衆議院

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第一四七回

閣第五七号

   保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案

 (保険業法の一部改正)

第一条 保険業法(平成七年法律第百五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第百二十二条」を「第百二十二条の二」に改め、「保険契約の移転及び」を削り、「第二百四十九条」を「第二百四十九条の四」に、「第二百五十五条」を「第二百五十五条の五」に、「第四款 保険契約の移転等の手続の実施の命令等(第二百五十六条―第二百五十八条)」を「第一節の二 合併等の手続の実施の命令等(第二百五十六条―第二百五十八条)」に、

 第二款 資金援助等(第二百六十六条―第二百七十条の九)

 
 

第三節 清算手続等との調整(第二百七十一条・第二百七十一条の二)

 を

 第二款 資金援助等

 
 

  第一目 資金援助の申込み等(第二百六十六条―第二百七十条の三)

 
 

  第二目 保険契約の承継(第二百七十条の三の二―第二百七十条の三の十四)

 
 

  第三目 保険契約の引受け(第二百七十条の四―第二百七十条の六の五)

 
 

  第四目 補償対象保険金の支払に係る資金援助(第二百七十条の六の六・第二百七十条の六の七)

 
 

 第三款 保険金請求権等の買取り(第二百七十条の六の八―第二百七十条の六の十)

 
 

 第四款 雑則(第二百七十条の七―第二百七十条の九)

 
 

第三節 雑則(第二百七十一条―第二百七十一条の二の四)

 に改める。

  第十六条の次に次の一条を加える。

  (資本の減少に係る書類の備置き等)

 第十六条の二 取締役は、資本の減少の決議に係る株主総会の会日の二週間前から資本の減少による変更の登記をした日後六月を経過する日まで、資本の減少に関する議案その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各営業所に備え置かなければならない。

 2 株主又は会社の保険契約者若しくは債権者は、会社の営業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は会社の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

  第十七条第一項中「貸借対照表」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加え、同条第九項を同条第十一項とし、同条第八項の次に次の二項を加える。

 9 取締役は、資本の減少による変更の登記をした日から六月間、第一項から第四項までに規定する手続の経過その他の資本の減少に関する事項として総理府令・大蔵省令で定める事項を記載した書類を各営業所に備え置かなければならない。

 10 前条第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第六十九条の次に次の一条を加える。

  (組織変更に係る書類の備置き等)

 第六十九条の二 取締役は、前条第一項の株主総会の会日の二週間前から組織変更の日後六月を経過する日まで、組織変更計画書その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各営業所に備え置かなければならない。

 2 第十六条の二第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第七十条第一項中「貸借対照表」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加え、同条第二項中「及び第九項」を「及び第十一項」に、「同条第九項」を「同条第十一項」に改める。

  第七十七条に次の一項を加える。

 4 商法第二百八十六条ノ四(新株発行費用の繰延べ)の規定は、第一項の規定による基金の募集のために必要な費用の額について準用する。

  第八十一条の見出しを「(組織変更の公告等)」に改め、同条中「行われたこと」の下に「及び総理府令・大蔵省令で定める事項」を加え、同条に次の二項を加える。

 2 取締役は、組織変更の日から六月間、第七十条第一項及び同条第二項において準用する第十七条第二項から第四項までに規定する手続の経過その他の組織変更に関する事項として総理府令・大蔵省令で定める事項を記載した書類を各事務所に備え置かなければならない。

 3 第十六条の二第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第八十六条第一項中「次項」を「以下この款」に改め、同条第五項中「事項」の下に「(第九十二条の七各号又は第九十二条の九第一項各号に掲げる事項を記載するときは、第四号及び第五号に掲げる事項を除く。)」を加え、同項第三号中「組織変更に際して」を「社員に対する割当てにより」に改め、「無額面の別」の下に「並びに発行価額」を加え、同項中第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。

  五 社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し総理府令・大蔵省令で定める事項

  第八十六条に次の一項を加える。

 6 相互会社は、第二項の定款において、組織変更後の株式会社における第百十四条第一項に規定する契約者配当に係る方針を記載しなければならない。

  第八十六条の次に次の一条を加える。

  (組織変更に係る書類の備置き等)

 第八十六条の二 取締役は、前条第一項の社員総会の会日の二週間前から組織変更の日後六月を経過する日まで、組織変更計画書その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各事務所に備え置かなければならない。

 2 第十六条の二第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第八十七条の見出しを「(組織変更決議の公告及び異議申立て)」に改め、同条第一項中「貸借対照表」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加える。

  第八十九条第三項中「第二百十七条第一項」を「第二百十七条第一項本文」に改め、同項に後段として次のように加える。

   この場合において、商法第二百十七条第一項本文中「其ノ部分」とあるのは、「其ノ部分(第二百三十条ノ三第一項本文ノ規定ニ依リ端株券ノ発行ヲ請求サレタル部分ヲ除ク)」と読み替えるものとする。

  第八十九条第四項及び第五項を次のように改める。

 4 第一項の規定による株式の割当てにより生じた一株に満たない端数に対する商法第二百三十条ノ二第一項(端株原簿への記載)の規定の適用については、同項中「其ノ定ムル期日迄ニ記載ヲ欲セザル旨ノ申出アリタルモノヲ除クノ外其ノ端数」とあるのは、「其ノ端数」とする。

 5 商法第二百三十条ノ八ノ二第二項から第六項まで(端株の買取請求)の規定は、第一項の規定による株式の割当てにより生じた一株に満たない端数については、組織変更の日から一年間は、適用しない。

  第八十九条第六項を同条第七項とし、同条第五項の次に次の一項を加える。

 6 相互会社の社員で第一項の規定により株式を割り当てられた者は、組織変更により組織変更後の株式会社の株主となる。

  第九十条第一項中「組織変更後の株式会社の資本の額」を「前条第一項の規定により社員に割り当てた株式の発行価額の総額」に改め、同条第二項中「資本の額」を「前条第一項の規定により社員に割り当てた株式の発行価額の総額」に改める。

  第九十二条第一項中「定めることができる」を「定めなければならない」に改め、同条第二項中「資本の額及び組織変更剰余金額の合計額」を「組織変更剰余金額」に改め、同条第三項中「を上限」を削り、同条第四項中「定めるもののほか、」の下に「組織変更剰余金額の減額その他」を加え、同条の次に次の八条を加える。

  (組織変更における株式の発行)

 第九十二条の二 相互会社は、第八十九条第一項の規定による株式の割当てを行うほか、組織変更に際して、組織変更後の株式会社の株式を発行することができる。この場合においては、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 この項の規定により発行する株式(以下この項において「株式」という。)の種類及び数

  二 株式の発行価額

  三 株式の発行価額中資本に組み入れない額

  四 現物出資をする者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える株式の額面又は無額面の別、種類及び数

 2 商法第百七十五条(第二項第一号、第三号、第五号、第七号及び第十一号を除く。)(株式の申込み)、第百七十六条から第百七十九条まで(株式の割当て、株式の払込み、払込取扱機関の変更、株式引受人の失権手続)、第百八十九条(払込取扱機関の証明)、第百九十条(権利株の譲渡)、第百九十一条前段(引受けの無効又は取消しの制限)、第百九十二条(発起人等の引受担保責任及び払込担保責任)、第二百二十二条第一項及び第二項(数種の株式)、第二百二十二条ノ二(転換株式の発行)並びに第二百二十二条ノ四(転換株式発行の手続)並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項(管轄裁判所)及び第百三十二条ノ二(払込取扱機関変更の許可の申請)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、商法第百七十五条第二項(各号列記以外の部分に限る。)及び第四項、第百七十六条、第百七十七条第一項、第百七十九条第一項及び第二項並びに第百九十二条第四項において準用する同法第百八十六条中「発起人」とあるのは「相互会社ノ取締役」と、同法第百七十五条第二項第八号中「第百六十八条ノ二」とあるのは「保険業法第九十二条の二第一項」と、同項第九号中「各発起人ガ引受ケタル」とあるのは「社員ニ割当テタル」と、「種類、数及引受価額」とあるのは「数及発行価額」と、同法第百八十九条第一項中「発起人又ハ取締役」とあるのは「相互会社ノ取締役又ハ組織変更後ノ株式会社ノ取締役」と、同法第百九十二条第一項及び第二項中「発起人及会社成立当時ノ取締役」とあり、及び同条第三項中「発起人又ハ取締役」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ相互会社ノ取締役及組織変更当時ノ株式会社ノ取締役」と、同法第二百二十二条ノ二第二項中「会社ノ設立ニ際シテハ発起人全員ノ同意ヲ以テ之ヲ定メ会社ノ成立後ニ於テハ定款ニ株主総会ガ之ヲ決スル旨ノ定アルトキヲ除クノ外取締役会之ヲ決ス」とあるのは「組織変更ニ際シテハ組織変更計画書ヲ以テ之ヲ定ム」と、同法第二百二十二条ノ四中「株式申込証又ハ新株引受権証書」とあるのは「株式申込証」と読み替えるものとする。

 3 第九条第一項の規定は、前項において準用する商法第百七十五条第一項の株式申込証について準用する。

 4 商法第百七十三条(検査役の調査)並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項(管轄裁判所)、第百二十七条から第百二十九条まで(検査役の選任、報告等)、第百二十九条ノ三(検査役の報酬)及び第百二十九条ノ四(不服申立て)の規定は、組織変更計画書に第一項第四号に掲げる事項を記載した場合について準用する。この場合において、商法第百七十三条第一項中「取締役ハ其ノ選任後遅滞ナク第百六十八条第一項」とあるのは「相互会社ノ取締役ハ保険業法第九十二条の二第一項第四号」と、同条第二項中「第百六十八条第一項第五号及第六号」とあるのは「保険業法第九十二条の二第一項第四号」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、「同項第五号及第六号」とあり、「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあり、及び「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同条第三項中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「保険業法第九十二条の二第一項第四号」と、「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同条第四項中「第百六十八条第一項」とあるのは「保険業法第九十二条の二第一項第四号」と、「各発起人」とあるのは「組織変更ノ決議ノ当時ノ相互会社ノ取締役及現物出資ヲ為ス者」と、同条第五項中「発起人」とあるのは「現物出資ヲ為ス者」と、同項及び同条第六項中「定款」とあるのは「定款及組織変更計画書」と読み替えるものとする。

 5 商法第百七十三条ノ二(設立手続の調査)及び第百九十五条(発起人、取締役及び監査役の連帯責任)の規定は、組織変更後の株式会社の取締役及び監査役となるべき者について準用する。この場合において、同法第百七十三条ノ二第一項中「前条」とあるのは「保険業法第九十二条の二第四項ニ於テ準用スル前条」と、「定款」とあるのは「組織変更計画書」と、同条第二項中「各発起人」とあるのは「相互会社ノ各取締役」と、同法第百九十五条中「第百七十三条ノ二又ハ第百八十四条第一項及第二項」とあるのは「保険業法第九十二条の二第五項ニ於テ準用スル第百七十三条ノ二」と、「発起人」とあるのは「相互会社ノ取締役」と読み替えるものとする。

 6 商法第二百八十六条ノ四(新株発行費用の繰延べ)の規定は、第一項の規定による株式の発行のために必要な費用の額について準用する。

  (取締役の財産価格てん補責任)

 第九十二条の三 組織変更計画書に前条第一項第四号に掲げる事項を記載した場合において、現物出資の目的たる財産の組織変更当時における実価が組織変更計画書に記載した価格に著しく不足するときは、現物出資に関する議案を社員総会に提出した相互会社の取締役は、議案に掲げた財産の価格と実価との差額を限度として組織変更後の株式会社に対し連帯してその不足額を支払う義務を負う。

 2 商法第百九十二条ノ二第二項及び第三項(発起人等の財産価格てん補責任)並びに第二百六十六条第二項及び第三項(取締役の責任)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同法第百九十二条ノ二第二項中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「保険業法第九十二条の二第一項第四号」と、「発起人及取締役」とあるのは「相互会社ノ取締役」と、「前項」とあるのは「同法第九十二条の三第一項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「保険業法第九十二条の三第一項」と、同項において準用する同法第百八十六条中「発起人」とあるのは「相互会社ノ取締役」と読み替えるものとする。

  (組織変更後の株式会社の新株発行事項の決定)

 第九十二条の四 組織変更後の株式会社がその株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもって新株を発行しようとする場合において、次に掲げる事項を記載した組織変更計画書を承認する当該組織変更前の相互会社の社員総会の決議があったときは、当該組織変更の日に、商法第二百八十条ノ二第二項(新株の有利発行)の規定による当該株式会社の株主総会の決議があったものとみなす。この場合においては、当該相互会社の取締役は、当該社員総会において、当該株式会社の株主以外の者に対して特に有利な発行価額をもって新株を発行することを必要とする理由を開示しなければならない。

  一 株式の額面又は無額面の別、種類及び数

  二 最低発行価額

  (組織変更における株式交換)

 第九十二条の五 相互会社は、他の株式会社を組織変更後の株式会社の完全親会社(商法第三百五十二条第一項(株式交換)に規定する完全親会社をいう。以下この款において同じ。)とするため、組織変更に際して、株式交換を行うことができる。

 2 前項の規定により他の株式会社が組織変更後の株式会社の完全親会社となる場合には、当該他の株式会社は、この法律及び商法の株式交換に関する規定に従うものとする。

  (社員への完全親会社の株式の割当て)

 第九十二条の六 前条第一項の株式交換を行う相互会社の社員は、第八十九条第一項の規定にかかわらず、組織変更計画書の定めるところにより、完全親会社が株式交換に際して発行する新株の割当てを受けるものとする。

 2 第八十九条第二項から第五項まで及び第七項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第九十二条の六第一項」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第九十二条の六第一項及び前項」と、同条第四項及び第五項中「第一項」とあるのは「第九十二条の六第一項」と、同条第七項中「前各項」とあるのは「第二項から第五項まで」と、「組織変更」とあるのは「第九十二条の五第一項の株式交換」と読み替えるものとする。

 3 前条第一項の株式交換によって、第八十九条第一項の規定により社員に割り当てるべき株式は完全親会社に移転し、相互会社の社員で第一項の規定により当該完全親会社が株式交換に際して発行する新株を割り当てられた者は当該完全親会社の株主となる。

  (株式交換に関し組織変更計画書等に記載すべき事項)

 第九十二条の七 第九十二条の五第一項の株式交換を行う場合においては、組織変更計画書及び株式交換契約書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 商法第三百五十三条第二項第一号、第三号及び第六号(株式交換契約書の承認)に掲げる事項

  二 完全親会社が株式交換に際して発行する新株の総数及び額面又は無額面の別

  三 社員に対する前号の新株の割当てに関する事項

  四 社員に対する第二号の新株の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し総理府令・大蔵省令で定める事項

  五 社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

  六 相互会社において組織変更の決議をする社員総会の期日及び株式会社において株式交換契約書の承認の決議をする株主総会の期日

  七 各会社が株式交換の日までに利益の配当若しくは商法第二百九十三条ノ五第一項(中間配当)の金銭の分配又は剰余金の分配をするときは、その限度額

  (組織変更における株式移転)

 第九十二条の八 相互会社は、組織変更後の株式会社の完全親会社を設立するため、組織変更に際して、株式移転を行うことができる。

 2 第九十二条の六の規定は、前項の株式移転の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「第九十二条の六第一項」とあるのは「第九十二条の八第二項において準用する第九十二条の六第一項」と、「第九十二条の五第一項の株式交換」とあるのは「第九十二条の八第一項の株式移転」と読み替えるものとする。

  (株式移転に関し組織変更計画書に記載すべき事項等)

 第九十二条の九 前条第一項の株式移転を行う場合においては、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 商法第三百六十五条第一項第一号、第三号、第五号及び第七号(株式移転事項の承認)に掲げる事項

  二 社員に対する完全親会社が株式移転に際して発行する株式の割当てに関する事項

  三 社員に対する前号の株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し総理府令・大蔵省令で定める事項

  四 社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

  五 相互会社が株式移転の日までに剰余金の分配をするときは、その限度額

  六 他の相互会社又は株式会社と共同して前条第一項の株式移転により完全親会社を設立するときは、その旨

 2 前条第一項の株式移転により設立する完全親会社は、これを商法第三百六十四条第一項(株式移転)の株式移転により設立する完全親会社とみなして、同法第二百八十八条ノ二第一項(資本準備金)、第三百六十六条(株式移転事項を記載した書面の備置き等)、第三百六十七条(完全親会社の資本金)、第三百六十九条(株式移転の登記)、第三百七十条(株式移転の効力発生時期)及び第三百七十一条第三項において準用する同法第三百六十条(株式交換事項を記載した書面の備置き等)並びに商法特例法第三条第七項(会計監査人の選任)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、商法第三百六十六条第一項中「前条第一項ノ株主総会ノ会日ノ二週間前ヨリ」とあるのは「株式移転ノ日ヨリ」と、同項第一号中「前条第一項ノ場合ニ於ケル議案」とあるのは「組織変更計画書」と、同項第二号中「株主」とあるのは「社員」と、同項第三号中「前条第一項ノ株主総会」とあるのは「保険業法第八十六条第一項ノ社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会)」と、同法第三百六十七条中「株主」とあるのは「社員」と、商法特例法第三条第七項中「商法第三百六十五条第一項の株主総会」とあるのは「保険業法第八十六条第一項の社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」とする。

  第九十三条第二項第三号中「第八十九条」の下に「又は第九十二条の六(第九十二条の八第二項において準用する場合を含む。)」を加える。

  第九十四条の見出しを「(会社の設立に際して発行される株式とみなされる株式等)」に改め、同条第一項を次のように改める。

   次に掲げる株式を発行する場合においては、当該株式を商法第百六十六条第一項第六号、第二項及び第三項(定款の記載事項)、第百六十八条ノ三(設立の際の無額面株式の発行価額)並びに第二百八十四条ノ二第二項(払込剰余金)に規定する会社の設立に際して発行する株式とみなす。

  一 第八十九条第一項の規定により社員に割り当てた株式

  二 第九十二条の二の規定により組織変更に際して募集した株式

  第九十四条第二項中「においては、当該」を「においては、前項各号に掲げる株式に係る」に、「日とみなし」を「日と」に改める。

  第九十五条第二項第三号中「又は総代会」を削り、同項に次の一号を加える。

  十 第九十二条の二の規定により組織変更に際して株式を発行したときは、次に掲げる書面

   イ 株式の申込み及び引受けを証する書面

   ロ 取締役及び監査役又は検査役の調査報告書並びに第九十二条の二第四項において準用する商法第百七十三条第三項前段(発起設立における検査役の調査を必要とする場合)の弁護士の証明書並びにこれらの附属書類並びに有価証券の取引所の相場を証する書面

   ハ 検査役の報告に関する裁判があったときは、その謄本

   ニ 払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書

  第九十五条第三項中「、第一項の場合について」を「第一項の場合について、同法第五十五条第一項(設立の登記)の規定は前項の場合について、それぞれ」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。

 3 第九十二条の五第一項の株式交換による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条、第七十九条及び第八十九条の二(株式交換による変更の登記)並びに前項各号に定める書類のほか、相互会社の登記簿の謄本(当該登記所の管轄区域内に相互会社の主たる事務所又は従たる事務所がある場合を除く。)を添付しなければならない。

 4 第九十二条の八第一項の株式移転による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条、第七十九条及び第八十九条の三第一項(株式移転による設立の登記)並びに第二項各号に定める書類のほか、相互会社の登記簿の謄本(当該登記所の管轄区域内に相互会社の主たる事務所又は従たる事務所がある場合を除く。)を添付しなければならない。

  第九十六条中「この場合において」の下に「、第八十一条中「第七十条第一項」とあるのは「第八十七条第一項」と、第八十四条第一項中「主たる事務所」とあるのは「本店(第九十二条の五第一項の株式交換により他の株式会社を完全親会社としたとき、又は第九十二条の八第一項の株式移転により完全親会社を設立したときは、当該完全親会社の本店)」と」を加え、「前項の訴えについて、商法第二百八十条ノ十七第一項及び第二百八十条ノ十八第一項(新株発行の無効の訴え)の規定は第七十七条第一項の基金の募集をした場合について、それぞれ」とあるのは「、前項の訴えについて」を「商法第二百八十条ノ十七第一項及び第二百八十条ノ十八第一項(新株発行の無効の訴え)の規定は第七十七条第一項の基金の募集をした場合について」とあるのは「商法第百三十七条及び第百三十八条の規定は第九十二条の八第一項の株式移転により設立された完全親会社について」に改める。

  第百十六条第二項中「内閣総理大臣及び大蔵大臣は、」を削り、「ものについて、」を「ものに係る」に、「必要」を「は、金融再生委員会及び大蔵大臣が必要」に改める。

  第百十七条の次に次の一条を加える。

  (生命保険会社における保険契約者等の先取特権)

