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1 概説

(国会の召集及び会期)

20世紀を締めくくることとなる第150回国会は、平成12年9月14日に召集詔書が公布され、同月21日に召集された。

召集日の衆議院本会議において、議席の指定を行い、会期を12月1日までの72日間と議決した後、安全保障委員長の選挙を行い、従来から設置されている災害対策特別委員会外5特別委員会を設置した。

この国会は、平成12年度補正予算、参議院比例代表選挙に非拘束名簿式を導入すること等を内容とする公職選挙法改正案、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案、少年法等改正案及びあっせん利得処罰法案などが主要な議題となったほか、景気回復と財政構造改革の整合性、公共事業の見直しの必要性等を巡って議論が交わされた。

会期中の11月29日、天皇皇后両陛下の御臨席を賜り、議会開設110年記念式典が挙行された。

(所信表明演説及び代表質問)

召集日当日、開会式に引き続き、衆参両院の本会議において、森内閣総理大臣の所信表明演説が行われた。

この中で、森内閣総理大臣は、日本新生の最も重要な柱はIT戦略、いわばEジャパンの構想であるとして、民間主導の原則のもと、超高速インターネットの整備を図り、インターネットサービスの低廉化や利便性向上を促進し、5年後には、我が国を世界の情報通信の最先端国家に仕上げるという目標を掲げた。

次に、小人数授業等の実施、授業妨害やいじめへの対応、家庭教育の充実、奉仕活動や体験活動の促進などの幅広い改革を実行するため、来年の通常国会を教育改革国会と位置づけ、直ちに取り組むべき課題について、一連の教育改革関連法案を提出する方針を示した。

また、国民の将来に対する不安を解消するためには、社会保障制度を再構築して揺るぎないものにしていかなければならないとした上で、リスクに対してはできる限りみずから備えをするという自己責任の原則に立つ必要があり、その意味で我が国の社会保障の基本は社会保険方式に置くべきであるとの見解を表明した。その上で、国庫負担等の税負担について、政策上の必要性、制度設計における明確な公費負担の理念を国民に示し、広く検討していくことが肝要であると述べた。

さらに、経済政策に関し、経済が自律的な回復軌道に乗る前に、性急に財政再建を優先させれば、景気回復を危うくさせることにもなりかねないことから、柔軟な財政刺激政策を行い、経済を正常な状態に回復させるための限定的な範囲で財政投入を行うと表明した。

これに対する衆議院本会議の各党代表質問は、9月25日及び26日の両日行われ、財政構造改革、公共事業見直し、あっせん利得処罰法案、教育改革、在日米軍思いやり予算、参議院選挙制度見直し、クラスノヤルスク合意、少年法改正、有事法制、日朝国交正常化交渉、永住外国人の地方参政権、介護保険制度などについて論議が展開された。

参議院においては、同月26日及び27日に各党代表質問が行われた。

(公職選挙法改正案)

与党は、翌平成13年夏の参議院議員通常選挙からの導入を目指し、10月3日、参議院議員の選挙制度を改正し、非拘束名簿式比例代表制を導入するとともに議員定数10名を削減することを内容とする公職選挙法改正案を参議院へ提出した。

これに先立つ2日、参議院選挙制度に関する特別委員会において自民・保守、公明の与党委員は、野党委員の欠席のまま委員会を開会し、委員長及び与党理事を選任した。これに反発する野党各会派は態度を硬化させ、衆参両院の本会議、各委員会審議を拒否するなど、国会は不正常な状態となった。

同月6日、公職選挙法改正案は選挙制度に関する特別委員会に付託され、趣旨説明が聴取された。同特別委員会は、10日から質疑に入り、民主、共産、社民、無会、自由の野党各会派が欠席するなかで審議を続け、13日に可決した。

このような事態に対し、16日、斎藤議長は、議長あっせん案を各会派に示し、与野党調整を行ったが不調に終わり、18日、辞表を菅野副議長に提出した。翌19日の本会議で斎藤議長の辞任が許可され、後任に井上裕君が選出された。同日、公職選挙法改正案は参議院本会議で可決、衆議院に送付された。

