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第154回国会

[1] 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第1号)

両院承認(平成14年条約第16号)

本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。

この協定は、我が国とシンガポールとの間で貿易及び投資の自由化及び円滑化のみならず、金融サービス、情報通信技術、科学技術、人材養成、貿易及び投資の促進、中小企業、放送並びに観光といった幅広い分野での連携を強化するものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 各締約国は、1994年の関税及び貿易に関する一般協定第3条の規定の例により、他方の締約国の産品に対し内国民待遇を与えること。

二 各締約国は、原産地規則を満たす他方の締約国の産品について、附属書Iに定める自国の実施日程に従って関税を撤廃するとともに、他方の締約国の産品の輸入について又は輸入に関連して課されるその他の課徴金を撤廃し、かつ、新たに課してはならないこと。

三 各締約国は、両締約国間で取引される物品の速やかな通関のため、情報通信技術の利用及び税関手続の簡素化並びに国際的な基準及び勧告された慣行への可能な限りの調和を行うとともに、両締約国間の貿易取引文書の電子化を促進すること。

四 通信端末機器及び無線機器並びに電気製品について、登録を受けた輸出側締約国の適合性評価機関が実施する適合性評価手続の結果を輸入側締約国が受け入れること。

五 各締約国は、自国の約束表に記載した分野において、かつ、当該約束表に定める条件及び制限に従い、他方の締約国のサービス及びサービス提供者に対し、内国民待遇を与えること。

六 各締約国は、自国の領域内において、投資財産の設立、取得、拡張、経営、運営、維持、使用、所有、清算、売却その他の処分に関し、他方の締約国の投資家及びその投資財産に対して内国民待遇を与えること。

七 シンガポールは、日本国における特許出願に対応するシンガポールにおける出願の特許付与手続を円滑にするための適当な措置をとること。

八 両締約国は、金融サービスの分野における規制監督に関する協力を促進するとともに、金融市場の基盤を強化するために協力すること。

なお、協定の不可分の一部を成す附属書は、両締約国の関税の撤廃のための実施日程等について規定している。

[2] 国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第2号)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の改正の受諾について、国会の承認を求めるものである。

この改正は、衛星通信業務を行ってきた国際電気通信衛星機構(インテルサット)(以下「機構」という。)が衛星等のシステムを民間会社に移転することにより、その業務を民営化することに伴う組織改革について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 衛星等の機構の宇宙システムを民間会社に移転し、機構が提供してきた国際衛星通信サービスは移転された民間会社が提供すること。

二 機構は、ライフライン接続サービスの提供等の原則が民間会社により履行されることを監督するため、民間会社と公的業務契約を締結すること。

三 機構の機関を締約国総会と事務局のみとすること。

[3] 国際労働基準の実施を促進するための三者の間の協議に関する条約(第144号)の締結について承認を求めるの件(条約第3号)

両院承認(平成14年条約第5号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、国際労働基準の実施を促進するための政府、使用者及び労働者の三者の間の協議について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 加盟国はこの条約に規定する国際労働機関の活動に関する事項について、政府、使用者及び労働者の代表者の間で効果的な協議が行われることを確保する手続を運用することを約束し、協議の手続は国内慣行に従い各国において定めること。

二 この条約に規定する手続における使用者及び労働者の代表者は、代表的団体が自由に選ぶとともに、使用者及び労働者は、協議が行われる機関において平等の立場で代表されること。

三 権限のある当局は、この条約に規定する手続に対する事務上の支援について責任を負うとともに、この条約に規定する手続の参加者に対して必要な研修を行うための経費の負担について、代表的団体との間で適当な取決めを行うこと。

四 協議は、国際労働総会の議題、採択された条約及び勧告を権限のある機関へ提出する際に行われる提案、批准されていない条約及び実施されていない勧告の見直し、既に批准している条約の実施に関して国際労働事務局に対して行われる報告から生ずる問題並びに批准された条約の廃棄に関する提案について、適当な間隔を置いて行うこと。