 第百十七条の二 生命保険会社にあっては、保険契約者(再保険に係る保険契約者を除く。)は被保険者のために積み立てた金額につき、次に掲げる権利(再保険に係る権利を除く。)を有する者はその権利の額につき、それぞれ当該生命保険会社の総財産の上に先取特権を有する。

  一 保険金請求権

  二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)

  三 返戻金、剰余金、契約者配当に係る配当金その他の給付金(保険金を除く。)を請求する権利

 2 前項の先取特権の順位は、民法第三百六条第一号(共益費用の先取特権)に掲げる先取特権に次ぐ。

  第百二十二条の次に次の一条を加える。

  (指定等)

 第百二十二条の二 金融再生委員会は、民法第三十四条(公益法人の設立)の規定による法人であって、次項に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、同項に規定する業務を行う者として指定することができる。

  一 業務を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。

  二 前号に定めるもののほか、業務を公正かつ適確に実施することができるものであること。

 2 前項の規定により指定された法人(以下この条において「指定法人」という。)は、次に掲げる業務を行うものとする。

  一 保険数理の専門的知識及び技能を有する者の養成及び研修を行うこと。

  二 保険数理に関し、必要な調査研究を行い、統計を作成し、資料を収集し、又は情報の提供を行うこと。

  三 第百十六条第二項に規定する責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準その他の保険数理に関する事項に係る業務であって、金融再生委員会から委託を受けたものを行うこと。

  四 前三号に掲げる業務に附帯する業務

 3 金融再生委員会は、前項に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定法人に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 4 金融再生委員会は、第二項に規定する業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定法人に対し同項に規定する業務若しくは財産に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入らせ、同項に規定する業務若しくは財産の状況に関し質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

 5 金融再生委員会は、指定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、第一項の指定(第二号及び次項において「指定」という。)を取り消すことができる。

  一 第二項に規定する業務を公正かつ適確に実施することができないと認められるとき。

  二 指定に関し不正の行為があったとき。

  三 第三項の規定による命令に違反したとき。

 6 前各項に定めるもののほか、指定の手続その他指定法人に関し必要な事項は、総理府令・大蔵省令で定める。

  第百二十六条第六号を同条第七号とし、同条第五号の次に次の一号を加える。

  六 第八十六条第六項の組織変更後の株式会社における契約者配当に係る方針に関する事項

  第百三十六条の次に次の一条を加える。

  (保険契約の移転に係る書類の備置き等)

 第百三十六条の二 移転会社の取締役は、前条第一項の株主総会等の会日の二週間前から次条第二項の規定により同条第一項の公告に付記した期間の最終日まで、第百三十五条第一項の契約に係る契約書その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。

 2 移転会社の株主又は保険契約者は、その営業時間又は事業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は移転会社の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

  第百三十七条第一項中「前条第一項」を「第百三十六条第一項」に改め、「貸借対照表)」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加える。

  第百五十六条の次に次の一条を加える。

  (解散に係る書類の備置き等)

 第百五十六条の二 取締役は、解散の決議に係る社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の会日の二週間前から当該決議の日(総代会において解散の決議をしたときは、次条第一項の公告の日後一月を経過する日)まで、解散に関する議案その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各事務所に備え置かなければならない。

 2 相互会社の社員は、その事業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は相互会社の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

  第百五十七条第一項中「貸借対照表」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加え、同条第四項中「前条」を「第百五十六条」に改める。

  第百六十四条第一項中第八号を第九号とし、第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、同項第五号中「について定めたときは、その規定」を「に関する事項」に改め、同号を同項第六号とし、同項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 合併により消滅する相互会社の社員に対する新株の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し総理府令・大蔵省令で定める事項

  第百六十四条第三項中「から第三項まで及び第六項」を「から第五項まで及び第七項」に、「同条第三項中「前二項」とあるのは「第百六十四条第一項及び前項」と、同条第六項」を「同条第七項」に、「から第三項まで」」を「から第五項まで」」に改める。

  第百六十五条第一項第九号を同項第十号とし、同項第六号から第八号までを一号ずつ繰り下げ、同項第五号中「について定めたときは、その金額」を「に関する事項」に改め、同号を同項第六号とし、同項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し総理府令・大蔵省令で定める事項

  第百六十五条の次に次の一条を加える。

  (合併に係る書類の備置き等)

 第百六十五条の二 合併(合併後存続する会社又は合併により設立される会社が保険会社である場合に限る。次条第一項において同じ。)をしようとする保険会社の取締役は、商法第四百八条第一項(合併契約書の承認)(第百七十三条において準用する場合を含む。)の株主総会等の会日の二週間前(合併後存続する保険会社が同法第四百十三条ノ三第一項(簡易な合併手続)の規定により同法第四百八条第一項の承認を得ないで合併を行う場合には、合併契約書の作成の日)から合併の日後六月を経過する日まで、合併契約書その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。

 2 第十六条の二第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第百六十六条第一項中「(合併後存続する会社又は合併により設立される会社が保険会社である場合に限る。)」を削り、「貸借対照表」の下に「その他総理府令・大蔵省令で定める事項」を加え、同条第二項中「及び第九項」を「及び第十一項」に、「同条第九項」を「同条第十一項」に改め、同条に次の二項を加える。

 5 合併後存続する保険会社又は合併により設立される保険会社の取締役は、合併の日から六月間、第一項及び第二項において準用する第十七条第二項から第四項までに規定する手続の経過その他の合併に関する事項として総理府令・大蔵省令で定める事項を記載した書類を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。

 6 第十六条の二第二項の規定は、前項の書類について準用する。

  第百七十三条第一項中「、第四百八条ノ二(合併後存続する会社又は合併により設立される会社が相互会社である場合にあっては、第一項第二号を除く。)(合併契約書等の備置き等)」、「、第四百十四条ノ二(合併事項を記載した書面の備置き等)」、「以下本節ニ於テ同ジ」及び「、同法第四百八条ノ二第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と」を削る。

  第百九十九条中「並びに第百条」を「、第百条並びに第百条の二」に改める。

  第二百十条第一項中「「移転先会社」と」の下に「、第百三十六条の二第一項中「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前」とあるのは「第百三十五条第一項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)の作成日」と、「第百三十五条第一項の契約に係る契約書」とあるのは「移転契約書」と、「各営業所又は各事務所」とあるのは「支店等」と、同条第二項中「移転会社の株主又は保険契約者」とあるのは「移転対象契約者」と」を加え、「前条第一項」を「第百三十六条第一項」に、「第百三十五条第一項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)」を「移転契約書」に改め、「、「第百三十五条第一項」とあるのは「同項」と」を削る。

  第二百三十七条第一号及び第三号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改める。

  第二百四十条第一項第一号中「第百条」を「第百条の二」に改める。

  第二編第十章第一節第一款の款名中「保険契約の移転及び」を削る。

  第二百四十一条の見出しを「(業務の停止、合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理)」に改め、同条中「及び第二百七十条の六」を「、第六項及び第八項第二号並びに第二百七十条の六」に、「第二百五十条」を「第二百五十五条の二」に、「保険契約の移転若しくは合併の協議(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約の移転の協議)」を「合併、保険契約の移転(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約の移転)若しくは当該保険会社の株式の他の保険会社若しくは保険持株会社等による取得(第二百四十七条第一項、第二百五十六条から第二百五十八条まで、第二百七十条の三の二第四項及び第五項並びに第二百七十条の四第四項及び第五項において「合併等」という。)の協議」に改め、「次条」の下に「及び第二百四十六条の二から第二百四十七条の二まで」を加え、同条に次の二項を加える。

 2 この章において「保険持株会社等」とは、次に掲げる者をいう。

  一 保険持株会社

  二 株式を取得することにより保険会社を子会社とする持株会社となることについて第二百七十一条の三第一項の認可を受けた会社

  三 前二号に掲げる会社以外の会社(保険会社を除く。)で保険会社を子会社とするもの又は子会社としようとするもの

 3 保険会社は、その業務又は財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難であるときは、その旨及びその理由を、文書をもって、金融再生委員会に申し出なければならない。

  第二百四十二条第一項中「前条」を「前条第一項」に改め、「この節において」を削り、「第四百十五条第二項」を「第四百十五条」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 金融再生委員会は、管理を命ずる処分と同時に、一人又は数人の保険管理人を選任しなければならない。

  第二百四十二条第四項を次のように改める。

 4 金融再生委員会は、必要があると認めるときは、第二項の規定により保険管理人を選任した後においても、更に保険管理人を選任し、又は保険管理人が被管理会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないと認めるときは、保険管理人を解任することができる。

  第二百四十二条第五項中「第二項」の下に「若しくは前項」を加え、「、又は前項」を「又は同項」に、「対し、その旨を通知」を「その旨を通知するとともに、官報により、これを公告」に改め、同条第六項後段を次のように改める。

   この場合において、会社更生法第九十七条第一項中「裁判所の許可」とあるのは「金融再生委員会の承認」と、同法第九十八条中「管財人代理」とあるのは「保険管理人代理」と、同条第二項中「裁判所の許可」とあるのは「金融再生委員会の承認」と、同法第二百八十五条第一項中「裁判所」とあるのは「金融再生委員会」と、「管財人代理」とあるのは「保険管理人代理」と、民法第四十四条第一項中「理事其他ノ代理人」とあるのは「保険管理人」と読み替えるものとする。

  第二百四十三条第一項中「保険管理人」の下に「又は保険管理人代理」を加え、同条に次の一項を加える。

 3 保険契約者保護機構は、保険管理人又は保険管理人代理となり、その業務を行うことができる。

  第二百四十四条に次の二項を加える。

 2 前項の登記には、保険管理人の氏名又は名称及び住所をも登記しなければならない。

 3 第一項の規定は、前項に掲げる事項に変更が生じた場合について準用する。

  第二百四十五条中「業務を停止」を「業務(第二百六十六条第一項に規定する加入機構と第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結した場合において、第二百七十条の三第二項第一号に規定する補償対象契約に係る保険金請求権その他の政令で定める権利に係る債権者の請求に基づき、当該補償対象契約の保険金その他の給付金(当該補償対象契約の保険金その他の給付金の額に総理府令・大蔵省令で定める率を乗じて得た額に限る。以下「補償対象保険金」という。)の支払を行う業務(第二百五十条第五項、第二百五十四条第四項及び第二百五十五条の二第三項において「補償対象保険金支払業務」という。)を除く。)を停止」に改める。

  第二百四十六条の次に次の一条を加える。

  (保険管理人の報告義務)

 第二百四十六条の二 保険管理人は、就職の後遅滞なく、次に掲げる事項を調査し、金融再生委員会に報告しなければならない。

  一 被管理会社が管理を命ずる処分を受ける状況に至った経緯

  二 被管理会社の業務及び財産の状況

  三 その他必要な事項

  第二百四十七条第一項中「保険契約の移転、合併その他必要な措置を定める」を「次に掲げる事項を含む業務及び財産の管理に関する」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 被管理会社の業務の整理及び合理化に関する方針

  二 被管理会社に係る合併等を円滑に行うための方策

  第二百四十七条の次に次の四条を加える。

  (保険管理人の調査等)

 第二百四十七条の二 保険管理人は、被管理会社の取締役、監査役及び支配人その他の使用人並びにこれらの者であった者に対し、被管理会社の業務及び財産の状況(これらの者であった者については、その者が当該被管理会社の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理会社の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

 2 保険管理人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。

  (保険管理人等の秘密保持義務)

 第二百四十七条の三 保険管理人及び保険管理人代理(以下この条において「保険管理人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。保険管理人等がその職を退いた後も、同様とする。

 2 保険管理人等が法人であるときは、保険管理人等の職務に従事するその役員及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その役員又は職員が保険管理人等の職務に従事しなくなった後においても、同様とする。

  (被管理会社の経営者の破綻の責任を明確にするための措置)

 第二百四十七条の四 保険管理人は、被管理会社の取締役若しくは監査役又はこれらの者であった者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起その他の必要な措置をとらなければならない。

 2 保険管理人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。

  (保険管理人と被管理会社との取引)

 第二百四十七条の五 保険管理人は、自己又は第三者のために被管理会社と取引するときは、金融再生委員会の承認を得なければならない。この場合においては、民法第百八条(自己契約の禁止)の規定は、適用しない。

 2 前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。ただし、善意の第三者に対抗することができない。

  第二百四十八条第二項中「第二百四十四条」を「第二百四十四条第一項」に改める。

  第二百四十九条中「第三百八十六条第一項(」の下に「第一号及び」を、「第二項」の下に「(同条第一項第一号及び第九号に掲げる処分であって職権でするものに係る部分を除く。)」を加え、同条の次に次の三条を加える。

  (株主総会等の特別決議等に関する特例)

 第二百四十九条の二 株式会社である被管理会社(外国保険会社等を除く。以下この条及び次条において同じ。)における商法第二百十四条第一項(株式併合)、第二百四十五条第一項(営業の譲渡及び譲受け)、第二百八十条ノ二第二項(新株の有利発行)、第三百四十六条(ある種類の株主の総会)若しくは第三百七十五条第一項(資本の減少)若しくは第六十九条第二項、第百三十六条第二項若しくは第百四十四条第三項の規定による決議又は同法第三百四十三条(定款変更の決議の方法)、第三百四十五条第二項(ある種類の株主の総会)、第三百五十三条第四項(株式交換契約書の承認)(同法第三百六十五条第三項(株式移転事項の承認)において準用する場合を含む。)、第四百五条(解散の決議)若しくは第四百八条第三項(合併契約書の承認)に規定する決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。

 2 株式会社である被管理会社における商法第三百四十八条第一項(株式の譲渡を制限する定款変更の決議方法)、第三百五十三条第五項(株式交換契約書の承認)、第三百六十五条第二項(株式移転事項の承認)又は第四百八条第四項(合併契約書の承認)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の過半数であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。

 3 相互会社である被管理会社における第四十一条若しくは第四十九条において準用する商法第二百四十五条第一項(第二号を除く。)(営業の譲渡及び譲受け)若しくは第八十六条第三項、第百三十六条第二項若しくは第百四十四条第三項の規定による決議又は第六十二条第二項、第百五十六条若しくは第百七十二条第一項に規定する決議は、これらの規定にかかわらず、出席した社員(総代会を設けているときは、総代)の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。

 4 第一項の規定により仮にした決議(以下「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。

 5 前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。

 6 前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは「第二項」と読み替えるものとする。

 7 第四項及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、第四項中「各株主」とあるのは「各社員(総代会を設けているときは、各総代)」と、同項及び第五項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同項中「第一項」とあるのは「第三項」と読み替えるものとする。

  (株主総会等の特別決議に代わる許可)

 第二百四十九条の三 株式会社である被管理会社がその財産をもって債務を完済することができない場合には、当該被管理会社は、商法第二百四十五条(営業の譲渡及び譲受け)、第三百七十五条(資本の減少)及び第四百五条(解散の決議)並びに第百三十六条の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。

  一 営業の全部又は重要な一部の譲渡

  二 資本の減少

  三 解散

  四 保険契約の移転

 2 相互会社である被管理会社がその財産をもって債務を完済することができない場合には、当該被管理会社は、第四十一条及び第四十九条において準用する商法第二百四十五条(営業の譲渡及び譲受け)並びに第百三十六条及び第百五十六条の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。

  一 事業の全部又は重要な一部の譲渡

  二 保険契約の移転

  三 解散

 3 保険管理人は、商法第二百五十七条第一項(取締役の解任)(同法第二百八十条第一項並びに第五十一条及び第五十三条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理会社の取締役又は監査役を解任することができる。

 4 前項の規定により被管理会社の取締役又は監査役を解任しようとする場合において、解任により法律又は定款に定めた取締役又は監査役の員数を欠くこととなるときは、保険管理人は、商法第二百五十四条第一項(取締役の選任)(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)又は第五十一条第一項若しくは第五十三条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理会社の取締役又は監査役を選任することができる。

 5 前項の規定により選任された被管理会社の取締役又は監査役は、選任時の属する事業年度の終了後最初に招集される定時総会又は定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)の終結の時に退任する。

 6 第一項から第四項までに規定する許可(以下この条及び次条において「代替許可」という。)があったときは、当該代替許可に係る事項について株主総会等の決議があったものとみなす。この場合における第十六条の二第一項、第百三十六条の二第一項、第二百五十条第三項及び第五項並びに第二百五十一条第二項の規定の適用については、第十六条の二第一項中「資本の減少の決議に係る株主総会の会日の二週間前」とあるのは「資本の減少に係る第二百四十九条の三第一項の許可のあった日以後二週間以内の日」と、第百三十六条の二第一項中「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前」とあるのは「保険契約の移転に係る第二百四十九条の三第一項又は第二項の許可のあった日以後二週間以内の日」と、第二百五十条第三項中「次項の公告」とあり、同条第五項中「前項の公告」とあり、及び第二百五十一条第二項中「第二百五十条第四項の公告」とあるのは「第二百四十九条の三第八項の公告」とし、第百五十六条の二及び第二百五十条第四項の規定は、適用しない。

 7 代替許可に係る事件は、当該被管理会社の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

 8 裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その決定書を被管理会社に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。

 9 前項の規定によってする公告は、官報に掲載してする。

 10 代替許可の決定は、第八項の規定による被管理会社に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

 11 代替許可の決定に対しては、株主又は社員は、第八項の公告のあった日から一週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。この場合において、当該即時抗告が解散に係る代替許可の決定に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。

 12 第七項から前項までに規定するもののほか、代替許可に係る事件に関しては、非訟事件手続法第一編(第二条から第四条まで、第十五条、第十六条、第十八条第一項及び第二項並びに第二十条を除く。)

  (総則)の規定を準用する。

  (代替許可に係る登記の特例)

 第二百四十九条の四 前条第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項第三号に掲げる事項又は同条第三項若しくは第四項に定める事項に係る代替許可があった場合においては、当該事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本又は抄本を添付しなければならない。

  第二百五十条の見出しを「(保険契約の移転における契約条件の変更)」に改め、同条第一項中「とされる保険契約」の下に「(特定契約を除く。)」を加え、同項第一号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改め、同項第二号中「全部」の下に「又は一部」を加え、同項第三号中「第二百六十八条第一項」の下に「又は第二百七十条第一項」を加え、同条第二項中「前項」を「前項第一号又は第三号」に改め、同条第三項中「前項」を「前二項」に、「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に、「のすべてを停止」を「を停止」に、「若しくは第二百五十四条第四項」を「、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項」に改め、同条第五項中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に、「若しくは第二百五十四条第四項本文」を「、第二百五十四条第四項本文若しくは第二百五十五条の二第三項本文」に改め、「、その業務の全部」の下に「(補償対象保険金支払業務を除く。)」を加える。

  第二百五十一条第二項を次のように改める。

 2 前条第一項の保険契約の移転をする場合における第百三十五条第二項及び第百三十七条第四項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第百三十五条第二項中「第百三十七条第一項の公告の時」とあり、及び第百三十七条第四項中「第一項の公告の時」とあるのは「第二百五十条第四項の公告の時(当該公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、保険契約に係る支払を停止している場合又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払を停止している場合にあっては、その保険契約に係る支払を停止した時)」と、同項中「五分の一」とあるのは「十分の一」とする。

  第二百五十四条第一項第一号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改め、同項第三号中「第二百六十八条第一項」の下に「又は第二百七十条第一項」を加え、同条第二項を次のように改める。

 2 第二百五十条第三項の規定は、前項に規定する特定契約について準用する。この場合において、同条第三項中「次項」とあるのは、「第二百五十四条第三項」と読み替えるものとする。

  第二百五十四条第四項中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に、「若しくはこの項本文」を「、この項本文若しくは第二百五十五条の二第三項本文」に改め、「、その業務の全部」の下に「(補償対象保険金支払業務を除く。)」を加える。

  第二百五十五条第一項中「内容」を「主要な内容」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 前条第一項の合併をする場合における第百六十六条第二項において準用する第十七条第二項及び第四項の規定の適用については、同条第二項中「当該公告の時」とあるのは「第二百五十四条第三項の公告の時(当該公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、保険契約に係る支払を停止している場合又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払を停止している場合にあっては、その保険契約に係る支払を停止した時)」と、同条第四項中「五分の一」とあるのは「十分の一」とする。

  第二編第十章第一節第三款中第二百五十五条の次に次の四条を加える。

  (株式の取得における契約条件の変更)

 第二百五十五条の二 保険会社は、次に掲げる場合に該当する場合(当該保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として金融再生委員会及び大蔵大臣が定めるものを実施するために、株式の取得がされる場合に限る。)には、契約条件変更書を作成して、当該保険会社に係る保険契約(特定契約を除く。)について契約条件の変更を行うことができる。この場合においては、契約条件変更書において、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の主要な内容その他総理府令・大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。

