった。

第11に、九州・沖縄サミット及び沖縄問題について、「[1]サミットに向けての総理の決意、[2]G8諸国首脳との信頼関係の醸成、[3]重債務最貧国の債務救済、[4]沖縄の現実に対する総理の認識、[5]沖縄振興策、基地問題への取り組み、[6]沖縄の国際平和への貢献度等の周知策、[7]普天間飛行場代替施設問題のサミット前の解決の見込み、[8]普天間飛行場代替施設の使用期限問題」等の質疑に対して、「[1]21世紀に向けて明るく力強いメッセージを発信し、議長国としてイニシアチブを発揮する、[2]サミット前に会談を行うことも含め、G8諸国との信頼関係樹立に努める、[3]貧困削減等開発上の課題についてサミット議長国として最大限の努力を払う、[4]沖縄県民の多大な負担を軽減するためSACO最終報告の着実な実施に最大限の努力を傾注する、[5]サミットを沖縄を世界に発信する機会、沖縄の発展につながるものとし、地域の振興その他課題に全力で取り組む、[6]沖縄の負担を軽減するための各種施策を実施し、国民の理解を求めていく、[7]普天間問題はサミットとは直接関係を有しないが政府としては全力で取り組んできた課題である、[8]米側に申し入れを行うとともに外交努力を重ねていく」旨の答弁があった。

第12に、安全保障政策等について、「[1]国防、治安分野での危機管理体制の構築、[2]安全保障基本法に対する総理の考え方、[3]自衛権の行使形態、[4]米軍への思いやり予算の停止、[5]米軍の基地公害問題に対する政府の解決責任、[6]米軍による核兵器持ち込みに関する秘密取り決めの存否、[7]国連の平和維持活動への積極的参加の必要性、[8]不戦の誓いに対する総理の所感」等の質疑に対して、「[1]国の安全、治安維持は政府の最も重要な責務であり、危機に際して政府全体として迅速かつ的確に対応できる体制を整える、[2]国会における議論を踏まえ安全保障基本法の要否を検討していく、[3]憲法の下で許容されている自衛権の発動は、急迫不正の侵害、他に適当な手段が存在しない、必要最小限の実力行使の3要件に限定して考える、[4]日米安保体制の円滑で効果的な運用確保のため在日米軍駐留経費負担に適切に対応していく、[5]米側への申し入れ、地元住民負担軽減のため各種施策を推進する、[6]日米間に核兵器の持ち込みに関する秘密の取り決めは存在しない、[7]憲法の枠内で国連を中心とした国際平和貢献のために努力することが必要、[8]不戦の誓いは軍事大国を忌避する憲法の理念にも合致すると考える」旨の答弁があった。

第13に、有珠山噴火対策について、「[1]被災者支援対策のあり方、[2]火山監視体制の充実強化策」等の質疑に対して、「[1]被災者のニーズにきめ細かくこたえる施策に全力で取り組む、[2]監視予知体制の強化、各般の防災施策の充実に取り組む」旨の答弁があった。

(3) 主な議案等の審議

年月日 議案等
平成12年
1月27日
○公職選挙法の一部を改正する法律案(第145回国会、衛藤征士郎君外3名提出)<修正>

1月28日 ○国務大臣の演説
  • 小渕総理大臣の施政方針演説
  • 河野外務大臣の外交演説
  • 宮澤大蔵大臣の財政演説
  • 堺屋経企庁長官の経済演説
1月31日 ○国務大臣の演説に対する質疑

質疑

森喜朗君(自民)、神崎武法君(明改)

答弁

小渕総理大臣、青木官房長官、丹羽厚生大臣
2月1日 ○国務大臣の演説に対する質疑

質疑

二見伸明君(自由)

答弁

小渕総理大臣
2月9日 ○発言・趣旨説明
  • 平成12年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)
  • 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 平成12年度地方財政計画
  • 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
発言・説明