五 権限のある当局は、代表的団体と協議した上で適当と認めるときは、この条約に規定する手続の運用に関する年次報告を公表すること。

[4] 世界保健機関憲章第24条及び第25条の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第4号)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の改正の受諾について、国会の承認を求めるものである。

この改正は、平成10年5月にジュネーヴで開催された世界保健機関(以下「機関」という。)の第51回総会において採択されたものであり、機関の執行理事会の構成員の数を32の加盟国が任命した32人から34の加盟国が任命した34人に改めるものである。

[5] アジア=太平洋郵便連合憲章の第2追加議定書及びアジア=太平洋郵便連合一般規則の追加議定書の締結について承認を求めるの件(条約第5号)

両院承認(平成14年条約第10・11号)

本件は、標記の第二追加議定書及び一般規則の追加議定書の締結について、国会の承認を求めるものである。

この第二追加議定書は、アジア=太平洋郵便連合(以下「連合」という。)の組織及び運営の合理化のため、アジア=太平洋郵便連合憲章(以下「憲章」という。)の改正について規定するものであり、一般規則の追加議定書は、憲章の第二追加議定書の内容を反映して、現行の一般規則の改正について規定するものであり、その主な改正点は次のとおりである。

一 第二追加議定書

1 「中央事務局」及び「アジア=太平洋郵便研修センター」を廃止し、新たに「事務局」を設けるとともに、「事務局」は「管理部門」及び「研修部門」で構成するものとすること。

2 「中央事務局長」を「事務局長」に改めること。

二 一般規則の追加議定書

「事務局」の組識、職員、任務及び「事務局長」の任務等について定めるとともに、「アジア=太平洋郵便研修センター」を「事務局の研修部門」に改めること。

[6] オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第9回会合において採択されたもの)の受諾について承認を求めるの件(条約第6号)(参議院送付)

両院承認(平成14年条約第12号)

本件は、標記の議定書の改正の受諾について、国会の承認を求めるものである。

この改正は、オゾン層を保護するための措置を強化するとの観点から、議定書の下で非締約国との貿易の禁止の対象となる物質の範囲を拡大すること等を目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、臭化メチル(農産物等のくん蒸に使用)の非締約国からの輸入をこの改正の効力発生の日から1年以内に禁止するとともに、非締約国への輸出をこの改正の効力発生の日の後1年を経過した日以降禁止すること。

二 議定書の義務違反が生じた締約国が規制物質の使用済みのもの等を輸出することを禁止すること。

三 締約国は、平成12年1月1日又はこの改正が自国について効力を生じた日から3箇月以内の日のいずれか遅い日までに規制物質の輸出入に関するライセンスの制度(規制物質に関する不法取引の防止のため、未使用のものと再利用されるもの等を明確に区別する制度)を設け及び実施すること。

[7] オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第7号)(参議院送付)

両院承認(平成14年条約第13号)

本件は、標記の議定書の改正の受諾について、国会の承認を求めるものである。

この改正は、オゾン層を保護するための措置を強化するとの観点から、議定書の下で生産、消費等の規制の対象となる物質及び非締約国との貿易の禁止の対象となる物質の範囲を拡大すること等を目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 ハイドロクロロフルオロカーボン(冷媒等に使用)を生産する締約国は、当該物質の生産量の算定値(各規制物質のオゾンを破壊する度合いを考慮して算出した値)を規制すること。

二 新たな規制物質としてブロモクロロメタン(消火剤として使用)を追加し、締約国は、当該物質の消費量及び生産量の算定値が零を超えないことを確保すること。

三 締約国は、ハイドロクロロフルオロカーボンの非締約国からの輸入及び非締約国への輸出を平成16年1月1日以降禁止し、また、ブロモクロロメタンの非締約国からの輸入及び非締約国への輸出をこの改正の効力発生の日から1年以内に禁止すること。

