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第5 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議

【両院合同会議の設置の経緯】

平成16年の第159回国会においては、近年の少子高齢化の一層の進展や厳しい経済・雇用情勢などを踏まえ、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げ、保険料を段階的に引き上げて将来の保険料水準を固定した上で、給付水準を自動調整する仕組の導入、在職老齢年金制度の見直し、離婚時等における年金分割制度の導入等、年金制度全般にわたる改正が行われた。

この年金制度改革関連法案の審議においては、年金制度に対する国民の不信などを背景とする国民年金の空洞化問題や国民年金と被用者年金との一元化など年金制度の抜本改革をめぐる議論が大きな論点となり、与野党の対立は激化していったが、衆議院での採決に際して、平成16年5月6日、自由民主党、民主党、公明党の3党間で、年金の一元化問題を含めた社会保障制度全般の一体的見直しを行う場として、衆・参の厚生労働委員会の小委員会、与野党の協議会の設置などを内容とする合意文書が交わされた。

この「三党合意」を受け、5月11日の衆議院本会議において、「政府は、社会保障制度に関する国会の審議を踏まえ、社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め、一体的な見直しを行いつつ、これとの整合を図り、公的年金制度について必要な見直しを行う」こと、「公的年金制度についての見直しを行うに当たっては、公的年金制度の一元化を展望し、体系の在り方について検討を行う」ことの規定を法律案附則に追加することを内容とする修正が行われた。その後、参議院で審議が行われ、年金制度改革関連法案は6月5日に成立した。

年金制度改革関連法案は成立したものの、同年7月の参議院通常選挙では年金制度改革の在り方が争点の一つになり、選挙の結果、民主党が大幅に議席を増やした。これを受け、第160回国会では、民主党から、成立した年金制度改革関連法を廃止して、年金制度の一元化に向けた必要な整備を行うこと等を内容とする法案が、議員立法として提出されたが、与党の反対多数により否決され、年金制度の一元化に向けた与野党の考え方の違いが浮き彫りになっていた。

その後も、年金を含めた社会保障制度全体の一体的見直しの議論を求める与党と公的年金制度の一元化を求める民主との話し合いがつかず、与野党の協議機関の設置も含め年金制度改革の議論が進まない状況が続いていたが、平成17年に入って、衆議院予算委員会での小泉内閣総理大臣の年金制度改革を先行して議論していく旨の答弁を機に、3党間で協議機関設置に向けた協議が進展し、国会内に協議の場を設けることを合意するに至った。

こうした状況を受け、第162回国会の平成17年4月1日、衆議院・参議院それぞれの本会議において、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議案が可決(賛成−自民、民主、公明、社民 反対−共産)され、「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議」が設置されることとなった。なお、同日の衆・参本会議において「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議要綱」が了承された。

年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する決議

本格的な少子高齢社会の進展の中で社会保障制度は深刻な状況にあり、年金をはじめとする社会保障制度に対する国民の不安・不信は根強いものがある。この事態をわが国社会の将来を左右する重大なことと受け止め、国民の信頼と安心を確保するための改革を実現することが政治の責任である。

この改革は一刻の猶予も許されないものである。出生率、経済財政情勢、産業構造、雇用構造など時代の大きな変化に適確に対応すべく、過去の経緯などにとらわれず、議論に必要な論点を国民に提示し、あらゆる観点からの議論を尽くし、社会保障制度改革なかんずく年金制度改革について、その実現のため全力を傾注しなければならない。

本院は、右の認識・決意にたって、国民の負託にこたえ国会の責任を果たすべく、新たに全会派参加による「両院合同会議」を設けることとする。そこでの議論は、議員間の論議を中心に各党の利害を超えて真摯に行い、すべて国民に公開するものとする。また、集中的・効率的に議論し、まず年金制度改革に関して各党が論点・目指すべき姿・施策について提起して議論を進め、今秋までに改革の方向付けを行い骨格の成案を得ることを目指すこととする。

政府は、この議論が円滑、効率的に行われるよう協力するとともに、この議論を尊重すべきである。

本院は、この議論を通じ、年金・社会保障制度改革の実現に最大限の努力を行う決意であることを全国民に表明する。

右決議する。

【第162回国会】

1 名簿(35人)(平成17. 4. 8)

会長与謝野 馨君自民衆議院議員
会長代理仙谷 由人君民主衆議院議員
幹事長勢 甚遠君自民衆議院議員
幹事丹羽 雄哉君自民衆議院議員
幹事柳澤 伯夫君自民衆議院議員
幹事武見 敬三君自民参議院議員
幹事枝野 幸男君民主衆議院議員
幹事城島 正光君民主衆議院議員
幹事小川 敏夫君民主参議院議員
幹事坂口  力君公明衆議院議員
伊吹 文明君自民衆議院議員
鴨下 一郎君自民衆議院議員
鈴木 俊一君自民衆議院議員
武部  勤君自民衆議院議員
津島 雄二君自民衆議院議員
片山虎之助君自民参議院議員
田浦  直君自民参議院議員
中島 眞人君自民参議院議員
小宮山洋子君民主衆議院議員
五島 正規君民主衆議院議員
中塚 一宏君民主衆議院議員
古川 元久君民主衆議院議員
横路 孝弘君民主衆議院議員
朝日 俊弘君民主参議院議員
峰崎 直樹君民主参議院議員
山本 孝史君民主参議院議員
井上 義久君公明衆議院議員
福島  豊君公明衆議院議員
冬柴 鐵三君公明衆議院議員
遠山 清彦君公明参議院議員
山口那津男君公明参議院議員
幹事会オブサーバー佐々木憲昭君共産衆議院議員
小池  晃君共産参議院議員
幹事会オブサーバー阿部 知子君社民衆議院議員
近藤 正道君社民参議院議員

2 合同会議の議論の概要

(1)経過
年月日 経過
平成17. 4. 8(第1回) 会長及び会長代理からの挨拶等
平成17. 4.14(第2回) 各党から意見を聴取した後、自由討議
平成17. 4.22(第3回) 自由討議
平成17. 6. 6(第4回) テーマ「年金制度の現状認識及び将来の見通し」

   各党から意見を聴取した後、自由討議
平成17. 6.30(第5回) テーマ「公的年金制度の必要性」

   各党から意見を聴取した後、自由討議
平成17. 7. 8(第6回) テーマ「国民年金の位置付け」

   各党から意見を聴取した後、自由討議
平成17. 7.22(第7回) テーマ「国民皆年金の意義」

   各党から意見を聴取した後、自由討議
平成17. 7.29(第8回) テーマ「国民年金と生活保護の関係」

   各党から意見を聴取した後、自由討議

*平成17. 8. 8 衆議院解散

(2)主な発言内容
[1] 平成17年4月14日(第2回)
[2] 平成17年4月22日(第3回)
[3] 平成17年6月6日(第4回)
[4] 平成17年6月30日(第5回)
[5] 平成17年7月8日(第6回)
[6] 平成17年7月22日(第7回)
[7] 平成17年7月29日(第8回)


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