  一 第二百四十一条第一項の規定により他の保険会社又は保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となることの協議を命ぜられた場合において、他の保険会社又は保険持株会社等に当該株式を取得されることによりその子会社となるとき。

  二 被管理会社である場合において、第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の変更の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って他の保険会社又は保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となるとき。

  三 第二百六十八条第一項の金融再生委員会の認定を受けた第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社である場合において、同条第三項に規定する救済保険会社又は救済保険持株会社等に株式を取得されることによりその子会社となるとき(前二号に掲げる場合を除く。)。

 2 第二百五十条第三項の規定は、前項に規定する特定契約について準用する。この場合において、同条第三項中「次項」とあるのは、「第二百五十五条の四第一項」と読み替えるものとする。

 3 第一項の契約条件の変更をしようとする保険会社(以下この款において「変更会社」という。)は、第二百五十五条の四第一項の公告の時において既に、第二百四十一条第一項の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項本文、第二百五十四条第四項本文若しくはこの項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部(補償対象保険金支払業務を除く。)を停止しなければならない。ただし、当該保険会社の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、金融再生委員会が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。

  (契約条件の変更に係る書類の備置き等)

 第二百五十五条の三 変更会社の取締役は、次条第一項の公告の日から同条第二項の規定により同条第一項の公告に付記した期間の最終日まで、契約条件変更書その他の総理府令・大蔵省令で定める書類を各営業所又は各事務所に備え置かなければならない。

 2 契約条件変更書により変更するものとされる保険契約に係る保険契約者(次条において「変更対象契約者」という。)は、変更会社の営業時間又は事業時間内に限り、前項の書類の閲覧を求め、又は変更会社の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

  (契約条件の変更の公告及び異議申立て)

 第二百五十五条の四 変更会社は、契約条件変更書の作成日において、契約条件変更書の要旨及び貸借対照表その他総理府令・大蔵省令で定める事項を公告しなければならない。

 2 前項の公告には、変更対象契約者で異議がある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を付記しなければならない。

 3 前項の期間は、一月を下ってはならない。

 4 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数が変更対象契約者の総数の十分の一を超え、かつ、当該異議を述べた変更対象契約者の保険契約に係る債権の額に相当する金額として総理府令・大蔵省令で定める金額が変更対象契約者の当該金額の総額の十分の一を超えるときは、契約条件の変更をしてはならない。

 5 第二項の期間内に異議を述べた変更対象契約者の数又はその者の前項の総理府令・大蔵省令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該変更対象契約者全員が当該契約条件の変更を承認したものとみなす。

  (契約条件の変更の公告等)

 第二百五十五条の五 変更会社は、契約条件の変更後、遅滞なく、契約条件の変更をしたこと及び総理府令・大蔵省令で定める事項を公告しなければならない。契約条件の変更をしないこととなったときも、同様とする。

 2 変更会社は、契約条件の変更後三月以内に、当該契約条件の変更に係る保険契約者に対し、当該契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容を通知しなければならない。

  第二編第十章第一節第四款の款名を削る。

  第二百五十六条を次のように改める。

  (合併等の協議の相手方の指定)

 第二百五十六条 金融再生委員会は、保険会社が破綻保険会社(第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社をいう。以下この節において同じ。)に該当し、かつ、必要があると認めるときは、当該破綻保険会社が合併等に係る協議をすべき相手方として他の保険会社又は保険持株会社等を指定し、当該他の保険会社又は保険持株会社等にその協議に応ずるよう勧告することができる。

 2 金融再生委員会は、前項の勧告を行うため必要があると認めるときは、その必要の限度において、破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社につきその業務又は財産の状況に関する資料を他の保険会社又は保険持株会社等に対して交付し、その他当該勧告に必要な準備行為を行うことができる。

 3 金融再生委員会は、破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構に対し、第一項の勧告又は前項の準備行為の実施に関し、必要な協力を求めることができる。

  第二百五十六条の前に次の節名を付する。

     第一節の二 合併等の手続の実施の命令等

  第二百五十七条の見出しを「(合併等の条件のあっせん)」に改め、同条中「(同条第二項において準用する場合を含む。)」を削り、「同条第一項に規定する処分を受けた保険会社又は同条第二項において準用する同条第一項の被管理会社」を「同項の勧告に係る破綻保険会社」に改め、「他の保険会社」の下に「又は保険持株会社等」を加え、同条に次の一項を加える。

 2 前条第二項及び第三項の規定は、前項のあっせんについて準用する。この場合において、同条第二項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社」とあるのは、「破綻保険会社」と読み替えるものとする。

  第二百五十八条の見出しを「(合併等の手続の実施の命令)」に改め、同条第一項を次のように改める。

   金融再生委員会は、前条第一項の場合において同項の他の保険会社又は保険持株会社等があっせんに係る条件に同意したときは、同項のあっせんに係る破綻保険会社に対し、当該条件に従い合併等を実行するために必要な手続をとることを命ずることができる。

  第二百五十九条中「この節」の下に「、次節」を加え、「保険契約の移転等の円滑な実施のため救済保険会社に対する資金援助を行うほか、救済保険会社が現れる見込みがない場合においては、自ら破綻保険会社に係る保険契約の移転を受け、当該移転を受けた保険契約の管理及び処分」を「破綻保険会社に係る保険契約の移転等における資金援助、承継保険会社の経営管理、保険契約の引受け、補償対象保険金の支払に係る資金援助及び保険金請求権等の買取り」に改める。

  第二百六十条第一項第一号中「全部」の下に「又は一部」を加え、同項第三号中「他の保険会社」の下に「又は保険持株会社等」を加え、同条第二項を次のように改める。

 2 この節において「破綻保険会社」とは、次に掲げる者をいう。

  一 業務若しくは財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。次号において同じ。)の状況に照らして保険金の支払を停止するおそれのある者又は保険金の支払を停止した者

  二 その財産をもって債務を完済することができない者又はその財産をもって債務を完済することができない事態が生ずるおそれのある者

  第二百六十条第三項中「者のうち破綻保険会社でない者をいう」を「保険会社のうち破綻保険会社でない者をいい、「救済保険持株会社等」とは、第一項第三号に掲げる株式の取得をする保険持株会社等をいう」に改め、同条第四項中「その他大蔵省令で定めるもの」を「、資産の買取り又は損害担保」に改め、同条第六項を同条第十項とし、同条第五項中「全部」の下に「又は一部」を加え、同項を同条第九項とし、同条第四項の次に次の四項を加える。

 5 この節において「損害担保」とは、次の各号に掲げる資産につきその帳簿価額を下回る金額で回収が行われたことその他の事由により損失が生じた場合において、あらかじめ締結する契約に基づき、当該各号に定める者に対して当該損失の額の全部又は一部を補てんすることをいう。

  一 第一項第一号、第八項第一号若しくは第十一項に規定する保険契約の移転又は第一項第二号若しくは第八項第二号に規定する合併により救済保険会社、再承継保険会社(保険契約の再承継を行う保険会社で承継保険会社でない者をいう。以下同じ。)又は再移転先保険会社(保険契約の再移転を行う保険会社をいう。以下同じ。)が承継した資産 当該救済保険会社、再承継保険会社又は再移転先保険会社

  二 第一項第三号又は第八項第三号に規定する株式の取得をされた保険会社の資産 当該保険会社

 6 この節において「承継保険会社」とは、保険契約の移転又は合併により破綻保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことを主たる目的とする保険会社であって、機構の子会社(機構がその発行済株式の総数の百分の五十を超える数の株式を所有する会社をいう。以下同じ。)として設立されたものをいう。

 7 この節において「保険契約の承継」とは、承継保険会社が保険契約の移転又は合併により破綻保険会社の保険契約を引き継ぎ、かつ、当該引き継いだ保険契約の管理及び処分を行うことをいう。

 8 この節において「保険契約の再承継」とは、次に掲げるものをいう。

  一 承継保険会社と他の保険会社との間で、承継保険会社に係る保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすること。

  二 承継保険会社と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの

  三 承継保険会社の株式の他の保険会社又は保険持株会社等による取得で、当該承継保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として大蔵大臣が定めるものを実施するために行うもの

  第二百六十条に次の一項を加える。

 11 この節において「保険契約の再移転」とは、保険契約の引受けをした機構と保険会社との間で、当該保険契約の引受けにより引き継がれた保険契約の全部又は一部に係る保険契約の移転をすることをいう。

  第二百六十五条の四第三項各号中「第二百六十五条の二十八第一項第一号及び第二号」を「第二百六十五条の二十八第一項第三号から第七号まで」に、「同条第二項第一号及び第二号」を「同条第二項第一号から第三号まで」に改める。

  第二百六十五条の十八の次に次の一条を加える。

 第二百六十五条の十八の二 理事長は、機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する代理人を選任することができる。

  第二百六十五条の二十第二項中「第二百七十条の二」を「次款」に改める。

  第二百六十五条の二十一の次に次の一条を加える。

  (役員等の公務員たる性質)

 第二百六十五条の二十一の二 機構の役員及び職員、委員会の委員並びに審査会の委員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

  第二百六十五条の二十八第一項第一号を次のように改める。

  一 第二百四十三条第三項の規定による保険管理人又は保険管理人代理の業務

  第二百六十五条の二十八第一項第四号中「前三号」を「前各号」に改め、同号を同項第九号とし、同項第三号を削り、同項第二号中「次款の規定に基づき、その会員である」を「次款の規定による」に改め、「を行うこと。」を削り、同号を同項第五号とし、同号の次に次の三号を加える。

  六 次款の規定による補償対象保険金の支払に係る資金援助

  七 第三款の規定による保険金請求権等の買取り

  八 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第四章(金融機関等の更生手続の特例)及び第五章(金融機関等の破産手続の特例)の規定による保険契約者表の提出その他これらの規定による業務

  第二百六十五条の二十八第一項第一号の次に次の三号を加える。

  二 次目の規定による負担金の収納及び管理

  三 次款の規定による保険契約の移転等、保険契約の承継、保険契約の再承継及び保険契約の再移転における資金援助

  四 次款の規定による承継保険会社の経営管理その他保険契約の承継に係る業務

  第二百六十五条の二十八第二項中「同項第一号及び第二号」を「同項第三号から第七号まで」に改め、同項第一号中「を行うこと。」を削り、同項第二号中「その会員である」、「(第二百七十条の八第一項に規定する有資格者に限る。)」及び「を行うこと。」を削り、同項第三号中「前二号」を「前三号」に改め、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。

  三 第四款の規定による清算保険会社の資産の買取り

  第二百六十五条の二十九第一項第二号中「保険会社」の下に「その他の者」を加える。

  第二百六十五条の三十第二項中「救済保険会社に対する」を削り、「資金援助に関する事項」の下に「、保険契約の承継に関する事項」を、「収納に関する事項」の下に「、保険金請求権等の買取りに関する事項」を加える。

  第二百六十五条の三十一第一項中「第二百六十六条第二項」を「この節の他」に改める。

  第二百六十五条の三十三第二項中「会員が破綻保険会社として次に掲げる場合に該当することとなったときは」を「次の各号に掲げる場合には」に、「当該会員」を「当該各号に定める保険会社に該当する会員」に改め、同項第一号中「認定を受けたとき。」を「認定が行われたとき。 当該認定に係る破綻保険会社」に改め、同項第二号中「付記をされたとき。」を「付記が行われたとき。 当該付記に係る破綻保険会社」に改め、同項第三号中「認定を受けたとき。」を「認定が行われたとき。 当該認定に係る破綻保険会社」に改め、同項に次の一号を加える。

  四 承継保険会社が設立されたとき。 当該承継保険会社

  第二百六十五条の三十四第五項第二号中「取扱い」の下に「(会員の経営の健全性に応じてするものを除く。)」を加える。

  第二百六十五条の三十七中「機構は」を「第二百六十二条第二項第二号に掲げる免許の種類に属する免許を受けた保険会社をその会員とする機構(以下この項において「損害保険契約者保護機構」という。)は」に、「機構の」を「損害保険契約者保護機構の」に改め、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   第二百六十二条第二項第一号に掲げる免許の種類に属する免許を受けた保険会社をその会員とする機構(以下この項及び第二百六十五条の四十二の二において「生命保険契約者保護機構」という。)は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に(生命保険契約者保護機構の成立の日を含む事業年度にあっては、成立後遅滞なく)、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

  第二百六十五条の三十九第三項を次のように改める。

 3 機構は、第一項の規定による大蔵大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を官報に公告し、かつ、財務諸表等、附属明細書及び前項の監事の意見書を、各事務所に備え置き、大蔵省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。

  第二百六十五条の四十一第二項中「第二百七十条の五第二項」を「第二百七十条の五」に改める。

  第二百六十五条の四十二の次に次の一条を加える。

  (政府保証)

 第二百六十五条の四十二の二 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、生命保険契約者保護機構の前条の借入れに係る債務の保証をすることができる。

  第二百六十六条の見出しを「(保険契約の移転等における資金援助の申込み)」に改め、同条第一項中「救済保険会社は」を「救済保険会社又は救済保険持株会社等は」に改め、「この款」の下に「及び次款」を加え、「当該救済保険会社に対し」を削り、同条第二項中「救済保険会社」の下に「又は救済保険持株会社等」を加え、同条に次の一項を加える。

 3 第一項に規定する資金援助のうち資産の買取りは、保険契約の移転等に係る破綻保険会社の資産について行うものとする。

  第二百六十六条の前に次の目名を付する。

       第一目 資金援助の申込み等

  第二百六十七条の見出しを「(保険契約の承継等の申込み)」に改め、同条第一項中「救済保険会社」の下に「又は救済保険持株会社等」を加え、「保険契約の引受け」を「保険契約の承継又は保険契約の引受け(以下「保険契約の承継等」という。)」に改め、同条第二項中「他の保険会社」の下に「又は保険持株会社等」を加え、同条に次の二項を加える。

 3 破綻保険会社は、第一項の規定による保険契約の承継の申込みを行うときは、加入機構が当該保険契約の承継について資金援助(金銭の贈与又は資産の買取りに限る。)を行うことを、併せて当該加入機構に申し込むことができる。

 4 前条第二項及び第三項の規定は、前項の資金援助について準用する。この場合において、同条第二項中「救済保険会社又は救済保険持株会社等及び破綻保険会社」とあるのは、「破綻保険会社」と読み替えるものとする。

  第二百六十八条第一項及び第二項中「保険会社」を「破綻保険会社及び救済保険会社又は破綻保険会社及び救済保険持株会社等」に改め、同条に次の一項を加える。

 6 破綻保険会社の株式を取得しようとする会社が、当該株式の取得により保険会社を子会社とする持株会社になることについて、第二百七十一条の三第一項の認可(以下この項において「持株会社認可」という。)の申請をしている場合には、金融再生委員会は、当該会社について持株会社認可をした後でなければ、第一項の規定による認定を行うことができない。

  第二百六十九条第一項中「(同条第二項において準用する場合を含む。)」を削り、同項第一号中「第二百四十一条の規定による処分に係る保険会社が破綻保険会社に該当し、かつ、当該保険会社」を「第二百五十六条第一項の勧告に係る破綻保険会社」に改める。

  第二百七十条の見出しを「(保険契約の承継等における適格性の認定)」に改め、同条第一項中「引受け」を「承継等」に改め、同条第二項第一号中「加入機構による保険契約の引受け」を「保険契約の承継等」に改め、同項第二号中「引受け」を「承継等」に改め、同項に次の一号を加える。

  三 第二百六十七条第三項の規定による資金援助の申込みが行われる場合においては、当該資金援助が行われることが当該保険契約の承継が円滑に行われるために不可欠であること。

  第二百七十条の三の見出しを「(保険契約の移転等における資金援助)」に改め、同条第二項中「による資金援助」の下に「(金銭の贈与に限る。)」を加え、同項第一号中「次号及び第二百七十条の五第二項において」を「以下」に、「同号及び同項」を「次号及び第二百七十条の五第二項」に改め、同条第四項中「救済保険会社と」を「保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるものと、」に改め、同条に次の一項を加える。

 5 前項の契約に係る資金援助のうちに損害担保が含まれているときは、当該契約に係る救済保険会社又は救済保険持株会社等は、当該契約において、当該損害担保に係る資産について利益が生じたときは当該利益の額の全部又は一部を当該契約に係る加入機構に納付し、又は当該保険契約の移転等により当該資産を有することとなる者をして当該契約に係る加入機構に納付させるための措置を講ずる旨を約するものとする。

  第二百七十条の三の次に次の一目を加える。

       第二目 保険契約の承継

  (保険契約の承継)

 第二百七十条の三の二 加入機構は、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の承継の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申込みに係る第六項各号に掲げる決定を行う前に、金融再生委員会に対して第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求めることができる。

 2 金融再生委員会は、前項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとることを求められたときは、遅滞なく、当該措置をとることができるかどうか、及び当該措置をとることとする場合には、そのとるべき措置の内容を加入機構に通知するものとする。

 3 加入機構は、前項の規定による金融再生委員会の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとるものであったときは、第六項各号に掲げる決定に係る手続の実施を停止するものとする。ただし、第二百七十条の二の規定による確認の手続については、この限りでない。

 4 金融再生委員会が第一項の規定により第二百五十六条第一項の規定による措置をとった場合において、第二百六十七条第一項の規定による保険契約の承継の申込みを行った破綻保険会社が、合併等に係る協議を調えたときは、当該破綻保険会社は、遅滞なく、当該申込みを取り下げなければならない。

 5 前項に規定する場合において、合併等に係る協議が調わないこととなったときは、同項の破綻保険会社は、遅滞なく、その旨を加入機構に通知しなければならない。

 6 加入機構は、金融再生委員会に対して第一項の規定による求めをする必要がないと認めたとき、第二項の規定による金融再生委員会の通知の内容が第二百五十六条第一項の規定による措置をとることができないとするものであったとき、又は前項の規定による通知があったときは、速やかに、委員会の議を経て、第一項の申込みに係る第一号及び第二号に掲げる決定又は第二号に掲げる決定をしなければならない。

  一 加入機構が破綻保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行う承継保険会社を機構の子会社として設立する旨の決定

  二 承継保険会社が破綻保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行うべき旨の決定

 7 加入機構は、第二百六十七条第三項の申込みを受けた場合において、当該申込みに係る保険契約の承継について前項の決定をするときは、委員会の議を経て、併せて当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。

 8 前条第二項の規定は前項の規定による資金援助(金銭の贈与に限る。)の額について、同条第三項の規定は加入機構が前二項の決定をした場合について、同条第四項の規定は加入機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の承継」と、同条第四項中「保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるもの」とあるのは「破綻保険会社」と読み替えるものとする。

 9 第一項の申込みに係る破綻保険会社は、加入機構が第六項各号に掲げる決定をしたときは、当該決定に係る承継保険会社と保険契約の全部若しくは一部に係る保険契約の移転又は合併をすることができる。

  (承継保険会社の設立等)

 第二百七十条の三の三 加入機構は、前条第六項第一号に掲げる決定をしたときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議を経て、承継保険会社となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となった株式会社を機構の子会社として設立するための出資をしなければならない。

 2 加入機構は、前項に規定する場合のほか、承継保険会社に対する出資を行おうとするときは、委員会の議を経なければならない。

 3 加入機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (承継保険会社の経営管理)

 第二百七十条の三の四 機構は、承継保険会社(当該機構が設立したものに限る。以下この条、第二百七十条の三の六及び第二百七十条の三の十において同じ。)が次に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行わなければならない。

  一 第二百七十条の三の二第六項第二号に掲げる決定があったときは、当該決定の対象とされた破綻保険会社から保険契約を引き継ぐため保険契約の移転又は合併を行うこと。

  二 保険契約の管理及び処分その他の業務の実施に際しては、次項の指針に従うこと。

 2 機構は、承継保険会社の保険契約の管理及び処分その他の業務についての指針を作成し、金融再生委員会の承認を受けた後、公表しなければならない。

 3 機構は、承継保険会社に対し、その経営に必要な指導及び助言を行うことができる。

 4 機構は、承継保険会社の株式の譲渡その他の処分を行ったときは、速やかに、その旨を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (商法第二百四十六条の不適用)

 第二百七十条の三の五 商法第二百四十六条(事後設立)の規定は、機構が承継保険会社の発行済株式の全部を所有する場合における第二百七十条の二第二項又は第五項の規定による確認がされた財産については、適用しない。

  (承継協定)

 第二百七十条の三の六 機構は、承継保険会社と次に掲げる事項を含む協定(以下「承継協定」という。)を締結するものとする。

  一 承継協定を締結した承継保険会社(以下「協定承継保険会社」という。)は、第二百七十条の三の四第一項各号に掲げる事項を実施すること。

  二 協定承継保険会社は、機構が当該協定承継保険会社の資産の買取りを行うことを機構に申し込むことができること。

  三 協定承継保険会社は、第二百七十条の三の八第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、当該締結をしようとする契約の内容についての機構の承認を受けること。