四 締約国は、検疫、及び出荷前の処理のための臭化メチルの年間使用量に関する統計資料を事務局に提出すること。

[8] 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について承認を求めるの件(条約第8号)(参議院送付)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、残留性有機汚染物質の製造及び使用の規制等について定め、これらの物質から人の健康及び環境を保護することを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、附属書Aに掲げる物質(殺虫剤等として使用されるアルドリン等9物質)の意図的な製造、使用及び輸出入を禁止し、又は廃絶するために必要な法的措置及び行政措置をとること。

二 締約国は、附属書Bに掲げる物質(殺虫剤として使用されるDDT)の意図的な製造、使用及び輸出入を制限すること。

三 締約国は、附属書Dの基準(化学物質の附属書への追加を検討する際の選別のための基準)を考慮し、並びに残留性有機汚染物質の特性を示す新規の化学物質の製造及び使用を防止することを目的とした規制のための措置をとること。

四 締約国は、附属書Cに掲げる物質(意図的でなく生成され及び放出されるダイオキシン等4物質)の放出源を特定し及び特徴付けをし並びにこれについて取り組むとともに、この条約が自国について効力を生じた後2年以内に行動計画を作成し及び実施するための措置をとること。

五 締約国は、附属書A及び附属書Bに掲げる物質の在庫並びに附属書A、附属書B及び附属書Cに掲げる物質の廃棄物を特定するための適当な戦略を作成し、環境上適正な管理を行うよう適当な措置をとること。

六 締約国は、開発途上締約国及び移行経済締約国がこの条約に基づく義務を履行する能力を開発し及び強化することを援助するため、適時のかつ適当な技術援助を提供するよう協力すること。

七 先進締約国は、開発途上締約国及び移行経済締約国がこの条約に基づく義務を履行するための措置の実施に要するすべての合意された増加費用を負担することを可能にするため、贈与又は緩和された条件により適当かつ持続可能な資金供与を行うための制度を通じて、新規のかつ追加的な資金を供与すること。

八 締約国会議は、第1回会合の後、定期的に開催するものとし、この条約の実施について検討し及び評価すること。

なお、条約の不可分の一部を成す附属書Aは、廃絶の対象となる物質について、附属書Bは、制限の対象となる物質について、附属書Cは、意図的でない生成から生ずる放出の削減の対象となる物質について、附属書Dは、残留性有機汚染物質に関する情報の要件及び選別のための基準について、附属書Eは、危険性の概要に関する情報の要件について、附属書Fは、社会経済上の検討に関する情報について規定している。

[9] テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件(条約第9号)

両院承認(平成14年条約第6号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、一定のテロリズムの行為を行うために使用される資金を提供し又は収集する行為を犯罪として定め、その犯罪についての裁判権の設定、その犯罪に使用された資金の没収等につき規定するものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 一定のテロ行為(ハイジャック、爆弾テロ等既存のテロ防止関連条約上の犯罪及び他のテロ目的の殺傷行為)に使用されるための資金を提供し又は収集する行為等を、当該資金が実際に使用されたか否かを問わず、この条約上の犯罪とすること。

二 締約国は、一に定める犯罪を自国の国内法上の犯罪とし、その重大性を考慮した適当な刑罰を科することができるようにすること。

三 締約国は、一に定める犯罪についての自国の裁判権を設定するため、必要な措置をとること。

四 締約国は、一に定める犯罪の実行を目的として使用され又は配分された資金及び当該犯罪から生じた収益を没収するための適当な措置をとること。

五 容疑者が領域内に所在する締約国は、当該容疑者を引き渡さないときは、犯罪が自国の領域内で行われたものであるか否かを問わず、自国の法令による手続を通じて訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託する義務を負うこと。

六 締約国は、自国の領域内又は領域外で行われる一に定める犯罪の自国の領域内における準備を防止し及びこれに対処するため、必要な場合には国内法令を適合させることを含むあらゆる実行可能な措置をとることにより、当該犯罪の防止について協力すること。