これを契機に国会は正常化へと向った。

衆議院では、10月20日、議院運営委員会において、公職選挙法改正案につき、本会議において趣旨説明を聴取しないで委員会に付託することが決定され、同法案は、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会に付託された。同特別委員会においては、23日、提案理由の説明を聴取し、野党委員も出席して質疑が行われ、25日には、参考人からの意見聴取・質疑を行った。同日夕、質疑終局の動議が可決され、公職選挙法改正案は賛成多数で可決された。同日開かれた議院運営委員会で、翌26日に本会議を開会することを民主、自由、共産、社民の野党4会派は反対したが、賛成多数で決定した。これに対し、26日、野党4会派は共同で議院運営委員長藤井孝男君解任決議案を提出したが、同日の本会議において否決され、引き続き公職選挙法改正案が議題とされ、賛成多数で可決、成立した。

(平成12年度補正予算審議と森内閣不信任決議案)

政府は、10月19日に決定した「日本新生のための新発展政策」を実施するための平成12年度補正予算を11月10日に提出し、同日、衆参両院の本会議において、宮澤大蔵大臣の財政に関する演説が行われ、同月14日には、各党代表者による質疑が行われた。

補正予算は、衆議院予算委員会で、同月14日に提案理由の説明を聴取した後、同月20日に質疑を行い、同日、予定されていた質疑時間を終了したが、この直前に民主、自由、共産、社民の野党4会派は共同で森内閣不信任決議案を提出したため、質疑終局の宣告がなされないまま同委員会は休憩に入った。

同夜、本会議開会の直前に至り、森内閣総理大臣の退陣を要求し、野党提出の森内閣不信任決議案に賛成するとしていた自民党の加藤紘一元幹事長が、同氏に同調するグループは本会議を欠席する旨表明した。この後、本会議が開会され、森内閣不信任決議案が議題とされ、趣旨弁明の後、討論に入ったが、この討論中、反対討論者1名の行動を巡り議事が中断し、休憩に入った。その後再開された本会議において、綿貫議長は延会を宣告したが、議長の議事運営は中立・公正を欠くとして、民主党は綿貫議長不信任決議案を提出した。翌21日未明、本会議が再開され、綿貫議長不信任決議案を否決、引き続き森内閣不信任決議案の討論を再開、採決に入りこれを否決した。

その後、同日、平成12年度補正予算は、予算委員会及び本会議において賛成多数で可決され、参議院に送付された。翌22日の参議院本会議で可決、成立した。

なお、この間の10月27日、週刊誌等の報道等に関連し、中川秀直内閣官房長官・沖縄開発庁長官が辞職し、福田康夫衆議院議員が後任の内閣官房長官・沖縄開発庁長官に任命された。

(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案)

情報通信技術の活用により世界的規模で生じている急激かつ大幅な社会経済構造の変化に的確に対応することの緊要性にかんがみ、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進するため、基本理念及びこれに基づく基本的な施策の枠組みを定めようとするいわゆるIT基本法案は、10月24日の衆議院本会議で趣旨説明を聴取した後、内閣委員会において、同月26日に提案理由の説明を聴取し、31日に質疑入りした。11月6日には、商工委員会及び逓信委員会と連合審査会を開き、翌7日には、参考人からの意見聴取・質疑を行い、同月9日に賛成多数で修正議決された。同日の本会議において委員長報告のとおり修正議決され、同月29日の参議院本会議で可決、成立した。

(その他の主な法案)

第150回国会では、その他にも、内閣提出法律案では、70歳以上の老人の医療費自己負担を原則1割に改めることなどを主な内容とする健康保険法等改正案、一連の警察不祥事対策として警察に対する監察機能や国家公安委員会の権限強化を盛り込んだ警察法改正案などが成立した。

また、議員提出法律案では、刑事処分を可能とする年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げること等を主な内容とする少年法等改正案、公職にある者等が請託を受けて、国や地方公共団体の契約などに関して公務員にあっせんすることにより報酬を得ることなどを処罰するあっせん利得処罰法案、平成13年1月からの中央省庁の再編にあわせ、衆参両院の常任委員会を整理再編する国会法改正案などが成立した。

なお、今国会においては、成立した法律案32件中、12件が議員提出法律案であるなど、一段と議員立法が活発となっている。

(会期の終了)