 2 機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (資産の買取り)

 第二百七十条の三の七 機構は、前条第一項第二号の申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。

 2 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

 3 機構は、第一項の規定により資産の買取りを行うことを決定したときは、当該資産の買取りの申込みを行った協定承継保険会社と当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。

  (資金の貸付け及び債務の保証)

 第二百七十条の三の八 機構は、協定承継保険会社から、協定承継保険会社の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定承継保険会社によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。

 2 機構は、前項の規定により協定承継保険会社との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (損失の補てん)

 第二百七十条の三の九 機構は、承継協定の定めによる業務の実施により協定承継保険会社に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補てんを行うことができる。

  (報告の徴求)

 第二百七十条の三の十 機構は、この目の規定による業務を行うため必要があるときは、承継保険会社に対し、承継協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。

  (保険契約の再承継における資金援助の申込み)

 第二百七十条の三の十一 再承継保険会社又は再承継保険持株会社等(保険契約の再承継を行う保険持株会社等をいう。以下同じ。)は、その行おうとする保険契約の再承継に係る承継保険会社を設立した機構(以下「設立機構」という。)が当該保険契約の再承継について資金援助(損害担保に限る。)を行うことを、当該承継保険会社と連名で当該設立機構に申し込むことができる。

 2 設立機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした再承継保険会社又は再承継保険持株会社等及び承継保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。

  (保険契約の再承継における適格性の認定等)

 第二百七十条の三の十二 前条第一項の場合においては、当該保険契約の再承継を行う承継保険会社及び再承継保険会社又は承継保険会社及び再承継保険持株会社等は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の再承継について、金融再生委員会の認定を受けなければならない。

 2 第二百六十八条第二項から第六項まで(第三項第三号を除く。)の規定は、前項の認定について準用する。この場合において、同条第二項中「破綻保険会社及び救済保険会社又は破綻保険会社及び救済保険持株会社等」とあるのは「承継保険会社及び再承継保険会社又は承継保険会社及び再承継保険持株会社等」と、同条第三項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再承継」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第四項及び第五項中「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第六項中「破綻保険会社」とあるのは「承継保険会社」と読み替えるものとする。

 3 第二百七十条の二の規定は、前条第一項の申込みが行われる場合について準用する。この場合において、第二百七十条の二中「破綻保険会社」とあるのは「承継保険会社」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と、同条第一項中「その財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。以下この款において同じ。)」とあるのは「その財産」と読み替えるものとする。

  (保険契約の再承継の協議の相手方の指定等)

 第二百七十条の三の十三 金融再生委員会は、承継保険会社が保険契約の再承継に係る協議をすべき相手方として他の保険会社又は保険持株会社等を指定し、当該他の保険会社又は保険持株会社等にその協議に応ずるよう勧告することができる。

 2 第二百五十六条第二項及び第三項並びに第二百五十七条の規定は、前項の勧告について準用する。この場合において、第二百五十六条第二項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社」とあるのは「同項の承継保険会社」と、同条第三項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構」とあるのは「第二百七十条の三の十三第一項の承継保険会社を設立した保険契約者保護機構」と、第二百五十七条第一項中「破綻保険会社」とあるのは「承継保険会社」と読み替えるものとする。

 3 金融再生委員会は、設立機構による資金援助が行われることが第一項の勧告に係る保険契約の再承継を行うために不可欠であると認めるときに限り、当該勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百七十条の三の十一第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。

 4 第二百六十八条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。

  (保険契約の再承継における資金援助)

 第二百七十条の三の十四 設立機構は、第二百七十条の三の十一第一項の申込みをした承継保険会社に対して第二百七十条の三の十二第三項において準用する第二百七十条の二第二項又は第五項の通知をした後、遅滞なく、委員会の議を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。

 2 第二百七十条の三第三項の規定は設立機構が前項の決定をした場合について、同条第四項の規定は設立機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、同条第五項の規定はこの項において準用する同条第四項の契約を締結する再承継保険会社又は再承継保険持株会社等について、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再承継」と、「加入機構」とあるのは「設立機構」と読み替えるものとする。

  第二百七十条の四第一項中「第二百六十七条第一項」の下に「の規定による保険契約の引受け」を加え、「第二百五十六条」を「第二百五十六条第一項」に改め、同項後段を削り、同条第二項及び第三項中「第二百五十六条」を「第二百五十六条第一項」に改め、同条第四項中「第二百五十六条」を「第二百五十六条第一項」に改め、「第二百六十七条第一項」の下に「の規定による保険契約の引受け」を加え、「第二百四十一条の規定による命令」を「合併等」に改め、「(第一項の規定によりその命令があったものとみなされる協議を含む。次項において同じ。)」を削り、同条第五項中「第二百四十一条の規定による命令」を「合併等」に改め、同条第六項中「第二百五十六条」を「第二百五十六条第一項」に改め、同条第七項中「前条第三項」を「第二百七十条の三第三項」に改め、同条第八項中「全部」の下に「又は一部」を加え、同条第九項中「第百四十条まで」の下に「、第百五十五条」を加え、「(第百四十条」を「(第百四十条、第百五十五条」に、「、「移転先会社」とあるのは「加入機構」と」を「、「移転先会社」とあるのは「加入機構」と、第百五十五条第一号中「第百三十五条第一項に規定する移転先会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録」とあるのは「加入機構の総会の議事録」と」に改め、「第二百六十八条第一項」の下に「又は第二百七十条第一項」を加え、同条の前に次の目名を付する。

       第三目 保険契約の引受け

  第二百七十条の五に次の一項を加える。

 4 加入機構は、前条の規定による保険契約の引受けに係る保険契約の管理及び処分に係る業務(これに附帯する業務を含む。)の実施によりその保険特別勘定に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議を経て、当該金額の範囲内において、一般勘定から当該保険特別勘定への繰入れをすることができる。

  第二百七十条の六第二項第一号中「第二百六十条第五項」を「第二百六十条第九項」に、「とする」を「と、第百三十六条の二第一項中「移転会社の取締役」とあるのは「保険契約者保護機構の理事」と、「前条第一項の株主総会等の会日の二週間前から」とあるのは「第二百七十条の六第二項第一号の規定により読み替えて適用される前条第一項の保険契約者保護機構の総会の会日から」とする」に改める。

  第二百七十条の六の次に次の四条、一目及び一款を加える。

  (保険契約の再移転における資金援助の申込み)

 第二百七十条の六の二 再移転先保険会社は、その行おうとする保険契約の再移転に係る保険契約の引受けをした機構(以下「引受機構」という。)が当該保険契約の再移転について資金援助(損害担保に限る。)を行うことを、当該引受機構に申し込むことができる。

 2 引受機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした再移転先保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。

  (保険契約の再移転における適格性の認定)

 第二百七十条の六の三 前条第一項の場合においては、当該保険契約の再移転を行う引受機構及び再移転先保険会社は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の再移転について、金融再生委員会の認定を受けなければならない。

 2 第二百六十八条第二項から第五項まで(第三項第三号を除く。)の規定は、前項の認定について準用する。この場合において、同条第二項中「破綻保険会社及び救済保険会社又は破綻保険会社及び救済保険持株会社等」とあるのは「引受機構及び再移転先保険会社」と、同条第三項中「保険契約の移転等」とあるのは「保険契約の再移転」と、「加入機構」とあるのは「引受機構」と、同条第四項及び第五項中「加入機構」とあるのは「引受機構」と読み替えるものとする。

  (保険契約の再移転の協議の相手方の指定等)

 第二百七十条の六の四 金融再生委員会は、引受機構が保険契約の再移転に係る協議をすべき相手方として保険会社を指定し、当該保険会社にその協議に応ずるよう勧告することができる。

 2 第二百五十六条第二項及び第三項並びに第二百五十七条の規定は、前項の勧告について準用する。この場合において、第二百五十六条第二項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社」とあるのは「同項の引受機構」と、「他の保険会社又は保険持株会社等」とあるのは「保険会社」と、同条第三項中「破綻保険会社又は破綻保険会社となる蓋然性が高いと認められる保険会社が会員として加入している保険契約者保護機構」とあるのは「第二百七十条の六の四第一項の引受機構」と、第二百五十七条第一項中「破綻保険会社」とあるのは「引受機構」と、「他の保険会社又は保険持株会社等」とあるのは「保険会社」と読み替えるものとする。

 3 金融再生委員会は、引受機構による資金援助が行われることが第一項の勧告に係る保険契約の再移転を行うために不可欠であると認めるときに限り、当該勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百七十条の六の二第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。

 4 第二百六十八条第四項及び第五項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。

  (保険契約の再移転における資金援助)

 第二百七十条の六の五 引受機構は、第二百七十条の六の二第一項の規定による申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。

 2 第二百七十条の三第三項の規定は引受機構が前項の決定をした場合について、同条第四項の規定は引受機構が前項の規定により資金援助を行うことを決定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第四項中「保険会社又は保険持株会社等のうち当該資金援助の当事者となるもの」とあるのは、「再移転先保険会社」と読み替えるものとする。

 3 前項において準用する第二百七十条の三第四項の契約を締結する再移転先保険会社は、当該契約において、当該契約に係る損害担保に係る資産について利益が生じたときは当該利益の額の全部又は一部を当該契約に係る引受機構に納付する旨を約するものとする。

       第四目 補償対象保険金の支払に係る資金援助

  (補償対象保険金の支払に係る資金援助の申込み)

 第二百七十条の六の六 次に掲げる保険会社(第四款までにおいて「特定保険会社」という。)は、加入機構が補償対象保険金の支払に係る資金援助(金銭の贈与に限る。)を行うことを、当該加入機構に申し込むことができる。

  一 第二百四十一条第一項の規定によりその業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項(第二百七十条の四第九項において準用する場合を含む。)、第二百五十四条第四項若しくは第二百五十五条の二第三項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払を停止している保険会社

  二 裁判所に破産手続又は更生手続が係属し、保険契約に係る支払を停止している保険会社

 2 加入機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした特定保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。

  (補償対象保険金の支払に係る資金援助)

 第二百七十条の六の七 加入機構は、前条第一項の申込みを受けたときは、遅滞なく、委員会の議を経て、当該申込みに係る補償対象保険金の支払に係る資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。

 2 加入機構は、前項の決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

 3 加入機構は、第一項の規定により補償対象保険金の支払に係る資金援助を行うことを決定したときは、当該申込みを行った特定保険会社と当該補償対象保険金の支払に係る資金援助に関する契約を締結するものとする。

      第三款 保険金請求権等の買取り

  (保険金請求権等の買取り)

 第二百七十条の六の八 加入機構は、特定保険会社がその保険契約に係る支払のすべてを停止している場合には、委員会の議を経て、補償対象契約に係る保険金請求権その他の政令で定める権利(担保権の目的となっていないものに限る。以下この款において「保険金請求権等」という。)の買取りをすることを決定することができる。

 2 前項の買取りは、保険契約に係る支払のすべてを停止している期間内に、前項の保険金請求権等を、その保険金請求権等に係る債権者の請求に基づいて、補償対象契約の保険金その他の給付金の額に総理府令・大蔵省令で定める率を乗じて得た額(以下「買取額」という。)で買い取ることにより行うものとする。ただし、加入機構は、その買取りに係る保険金請求権等の回収をした場合において、当該回収によって得た金額から当該買取りに要した費用として総理府令・大蔵省令で定めるものの額を控除した金額が、当該買取りに係る買取額を超えるときは、その超える部分の金額を当該保険金請求権等に係る債権者に対して支払うものとする。

 3 加入機構は、第一項の決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (買取りの公告等)

 第二百七十条の六の九 加入機構は、前条第一項の決定をしたときは、速やかに、同項の保険金請求権等の買取りに係る買取場所、買取額の支払方法その他総理府令・大蔵省令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。

 2 加入機構は、前条第二項ただし書の規定による支払をするときは、あらかじめ、委員会の議を経て、支払額、支払期間その他総理府令・大蔵省令で定める事項を定め、これを公告しなければならない。

 3 前条第三項の規定は、前項に規定する事項を定めた場合について準用する。

  (課税関係)

 第二百七十条の六の十 保険金請求権等を有する者が当該保険金請求権等について第二百七十条の六の八第二項の規定による買取りに係る買取額の支払を受けた場合には、当該支払を受けた買取額(当該買取額の支払を受けた者が当該買取額に係る保険金請求権等につき同項ただし書の規定による支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額を含む。)は、当該保険金請求権等に係る補償対象契約に基づく保険金その他の給付金の金額とみなして、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)その他の所得税に関する法令の規定を適用する。

 2 前項の規定の適用がある場合における租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四条の二及び第四条の三の規定の特例その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 3 保険金請求権等につき第二百七十条の六の八第二項の規定による買取りに係る買取額(当該買取額に係る保険金請求権等につき同項ただし書の規定により当該保険金請求権等に係る保険事故が発生した後三年以内に支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額を含む。以下この項において同じ。)の支払を受けた場合における当該支払を受けた買取額に係る相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)その他相続税又は贈与税に関する法令の規定の適用については、同法第三条第一項第一号中「保険金(共済金」とあるのは「保険金(保険業法(平成七年法律第百五号)第二百七十条の六の十第三項に規定する買取額(第五条第二項において「買取額」という。)及び共済金」と、「当該保険金受取人(」とあるのは「当該保険金受取人(当該買取額の支払を受けた者及び」と、同法第五条第二項中「準ずるもの」とあるのは「準ずるもの(買取額を含む。以下同じ。)」とする。

  第二百七十条の七第一項中「機構の会員が、一時的な資金事情により、保険金(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約に係る保険金)の支払を遅延し、又は遅延するおそれがある場合において、当該会員による当該保険金」を「次に掲げる場合において、機構の会員による保険金その他の給付金(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約に係る保険金その他の給付金。以下この項において同じ。)」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 機構の会員が、一時的な資金事情により、保険金その他の給付金の支払を遅延し、又は遅延するおそれがある場合

  二 特定保険会社である機構の会員が、当該機構と第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結した場合

  第二百七十条の七第二項中「前項」を「前項第一号」に改め、同条の前に次の款名を付する。

      第四款 雑則

  第二百七十条の八第一項を次のように改める。

   第二百六十五条の二十八第二項第二号の資金の貸付けは、機構の会員が特定保険会社であるときに限り、当該会員の大蔵省令で定める保険契約に係る保険契約者等であって保険金請求権その他の大蔵省令で定める権利を有する者(以下この条において「有資格者」という。)に対して、当該有資格者の申請に基づいて、当該有資格者が当該権利に基づき支払を受け得ると見込まれる金額として大蔵省令で定める金額の範囲内において行うことができる。

  第二百七十条の八の次に次の二条を加える。

  (清算保険会社の資産の買取りの申込み)

 第二百七十条の八の二 清算保険会社(第百七十四条第九項に規定する清算保険会社をいう。以下この条及び次条において同じ。)は、機構(当該清算保険会社がその会員であったものに限る。)が当該清算保険会社の資産の買取りを行うことを、当該機構に申し込むことができる。

 2 機構は、前項の場合において必要があると認めるときは、同項の申込みをした清算保険会社その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。

  (清算保険会社の資産の買取り)

 第二百七十条の八の三 機構は、前条第一項の申込みを受けたときは、遅滞なく、審査会及び委員会の議を経て、当該申込みに係る資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。

 2 機構は、前項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

 3 機構は、第一項の規定により資産の買取りを行うことを決定したときは、当該資産の買取りの申込みを行った清算保険会社と当該資産の買取りに関する契約を締結するものとする。

  第二百七十条の九を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   第二百四十四条(第二百四十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定による登記については、登録免許税を課さない。

  第二百七十条の九に次の二項を加える。

 3 承継保険会社が第二百七十条の三の二第六項の規定による同項第二号に掲げる決定を受けて行う第二百七十条第一項の規定による適格性の認定を受けた破綻保険会社の保険契約の移転又は当該破綻保険会社との合併(次項において「決定に基づく保険契約の移転等」という。)により不動産に関する権利の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、大蔵省令で定めるところにより当該取得後一年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

 4 承継保険会社が決定に基づく保険契約の移転等により取得した土地又は土地の上に存する権利の譲渡(租税特別措置法第六十二条の三第二項第一号イに規定する譲渡をいい、同号ニに掲げる行為を含む。)は、承継保険会社(当該土地又は土地の上に存する権利の譲渡が同号ニに掲げる行為の場合にあっては、承継保険会社と合併する破綻保険会社を含む。)に係る同条及び同法第六十三条の規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。

  「第三節 清算手続等との調整」を「第三節 雑則」に改める。

  第二百七十一条の二を次のように改める。

  (根抵当権の譲渡に係る特例)

 第二百七十一条の二 被管理会社が承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。第五項及び第二百七十一条の二の三第一項第三号において同じ。)その他の保険会社又は当該被管理会社の保険契約の引受け(第二百六十条第九項に規定する保険契約の引受けをいう。第五項において同じ。)をする機構(以下この条において「承継保険会社等」という。)に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとするときは、当該被管理会社及び当該承継保険会社等は、次に掲げる事項について異議のある根抵当権設定者は当該被管理会社に対し一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告し、又はこれを催告することができる。

  一 当該被管理会社から当該承継保険会社等に当該根抵当権が譲渡されること及びその期日

  二 当該根抵当権の譲渡の後においても当該根抵当権が当該債権を担保すべきものとすること。

 2 前項の期間は、二週間を下ってはならない。

 3 第一項の公告又は催告に係る根抵当権設定者が同項各号に掲げる事項について同項の期間内に異議を述べなかったときは、同項第一号に掲げる事項について当該根抵当権設定者の承諾が、同項第二号に掲げる事項について当該根抵当権設定者と同項の公告又は催告に係る承継保険会社等の合意が、それぞれあったものとみなす。

 4 根抵当権設定者が第一項各号に掲げる事項の一部について異議を述べたときは、同項各号に掲げる事項の全部について異議を述べたものとみなす。

 5 前各項の規定は、承継保険会社又は保険契約の引受けをした機構が他の保険会社に対する保険契約の移転とともにする財産の移転により元本の確定前に根抵当権をその担保すべき債権の全部とともに譲渡しようとする場合について準用する。

  第二編第十章第三節中第二百七十一条の二の次に次の三条を加える。

  (根抵当権移転登記等の申請手続の特例)

 第二百七十一条の二の二 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の移転の登記の申請書には、公告又は催告をしたこと及び根抵当権設定者が同条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の期間内に異議を述べなかったことを証する書面を添付しなければならない。

 2 前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の場合における根抵当権の担保すべき債権の範囲に譲渡に係る債権を追加することを内容とする根抵当権の変更の登記は、申請書に前項に規定する書面を添付したときは、根抵当権者のみで申請することができる。

  (業務の継続の特例)

 第二百七十一条の二の三 次の各号に掲げる者は、その営業に関する法令により行うことができない業務に属する契約又は制限されている契約に係る権利義務を当該各号に定める保険契約の移転又は合併により承継した場合には、これらの契約のうち、期限の定めのあるものについては期限満了まで、期限の定めのないものについては承継の日から二年以内の期間に限り、これらの契約に関する業務を継続することができる。

  一 第二百五十六条第一項、第二百七十条の三の十三第一項又は第二百七十条の六の四第一項の勧告を受けた保険会社 当該勧告に係る保険契約の移転又は合併

  二 第二百六十八条第一項、第二百七十条の三の十二第一項又は第二百七十条の六の三第一項の認定を受けた救済保険会社(第二百六十条第三項に規定する救済保険会社をいう。)、再承継保険会社又は再移転先保険会社 当該認定に係る保険契約の移転又は合併

  三 第二百七十条第一項の認定を受けた破綻保険会社(第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社をいう。)との間で当該認定に係る保険契約の移転又は合併をする承継保険会社又は機構 当該保険契約の移転又は合併

 2 前項に規定する者は、同項に規定する契約に関する業務の利用者の利便等に照らし特別の事情がある場合において、期間を定めて当該業務を整理することを内容とする計画を作成し、当該計画につき金融再生委員会の承認を受けたときは、保険契約の移転又は合併の日における当該契約の総額を超えない範囲内において、かつ、当該計画に従い、同項の期限が満了した契約を更新して、又は同項の期間を超えて、当該業務を継続することができる。

  (報告又は資料の提出等)

 第二百七十一条の二の四 この章(第二百七十条の八の二及び第二百七十条の八の三を除く。)の規定の円滑な実施を確保するために求め、又は行う報告若しくは資料の提出又は立入り、質問若しくは検査に対する第百二十八条、第百二十九条、第二百条及び第二百一条の規定の適用については、第百二十八条及び第百二十九条中「子会社」とあるのは「子会社又は当該保険会社から業務の委託を受けた者」と、第二百条第二項中「同じ。)」とあるのは「同じ。)又は当該外国保険会社等から業務の委託を受けた者」と、同条第三項及び第二百一条中「特殊関係者」とあるのは「特殊関係者又は当該外国保険会社等から業務の委託を受けた者」とする。