[10] 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件(条約第10号)

両院承認(平成14年条約第8号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、情報関連技術の発達等に対応して、実演家及びレコード製作者に係る著作隣接権を一層効果的に保護することを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、他の締約国の国民である実演家及びレコード製作者に対して、この条約に定める保護を与えること。

二 実演家は、現に行っている実演(音に関する部分に限る。)及びレコードに固定された実演に関して、これらの実演に係る実演家であることを主張する権利及びこれらの実演の変更等により自己の声望を害するおそれのあるものに対して異議を申し立てる権利を保有すること。

三 実演家及びレコード製作者は、それぞれ、レコードに固定されたその実演又はそのレコードについて、複製、販売その他の譲渡、公衆への商業的貸与及びインターネットへのアップロードを許諾する排他的権利を享有すること。

四 実演家及びレコード製作者は、商業上の目的のために発行されたレコードを放送又は公衆への伝達のために利用することについて、単一の衡平な報酬を請求する権利を享有すること。

五 実演家に与えられる保護期間は、実演がレコードに固定された年の終わりから少なくとも50年とし、レコード製作者に与えられる保護期間は、レコードが発行された年の終わりから(レコードへの固定後50年以内に発行されなかった場合には固定が行われた年の終わりから)少なくとも50年とすること。

六 締約国は、この条約に基づく実演家又はレコード製作者の権利の侵害を抑制するために実演家又はレコード製作者が用いる技術的手段が回避されることを防止するため、適当な法的保護及び効果的な法的救済について定めること。

なお、我が国は、この条約の締結に際し、次の宣言を行う。

一 保護の対象となる他の締約国のレコード製作者の範囲の決定に際しては、発行の基準を適用しないこと。

二 実演家及びレコード製作者は、放送及び有線放送において商業用レコードが直接利用される場合にのみ報酬請求権を享有すること。

三 第15条(3)の規定により留保を付している国の国民をレコード製作者とするレコードについては、報酬請求権を当該留保の範囲に制限して適用すること。

四 有線又は無線の方法により、公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において利用が可能となるような状態に置かれたレコードについては、報酬請求権の対象としないこと。

[11] 1967年7月14日にストックホルムで署名された世界知的所有権機関を設立する条約第9条(3)の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第11号)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の改正の受諾について、国会の承認を求めるものである。

この改正は、平成11年9月、ジュネーヴで開催された世界知的所有権機関(以下「機関」という。)第17回締約国会議において採択されたものであり、機関のより適正な運営に資するため、機関事務局長の任期について、現在、6年以上の一定の任期をもって任命されるとしている点を改め、任期を6年に固定するとともに、再任についても、回数及び期間の制限がなかった点を改め、6年の任期をもって1回限りとするものである。

[12] エネルギー憲章に関する条約の締結について承認を求めるの件(条約第12号)

両院承認(平成14年条約第9号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、憲章の目的及び原則に従い、エネルギー分野における長期の協力を促進するための法的枠組みを設定するものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、エネルギー原料及びエネルギー産品について、商業的条件によるエネルギーの国際市場への進出を促進するよう及び開放されたかつ競争的な市場を全般的に発展させるよう努力すること。

二 締約国は、ガット第3条又は第11条の規定に反する貿易関連投資措置をとってはならないこと。

三 締約国は、エネルギー原料及びエネルギー産品の通過を促進するために必要な措置をとること。

四 締約国は、自国の地域における他の締約国の投資家の投資財産及び当該投資財産に関連する活動に対し、内国民待遇又は最恵国待遇のうちいずれか有利な待遇を与えること。

五 締約国の投資家であって、他の締約国の地域における戦争その他の武力紛争等によって当該地域における投資財産について損失を被ったものは、原状回復、損害賠償、補償その他の解決に関し、内国民待遇又は最恵国待遇のうちいずれか有利な待遇を与えられること。