会期最終日の12月1日の本会議において、参議院から回付されたマンション管理適正化法案及び原子力発電施設等立地地域振興特別措置法案は、いずれも参議院の修正に同意することに決し、また、衆参両院の本会議で閉会中審査の手続きや請願採択など一連の会期末処理が行われ、第150回国会は終了した。

なお、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行う確定拠出年金法案、中央省庁等改革の趣旨を踏まえ、特殊法人等の集中的かつ抜本的な改革を推進しようとする特殊法人等改革基本法案などは、継続審査となり、第148回国会に提出され継続審査となっていた公明、保守両党と民主党がそれぞれ提出した、永住外国人に地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等を付与する永住外国人地方選挙権付与法案は、今国会も継続審査となった。

11月4日、公明党大会が開かれ、神崎武法代表が再任された。同月24日には、日本共産党大会の中央委員会総会で志位和夫書記局長が委員長に選出された。

(第150回国会閉会後の動き)

12月5日、平成13年1月の中央省庁の再編に備え、森内閣総理大臣は、内閣の改造を行い、第2次森改造内閣が発足した。

これにより、1月6日の中央省庁再編実施の際には、科学技術政策担当大臣が補充されたほかは、全閣僚が対応するポストに横すべりすることとなった。

12月13日には、自由党両院議員総会が開かれ、小沢一郎党首が再選された。

KSD中小企業経営者福祉事業団問題に関連し、額賀福志郎経済財政政策担当大臣が、1月23日辞任し、後任に麻生太郎衆議院議員が任命された。また、小山孝雄参議院議員が国会質問の見返りにKSDから現金を受け取ったとして、1月16日、受託収賄容疑で逮捕された。小山議員は、1月29日、参議院議長に辞表を提出し、議長は辞職願いを許可した。

(会派所属議員数及び役員等)

第150回国会における衆議院の各会派所属議員数及び役員等の氏名並びに内閣の閣僚氏名は、次のとおりである。

○各会派所属議員数(召集日現在)

会派名 所属議員数
自由民主党 232
民主党・無所属クラブ 129
公明党 31
自由党 22
日本共産党 20
社会民主党・市民連合 19
21世紀クラブ 10
保守党 7
無所属 9
欠員 1
480

○衆議院役員等一覧

役職名 氏名(会派) 備考
議長 綿貫 民輔君  
副議長 渡部 恒三君  
常任委員長 内閣委員長 佐藤 静雄君(自民)  
地方行政委員長 増田 敏男君(自民) 平12.12.6辞任  
法務委員長 長勢 甚遠君(自民) 同上  
外務委員長 中野 寛成君(民主)  
大蔵委員長 萩山 教嚴君(自民)  
文教委員長 西 博義君(公明)  
厚生委員長 遠藤 武彦君(自民)  
農林水産委員長 宮路 和明君(自民)  
商工委員長 古屋 圭司君(自民)  
運輸委員長 赤城 徳彦君(自民)  
逓信委員長 小平 忠正君(民主)  
労働委員長 大石 正光君(民主)  
建設委員長 井上 義久君(公明)  
安全保障委員長 岡田 克也君(民主)

高木 義明君(民主)
平12.9.21辞任

同日就任  
科学技術委員長 古賀 一成君(民主)  
環境委員長 小林 守君(民主)  
国家基本政策委員長 野呂田芳成君(自民)  
予算委員長 原田昇左右君(自民)  
決算行政監視委員長 衛藤征士郎君(自民) 平12.12.6辞任  
議院運営委員長 藤井 孝男君(自民)  
懲罰委員長 西村 眞悟君(自由)  
特別委員長 災害対策特別委員長 中山 成彬君(自民) 平12.9.21設置
政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長 自見庄三郎君(自民) 同上
石炭対策特別委員長 東 祥三君(自由) 同上
沖縄及び北方問題に関する特別委員長 北村 直人君(自民) 同上
国会等の移転に関する特別委員長 肥田美代子君(民主) 同上
青少年問題に関する特別委員長 青山 二三君(公明) 同上
憲法調査会会長 中山 太郎君(自民)  
政治倫理審査会会長 奥野 誠亮君(自民)  
事務総長 谷 福丸君  