  第二百七十三条第一号及び第三号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改める。

  第二百七十五条第一号中「媒介」の下に「(生命保険募集人である銀行その他の政令で定める金融機関(以下この条において「銀行等」という。)又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)」を加え、同条第二号中「媒介」の下に「(損害保険代理店である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)」を加え、同条第三号中「)の締結の媒介」の下に「(保険仲立人である銀行等又はその役員若しくは使用人にあっては、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合に限る。)」を加え、同条に次の一項を加える。

 2 銀行等は、他の法律の規定にかかわらず、次条又は第二百八十六条の登録を受けて保険募集を行うことができる。

  第三百十一条第一項中「第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百一条(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合」を「第百二十二条の二第四項、第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合並びに第二百七十一条の二の四の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二百一条(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合並びに第二百七十一条の二の四の規定により読み替えて適用する場合」に改める。

  第三百十一条の二第一項第一号及び第三号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改め、同条第二項第一号を次のように改める。

  一 第二百六十八条第一項、第二百七十条第一項、第二百七十条の三の十二第一項若しくは第二百七十条の六の三第一項の認定又は第二百六十九条第一項、第二百七十条の三の十三第三項若しくは第二百七十条の六の四第三項の付記 保険契約の移転等(第二百六十条第一項に規定する保険契約の移転等をいう。)、保険契約の承継(同条第七項に規定する保険契約の承継をいう。)、保険契約の再承継(同条第八項に規定する保険契約の再承継をいう。)又は保険契約の再移転(同条第十一項に規定する保険契約の再移転をいう。)のための第二百六十五条の二十八第一項第三号に規定する資金援助

  第三百十一条の二第二項第二号中「第二百六十五条の二十八第一項第二号」を「第二百六十五条の二十八第一項第五号」に改める。

  第三百十一条の三第一項第三号及び第六号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改める。

  第三百十六条第二号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改め、同条第六号中「又は第二百五十四条第四項」を「、第二百五十四条第四項又は第二百五十五条の二第三項」に改める。

  第三百十七条第二号中「第二項」の下に「(第二百七十一条の二の四の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」を加え、同条第三号中「第百二十九条第一項若しくは第二項、第二百一条第一項若しくは第二項」を「第百二十九条第一項若しくは第二項(第二百七十一条の二の四の規定により読み替えて適用する場合を含む。)、第二百一条第一項若しくは第二項(第二百七十一条の二の四の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」に改める。

  第三百十七条の二第一号中「第二百七十五条各号」を「第二百七十五条第一項各号」に改める。

  第三百十八条中「第二百六十五条の二十一」を「第二百四十七条の三又は第二百六十五条の二十一」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 第三百十八条の二 被管理会社の取締役、監査役若しくは支配人その他の使用人又はこれらの者であった者が第二百四十七条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  第三百十九条の二第三号を次のように改める。

  三 第二百七十条の三第三項(第二百七十条の三の二第八項、第二百七十条の三の十四第二項、第二百七十条の四第七項及び第二百七十条の六の五第二項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の三の三第三項、第二百七十条の三の四第四項、第二百七十条の三の六第二項、第二百七十条の三の七第二項、第二百七十条の三の八第二項、第二百七十条の六の七第二項、第二百七十条の六の八第三項(第二百七十条の六の九第三項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の七第四項、第二百七十条の八第四項又は第二百七十条の八の三第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

  第三百十九条の二に次の一号を加える。

  四 第二百七十条の三の十の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

  第三百二十条第一号の次に次の二号を加える。

  一の二 第百二十二条の二第四項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

  一の三 第二百六十五条の三十一第一項、第二百六十六条第二項(第二百六十七条第四項において準用する場合を含む。)、第二百六十七条第二項、第二百七十条の三の十一第二項、第二百七十条の六の二第二項、第二百七十条の六の六第二項又は第二百七十条の八の二第二項の規定による資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出した者

  第三百二十四条第四項中「前項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 相互会社が株式会社に組織変更する場合において、前項に規定する者若しくは検査役又は株式会社の取締役若しくは監査役となるべき者が、株式の総数の引受け、払込み若しくは現物出資の給付について、又は第九十二条の二第一項第四項に掲げる事項について、金融再生委員会若しくは裁判所又は社員総会若しくは総代会に対して虚偽の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたときも、前項と同様とする。

  第三百二十五条第一項中「第七十七条第一項の規定により基金の募集をする取締役、」を削り、同条に次の二項を加える。

 3 相互会社が株式会社に組織変更する場合において、相互会社の保険管理人、取締役、監査役、第二十七条第三項において準用する商法第六十七条ノ二の職務代行者、第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者又は支配人その他営業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人が、第九十二条の二第一項の規定による株式の募集に当たり、重要な事項について不実の記載のある株式申込証、目論見書、株式の募集の広告その他株式の募集に関する文書を行使したときも、第一項と同様とする。

 4 株式会社が相互会社に組織変更する場合において、株式会社の保険管理人、取締役、監査役、商法第百八十八条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、同法第二百五十八条第二項(同法第二百八十条第一項において準用する場合を含む。)の職務代行者又は支配人その他営業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人が、第七十七条第一項の規定による基金の募集に当たり、重要な事項について不実の記載のある基金拠出申込証、基金の募集の広告その他基金の募集に関する文書を行使したときも、第一項と同様とする。

  第三百二十六条中「第七十七条第一項の規定により基金の募集をする取締役又は」を削り、同条に次の二項を加える。

 2 相互会社が株式会社に組織変更する場合において、前条第三項に規定する者が、第九十二条の二第一項の規定による募集に係る株式の払込みを仮装するため預合いを行ったときも、前項と同様とする。預合いに応じた者も、同様とする。

 3 株式会社が相互会社に組織変更する場合において、前条第四項に規定する者が、第七十七条第三項において準用する第二十三条第三項の払込みを仮装するため預合いを行ったときも、第一項と同様とする。預合いに応じた者も、同様とする。

  第三百三十三条第一項第二号中「又は第七十七条第二項」を「、第七十七条第二項の規定又は第九十二条の二第二項において準用する同法第百七十五条第二項」に改め、同項第八号中「第六十条第四項」の下に「若しくは第九十二条の二第二項」を加え、同項第三十号中「第二百四十一条」を「第二百四十一条第一項」に改め、同項第四十一号中「第二百四十二条第二項」の下に「若しくは第四項」を加え、同項第四十九号の次に次の一号を加える。

  四十九の二 第二百四十一条第三項の規定に違反して、申出をせず、又は虚偽の申出をしたとき。

  第三百三十七条の二第七号中「第二百六十九条第二項」の下に「、第二百七十条の三の十二第二項、第二百七十条の三の十三第四項、第二百七十条の六の三第二項及び第二百七十条の六の四第四項」を、「第二百七十条の二第六項」の下に「(第二百七十条の三の十二第三項において準用する場合を含む。)」を加える。

  附則第一条の二の次に次の十三条を加える。

  (業務の特例)

 第一条の二の二 保険契約者保護機構(以下「機構」という。)は、当分の間、第二百六十五条の二十八に規定する業務のほか、次条の規定による業務を行うことができる。

  (協定銀行に係る業務の特例)

 第一条の二の三 機構は、破綻保険会社等(破綻保険会社(第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社をいう。附則第一条の三において同じ。)、承継保険会社(第二百六十条第六項に規定する承継保険会社をいう。)又は清算保険会社(第百七十四条第九項に規定する清算保険会社をいう。附則第一条の二の五第一項第三号において同じ。)をいう。同条第四項及び附則第一条の二の七第一項において同じ。)から買い取った資産の管理及び処分を行うこと(以下「資産管理回収業務」という。)を目的の一つとする一の銀行と資産管理回収業務に関する協定(以下「協定」という。)を締結し、並びに当該協定を実施するため、次に掲げる業務を行うことができる。

  一 協定を締結した銀行(以下「協定銀行」という。)に対し、附則第一条の二の六の規定による損失の補てん若しくは附則第一条の二の七第一項の規定による貸付けを行い、又は協定銀行が行う資金の借入れに係る同項の規定による債務の保証を行うこと。

  二 次条第一項第二号の規定に基づき協定銀行から納付される金銭の収納を行うこと。

  三 協定銀行による資産管理回収業務の実施に必要な指導及び助言を行うこと。

  四 第一号又は前号の業務のために必要な調査を行うこと。

  (協定)

 第一条の二の四 協定は、次に掲げる事項を含むものでなければならない。

  一 協定銀行は、機構から次条第一項の規定による資産の買取りの委託の申出を受けた場合において、機構との間でその申出に係る委託の契約を締結したときは、当該委託に係る資産を機構に代わって買い取り、その買い取った資産に係る資産管理回収業務を行うこと。

  二 協定銀行は、毎事業年度、協定の定めによる業務により生じた利益の額として政令で定めるところにより計算した額があるときは、当該利益の額に相当する金額を機構に納付すること。

  三 協定銀行は、第一号の規定による資産の買取りに関する契約又は附則第一条の二の七第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の締結をしようとするときは、あらかじめ、当該締結をしようとする契約の内容について機構の承認を受けること。

  四 協定銀行は、第一号の規定による資産の買取りを行ったときは、速やかに、当該資産の買取りに係る資産管理回収業務の実施計画及び資金計画を作成し、機構の承認を受けること。

  五 協定銀行は、前号の実施計画又は資金計画を変更しようとするときは、あらかじめ、機構の承認を受けること。

  六 協定銀行は、銀行法第十九条第一項又は第二項(業務報告書等)の規定により中間業務報告書及び業務報告書を金融再生委員会に提出するときは、併せて、これらを機構に提出すること。

 2 機構は、協定を締結しようとするときは、委員会の議を経て協定の内容を定め、金融再生委員会及び大蔵大臣の認可を受けなければならない。

 3 金融再生委員会及び大蔵大臣は、前項の認可の申請があった場合において、当該申請に係る協定の内容が法令の規定に適合するものであり、かつ、機構と協定を締結しようとする銀行が協定の定めによる資産管理回収業務を適切に行い得るものであると認めるときでなければ、当該認可をしてはならない。

  (資産の買取りの委託等)

 第一条の二の五 機構は、次に掲げる場合には、協定銀行に対し、機構に代わって資産の買取りを行うことを委託することができる。

  一 第二百七十条の三第一項又は第二百七十条の三の二第七項の規定により資産の買取りを含む資金援助を行う旨の決定をする場合

  二 第二百七十条の三の七第一項の規定により協定承継保険会社の資産の買取りを行う旨の決定をする場合

  三 第二百七十条の八の三第一項の規定により清算保険会社の資産の買取りを行う旨の決定をする場合

 2 機構は、前項の規定による委託の申出をするときは、審査会及び委員会の議を経て、同項の決定に係る資産の買取りの価格、次条に規定する損失の補てんその他の当該委託に関する条件を定め、これを協定銀行に対して提示するものとする。

 3 機構は、協定銀行との間で第一項の規定による資産の買取りの委託に関する契約を締結したときは、直ちに、その契約の内容を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

 4 機構が協定銀行との間で前項の委託に関する契約を締結したときは、資産の買取りに関する契約は、第二百七十条の三第四項(第二百七十条の三の二第八項において準用する場合を含む。)、第二百七十条の三の七第三項及び第二百七十条の八の三第三項の規定にかかわらず、協定銀行が破綻保険会社等との間で締結するものとする。

  (損失の補てん)

 第一条の二の六 機構は、協定銀行に対し、協定の定めによる業務の実施により協定銀行に生じた損失の額として政令で定めるところにより計算した金額の範囲内において当該損失の補てんを行うことができる。

  (資金の貸付け及び債務の保証)

 第一条の二の七 機構は、協定銀行から、協定の定めによる破綻保険会社等の資産の買取りのために必要とする資金その他の協定の定めによる資産管理回収業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定銀行によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。

 2 機構は、前項の規定により協定銀行との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約の内容を金融再生委員会及び大蔵大臣に報告しなければならない。

  (資金の融通のあっせん)

 第一条の二の八 機構は、協定銀行が協定の定めによる資産管理回収業務の円滑な実施のために必要とする資金の融通のあっせんに努めるものとする。

  (協力依頼)

 第一条の二の九 機構は、附則第一条の二の三各号に掲げる業務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。

  (報告の徴求)

 第一条の二の十 機構は、附則第一条の二の三各号に掲げる業務を行うため必要があるときは、協定銀行に対し、協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。

  (法律の適用)

 第一条の二の十一 附則第一条の二の三各号に掲げる業務が行われる場合における第二百六十五条の三十第一項の規定の適用については、同項中「第二百六十五条の二十八第一項各号及び第二項各号に掲げる業務」とあるのは、「第二百六十五条の二十八第一項各号及び第二項各号に掲げる業務(附則第一条の二の三各号に掲げる業務を含む。)」とする。

  (課税の特例)

 第一条の二の十二 協定銀行が協定の定めにより附則第一条の二の四第一項第一号に規定する機構の委託を受けて行う資産の買取り(次項において「協定に基づく資産の買取り」という。)により不動産に関する権利の取得をした場合には、当該不動産に関する権利の移転の登記については、大蔵省令で定めるところにより当該取得後三年以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

 2 協定銀行が協定に基づく資産の買取りにより取得をした土地又は土地の上に存する権利の譲渡(租税特別措置法第六十二条の三第二項第一号イに規定する譲渡をいい、同号ニに掲げる行為を含む。)は、協定銀行に係る同条及び同法第六十三条の規定の適用については、同法第六十二条の三第二項第一号に規定する土地の譲渡等には該当しないものとする。

  (政府の補助)

 第一条の二の十三 政府は、生命保険契約者保護機構(第二百六十五条の三十七第一項に規定する生命保険契約者保護機構をいう。以下この条及び次条において同じ。)がその会員(平成十五年三月三十一日までに第二百四十二条第一項に規定する管理を命ずる処分を受けたものその他政令で定めるものに限る。次条において「特定会員」という。)に係る資金援助その他の業務に要した費用を第二百六十五条の三十三第一項の規定により当該生命保険契約者保護機構の会員が納付する負担金のみで賄うとしたならば、当該生命保険契約者保護機構の会員の財務の状況を著しく悪化させることにより保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活又は金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがあると認める場合(当該費用の合計額が政令で定める額を超えた場合に限る。)には、予算で定める金額の範囲内において、当該生命保険契約者保護機構に対し、当該費用(政令で定める業務(次条において「特定業務」という。)に要したものに限る。)の全部又は一部に相当する金額を補助することができる。

  (国庫への納付)

 第一条の二の十四 生命保険契約者保護機構は、毎事業年度、特定会員に係る特定業務により生じた利益金として政令で定めるところにより計算した金額があるときは、当該金額を、前条の規定により既に政府の補助を受けた金額の合計額からこの条の規定により既に国庫に納付した金額を控除した金額までを限り、国庫に納付しなければならない。

 2 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。

  附則第一条の三第一項中「保険契約者保護機構(以下「機構」という。)」を「機構」に改め、「第二百六十六条第一項」の下に「又は第二百六十七条第三項」を加え、「同項に規定する」を「第二百六十六条第一項又は第二百六十七条第三項に規定する」に改め、「資金援助(」の下に「金銭の贈与に限る。」を、「第二百七十条の三第二項」の下に「(第二百七十条の三の二第八項において準用する場合を含む。)」を加え、「(第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社をいう。以下この条において同じ。)」を削り、同項第三号中「又は第二百五十四条」を「、第二百五十四条又は第二百五十五条の二」に、「次項において同じ。)」を「)又は更生手続における契約条件の変更」に改め、「必要となる額」の下に「(補償対象保険金の支払に係る資金援助の額を除く。)」を加え、同項第四号中「同じ。)」の下に「又は保険契約の承継(同条第七項に規定する保険契約の承継をいう。以下この号において同じ。)」を加え、「移転等の円滑な実施」を「移転等又は保険契約の承継の円滑な実施」に改め、同条第二項第三号中「よる契約条件の変更」の下に「(同条第一項に規定する契約条件の変更をいう。)又は更生手続における契約条件の変更」を、「必要となる額」の下に「(補償対象保険金の支払に係る資金援助の額を除く。)」を加え、同条に次の二項を加える。

 3 第一項第三号又は前項第三号に規定する場合における第二百四十五条の規定の適用については、同条中「支払を行う業務(」とあるのは、「支払を行う業務(附則第一条の三第一項第三号又は第二項第三号に規定する保険金額又は給付金額の支払を行う業務を含む。」とする。

 4 第一項第三号又は第二項第三号に規定する場合(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百七十七条の二十九第一項の場合を除く。)においては、会社更生法第百十二条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十条の四十において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、第一項第三号又は第二項第三号に規定する保険金額又は給付金額を支払うことができる。

  附則第一条の三の次に次の二条を加える。

  (補償対象保険金の支払に係る資金援助の特例)

 第一条の三の二 平成十三年三月三十一日までに機構が第二百七十条の六の六第一項の規定による申込みを受けた場合における第二百四十五条及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百七十七条の二十九第一項(補償対象保険金の弁済に関する特例)の規定の適用については、第二百四十五条中「補償対象契約に係る」とあるのは「補償対象契約(附則第一条の三第一項第一号に規定する特例期間補償対象契約(以下この条において「特例期間補償対象契約」という。)を含む。)に係る」と、「当該補償対象契約」とあるのは「当該補償対象契約(特例期間補償対象契約を除く。)」と、「に限る。以下」とあるのは「に限る。)又は特例期間補償対象契約の保険金その他の給付金(当該特例期間補償対象契約の保険金その他の給付金の額に総理府令・大蔵省令で定める率を乗じて得た額に限る。)(以下」と、同法第百七十七条の二十九第一項中「補償対象契約(」とあるのは「補償対象契約(保険業法附則第一条の三第一項第一号に規定する特例期間補償対象契約を含む。」とする。

  (保険金請求権等の買取りの特例)

 第一条の三の三 平成十三年三月三十一日までに機構が第二百七十条の六の八第一項の規定による決定をした場合における同条及び第二百七十条の六の十の規定の適用については、同項中「補償対象契約」とあるのは「補償対象契約(附則第一条の三第一項第一号に規定する特例期間補償対象契約(以下この条において「特例期間補償対象契約」という。)を含む。第二百七十条の六の十において同じ。)」と、第二百七十条の六の八第二項中「補償対象契約」とあるのは「補償対象契約(特例期間補償対象契約を除く。)」と、「得た額」とあるのは「得た額又は特例期間補償対象契約の保険金その他の給付金の額に総理府令・大蔵省令で定める率を乗じて得た額」とする。

  附則第一条の五第三項中「(昭和二十一年法律第二十四号)」を削る。

  附則第一条の六第一項中「機構」を「損害保険契約者保護機構(第二百六十五条の三十七第二項に規定する損害保険契約者保護機構をいう。以下同じ。)」に改め、同条第二項中「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改める。

  附則第一条の七第一項中「会員」を「損害保険契約者保護機構の会員」に、「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改め、同条第三項中「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改める。

  附則第一条の八及び第一条の九中「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改める。

  附則第一条の十中「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改め、同条第一号中「第二百六十五条の二十八第一項第三号」を「第二百六十五条の二十八第一項第二号」に、「負担金を収納し、及び」を「負担金の収納及び」に、「負担金を収納し、並びに」を「負担金の収納並びに」に改める。

  附則第一条の十一の見出しを削り、同条中「機構」を「損害保険契約者保護機構」に改め、同条を第一条の十二とし、同条の前に次の一条を加える。

  (罰則)

 第一条の十一 機構の役員又は職員が附則第一条の二の五第三項又は第一条の二の七第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした場合には、五十万円以下の罰金に処する。

 2 附則第一条の二の十の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

 3 法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務又は財産に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても、同項の刑を科する。

 (金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正)

第二条 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第一条・第二条」を「第一条―第二条の四」に、「第二章 銀行の更生手続(第三条―第十八条)」を

第二章 銀行の更生手続(第三条―第十八条)

 
 

第二章の二 保険業を営む株式会社の更生手続(第十八条の二―第十八条の十九)

 に、「第十節 報酬及び報償金(第百五十八条―第百六十条)」を

 第十節 報酬及び報償金(第百五十八条―第百六十条)

 
 

第三章の二 相互会社の更生手続

 
 

 第一節 総則(第百六十条の二―第百六十条の十一)

 
 

 第二節 更生手続の開始(第百六十条の十二―第百六十条の三十四)

 
 

 第三節 管財人及び調査委員(第百六十条の三十五・第百六十条の三十六)

 
 

 第四節 更生債権者、更生担保権者及び社員(第百六十条の三十七―第百六十条の六十四)

 
 

 第五節 関係人集会(第百六十条の六十五―第百六十条の六十八)