六 迅速、適当かつ効果的な補償の支払を伴う等一定の条件を満たすものである場合を除くほか、締約国の投資家の他の締約国の地域における投資財産は、国有化され、収用され、又は国有化若しくは収用と同等の効果を有する措置の対象としてはならないこと。

七 この条約の締約国の間のエネルギー原料及びエネルギー産品の貿易(少なくともいずれか一方の締約国がガット又は関係する関連文書の締約国でない場合におけるもの)については、附属書Gに定める例外及び規則等に従うことを条件として、この条約のすべての締約国が1947年のガット及び関連文書の締約国であるとみなして、1947年のガット及び関連文書によって規律すること。

なお、我が国は、本条約の署名の際に、暫定的適用を受け入れることができない旨を宣言した上で、本条約が自国について効力を生ずるまでの間、機構及び制度の規定を自国の法令に抵触しない範囲で暫定的に適用している。

本条約の不可分の一部を成す14の附属書は、エネルギー原料及びエネルギー産品に該当する品目等について規定し、同じく不可分の一部を成す決定は、本条約の規定に対する特例措置を規定している。

[13] エネルギー効率及び関係する環境上の側面に関するエネルギー憲章に関する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第13号)

両院承認(平成14年条約第15号)

本件は、標記の議定書の締結について、国会の承認を求めるものである。

この議定書は、重要なエネルギー源としてエネルギー効率を高め、望ましくない環境上の影響を軽減するための政策上の原則を定めるとともに、エネルギー効率に関する計画の作成についての指針及び協力的かつ協調的に活動を行うための枠組み等について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、エネルギー効率に関する政策及び法令を作成し及び実施するに当たり、相互に協力し、適当な場合には、相互に援助すること。

二 締約国は、市場機構の効率的な運営及びエネルギー効率に関する障害の削減等を促進するための政策及び法令上の枠組みを確立すること。

三 締約国は、エネルギー・サイクル全体にわたって十分にエネルギー効率の利益が得られるよう努力し、そのために費用対効果及び経済効率に基づいたエネルギー効率に関する政策及び協力的又は協調的な措置を作成し及び実施すること。

四 締約国は、エネルギー効率の向上を図り及びその結果としてエネルギー・サイクルの環境上の影響を軽減するため、自国の固有のエネルギー事情との関係において適切な戦略及び政策目標を作成することとし、この戦略及び政策目標は、利害関係を有するすべての者にとって透明性を有するものとすること。

五 締約国は、エネルギー効率及びエネルギーに関係する環境保護に関する投資に資金を供与するための新たな取組方法及び方式の実施を奨励すること。

六 締約国は、エネルギー効率が高くかつ環境上適正な技術等についての商業上の取引及び協力を奨励すること。

七 締約国は、自国の状況に最も適したエネルギー効率に関する計画を作成し、実施し及び定期的に更新すること並びに計画を実施するための制度上及び法律上の十分な基盤が存在することを確保すること。

なお、本議定書の不可分の一部を成す附属書は、締約国間の協力に関し、エネルギー・サイクルが及ぼす環境上の影響についての評価、経済上及び法令上の措置の策定等あり得る協力の分野について例示している。

[14] 刑を言い渡された者の移送に関する条約の締結について承認を求めるの件(条約第14号)(参議院送付)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、外国において刑を言い渡された者をその本国に移送するための手続等について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 締約国は、刑を言い渡された者の移送に関してこの条約に従い協力のための最大限の措置を相互にとることを約束すること。

二 一の締約国の領域において刑を言い渡された者は、自己に命ぜられた刑に服するため、この条約に従い他の締約国の領域に移送されることができること。

三 刑を言い渡された者については、当該者が執行国の国民であること、判決が確定していること、当該者が移送に同意していること、刑が命ぜられたことの理由となった作為又は不作為が、執行国の法令により犯罪を構成すること、裁判国及び執行国が移送に同意していること等の条件が満たされる場合に限り、この条約に基づいて移送することができること。

