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第一四二回

衆第四〇号

   国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律案

 (地位利用収賄)

第一条 国会議員が、特定の者に不当に利益を得させる目的でその地位を利用して他の公務員にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。

2 国会議員の秘書(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百三十二条に規定する秘書をいう。)が、特定の者に不当に利益を得させる目的でその地位を利用して他の公務員にその職務に関する行為をさせ若しくはさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときは、二年以下の懲役に処する。

 (没収及び追徴)

第二条 前条の場合において、犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

 (贈賄)

第三条 第一条の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

 (国外犯)

第四条 第一条の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の例に従う。

 (選挙権及び被選挙権の停止)

第五条 第一条の罪を犯し刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から刑の執行を終わるまでの間若しくは刑の時効による場合を除くほか刑の執行の免除を受けるまでの間及びその後五年間又はその裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)に規定する選挙権及び被選挙権を有しない。

2 裁判所は、情状により、刑の言渡しと同時に、前項に規定する者に対し、同項の五年間又は刑の執行猶予の言渡しを受けた場合にあってはその執行猶予中の期間のうち選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用すべき期間を短縮する旨を宣告することができる。

3 公職選挙法第十一条第三項の規定は、前二項の規定により選挙権及び被選挙権を有しなくなるべき事由が生じ、又はその事由がなくなったときについて準用する。この場合において、同条第三項中「第一項又は第二百五十二条」とあるのは、「国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条」と読み替えるものとする。

 (国会議員以外の公選公務員等の地位利用収賄)

第六条 国会議員以外の公選による公務員及び当該公務員の秘書による地位利用収賄に関しては、平成十一年十二月三十一日までに、この法律に準じて罰則を設けるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (地方自治法の一部改正)

2 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  第百二十七条第一項中「同法」を削り、「又は政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「第二十八条」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第五条」を加える。

  第百四十三条第一項中「同法」を削り、「又は政治資金規正法第二十八条」を「、政治資金規正法第二十八条又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条」に改める。

  第百六十四条第一項中「の規定に該当する者」を「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条の規定に該当するため選挙権及び被選挙権を有しない者」に改め、同条第二項中「の規定に該当するに至つた」を「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条の規定に該当するため選挙権及び被選挙権を有しない者となつた」に改める。

  第百八十四条第一項中「同法」を削り、「又は政治資金規正法第二十八条」を「、政治資金規正法第二十八条又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条」に改める。

 (漁業法の一部改正)

3 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。

  第八十七条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。

  三 国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第五条(選挙権及び被選挙権の停止)の規定により公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を有しない者

  第九十四条第一項の表第八十六条の八第一項の項及び第百三十七条の三の項中「又は政治資金規正法第二十八条」を「、政治資金規正法第二十八条又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条」に改める。

  第九十七条第一項中「第二号」の下に「若しくは第三号」を加え、「除く外」を「除くほか」に改める。

 (公職選挙法の一部改正)

4 公職選挙法の一部を次のように改正する。

  第二十一条第一項中「又は政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

  第二十七条第一項中「若しくは政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「若しくは国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

  第八十六条の八第一項及び第百三十七条の三中「又は政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

 (農業委員会等に関する法律の一部改正)

5 農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)の一部を次のように改正する。

  第十一条の見出しを「(公職選挙法等の準用)」に改め、同条の表以外の部分中「附則第四項及び第五項」の下に「並びに国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第五条第一項及び第二項(選挙権及び被選挙権の停止)」を加え、「同法の」を「公職選挙法の」に改め、同条の表第八十六条の八第一項の項及び第百三十七条の三の項中「又は政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

  第十三条中「同法第二百五十二条又は政治資金規正法」を「第二百五十二条、政治資金規正法」に改め、「第二十八条」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第五条」を加え、「又は第二百五十二条」を「若しくは第二百五十二条又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条」に改める。

 (義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部改正)

6 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(昭和三十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項第一号ハ中「第二百三十三条」の下に「若しくは国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第三条」を加える。

 (民事執行法の一部改正)

7 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の一部を次のように改正する。

  第六十五条第三号中「又は第百九十八条」を「若しくは第百九十八条又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律(平成十年法律第▼▼▼号)第一条若しくは第三条」に改める。

 (公職選挙法の一部を改正する法律の一部改正)

8 公職選挙法の一部を改正する法律(平成十年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

  第四章の次に一章を加える改正規定のうち第三十条の四中「又は政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「又は国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

  第四章の次に一章を加える改正規定のうち第三十条の十第一項中「若しくは政治資金規正法」を「、政治資金規正法」に改め、「((政治資金規正法違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」の下に「若しくは国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律第五条((国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律違反による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止))」を加える。

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