○内閣閣僚一覧

第2次森内閣 (平12.7.4〜平12.12.5) 備考
内閣総理大臣 森 喜朗君(自民)  
法務大臣 保岡 興治君(自民)  
外務大臣 河野 洋平君(自民)  
大蔵大臣 宮澤 喜一君(自民)  
文部大臣 大島 理森君(自民)  
厚生大臣 津島 雄二君(自民)  
農林水産大臣 谷 洋一君(自民)  
通商産業大臣 平沼 赳夫君(自民)  
運輸大臣 森田 一君(自民)  
郵政大臣 平林 鴻三君(自民)  
労働大臣 吉川 芳男君(自民)  
建設大臣 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
自治大臣 西田 司君(自民)  
内閣官房長官 中川 秀直君(自民)

福田 康夫君(自民)
平12.10.27辞任

同日就任
国家公安委員会委員長 西田 司君(自民)  
金融再生委員会委員長 相沢 英之君(自民) 平12.7.30就任
総務庁長官 続 訓弘君(公明)  
北海道開発庁長官 森田 一君(自民)  
防衛庁長官 虎島 和夫君(自民)  
経済企画庁長官 池口小太郎君

(堺屋 太一)
 
科学技術庁長官 大島 理森君(自民)  
環境庁長官 川口 順子君  
沖縄開発庁長官 中川 秀直君(自民)

福田 康夫君(自民)
平12.10.27辞任

同日就任
国土庁長官 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
国立国会図書館連絡調整委員会委員 大島 理森君(自民)  

 

第2次森改造内閣 (平12.12.5〜平13.1.5) 備考
内閣総理大臣 森 喜朗君(自民)  
法務大臣 高村 正彦君(自民)  
外務大臣 河野 洋平君(自民)  
大蔵大臣 宮澤 喜一君(自民)  
文部大臣 町村 信孝君(自民)  
厚生大臣 坂口 力君(公明)  
農林水産大臣 谷津 義男君(自民)  
通商産業大臣 平沼 赳夫君(自民)  
運輸大臣 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
郵政大臣 片山虎之助君(自民)  
労働大臣 坂口  力君(公明)  
建設大臣 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
自治大臣 片山虎之助君(自民)  
内閣官房長官 福田 康夫君(自民)   
国家公安委員会委員長 伊吹 文明君(自民)  
金融再生委員会委員長 柳澤 伯夫君(自民)
総務庁長官 片山虎之助君(自民)  
北海道開発庁長官 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
防衛庁長官 斉藤斗志二君(自民)  
経済企画庁長官 額賀福志郎君(自民)  
科学技術庁長官 町村 信孝君(自民)  
環境庁長官 川口 順子君  
沖縄開発庁長官 橋本龍太郎君(自民)  
国土庁長官 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
国立国会図書館連絡調整委員会委員 町村 信孝君(自民)  

 

第2次森改造内閣  (平13.1.6〜) 備考
内閣総理大臣 森 喜朗君(自民)  
総務大臣 片山虎之助君(自民)  
法務大臣 高村 正彦君(自民)  
外務大臣 河野 洋平君(自民)  
財務大臣 宮澤 喜一君(自民)  
文部科学大臣 町村 信孝君(自民)  
厚生労働大臣 坂口 力君(公明)  
農林水産大臣 谷津 義男君(自民)  
経済産業大臣 平沼 赳夫君(自民)  
国土交通大臣 林 寛子君(保守)

(扇 千景)
 
環境大臣 川口 順子君  
内閣官房長官 福田 康夫君(自民)   
国家公安委員会委員長 伊吹 文明君(自民)  
防衛庁長官 斉藤斗志二君(自民)  
沖縄及び北方対策担当大臣 橋本龍太郎君(自民)  
金融担当大臣 柳澤 伯夫君(自民)  
経済財政政策担当大臣 額賀福志郎君(自民)

麻生 太郎君(自民)
平13.1.23辞任

同日就任  
科学技術政策担当大臣 笹川 堯君(自民)  
防災担当大臣 伊吹 文明君(自民)  
男女共同参画担当大臣 福田 康夫君(自民)  
国立国会図書館連絡調整委員会委員 町村 信孝君(自民)  


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