四 裁判国は、刑を言い渡された者であってこの条約の適用を受けることのできるすべてのものに対し、この条約の内容を通知すること。

五 移送の要請及び回答は、書面により行い、要請を受けた国は、要請された移送に同意するかしないかについての決定を速やかに要請国に通報すること。

なお、我が国は、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)に定める特別永住者をこの条約の適用上我が国の国民に含める旨の宣言を行うことを予定している。

[15] 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件(条約第15号)

両院承認(平成 年条約第 号)

本件は、標記の議定書の締結について、国会の承認を求めるものである。

この議定書は、先進国等が平成20年から平成24年までの5年間において数量化された約束に従って温室効果ガスの排出を抑制し又は削減すること等を定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 条約附属書Iに掲げる締約国(以下「先進国等」という。)は、附属書Aに掲げる温室効果ガスの総排出量を平成20年から平成24年までの約束期間中に平成2年の水準より少なくとも5パーセント削減することを目的として、個別に又は共同して、当該温室効果ガスの二酸化炭素に換算した人為的な排出量の合計が、附属書Bに記載する排出の抑制及び削減に関する数量化された約束に従って並びに第3条の規定に従って算定される割当量を超えないことを確保すること。

二 平成2年以降の新規植林、再植林及び森林減少に起因する温室効果ガスの発生源による排出量及び吸収源による除去量の純変化は、先進国等が第3条の規定に基づく約束を履行するために用いられること。

三 先進国等の割当量は、平成20年から平成24年までの1回目の約束に係る期間においては、平成2年における温室効果ガスの二酸化炭素に換算した人為的な排出量の合計に附属書Bに記載する百分率を乗じたものに5を乗じて得た値に等しいものとすること。

四 先進国等の約束期間における排出量が第3条の規定に基づく割当量より少ない場合には、その量の差は、当該先進国等の要請により、その後の約束期間における当該先進国等の割当量に加えること。

五 先進国等は、第3条の規定に基づく約束を履行するため、温室効果ガスの発生源による人為的な排出削減又は吸収源による人為的な除去強化を目的とする事業から生ずる排出削減単位を他の先進国等に転移し又は他の先進国等から取得することができること。

六 条約附属書Iに掲げる締約国以外の締約国は、認証された排出削減量を生ずる事業活動から利益を得ることができ、また、先進国等は排出の抑制及び削減に関する数量化された約束の一部の遵守に資するため、当該事業活動から生ずる認証された排出削減量を用いることができること。

七 附属書Bに掲げる締約国は、排出の抑制及び削減に関する数量化された約束を履行するため、排出量取引に参加することができること。

なお、本議定書の不可分の一部を成す附属書Aは、温室効果ガス並びに当該ガスが発生する部門及び発生源の区分について、また、附属書Bは、先進国等の排出の抑制及び削減に関する数量化された約束について規定している。

[16] 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第16号)

両院承認(平成14年条約第17号)

本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。

この協定は、我が国と韓国との間の投資及び経済関係の更なる緊密化のために投資環境の法的枠組みを整備するものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 各締約国は、自国の領域内において、投資財産の設立、取得、拡張、運営、経営、維持、使用、享有、売却その他の処分(以下「投資及び事業活動」という。)に関し、他方の締約国の投資家及びその投資財産に対し、内国民待遇及び最恵国待遇を与えること。