 
 

 第六節 更生手続開始後の手続(第百六十条の六十九―第百六十条の八十五)

 
 

 第七節 更生計画の条項(第百六十条の八十六―第百六十条の百五)

 
 

 第八節 更生計画の認否及び遂行(第百六十条の百六―第百六十条の百四十二)

 
 

 第九節 更生手続の廃止(第百六十条の百四十三―第百六十条の百四十七)

 
 

 第十節 報酬及び報償金(第百六十条の百四十八―第百六十条の百五十)

 に、「第三節 投資者保護基金の権限(第百七十七条の二―第百七十七条の十四)」を

第三節 投資者保護基金の権限(第百七十七条の二―第百七十七条の十四)

 
 

第四節 保険契約者保護機構の権限等

 
 

 第一款 保険契約者保護機構の権限(第百七十七条の十五―第百七十七条の二十七)

 
 

 第二款 保険会社の更生手続における保険契約の取扱い等(第百七十七条の二十八―第百七十七条の三十四)

 に、「第三節 投資者保護基金の権限(第百九十四条の二―第百九十四条の十四)」を

第三節 投資者保護基金の権限(第百九十四条の二―第百九十四条の十四)

 
 

第四節 保険契約者保護機構の権限(第百九十四条の十五―第百九十四条の二十九)

 に、「第百九十四条の十五」を「第百九十四条の三十」に、「第二百一条」を「第二百二条」に改める。

  第一条中「協同組織金融機関」の下に、「及び相互会社」を加える。

  第二条第四項中「外国証券会社」の下に「(次条において「外国証券会社」という。)」を加え、同条中第十項を第十二項とし、第九項を第十一項とし、第八項を第十項とし、同条第七項第一号中「及び証券会社」を「、証券会社及び保険会社」に改め、同項を同条第九項とし、同条中第六項を第八項とし、第五項を第七項とし、第四項の次に次の二項を加える。

 5 この法律において「保険会社」とは、保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第二項に規定する保険会社又は同条第七項に規定する外国保険会社等(次条において「外国保険会社等」という。)であって、同法第二百五十九条に規定する保険契約者保護機構にその会員として加入しているものをいう。

 6 この法律において「相互会社」とは、保険業法第二条第五項に規定する相互会社をいう。

  第一章中第二条の次に次の三条を加える。

  (金融機関等の更生手続等の管轄の特例)

 第二条の二 金融機関、証券会社及び保険会社(以下この章において「金融機関等」という。)に係る更生事件、金融機関及び証券会社に係る再生事件並びに金融機関等に係る破産事件について、次の各号に掲げる裁判所が当該金融機関等の本店等の所在地を管轄する場合には、会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)第六条(第二十一条及び第百六十条の四において準用する場合を含む。)、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第五条及び第六条並びに破産法(大正十一年法律第七十一号)第百五条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、更生手続開始、再生手続開始及び破産の申立て(第三項において「更生手続開始等の申立て」という。)をすることができる。

  一 東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所(東京地方裁判所を除く。) 東京地方裁判所

  二 大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所(大阪地方裁判所を除く。) 大阪地方裁判所

 2 前項に規定する「本店等」とは、次の各号に掲げる者について、それぞれ当該各号に定めるものをいう(次条及び第二条の四において同じ。)。

  一 銀行、証券会社及び株式会社である保険会社(第三号に掲げるものを除く。) 次のイ又はロに掲げる事件の区分に応じそれぞれイ又はロに定めるもの

   イ 更生事件 本店

   ロ 再生事件及び破産事件 主たる営業所

  二 協同組織金融機関及び相互会社である保険会社 主たる事務所

  三 証券会社である外国証券会社及び保険会社である外国保険会社等(次号に掲げるものを除く。) 日本における主たる営業所

  四 保険会社である外国保険会社等であって、保険業法第二条第十項に規定する外国相互会社であるもの 日本における主たる事務所

 3 第一項の規定及び会社更生法第六条(第二十一条及び第百六十条の四において準用する場合を含む。)、民事再生法第五条又は破産法第百五条の規定により二以上の裁判所が管轄権を有するときは、同項に規定する事件は、先に更生手続開始等の申立てがあった裁判所が管轄する。

  (金融機関等の更生手続等の移送の特例)

 第二条の三 裁判所は、前条第一項に規定する事件が係属している場合(同項の規定により係属している場合を除く。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、会社更生法第六条(第二十一条及び第百六十条の四において準用する場合を含む。)、民事再生法第五条及び第六条並びに破産法第百五条の規定にかかわらず、職権で、これらの事件を前条第一項の規定により管轄権を有する地方裁判所に移送することができる。

 2 裁判所は、前条第一項の規定により同項に規定する事件が係属している場合において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、これらの事件を当該金融機関等の本店等の所在地(更生事件にあっては、当該金融機関等の本店等、他の営業所若しくは事務所又は財産の所在地)を管轄する地方裁判所に移送することができる。

  (金融機関等に係る更生債権確定訴訟等に関する移送の特例)

 第二条の四 裁判所は、第二条の二第一項の規定により同項に規定する事件が係属している場合において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、会社更生法第百四十八条(第七十八条及び第百六十条の五十九並びに同法第百五十一条第二項(第七十八条及び第百六十条の五十九において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、民事再生法第百六条第二項及び破産法第二百四十五条の規定にかかわらず、職権で、当該事件に係る会社更生法第百四十七条第一項(第七十八条及び第百六十条の五十九において準用する場合を含む。)に規定する訴え、同法第百五十一条第一項(第七十八条及び第百六十条の五十九において準用する場合を含む。)に規定する異議の主張、民事再生法第百六条第一項に規定する異議の訴え又は破産法第二百四十四条に規定する訴えに係る訴訟を当該金融機関等の本店等の所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。

  第四条第一項中「(昭和二十七年法律第百七十二号)」を削る。

  第二章の次に次の一章を加える。

    第二章の二 保険業を営む株式会社の更生手続

  (保険業を営む株式会社の更生計画の条項)

 第十八条の二 保険業(保険業法第二条第一項に規定する保険業をいう。以下同じ。)を営む株式会社(以下この章において「株式会社」という。)の更生計画においては、保険契約の移転(同法第百三十六条第一項に規定する保険契約の移転をいう。以下同じ。)、業務及び財産の管理の委託(同法第百四十四条第一項に規定する業務及び財産の管理の委託をいう。以下同じ。)、相互会社との合併、相互会社への組織の変更又は新相互会社の設立に関する条項その他更生のために必要な条項を定めることができる。

  (株式会社の更生手続についての会社更生法の規定の適用)

 第十八条の三 株式会社の更生手続についての会社更生法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。

第十二条第一項

この法律

この法律の規定又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「更生特例法」という。)第二章の二

第十七条第三項

この法律

この法律の規定若しくは更生特例法第二章の二

第五十二条第一項

発行

発行、基金の募集、保険契約の移転(保険業法(平成七年法律第百五号)第百三十六条第一項に規定する保険契約の移転をいう。以下同じ。)

又は

又は剰余金若しくは

第百九十一条第一項

存続

存続(組織の変更を含む。)

又は営業の譲渡

、営業の譲渡又は保険契約の移転

第二百十七条

会社の事業の経営の全部若しくは一部を委任し

会社の保険契約を他の保険会社に移転し、若しくは他の保険会社に会社の業務及び財産の管理の委託(保険業法第百四十四条第一項に規定する業務及び財産の管理の委託をいう。)をし

他人の営業

他人の営業、事業

譲り受ける

譲り受け、若しくは他の保険会社の保険契約の移転を受ける

第二百三十三条第一項第四号

決議

決議又は他の相互会社の社員総会若しくは総代会の保険業法第八十六条第一項の組織変更計画書(同法第九十二条の七各号に掲げる事項の定めがあるものに限る。)の承認の決議

第二百三十三条第一項第五号

決議

決議又は他の相互会社の社員総会若しくは総代会の保険業法第八十六条第一項の組織変更計画書(同法第九十二条の九第一項各号に掲げる事項の定めがあるものに限る。)の承認の決議

第二百三十三条第一項第六号

会社の株主総会

会社又は相互会社の株主総会又は社員総会若しくは総代会

第二百五十条第一項

他人の営業

他人の営業、事業

第二百五十三条第二項

の規定は、適用せず、同法

並びに保険業法第十六条の二及び第十七条(第六項を除く。)の規定は、適用せず、商法

第二百五十八条第三項

の規定は、適用せず、同法

並びに保険業法第百六十五条の二及び第百六十六条の規定は、適用せず、商法

第二百六十二条第一項

第二百五十八条第二項

第二百五十八条第二項(更生特例法第十八条の十二第二項において準用する場合を含む。)

又は第二百六十条第四項

若しくは第二百六十条第四項又は更生特例法第十八条の十二第七項、第十八条の十六第二項若しくは第十八条の十七第四項

第二百七十九条

及びこの法律

並びにこの法律の規定及び更生特例法第二章の二

 2 株式会社の更生手続についての会社更生法(第十一章を除く。)の規定の適用については、この章に特別の定めがある場合を除き、同法の規定中「会社」とあるのは、その性質に反しない限り、相互会社を含むものとする。

  (吸収合併)

 第十八条の四 株式会社が、更生手続により相互会社と合併して合併後存続するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その相互会社の名称

  二 その相互会社の社員に対して発行すべき新株の額面無額面の別、種類及び数並びにその割当てに関する事項

  三 合併に際してする新株の発行に代えて、株式会社が有する自己の株式で商法第二百十一条の規定により相当の時期に処分することを要するものをその相互会社の社員に移転するときは、移転すべき株式の額面無額面の別、種類及び数

  四 その相互会社の社員に対する新株の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  五 株式会社の増加すべき資本の額及び準備金に関する事項

  六 その相互会社の基金の拠出者又は社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  七 その相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  八 合併剰余金額に関する事項

  九 その相互会社における合併契約書承認決議のための社員総会又は総代会の日時

  十 合併すべき時期

  十一 その相互会社が合併の日までに剰余金の分配をするときは、その限度額

 第十八条の五 株式会社が更生手続により相互会社と合併してその相互会社が合併後存続するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その相互会社の名称

  二 その相互会社が合併により定款の変更をするときは、その規定

  三 更生債権者若しくは更生担保権者又は株主に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  四 存続する相互会社の準備金に関する事項

  五 株主に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  六 その相互会社における合併契約書承認決議のための社員総会又は総代会の日時

  七 合併すべき時期

  八 その相互会社が合併の日までに剰余金の分配をするときは、その限度額

  九 その相互会社につき合併に際して就職すべき取締役又は監査役を定めたときは、その規定

  十 保険業法第百七十三条第一項において準用する商法第四百十四条ノ三の別段の定めをしたときは、その規定

  (新設合併)

 第十八条の六 株式会社が更生手続により相互会社と合併して新株式会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その相互会社の名称

  二 新株式会社の定款の規定

  三 更生債権者、更生担保権者又は株主及びその相互会社の社員に対して発行すべき株式の種類及び数並びにその割当てに関する事項

  四 その相互会社の社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  五 新株式会社の資本の額及び準備金に関する事項

  六 株主又はその相互会社の基金の拠出者若しくは社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  七 その相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  八 合併剰余金額に関する事項

  九 第十八条の四第九号から第十一号までに掲げる事項

  十 新株式会社の取締役及び監査役の氏名

  十一 新株式会社の会計監査人の氏名又は名称

 第十八条の七 株式会社が更生手続により相互会社と合併して新相互会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 合併の相手方たる相互会社の名称

  二 新相互会社の定款の規定

  三 更生債権者若しくは更生担保権者又は株主及び合併の相手方たる相互会社の基金の拠出者に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  四 新相互会社の準備金に関する事項

  五 株主に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  六 合併の相手方たる相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  七 新相互会社の取締役及び監査役の氏名

  八 新相互会社の会計監査人の氏名又は名称

  九 第十八条の五第六号から第八号までに掲げる事項

  (組織変更)

 第十八条の八 株式会社が更生手続によりその組織を変更して相互会社になるときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 組織変更後の相互会社の名称、目的、主たる事務所及び従たる事務所の所在地並びに公告の方法

  二 組織変更後の相互会社の基金の総額

  三 前二号に掲げる事項のほか、組織変更後の相互会社の定款に記載すべき事項

  四 更生債権者若しくは更生担保権者又は株主に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  五 組織変更後の相互会社の準備金に関する事項

  六 株主に金銭を支払うことを定めたときは、その規定

  七 組織変更後の相互会社の取締役、代表取締役及び監査役となるべき者の氏名又はその選任若しくは選定の方法並びに任期。ただし、任期については一年を超えることができない。

  八 数人の代表取締役に共同して組織変更後の相互会社を代表させるときは、その旨

  九 組織を変更すべき時期

 2 第百六十条の八十九第二項から第四項まで及び第百六十条の九十の規定は、前項に規定する場合における組織変更後の相互会社について準用する。この場合において、第百六十条の八十九第二項及び第百六十条の九十第三号中「社員」とあるのは、「株主」と読み替えるものとする。

  (新相互会社の設立)

 第十八条の九 更生手続により、更生債権者、更生担保権者又は株主に対し、新たに払込みをさせないで基金の拠出を引き受けさせることにより新相互会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 新相互会社の名称、目的、主たる事務所及び従たる事務所の所在地並びに公告の方法

  二 新相互会社の基金の総額

  三 前二号に掲げる事項のほか、新相互会社の定款に記載すべき事項

  四 更生債権者、更生担保権者又は株主に対して引き受けさせるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  五 新相互会社の準備金に関する事項

  六 株式会社から新相互会社に移転すべき財産及びその価格

  七 新相互会社の取締役、代表取締役及び監査役となるべき者の氏名又はその選任若しくは選定の方法並びに任期。ただし、任期については一年を超えることができない。

  八 新相互会社が社債を発行するときは、第百六十条の九十に掲げる事項

 2 前項に定める場合を除き、更生手続により、合併によらないで新相互会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 前項各号(第四号を除く。)に掲げる事項

  二 新相互会社の設立に際して募集する基金の拠出の額及び更生債権者、更生担保権者又は株主に対し、新たに払込みをさせ、又はさせないで基金の拠出を引き受けさせるときは、前項第四号に掲げる事項

  (保険契約の移転に関する特例)

 第十八条の十 第十八条の三の規定により読み替えて適用される会社更生法第二百十七条の規定により更生計画において株式会社の保険契約を他の保険会社に移転し、又は他の保険会社の保険契約の移転を受けることを定めたときは、計画の定めによりこれらの行為をすることができる。

 2 前項の場合においては、保険業法第百三十六条の二及び第百三十七条の規定は、適用しない。

 3 第一項の場合における株式会社に対する保険業法第百三十八条の規定の適用については、同条中「第百三十六条第一項の決議」とあるのは、「保険契約の移転を内容とする更生計画認可の決定」とする。

 4 前三項の規定は、保険契約の移転の相手方たる他の保険会社に対する保険業法の規定の適用を妨げない。

 5 第十八条の三の規定により読み替えて適用される会社更生法第二百十七条の規定により更生計画において株式会社が他の相互会社の保険契約の全部に係る保険契約の移転を受けることを定めた場合においては、当該他の相互会社の解散の登記の申請書に対する保険業法第百五十五条の規定の適用については、同条第一号中「第百三十五条第一項に規定する移転先会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録」とあるのは、「更生計画認可の決定書の謄本又は抄本」とする。

  (業務及び財産の管理の委託に関する特例)

 第十八条の十一 第十八条の三の規定により読み替えて適用される会社更生法第二百十七条の規定により更生計画において他の保険会社に株式会社の業務及び財産の管理の委託をすることを定めたときは、計画の定めにより業務及び財産の管理の委託をすることができる。

 2 前項の場合においては、管理の委託の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (合併に関する特例)

 第十八条の十二 第十八条の四から第十八条の七までの規定により更生計画において株式会社が合併することを定めたときは、計画の定めによって合併することができる。

 2 会社更生法第二百五十八条第二項の規定は、第十八条の六の規定により更生計画において株式会社が合併することを定めた場合において、合併により設立される新株式会社の株式の割当てを受けた更生債権者又は更生担保権者について準用する。

 3 第十八条の五又は第十八条の七の規定により更生計画において株式会社が合併することを定めたときは、合併後存続する相互会社又は合併により設立される新相互会社の基金の拠出の割当てを受けた更生債権者又は更生担保権者は、合併の効力が生じた時に基金の拠出者となる。

 4 第一項の場合においては、保険業法第百五十九条第三項の規定により従うものとされる商法第四百八条ノ二、第四百八条ノ三、第四百十二条、第四百十三条ノ二第一項前段及び第四百十五条並びに保険業法第百六十五条の二及び第百六十六条の規定は、適用せず、同法第百六十四条第三項(同法第百六十五条第二項において準用する場合を含む。)において準用する同法第八十九条第三項において準用する商法第二百十七条第二項又は保険業法第百五十九条第三項の規定により従うものとされる商法第四百十六条第三項において準用する同法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 5 第一項の場合においては、保険業法第百五十九条第三項の規定により従うものとされる商法第四百十六条第二項の規定は、適用しない。

 6 前各項の規定は、合併の相手方たる相互会社に対する保険業法の規定の適用を妨げない。

 7 会社更生法第二百五十六条の規定は、第十八条の四第六号、第十八条の五第五号、第十八条の六第六号又は第十八条の七第五号の規定により株主又は相互会社の基金の拠出者若しくは社員に社債を割り当てた場合について準用する。この場合においては、株主又は相互会社の基金の拠出者若しくは社員は、合併の効力が生じた時に社債権者となる。

 8 第一項の場合においては、合併による株式会社の変更の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

 9 第一項の場合においては、合併による設立の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

 10 裁判所が前二項の登記を嘱託するときは、合併の相手方たる相互会社の合併による解散の登記をも嘱託しなければならない。

 11 第一項の場合において、合併の相手方たる相互会社が合併後存続するときは、第十八条の三の規定により読み替えて適用される会社更生法第十七条第三項の規定は、適用しない。

 12 前項の場合における合併の相手方たる相互会社の合併による変更の登記の申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更に関する特例)

 第十八条の十三 第十八条の八第一項の規定により更生計画において株式会社がその組織を変更することを定めたときは、株式会社についての解散の登記及び組織変更後の相互会社についての設立の登記に関する規定に定める登記をした時に組織変更の効力が生じる。

 2 前項の場合においては、組織変更後の相互会社の基金の拠出の割当てを受けた更生債権者又は更生担保権者は、組織変更の効力が生じた時に基金の拠出者となる。

 3 第一項の場合においては、保険業法第六十九条から第七十八条まで、第八十一条及び第八十四条の規定は、適用しない。

 4 第十八条の八第一項第七号の規定により計画において組織変更後の相互会社の取締役、代表取締役又は監査役となるべき者を定めたときは、これらの者は、組織変更の効力が生じた時に選任され、又は選定されるものとする。

 5 第十八条の八第一項第七号の規定により計画において組織変更後の相互会社の取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定の方法を定めたときは、これらの者の選任又は選定は、計画に定める方法によってすることができる。この場合においては、保険業法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十一条第一項の規定は、適用しない。

 6 前二項の規定により選任され、又は選定された組織変更後の相互会社の取締役、代表取締役又は監査役の任期及び代表取締役の代表の方法は、計画に定めるところによる。

 7 第一項の場合においては、組織変更後の相互会社の設立の登記に関する規定に定める登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更後の相互会社の基金の募集に関する特例)

 第十八条の十四 第百六十条の百二十の規定は、第十八条の八第二項において準用する第百六十条の八十九第二項又は第三項の規定により更生計画において組織変更後の相互会社が基金の拠出を引き受けさせ、又は新たに基金を募集することを定めた場合について準用する。この場合において、第百六十条の百二十第一項中「計画の定め」とあるのは「組織変更の効力が生じた後、計画の定め」と、同条第四項及び第七項中「社員」とあるのは「株主」と読み替えるものとする。

  (組織変更後の相互会社の社債の発行に関する特例)

 第十八条の十五 第百六十条の百二十一及び第百六十条の百二十二の規定は、第十八条の八第二項において準用する第百六十条の九十の規定により更生計画において組織変更後の相互会社が社債を発行することを定めた場合について準用する。この場合において、第百六十条の百二十一第一項中「社員」とあるのは「株主」と、「計画認可の決定の時」とあるのは「組織変更の効力が生じた時」と、第百六十条の百二十二第一項中「計画の定め」とあるのは「組織変更の効力が生じた後、計画の定め」と、同条第二項中「社員」とあるのは「株主」と読み替えるものとする。

  (新相互会社の設立に関する特例)

 第十八条の十六 第十八条の九第一項の規定により更生計画において更生債権者、更生担保権者又は株主に対し、新たに払込みをさせないで基金の拠出を引き受けさせることにより新相互会社を設立することを定めたときは、新相互会社は、定款を作成し、更生裁判所の認証を得た後設立の登記をした時に成立する。

