本案は、国の施策に沿って農業経営の規模の拡大、農用地の改良等に取り組んできた専ら農業を営む者が、近年における農産物価格の下落その他農業を取り巻く環境の変化によって、農業経営に係る負債の償還が困難な状況になっており、その農業経営の再建が喫緊の課題であり、かつ、専ら農業を営む者の農業経営基盤の強化が食料自給率の向上のために重要であることにかんがみ、特定農業者の農業経営の再建及び優良農地の保全を図ろうとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 基本指針及び基本方針
1 農林水産大臣は、専ら農業を営む者で、国の施策に沿って農業経営の規模の拡大、農用地の改良等に取り組んできた結果として農業経営に係る負債を償還することが困難な状況として政令で定める状況にあるもの(以下「特定農業者」という。)の農業経営の再建に関する基本指針を定めるものとすること。
2 都道府県は、基本指針に即して、特定農業者の農業経営の再建に関する基本方針を定めることができるものとすること。
二 農業経営再建計画の認定等
1 特定農業者は、農業経営再建計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができるものとすること。
2 都道府県知事は、1の認定を受けた特定農業者(以下「認定特定農業者」という。)に対し、認定計画の達成につき必要な指導をすることができるものとすること。
三 資金の貸付け
農林漁業金融公庫等は、認定特定農業者に対し、認定計画に従って農業経営の再建を図るのに必要な資金の貸付けを行うものとすること。
四 土地改良事業に係る負担の軽減
国は、認定特定農業者の農業経営の再建のために必要があると認めるときは、その土地改良事業に係る負担金等について、負担軽減措置を講ずるものとすること。
五 農地等の買入れ及び貸付け
1 国は、認定特定農業者からその所有する農地等を買い入れるべき旨の申出があったときは、当該農地等を買い入れるものとすること。
2 国は、1の認定特定農業者から1により買い入れた農地等を貸し付けるべき旨の申出があったときは、その者に対し、当該農地等を貸し付けるものとすること。
六 施行期日等
1 この法律は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行すること。
2 この法律は、平成23年3月31日限り、その効力を失うものとすること。