二 各締約国は、裁判所の裁判を受ける権利等に関し、他方の締約国の投資家に対し、内国民待遇及び最恵国待遇を与えること。

三 各締約国は、投資及び事業活動に関連し又は影響を与える法令等を速やかに公表すること。

四 いずれの締約国も、投資及び事業活動の条件として、輸出要求、現地調達要求、技術移転要求等の特定措置の履行要求を行ってはならないこと。

五 各締約国は、収用又は国有化を行うに際して、公共の目的、無差別、迅速、適当かつ実効的な補償の支払、正当な法の手続に従うことの条件を満たさなければならないこと。

六 いずれか一方の締約国の投資家であって、他方の締約国の領域内において、敵対行為の発生その他の緊急事態により投資及び事業活動に関して損失又は損害を被ったものは、原状回復、損害賠償、補償その他の解決方法に関し、最恵国待遇及び内国民待遇を与えること。

七 各締約国は、投資家の投資財産に関連するすべての支払等が遅滞なく自由に移転されることを認めなければならないこと。

八 一方の締約国と他方の締約国の投資家との間の投資紛争が協議により解決されない場合、当該紛争は、投資紛争解決条約等による仲裁手続に付託されること。

なお、協定の不可分の一部を成す附属書Iは、内国民待遇及び最恵国待遇、役員の国籍要求の禁止及び特定措置の履行要求の禁止の適用における例外に係る分野又は事項について、また、附属書IIは、この協定の効力発生の日に存在する例外措置を定めている。

[17] 犯罪人引渡しに関する日本国と大韓民国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第17号)

両院承認(平成14年条約第4号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、我が国と韓国との間の逃亡した犯罪人の引渡しに関し、引渡しの対象となる犯罪の範囲、引渡しを拒む事由、自国民の引渡し、引渡手続等について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約における引渡犯罪は、両締約国において、死刑又は無期若しくは長期1年以上の拘禁刑に処することとされているものであること。

二 当該犯罪を引渡しを求められている者が行ったと疑うに足りる相当な理由がない場合、引渡しの請求が政治犯罪について行われていると認められる場合等は、引渡しは行われないこと。

三 被請求国の法令により、引渡しの請求に係る犯罪の全部又は一部が被請求国の領域又は船舶若しくは航空機において犯されたものと認められる場合等は、被請求国は引渡しを拒むことができること。

四 被請求国は、その裁量により自国民を引き渡すことができること。

五 領域外において行われた犯罪の場合には、被請求国が国外犯規定を置いているとき又は当該犯罪が請求国の国民によって行われたものであるときに限り、引渡しを行うこと。

六 被請求国が同意する場合等を除き、引渡しの理由となった犯罪以外の犯罪であって引渡しの前に行われたものについて、引き渡された者を拘禁し、訴追し、若しくは審判し、又はその者に対し刑罰を執行してはならないこと。

七 引渡しの請求は、必要な文書等を添付して外交上の経路により書面で行うこと。

八 緊急の場合において、締約国は、外交上の経路により、仮拘禁の請求を行うことができること。

[18] 文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約の締結について承認を求めるの件(条約第18号)

両院承認(平成14年条約第14号)

本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、文化財の不法な輸出、輸入等を規制することを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約の適用上、「文化財」とは、各国が考古学上、先史学上、史学上、文学上、美術上又は科学上重要なものとして特に指定した物件であって、一定の分類に属するものであること。

二 締約国がこの条約に基づいてとる措置に反して行われた文化財の輸入、輸出又は所有権移転は、不法とすること。

三 締約国は、当該文化財の輸出が許可されたものであることを明記する適当な証明書を導入し、当該証明書が添付されない文化財の輸出を禁止すること。

四 締約国は、他の締約国を原産国とする文化財であってこの条約が関係国について効力を生じた後に不法に輸出されたものを自国の博物館等が取得することを防止するため、国内法に従って必要な措置をとること。

五 締約国は、他の締約国の博物館等からこの条約が関係国について効力を生じた後に盗取された文化財(当該施設の所蔵品目録に属することが証明されたものに限る。)の輸入を禁止すること。

六 締約国は、原産国である締約国が要請する場合には、博物館等から盗取され輸入された文化財の回復及び返還のため適当な措置を取ること。ただし、要請を行う締約国が当該文化財の善意の購入者又は当該文化財に対して正当な権原を有する者に対し適正な補償金を支払うことを条件とすること。