 2 前項の場合においては、新相互会社成立の時において、計画の定めにより新相互会社に移転すべき株式会社の財産は、新相互会社に移転し、新相互会社の基金の拠出又は社債の割当てを受けた更生債権者、更生担保権者又は株主は、基金の拠出者又は社債権者となる。

 3 第百六十条の百十八第一項、第二項及び第四項並びに第百六十条の百二十二の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、第百六十条の百十八第一項及び第二項中「第百六十条の八十七において準用する会社更生法第二百二十条第一項」とあるのは、「第十八条の九第一項第七号」と読み替えるものとする。

 4 第一項の場合においては、新相互会社の設立の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、定款及び計画において代表取締役の選定の方法を定めたときは、その選定に関する書類を添付しなければならない。

 第十八条の十七 第十八条の九第二項の規定により更生計画において合併によらないで新相互会社を設立することを定めたときは、計画の定めにより新相互会社を設立することができる。

 2 前項の場合においては、保険業法第二十二条第四項において準用する商法第百六十七条、保険業法第二十三条第四項において準用する商法第百九十二条第一項、第二項及び第四項、保険業法第二十六条第四項において準用する商法第百八十一条、第百八十三条、第百八十四条(第一項中同法第百七十三条ノ二第一項第二号及び第三号に掲げる事項に関する部分を除く。)、第百八十五条及び第百八十六条、保険業法第三十条において準用する商法第百九十二条ノ二、第百九十三条、第百九十五条、第百九十六条及び第百九十八条並びに保険業法第百八十三条第一項において準用する商法第四百二十八条の規定は、適用しない。

 3 第一項の場合においては、定款は、更生裁判所の認証を受けるものとし、創立総会においては計画の趣旨に反して定款を変更することができず、新相互会社が成立しなかったときは、管財人がその設立に関してした行為に係る責任は、株式会社において負うものとし、その設立に関して支出された費用は、株式会社の負担とする。

 4 第一項の場合において、更生債権者、更生担保権者又は株主に対し、新たに払込みをさせないで基金の拠出又は社債を引き受けさせるときは、これらの権利者は、新相互会社成立の時に基金の拠出者又は社債権者となる。

 5 前条第三項及び第百六十条の百二十第四項から第七項までの規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、前条第三項中「第十八条の九第一項第七号」とあるのは「第十八条の九第二項第一号」と、第百六十条の百二十第四項中「第百六十条の八十九第二項」とあるのは「第十八条の九第二項第二号」と、同項及び同条第七項中「社員」とあるのは「株主」と読み替えるものとする。

 6 第一項の場合においては、新相互会社の設立の登記の嘱託書又は申請書には、前条第四項に規定する書類のほか、基金の拠出の額及び基金の拠出に係る払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書を添付しなければならない。

  (基金の拠出等の引受権の譲渡)

 第十八条の十八 更生債権者、更生担保権者又は株主は、更生計画の定めにより相互会社の基金の拠出又は社債を引き受ける権利を有するときは、これを他に譲渡することができる。

  (退職手当)

 第十八条の十九 更生手続開始後株式会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人であった者で、引き続き組織変更後の相互会社又は新相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人となったものは、株式会社から退職したことを理由として退職手当の支給を受けることができない。

 2 前項に定める者の株式会社における在職期間は、退職手当の計算については、組織変更後の相互会社又は新相互会社における在職期間とみなす。

  第十九条中「次章」を「第四章」に改める。

  第二十条第一項中「第二条第八項」を「第二条第十項」に、「第二条第九項」を「第二条第十一項」に、「第二条第十項」を「第二条第十二項」に改める。

  第三十一条中「第二条第八項」を「第二条第十項」に改める。

  第五十一条第一項中「(大正十一年法律第七十一号)」及び「(平成十一年法律第二百二十五号)」を削る。

  第百十九条、第百四十二条第四項及び第百四十三条第四項中「第二条第八項」を「第二条第十項」に改める。

  第三章の次に次の一章を加える。

    第三章の二 相互会社の更生手続

     第一節 総則

  (相互会社の更生手続)

 第百六十条の二 相互会社の更生手続については、次章に定めるもののほか、この章の定めるところによる。

  (会社更生法の規定を準用する場合の読替え等)

 第百六十条の三 この章(第百六十条の百二、第百六十条の百二十三第三項、第百六十条の百二十四第五項、第百六十条の百三十一第四項及び第五項、第百六十条の百三十二第四項及び第七項並びに第百六十条の百三十四第五項を除く。)の規定において会社更生法の規定を準用する場合には、特別の定めがある場合を除き、同法の規定中「会社」とあるのは「相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。)」と、「株主」とあるのは「社員」と、「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」と、「営業所」とあるのは「事務所」と、「営業」とあるのは「事業」と読み替えるものとする。

 2 この章において準用するこの章の規定により読み替えられた会社更生法の規定中「更生特例法」とあるのは、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律をいうものとする。

 3 この章に特別の定めがある場合を除き、この章の規定及びこの章において準用する第一項の規定により読み替えられた会社更生法の規定中「相互会社」とあるのは、その性質に反しない限り、株式会社を含むものとする。

  (更生手続の効力発生の時等)

 第百六十条の四 会社更生法第二条、第四条第一項及び第三項、第五条、第八条、第九条第一項、第十条並びに第十一条の規定は相互会社の更生手続について、同法第三条の規定は相互会社の更生について、同法第六条、第七条及び第九条第二項の規定は相互会社に係る更生事件について、それぞれ準用する。この場合において、同法第八条及び第十一条中「この法律」とあるのは、「更生特例法第三章の二」と読み替えるものとする。

  (公告)

 第百六十条の五 この章の規定によってする公告は、官報及び裁判所の指定する新聞紙に掲載してする。

 2 会社更生法第十二条第二項及び第十三条の規定は、この章の規定によってする公告について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の五第一項」と、同条第二項中「若しくは株券又は」とあるのは「を発行している場合又は組織変更後の株式会社が無記名式の社債券若しくは」と読み替えるものとする。

  (送達)

 第百六十条の六 相互会社の社債権者に対するこの章の規定によってする送達は、社債権者からこの章の規定による住所の届出があるときはその住所にあてて、届出がないときは社債原簿に記載した住所又は社債権者が相互会社に通知した住所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。

 2 登記した担保権を有する更生担保権者に対するこの章の規定によってする送達は、その更生担保権者からこの章の規定による住所の届出があるときはその住所にあてて、届出がないときは登記簿に記載した住所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。

 3 会社更生法第十四条第四項及び第五項の規定は、前二項の規定により書類を郵便に付して発送した場合について準用する。

 4 会社更生法第十五条の規定はこの章の規定により公告及び送達をしなければならない場合について、同法第十六条の規定はこの章の規定により送達をしなければならない場合について、それぞれ準用する。

  (登記の嘱託)

 第百六十条の七 会社更生法第十七条から第二十条までの規定は、相互会社の更生手続における登記の嘱託について準用する。この場合において、同法第十七条第三項及び第十八条第二項中「この法律」とあるのは「更生特例法第三章の二」と、同法第十八条の二第一項中「第三十九条第一項後段」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項」と、「処分を」とあるのは「保全管理人による管理又は監督員による監督を命ずる処分を」と、同条第二項中「第三十九条第一項後段」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項」と、「処分」とあるのは「保全管理人による管理又は監督員による監督を命ずる処分」と、同条第三項中「第三十九条第一項前段」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項の規定による処分(保全管理人による管理及び監督員による監督を命ずる処分を除く。)」と、「第七十二条第一項第二号」とあるのは「更生特例法第百六十条の二十九第一項第二号」と、同法第十八条の三第一項中「第二百十一条第三項又は第二百四十八条の二第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の八十六第三項又は第百六十条の百十二第一項」と、同条第二項中「第二百十一条第三項」とあるのは「更生特例法第百六十条の八十六第三項」と、「第二百四十八条の二第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の百十二第一項」と読み替えるものとする。

  (否認の登記)

 第百六十条の八 会社更生法第二十一条第一項の規定は、相互会社の更生手続における否認の登記について準用する。

 2 会社更生法第十八条第一項の規定は、更生手続開始決定取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定が確定した場合及び更生計画認可又は更生手続終結の決定があった場合に、相互会社の更生手続における否認の登記について準用する。

  (登録への準用)

 第百六十条の九 第百六十条の七において準用する会社更生法第十八条、第十八条の二第三項、第十九条及び第二十条並びに前条の規定は、登録のある権利について準用する。

  (破産手続又は再生手続への移行)

 第百六十条の十 会社更生法第二十三条及び第二十四条の規定は破産宣告前の相互会社について、同法第二十五条及び第二十六条の規定は破産宣告後の相互会社について、同法第二十七条から第二十八条の二までの規定は相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二十三条第一項ただし書及び第二十八条の二中「第六十七条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の二十八において準用する第六十七条第一項」と、同法第二十三条第二項中「第十九条」とあるのは「更生特例法第百六十条の七において準用する第十九条」と、「前条」とあるのは「更生特例法第百六十条の九」と、同法第二十五条及び第二十八条の二中「第二百七十三条から第二百七十四条まで」とあるのは「更生特例法第百六十条の百四十三の規定若しくは更生特例法第百六十条の百四十四において準用する第二百七十三条の二若しくは第二百七十四条」と、同法第二十六条第一項中「第二百七十七条」とあるのは「更生特例法第百六十条の百四十五において準用する第二百七十七条」と読み替えるものとする。

  (破産等の申立義務と更生手続開始の申立て)

 第百六十条の十一 会社更生法第二十九条の規定は、相互会社の清算人について準用する。

     第二節 更生手続の開始

  (手続の開始)

 第百六十条の十二 相互会社は、事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときは、裁判所に対し、更生手続開始の申立てをすることができる。相互会社に破産の原因たる事実の生ずるおそれがあるときも、また同様である。

 2 前項後段の場合においては、基金(保険業法第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額の十分の一以上に相当する額の債権を有する債権者又は社員総数の十分の一以上に相当する数の社員若しくは一万名以上の社員も、同項の申立てをすることができる。

  (解散後の相互会社の申立て)

 第百六十条の十三 清算若しくは特別清算中又は破産宣告後の相互会社が更生手続開始の申立てをするには、保険業法第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

  (開始の申立て)

 第百六十条の十四 会社更生法第三十二条から第三十四条まで、第三十五条第一項、第三十六条から第三十八条まで及び第四十四条の規定は、相互会社についての更生手続開始の申立てについて準用する。この場合において、同法第三十二条第二項第六号中「発行済株式の総数、資本の額」とあるのは「社員の総数、基金(保険業法(平成七年法律第百五号)第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額」と、同条第三項中「、株主が申立をするときはその有する株式の数を記載」とあるのは「を記載」と、同法第三十三条第二項中「債権者又は株主」とあるのは「債権者」と、「債権の額又は株式の数」とあるのは「債権の額」と、同法第三十八条第二号中「又は株式を取得した」とあるのは「を取得し、又は社員となつた」と、同法第四十四条中「第三十九条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項」と読み替えるものとする。

  (所管行政庁等の意見の陳述)

 第百六十条の十五 会社更生法第三十五条第二項及び第三項の規定は、相互会社の更生手続について準用する。この場合において、同条第二項中「第百二十二条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十五において準用する第百二十二条第一項」と読み替えるものとする。

  (保全処分)

 第百六十条の十六 裁判所は、更生手続開始の決定をする前でも、利害関係人の申立てにより又は職権で、相互会社の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他必要な保全処分を命じ、又は保全管理人による管理若しくは監督員による監督を命ずる処分をすることができる。

 2 会社更生法第三十九条第二項から第六項までの規定は、前項の規定による処分について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項又は同条第二項において準用する前項」と、同条第五項中「第一項後段」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項」と、「処分を」とあるのは「保全管理人による管理又は監督員による監督を命ずる処分を」と、同条第六項中「第十五条」とあるのは「更生特例法第百六十条の六第四項において準用する第十五条」と読み替えるものとする。

  (保全管理人)

 第百六十条の十七 会社更生法第四十条及び第四十一条の規定は、前条第一項の規定により保全管理人による管理の命令があった場合について準用する。

 2 会社更生法第五十四条第一号から第三号まで、第五号から第七号まで及び第十号、第五十四条の二、第五十五条、第九十四条、第九十五条、第九十六条第一項、第九十七条並びに第九十八条の二から第百条までの規定は、前項の保全管理人について準用する。

 3 会社更生法第六十八条から第七十条までの規定は、前条第一項の規定により保全管理人による管理を命ずる処分があった場合及びその処分の取消しがあった場合について準用する。

  (監督員)

 第百六十条の十八 会社更生法第四十二条の規定は、第百六十条の十六第一項の規定により監督員による監督の命令があった場合について準用する。

 2 会社更生法第九十八条の二第一項及び第二項並びに第九十八条の三から第九十八条の五までの規定は、前項の監督員について準用する。

  (開始の決定)

 第百六十条の十九 会社更生法第四十五条及び第四十六条の規定は、相互会社についての更生手続開始の決定について準用する。

  (開始の公告及び送達)

 第百六十条の二十 裁判所が相互会社について更生手続開始の決定をしたときは、直ちに次に掲げる事項を公告しなければならない。

  一 更生手続開始決定の主文

  二 管財人の氏名又は名称

  三 前条において準用する会社更生法第四十六条の規定により定めた期間及び期日

  四 相互会社の債務者及び相互会社の財産の所持者は、相互会社に弁済し、又はその財産を交付してはならない旨及び債務を負担すること又はその財産を所持することを一定の期間内に管財人に届け出るべき旨の命令

 2 管財人、相互会社並びに知れている更生債権者及び更生担保権者には、前項各号に掲げる事項及び更生手続を開始することの当否についての調査委員の意見の要旨を記載した書面、調査委員並びに知れている相互会社の債務者及び相互会社の財産の所持者には、同項各号に掲げる事項を記載した書面を送達しなければならない。

 3 前二項の規定は、第一項第二号から第四号までに掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。ただし、更生債権及び更生担保権調査の期日の変更については、公告することを要しない。

 4 第一項第四号の届出を怠った者は、これによって相互会社の財産に生じた損害を賠償しなければならない。

  (開始の通知)

 第百六十条の二十一 前条第一項各号に掲げる事項及び同条第二項の調査委員の意見の要旨は、相互会社の業務を監督する行政庁、法務大臣及び大蔵大臣に通知しなければならない。

 2 前項の規定は、前条第一項第二号及び第三号に掲げる事項に変更を生じた場合について準用する。

  (書類の備置き及び抗告)

 第百六十条の二十二 会社更生法第四十九条の規定は相互会社についての更生手続開始の申立てに関する書類について、同法第五十条の規定は相互会社についての更生手続開始の申立てに対する裁判について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「第三十七条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の十四において準用する第三十七条」と読み替えるものとする。

  (開始決定の取消し)

 第百六十条の二十三 会社更生法第五十一条の規定は、相互会社について更生手続開始決定取消しの決定が確定した場合について準用する。この場合において、同条第二項中「第四十七条第二項及び第四十八条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の二十第二項及び第百六十条の二十一第一項」と読み替えるものとする。

  (開始後の資本の減少等)

 第百六十条の二十四 更生手続開始後その終了までの間は、更生手続によらなければ、資本の減少、保険契約(保険契約者を社員とするものに限る。)の締結、基金の募集、新株若しくは社債の発行、保険契約の移転、合併、解散、相互会社の組織の変更、利益若しくは利息の配当又は剰余金若しくは商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配をすることができない。

 2 更生手続開始後その終了までの間は、更生手続によらないで相互会社の定款を変更するには、裁判所の許可を得なければならない。

  (開始後の業務及び財産の管理)

 第百六十条の二十五 会社更生法第五十三条の規定は、相互会社について更生手続開始の決定があった場合について準用する。この場合において、同条中「第二百十一条第三項又は第二百四十八条の二第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十六第三項又は第百六十条の百十二第一項」と読み替えるものとする。

  (管財人の行為)

 第百六十条の二十六 会社更生法第五十四条から第五十五条までの規定は、相互会社の更生手続における管財人について準用する。この場合において、同法第五十四条第四号中「第百三条」とあるのは「更生特例法第百六十条の三十八において準用する第百三条」と、同条第九号中「第百六十一条の二」とあるのは「更生特例法第百六十条の六十三において準用する第百六十一条の二」と読み替えるものとする。

  (開始後の相互会社の行為等及び取戻権)

 第百六十条の二十七 会社更生法第五十六条から第六十六条までの規定は、相互会社について更生手続の開始があった場合について準用する。この場合において、同法第六十四条第二項中「第百三条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の三十八において準用する第百三条」と読み替えるものとする。

  (他の手続の中止等)

 第百六十条の二十八 会社更生法第六十七条から第七十一条までの規定は、相互会社について更生手続開始の決定があった場合について準用する。この場合において、同法第六十七条第六項中「第百二十二条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十五において準用する第百二十二条第一項」と読み替えるものとする。

  (裁判所の処分)

 第百六十条の二十九 相互会社について更生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、次に掲げる処分をすることができる。

  一 発起人若しくは取締役に対する基金の拠出に係る払込請求権若しくは相互会社の成立後に譲り受けることを約した財産の価額若しくは不足額の支払請求権又は発起人、取締役、監査役若しくは清算人の責任に基づく損害賠償請求権の査定

  二 前号の基金の拠出に係る払込請求権、財産の価額若しくは不足額の支払請求権又は損害賠償請求権について発起人、取締役、監査役又は清算人の財産に対してする保全処分

 2 緊急の必要があると認めるときは、裁判所は、更生手続開始の決定をする前でも、保全管理人の申立てにより又は職権で、前項第二号に掲げる処分をすることができる。

 3 会社更生法第三十九条第二項から第四項までの規定は、第一項第二号及び前項の処分について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の二十九第一項第二号若しくは第二項又は前項」と読み替えるものとする。

  (査定)

 第百六十条の三十 会社更生法第七十三条から第七十七条までの規定は、前条第一項第一号の査定について準用する。

  (否認権)

 第百六十条の三十一 次に掲げる行為は、更生手続開始後、相互会社の財産のために否認することができる。

  一 相互会社が更生債権者又は更生担保権者(以下この項において「更生債権者等」という。)を害することを知ってした行為。ただし、これにより利益を受けた者が、その行為の当時更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。

  二 相互会社が支払の停止又は破産、再生手続開始、更生手続開始、整理開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この項において「支払の停止等」という。)のあった後にした更生債権者等を害する行為及び担保の供与又は債務の消滅に関する行為。ただし、これにより利益を受けた者がその行為の当時支払の停止等のあったこと又は更生債権者等を害する事実を知っていたときに限る。

  三 相互会社が支払の停止等があった後又はその前三十日以内にした担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、相互会社の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が相互会社の義務に属しないもの。ただし、債権者においてその行為の当時相互会社が他の更生債権者等との平等を害することを知ってした事実を知らなかったとき、支払の停止等があった後の場合は、なお、その事実をも知らなかったときは、この限りでない。

  四 相互会社が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為

 2 会社更生法第七十八条第二項及び第七十九条の規定は、前項の規定の適用について準用する。この場合において、同法第七十八条第二項中「第百二十一条第一項第五号及び」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十四第一項第五号及び同法第百六十条の四十五において準用する」と読み替えるものとする。

  (権利変動の対抗要件の否認)

 第百六十条の三十二 支払の停止又は破産、再生手続開始、更生手続開始、整理開始若しくは特別清算開始の申立てがあった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後悪意でしたものであるときは、相互会社についての更生手続開始後、これを否認することができる。ただし、登記及び登録については、仮登記又は仮登録があった後本登記又は本登録をしたときは、この限りでない。

 2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。

  (否認権の行使及び相手方の地位等)

 第百六十条の三十三 会社更生法第八十一条から第八十七条まで及び第九十条から第九十二条までの規定は相互会社の更生手続における否認権について、同法第八十八条及び第八十九条の規定は相互会社の行為が否認された場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第八十七条第二項中「第七十八条第一項第四号」とあるのは、「更生特例法第百六十条の三十一第一項第四号」と読み替えるものとする。

  (詐害行為取消訴訟等)

 第百六十条の三十四 民法第四百二十四条第一項の規定により更生債権者の提起した訴訟、破産法若しくは民事再生法の規定による否認の訴訟又は同法の規定による否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が相互会社についての更生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。

 2 会社更生法第六十九条の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第一項から第三項までの規定中「会社」とあるのは、「更生債権者、破産管財人又は再生手続における管財人若しくは否認権限を有する監督委員」と読み替えるものとする。

     第三節 管財人及び調査委員

  (管財人の選任等)