宮澤大蔵大臣、保利自治大臣

質疑

鳩山由紀夫君(民主)、岡田克也君(民主)、不破哲三君(共産)、土井たか子君(社民)

答弁

小渕総理大臣、宮澤大蔵大臣、続総務庁長官、二階運輸大臣、中山建設大臣、堺屋経企庁長官

2月29日

○平成12年度一般会計予算<可決>

○平成12年度特別会計予算<可決>

○平成12年度政府関係機関予算<可決>

討論(以上3件)

海江田万里君(民主)、萩山教嚴君(自民)、松本善明君(共産)、濱田健一君(社民)

3月9日 ○趣旨説明
  • 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

中曽根文部大臣

質疑

田中甲君(民主)

答弁

中曽根文部大臣、丹羽厚生大臣
3月10日 ○趣旨説明
  • 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案(内閣提出)
  • 高齢者、障害者等の移動の自由を確保するための法律案(玉置一弥君外2名提出)
説明

二階運輸大臣、前原誠司君(民主)

質疑

石毛えい子君(民主)、赤羽一嘉君(明改)、平賀高成君(共産)

答弁

二階運輸大臣、中山建設大臣、金田誠一君(民主)、保利自治大臣、玉置一弥君(民主)
3月14日 ○趣旨説明
  • 消費者契約法案(内閣提出)
説明

堺屋経企庁長官

質疑

枝野幸男君(民主)、吉井英勝君(共産)

答弁

臼井法務大臣、堺屋経企庁長官、河野外務大臣
3月16日 ○趣旨説明
  • 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

牧野労働大臣

質疑

鍵田節哉君(民主)、大森猛君(共産)、菊地董君(社民)

答弁

小渕総理大臣、牧野労働大臣
3月23日 ○趣旨説明
  • 預金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

宮澤大蔵大臣

質疑 北橋健治君(民主)、矢島恒夫君(共産)横光克彦君(社民)

答弁

小渕総理大臣、宮澤大蔵大臣、谷垣金融再生委員長
3月24日 ○趣旨説明
  • 郵便貯金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

八代郵政大臣

質疑

小沢鋭仁君(民主)

答弁

八代郵政大臣、宮澤大蔵大臣、保利自治大臣
3月28日 ○国民年金法等の一部を改正する法律案(第145回国会、内閣提出)(参議院送付)<可決>

○年金資金運用基金法案(第145回国会、内閣提出)(参議院送付)<可決>

○年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案(第145回国会、内閣提出)(参議院送付)<可決>

討論(以上3件)

金田誠一君(民主)、安倍晋三君(自民)、児玉健次君(共産)、濱田健一君(社民)

○趣旨説明

  • 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

丹羽厚生大臣

質疑

古川元久君(民主)、福島豊君(明改)、瀬古由起子君(共産)

答弁

宮澤大蔵大臣、丹羽厚生大臣、中曽根文部大臣
3月30日 ○趣旨説明
  • 行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

続総務庁長官

質疑

山元勉君(民主)

答弁

続総務庁長官、青木官房長官
3月31日 ○趣旨説明
  • 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

中山建設大臣

質疑

田中慶秋君(民主)、辻第一君(共産)

答弁

中山建設大臣、青木官房長官、保利自治大臣、加藤建設政務次官
4月5日 ○内閣総理大臣の指名
  • 森喜朗君を内閣総理大臣に指名
4月7日 ○国務大臣の演説
  • 森総理大臣の所信表明演説
4月10日 ○国務大臣の演説に対する質疑

質疑

鳩山由紀夫君(民主)、野中広務君(自民)、坂口力君(明改)、枝野幸男君(民主)

答弁

森総理大臣、青木官房長官、保利国家公安委員長
4月11日 ○国務大臣の演説に対する質疑

質疑

不破哲三君(共産)、野田毅君(保守)、二見伸明君(自由)、土井たか子君(社民)