七 締約国は、輸出許可証明書が添付されない文化財の輸出禁止及び盗取された文化財の輸入禁止の義務に違反した者に対して刑罰又は行政罰を科することを約束すること。

八 締約国は、ユネスコ総会に提出する定期報告において、この条約を適用するために自国がとった立法措置、行政措置等に関する情報を提供すること。

[19] 2005年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案(内閣提出 第14号)

成立(平成14年法律第19号)

本案は、平成17年に愛知県で開催される2005年日本国際博覧会(以下「博覧会」という。)の円滑な準備及び運営に資するため、国際博覧会条約の規定に基づく政府代表を設置し、その任務等を定めることを目的とするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 外務省に、特別職の国家公務員である2005年日本国際博覧会政府代表(以下「代表」という。)1人を置くこと。

二 代表は、博覧会に関する事項について、国際博覧会条約の規定により、日本国政府を代表することを任務とすること。

三 代表の任免は、外務大臣の申出により内閣が行い、代表が任務を終了したときは、解任されるものとすること。

四 この法律は、平成14年4月1日から施行し、博覧会終了の日から起算して1年を経過した日に効力を失うものとすること。

[20] 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第15号)

成立(平成14年法律第7号)

本案は、在外公館の新設等を行うものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 在東チモール日本国大使館(兼館)を新設するとともに、同大使館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めること。

二 「在カルカタ日本国総領事館」の名称及び位置の地名をそれぞれ「在コルカタ日本国総領事館」及び「コルカタ」に改めること。

三 国際連合教育科学文化機関日本政府代表部(実館)を新設するとともに、同政府代表部に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めること。

四 既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定すること。

五 研修員手当の支給額を改定すること。

六 この法律は、平成14年4月1日から施行すること。ただし、在東チモール日本国大使館に関する部分は東チモールの国家承認の日以後において政令で定める日から、国際連合教育科学文化機関日本政府代表部に関する部分は政令で定める日から施行すること。

附帯決議(14.3.26)

激変する国際社会にあって、わが国外交を担うべき外務省は、機密費問題に端を発した一連の不祥事、不適切な資金の流れ、政治家と官僚との不適正な関係、閉鎖的な組織など、極めて根本的な問題を抱えており、国民への説明責任も十分に果たしているとは言えない。外務省の人事面、組織面、会計面、意識面、政治家との関係などについて、一層抜本的な改善策を早急に実施することが、公正で透明な行政組織としての信頼を回復する上で不可欠である。これらを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。

一 外務省においては、日本外交の適切かつ効果的な展開を図り、不祥事の再発を防止し、信頼を回復するために、より一層の情報公開と外交機能強化のための組織・制度の改革に全力で取り組むこと。

二 わが国の深刻な財政事情並びに民間の厳しい諸情勢を厳粛に受けとめ、在外公館に関わる予算の効率性・透明性を高めるための具体的措置を講じること。

三 現下の厳しい国内情況に鑑み、在外職員の在勤基本手当並びに諸手当についても、各任地における諸外国外交官及び日本企業駐在員の給与制度及び水準も参考としつつ、勤務条件・現地の生活環境や物価水準、為替相場などを総合的に勘案し、適切な水準・内容となるよう努めること。

四 在外公館が扱う報償費などの諸経費について、支出基準・決裁手続きなどを見直し、厳格かつ適正な支出が図られるよう具体的措置をとること。

五 在外公館においては、犯罪・テロ対策など在外邦人に対する安全対策について一層の機能強化を図ること。

六 項目二および四に関しては、公認会計士などの中立・公正な立場で専門知識を持った第三者の参加を得た査察を実施すること。

七 以上の項目に関する具体的な実施内容・状況・結果などについて、当委員会の要請に応じて、随時報告を行なうこと。


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