答弁

森総理大臣、堺屋経企庁長官、青木官房長官
4月13日 ○趣旨説明
  • 資金運用部資金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
説明

宮澤大蔵大臣

質疑

中川正春君(民主)

答弁

宮澤大蔵大臣、八代郵政大臣、中山建設大臣、続総務庁長官

○趣旨説明
  • 犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案(内閣提出)
  • 犯罪被害者基本法案(北村哲男君外3名提出)
説明

臼井法務大臣、北村哲男君(民主)

質疑

奥田建君(民主)、倉田栄喜君(明改)

答弁

臼井法務大臣、保利国家公安委員長、坂上富男君(民主)
4月14日 ○趣旨説明
  • 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
説明

丹羽厚生大臣

質疑

土肥隆一君(民主)、中林よし子君(共産)

答弁

丹羽厚生大臣
4月18日 ○公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外7名提出)<修正>

○国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外7名提出)<可決>

○趣旨説明
  • 循環型社会形成推進基本法案(内閣提出)
説明

清水環境庁長官

質疑

小林守君(民主)、若松謙維君(明改)、北沢清功君(社民)

答弁

清水環境庁長官、丹羽厚生大臣、深谷通産大臣
4月20日 ○預金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)<可決>

討論

末松義規君(民主)

○趣旨説明
  • 商法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  • 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案(内閣提出)
  • 企業組織の再編における労働者の保護に関する法律案(日野市朗君外4名提出)
説明

臼井法務大臣、牧野労働大臣、城島正光君(民主)

質疑

中桐伸五君(民主)、佐々木陸海君(共産)、保坂展人君(社民)

答弁

牧野労働大臣、深谷通産大臣、臼井法務大臣、日野市朗君(民主)

4月21日

○趣旨説明
  • 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(内閣提出)
説明

深谷通産大臣

質疑

大畠章宏君(民主)

答弁

深谷通産大臣、中曽根科技庁長官、玉沢農水大臣、青木官房長官
5月9日 ○公職選挙法の一部を改正する法律案(本院提出、参議院回付)<同意>

○循環型社会形成推進基本法案(内閣提出)<可決>

討論

小林守君(民主)
5月11日 ○趣旨説明
  • 少年法等の一部を改正する法律案(第145回国会、内閣提出)
説明

臼井法務大臣

質疑

笹川堯君(自民)、佐々木秀典君(民主)、倉田栄喜君(明改)、木島日出夫君(共産)、安倍基雄君(保守)、西村眞悟君(自由)、保坂展人君(社民)

答弁

森総理大臣、臼井法務大臣、中曽根文部大臣、保利国家公安委員長、八代郵政大臣
5月30日 ○戦争決別宣言決議案(池田行彦君外5名提出)<可決>

趣旨弁明

池田行彦君(自民)
6月2日 衆議院解散

(4) 決議([ ]は提出会派)

○可決したもの

戦争決別宣言決議案(池田行彦君外5名提出、決議第2号)[自民・明改・保守](12.5.30)

20世紀を顧みると、人類は2度の大戦はじめ多くの戦争により言語に絶する惨禍を被り、冷戦終結後10年を経た今日にあっても続発する武力衝突や核、ミサイル等の大量破壊兵器の開発、拡散が憂慮されている。

今、21世紀を迎えるに当たり、日本はじめ各国は、過去の戦争の傷跡や新たな武力の脅威に対し、人類の最大の願いである国際平和の実現への決意を新たにし、戦争の惨害から将来の世代を救わねばならない。

「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」を踏まえ、唯一の被爆体験を持つわが国は、日本国憲法に掲げる恒久平和の理念の下、歴史の教訓に学び、国際平和への貢献に最大限努力するとともに、九州・沖縄サミットを契機に、日本はじめ各国が国家間の対立や紛争を平和的な手段によって解決し、戦争を絶対に引き起こさないよう誓い合うことについて、世界に向け強く訴えるものである。

右決議する。


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