 第百六十条の三十五 相互会社の更生手続における管財人は、その職務を行うに適した者のうちから選任しなければならない。

 2 会社更生法第九十五条、第九十六条第一項及び第二項並びに第九十七条から第百条までの規定は、相互会社の更生手続における管財人について準用する。この場合において、同法第九十六条第二項中「第二百十一条第三項又は第二百四十八条の二第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十六第三項又は第百六十条の百十二第一項」と読み替えるものとする。

 3 会社更生法第六十八条及び第六十九条の規定は、第百六十条の八十六第三項の規定による更生計画の定め又は第百六十条の百十二第一項の規定による決定が取り消された場合において、前項において準用する同法第九十六条第二項の訴えについて準用する。

  (調査委員の選任等)

 第百六十条の三十六 裁判所は、必要があると認めるときは、相互会社の更生手続において、一人又は数人の調査委員を選任することができる。

 2 会社更生法第九十五条、第九十七条第一項、第九十八条の二から第九十八条の五まで、第百一条第二項及び第三項並びに第百一条の二の規定は、前項の調査委員について準用する。この場合において、同法第百一条第二項第一号中「第三十八条第二号」とあるのは「更生特例法第百六十条の十四において準用する第三十八条第二号」と、同項第二号中「第三十九条第一項若しくは第二項又は第七十二条」とあるのは「更生特例法第百六十条の十六第一項若しくは同条第二項において準用する第三十九条第二項又は更生特例法第百六十条の二十九」と読み替えるものとする。

     第四節 更生債権者、更生担保権者及び社員

  (更生債権)

 第百六十条の三十七 相互会社に対し更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、更生債権とする。

  (双務契約)

 第百六十条の三十八 会社更生法第百三条から第百四条の二までの規定は、相互会社を一方の当事者とする双務契約について準用する。

  (開始後の手形の引受け等)

 第百六十条の三十九 会社更生法第百五条から第百十一条までの規定は、相互会社について更生手続が開始された場合について準用する。

  (更生債権の弁済の禁止、更生債権者の権利等)

 第百六十条の四十 会社更生法第百十二条、第百十二条の二及び第百十九条の規定は相互会社の更生手続における再生債権について、同法第百十三条第一項の規定は相互会社の更生手続における更生債権者について、同条第二項及び同法第百十四条から第百十八条までの規定は相互会社の更生手続における更生債権者の議決権について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百十二条中「第百二十二条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十五において準用する第百二十二条第一項」と読み替えるものとする。

  (使用人の退職手当の請求権)

 第百六十条の四十一 会社更生法第百十九条の二の規定は、更生計画認可の決定前に退職した相互会社の使用人の退職手当の請求権について準用する。この場合において、同条第三項中「第二百八条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十四」と読み替えるものとする。

  (開始前の借入金等)

 第百六十条の四十二 相互会社の取締役又は保全管理人が更生手続開始の申立て後更生手続開始前に、裁判所の許可を得て、資金の借入れその他相互会社の事業の継続に欠くことができない行為をしたときは、その行為により生じた請求権は、共益債権とする。

  (優先権の期間の計算)

 第百六十条の四十三 優先権が一定の期間内の債権額について存在する場合においては、その期間は、相互会社についての更生手続の開始の時からさかのぼって計算する。

  (劣後的更生債権)

 第百六十条の四十四 次に掲げる請求権は、相互会社の更生手続における更生債権とする。

  一 更生手続開始後の利息

  二 更生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金

  三 更生手続参加の費用

  四 前号に掲げるもののほか、更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権で共益債権でないもの

  五 更生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金及び過料

  六 更生手続開始前の租税のうち、これを免れ、若しくは免れようとし、不正の行為によりその還付を受け、又は徴収して納付若しくは納入すべきものを納付若しくは納入しなかったことにより、更生手続開始後懲役若しくは罰金に処せられ、又は国税犯則取締法第十四条第一項(地方税法において準用する場合を含む。)の規定による通告の旨を履行した場合における、免れ、免れようとし、還付を受け、又は納付若しくは納入しなかった額の租税で届出のないもの

 2 会社更生法第百二十一条第二項の規定は前項の請求権について、同条第三項の規定は前項第五号の請求権について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「同項第六号」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十四第一項第六号」と読み替えるものとする。

  (租税等の請求権)

 第百六十条の四十五 会社更生法第百二十二条の規定は、相互会社の更生計画において国税徴収法又は国税徴収の例により徴収することのできる請求権につき減免、納税の猶予その他権利に影響を及ぼす定めをする場合について準用する。

  (更生担保権)

 第百六十条の四十六 更生債権又は更生手続開始前の原因に基づいて生じた相互会社以外の者に対する財産上の請求権で、更生手続開始当時相互会社の財産の上に存する特別の先取特権、質権、抵当権又は商法による留置権で担保された範囲のものは、更生担保権とする。ただし、利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権については、更生手続開始後一年を経過する時(その時までに更生計画認可の決定があるときは、その決定の時)までに生ずるものに限る。

 2 前項ただし書の規定は、社債に関しては、適用しない。

 3 第百六十条の三十九において準用する会社更生法第百八条から第百十一条までの規定並びに第百六十条の四十において準用する同法第百十二条及び第百十二条の二の規定は、更生担保権について準用する。

  (更生担保権者の権利等)

 第百六十条の四十七 会社更生法第百二十四条第一項及び第二項の規定は相互会社の更生手続における更生担保権者について、同条第三項並びに同法第百十三条第二項及び第百十四条から第百十八条までの規定は相互会社の更生手続における更生担保権者の議決権について、同法第百二十四条の二の規定は相互会社の更生手続における更生担保権について、それぞれ準用する。

  (更生債権及び更生担保権の届出等)

 第百六十条の四十八 会社更生法第百二十五条の規定は相互会社の更生手続における更生債権の届出について、同法第百二十六条の規定は相互会社の更生手続における更生担保権の届出について、同法第百二十七条の規定は相互会社の更生手続における更生債権又は更生担保権の届出について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百二十五条第一項中「原因」とあるのは「原因(更生債権が保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)」と、「第百二十一条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の四十四第一項各号」と、同法第百二十六条第一項中「原因」とあるのは「原因(更生担保権が保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)」と読み替えるものとする。

  (退職手当の請求権の届出の特例)

 第百六十条の四十九 会社更生法第百二十七条の二第一項及び第二項の規定は、相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人の退職手当の請求権について準用する。この場合において、相互会社の取締役、代表取締役又は監査役の退職手当の請求権については、同項中「退職したとき」とあるのは、「退職したとき、又は更生特例法第百六十条の百十八第三項若しくは更生特例法第百六十条の百二十四第五項において準用する第二百五十二条第三項の規定により解任されたとき」と読み替えるものとする。

  (届出名義の変更)

 第百六十条の五十 会社更生法第百二十八条の規定は、相互会社の更生手続における届出をした更生債権又は更生担保権(更生債権又は更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)を取得した者について準用する。

  (社員の権利)

 第百六十条の五十一 社員は、保険契約に係る債権の届出をした場合(当該保険契約が保険契約者を社員とするものである旨を届け出た場合に限る。)は、その有する社員権をもって更生手続に参加することができる。

 2 社員は、各々一個の議決権を有する。

 3 相互会社に破産の原因たる事実があるときは、社員は、議決権を有しない。

  (更生債権者表及び更生担保権者表)

 第百六十条の五十二 裁判所書記官は、相互会社の更生手続において、次の各号に掲げる更生債権者表及び更生担保権者表を作成し、権利の性質に応じ適宜分類して、それぞれ当該各号に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 更生債権者表

   イ 更生債権者の氏名及び住所

   ロ 更生債権の内容及び原因(更生債権が保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)

   ハ 議決権の額

   ニ 優先権のある債権又は劣後的債権(第百六十条の四十四第一項各号に掲げる債権をいう。以下この章において同じ。)であるときは、その旨

  二 更生担保権者表

   イ 更生担保権者の氏名及び住所

   ロ 更生担保権の内容及び原因(更生担保権が保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)、担保権の目的及びその価額並びに相互会社以外の者が債務者であるときは、その氏名及び住所

   ハ 議決権の額

 2 会社更生法第百三十三条の規定は、前項の更生債権者表及び更生担保権者表について準用する。

  (権利届出の書類等の備置き)

 第百六十条の五十三 相互会社の更生手続における更生債権及び更生担保権の届出に関する書類並びに前条第一項の更生債権者表及び更生担保権者表は、利害関係人の閲覧に供するため裁判所に備えて置かなければならない。

  (更生債権及び更生担保権の調査)

 第百六十条の五十四 相互会社の更生手続における更生債権及び更生担保権調査の期日においては、届出のあった更生債権及び更生担保権(更生債権及び更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)について、第百六十条の五十二第一項第一号イからニまで及び同項第二号イからハまでに掲げる事項を調査する。

 2 会社更生法第百三十六条から第百四十条まで、第百四十一条第一項から第三項まで及び第百四十二条の規定は、相互会社の更生手続における更生債権及び更生担保権(更生債権及び更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)の調査について準用する。この場合において、同法第百三十八条第一項及び第二項並びに第百四十条中「第百二十七条」とあるのは「更生特例法第百六十条の四十八において準用する第百二十七条」と、同法第百四十二条中「前条」とあるのは「前条第一項から第三項まで」と読み替えるものとする。

  (更生債権及び更生担保権等の確定)

 第百六十条の五十五 更生債権及び更生担保権調査の期日において管財人、更生債権者、更生担保権者及び社員の異議がなかったときは、更生債権及び更生担保権の内容、議決権の額、優先権のある債権又は劣後的債権については優先権のあること又は劣後的であること並びに保険契約に係る債権の届出があった場合(当該保険契約が保険契約者を社員とするものである旨の届出があった場合に限る。)の社員権及びその議決権は、確定する。

  (退職手当の請求権の調査及び確定の特例)

 第百六十条の五十六 会社更生法第百四十三条の二の規定は、第百六十条の四十九において準用する同法第百二十七条の二第二項の規定による届出があった退職手当の請求権について準用する。この場合において、同法第百四十三条の二第一項中「第百三十五条から第百四十二条まで」とあるのは「更生特例法第百六十条の五十四」と、同条第二項中「前条」とあるのは「更生特例法第百六十条の五十五」と読み替えるものとする。

  (更生債権者表及び更生担保権者表への記載等)

 第百六十条の五十七 会社更生法第百四十四条第一項及び第百四十五条の規定は第百六十条の五十二第一項の更生債権者表及び更生担保権者表について、同法第百四十四条第二項の規定は相互会社の更生手続における確定した更生債権及び更生担保権の証書について、それぞれ準用する。この場合において、同条第一項及び同法第百四十五条中「更生債権及び更生担保権」とあるのは、「更生債権及び更生担保権(更生債権及び更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)」と読み替えるものとする。

  (異議の通知)

 第百六十条の五十八 相互会社の更生手続において更生債権者又は更生担保権者が更生債権及び更生担保権調査の期日に出頭しない場合において、その権利(更生債権又は更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)について異議があったときは、裁判所は、これをその権利者に通知しなければならない。第百六十条の五十六において準用する会社更生法第百四十三条の二第一項の規定による通知があった日から三日以内に同項の退職手当の請求権について管財人の異議があった場合も、同様とする。

  (更生債権又は更生担保権の確定に関する訴訟)

 第百六十条の五十九 会社更生法第百四十七条から第百五十二条までの規定は異議(相互会社の異議を除く。)のある更生債権又は更生担保権(更生債権又は更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)について、同法第百五十三条から第百五十六条までの規定は相互会社の更生手続における更生債権又は更生担保権(更生債権又は更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)の確定に関する訴訟について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百四十七条第二項中「前条後段」とあるのは「更生特例法第百六十条の五十八後段」と、同法第百五十条中「第百四十四条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の五十七において準用する第百四十四条第一項」と読み替えるものとする。

  (罰金、租税等の届出及び不服の申立て)

 第百六十条の六十 会社更生法第百五十七条及び第百五十八条の規定は、第百六十条の四十四第一項第五号に掲げる請求権及び第百六十条の四十五において準用する同法第百二十二条第一項に規定する請求権について準用する。

  (更生債権者等の分類)

 第百六十条の六十一 更生債権者、更生担保権者及び社員は、更生計画案の作成及び決議のために、次の組に分類されるものとする。ただし、第百六十条の四十四第一項第五号に掲げる請求権及び第百六十条の四十五において準用する会社更生法第百二十二条第一項に規定する請求権を有する者は、この限りでない。

  一 更生担保権者

  二 一般の先取特権その他一般の優先権のある債権を有する更生債権者

  三 前号及び次号に掲げる更生債権者以外の更生債権者

  四 劣後的債権を有する更生債権者

  五 社員

 2 会社更生法第百五十九条第二項から第五項までの規定は、前項の分類について準用する。この場合において、同条第二項中「前項各号」とあるのは、「更生特例法第百六十条の六十一第一項各号」と読み替えるものとする。

  (代理委員)

 第百六十条の六十二 更生債権者、更生担保権者又は社員は、裁判所の許可を得て、それぞれ共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。

 2 会社更生法第百六十条第二項から第六項までの規定は、前項の代理委員について準用する。この場合において、同条第五項中「第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の六十二第一項」と読み替えるものとする。

  (商法による留置権の消滅請求)

 第百六十条の六十三 会社更生法第百六十一条の二の規定は、更生手続開始当時相互会社の財産の上に存する商法による留置権について準用する。

  (相殺)

 第百六十条の六十四 会社更生法第百六十二条及び第百六十三条の規定は、相互会社の更生手続における更生債権者又は更生担保権者による相殺について準用する。

     第五節 関係人集会

  (期日の呼出し等)

 第百六十条の六十五 会社更生法第百六十四条から第百六十七条までの規定は相互会社の更生手続における関係人集会について、同法第百六十八条の規定は相互会社の更生手続における関係人集会並びに更生債権及び更生担保権調査の各期日の併合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百六十四条第二項中「第四十七条第二項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の二十第二項」と読み替えるものとする。

  (議決権に対する異議)

 第百六十条の六十六 管財人並びに届出をした更生債権者、更生担保権者及び社員は、更生債権者、更生担保権者及び社員の議決権について異議を述べることができる。ただし、前節の調査手続において確定した更生債権、更生担保権及び社員権を有する更生債権者、更生担保権者及び社員の議決権については、この限りでない。

  (議決権の行使)

 第百六十条の六十七 確定した更生債権及び更生担保権並びに異議のない議決権を有する更生債権者及び更生担保権者は、その確定の額又は届出の額に応じて議決権を行使することができる。

 2 確定した社員権及び異議のない議決権を有する社員は、議決権を行使することができる。

 3 会社更生法第百七十条第二項から第四項までの規定は、異議のある権利について準用する。

 第百六十条の六十八 会社更生法第百七十一条から第百七十三条までの規定は、相互会社の更生手続における議決権について準用する。この場合において、同法第百七十二条中「前二条」とあるのは「更生特例法第百六十条の六十七及び更生特例法第百六十条の六十八において準用する前条」と、同条第二号中「第百二十一条第一項第五号及び」とあるのは「更生特例法第百六十条の四十四第一項第五号及び更生特例法第百六十条の四十五において準用する」と、同条第三号中「第二百三十四条第二項」とあるのは「更生特例法第百六十条の百七において準用する第二百三十四条第二項」と読み替えるものとする。

     第六節 更生手続開始後の手続

  (相互会社の業務及び財産の管理)

 第百六十条の六十九 管財人は、就職の後直ちに相互会社の業務及び財産の管理に着手しなければならない。

  (郵便物の管理)

 第百六十条の七十 会社更生法第百七十五条及び第百七十六条の規定は、相互会社について更生手続の開始があった場合について準用する。この場合において、同条第二項中「第二百十一条第三項又は第二百四十八条の二第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十六第三項又は第百六十条の百十二第一項」と読み替えるものとする。

  (財産の価額の評定等)

 第百六十条の七十一 会社更生法第百七十七条から第百八十二条まで及び第百八十六条の規定は、相互会社の更生手続における管財人について準用する。この場合において、同法第百七十八条第二項中「商法第三十四条第二号、」とあるのは「保険業法第二十一条第一項において準用する商法第三十四条第二号並びに保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、同法第百七十九条第三号中「第七十二条」とあるのは「更生特例法第百六十条の二十九」と、同法第百八十条第一号中「原因」とあるのは「原因(更生債権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権の有無を含む。)」と、同条第二号中「原因」とあるのは「原因(更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権の有無を含む。)」と、同法第百八十二条第一項中「商法第三十四条第二号、」とあるのは「保険業法第二十一条第一項において準用する商法第三十四条第二号並びに保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と読み替えるものとする。

  (書類の備置き)

 第百六十条の七十二 前条において準用する会社更生法第百七十八条から第百八十一条までの規定により裁判所に提出された書類は、利害関係人の閲覧に供するため裁判所に備えて置かなければならない。

  (事業の休止等)

 第百六十条の七十三 会社更生法第百八十四条及び第百八十五条の規定は、相互会社について更生手続の開始があった場合について準用する。

  (第一回の関係人集会)

 第百六十条の七十四 会社更生法第百八十七条及び第百八十八条の規定は、相互会社の更生手続における第一回の関係人集会について準用する。この場合において、同法第百八十七条中「第百七十九条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の七十一において準用する第百七十九条」と読み替えるものとする。

  (更生計画案の作成及び提出)

 第百六十条の七十五 相互会社の更生手続における管財人は、更生債権及び更生担保権の届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、更生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。

 2 会社更生法第百八十九条第二項の規定は前項の期間について、同条第三項の規定は相互会社の更生手続における更生計画案の作成について、それぞれ準用する。この場合において、同項中「前二項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の七十五第一項又は同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

 第百六十条の七十六 相互会社並びに届出をした更生債権者、更生担保権者及び社員は、裁判所の定める期間内に、更生計画案を作成して裁判所に提出することができる。

 2 会社更生法第百八十九条第二項の規定は、前項の期間について準用する。

  (清算を内容とする更生計画案)

 第百六十条の七十七 更生手続開始後相互会社の存続(組織の変更を含む。)、合併、新相互会社の設立、事業の譲渡又は保険契約の移転による事業の継続を内容とする更生計画案の作成が困難なことが明らかになったときは、裁判所は、計画案の作成権者の申立てにより、清算を内容とする計画案の作成を許可することができる。ただし、債権者の一般の利益を害するときは、この限りでない。

 2 会社更生法第百五十九条第三項及び第百九十一条第二項の規定は、前項の許可について準用する。

  (更生計画案審理のための関係人集会)

 第百六十条の七十八 相互会社の更生手続において更生計画案の提出があったときは、裁判所は、その計画案を審理するため、期日を定めて関係人集会を招集しなければならない。

 2 会社更生法第百九十三条の規定は、前項の関係人集会について準用する。

  (監督行政庁等の意見、更生計画案の修正等)

 第百六十条の七十九 会社更生法第百九十四条から第百九十九条までの規定は、相互会社の更生手続における更生計画案について準用する。

  (更生計画案決議のための関係人集会)

 第百六十条の八十 第百六十条の七十八第一項又は前条において準用する会社更生法第百九十八条第一項の規定による関係人集会の審理を経た更生計画案について修正命令を発しないときは、裁判所は、計画案について決議をするため期日を定めて関係人集会を招集しなければならない。

 2 会社更生法第二百条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

  (更生のために債務を負担する者等の出頭)

 第百六十条の八十一 会社更生法第二百一条の規定は、相互会社の更生のために債務を負担し、又は担保を供する者について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十第一項」と読み替えるものとする。

  (更生計画案の変更)

 第百六十条の八十二 会社更生法第二百二条の規定は、相互会社の更生手続における更生計画案について準用する。この場合において、同条中「第二百条第一項」とあるのは、「更生特例法第百六十条の八十第一項」と読み替えるものとする。

  (更生計画案の決議)

 第百六十条の八十三 会社更生法第二百三条から第二百七条までの規定は、相互会社の更生手続における更生計画案の決議について準用する。この場合において、同法第二百四条中「第二百条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の八十第一項」と、「第百五十九条」とあるのは「更生特例法第百六十条の六十一」と、同法第二百五条中「第百九十一条」とあるのは「更生特例法第百六十条の七十七第一項」と、同法第二百七条第一項中「第二百条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の八十第一項」と読み替えるものとする。

  (共益債権)

 第百六十条の八十四 次に掲げる請求権は、相互会社の更生手続における共益債権とする。

  一 更生債権者、更生担保権者及び社員の共同の利益のためにする裁判上の費用

  二 更生手続開始後の相互会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分に関する費用

  三 更生計画の遂行に関する費用(更生手続終了後に生じたものを除く。)

  四 第百六十条の百四十八第一項又は第百六十条の百四十九第一項の規定により支払うべき報酬、費用及び報償金

  五 相互会社の業務及び財産に関し管財人又は相互会社の取締役が更生手続開始後に権限に基づいてした資金の借入れその他の行為により生じた請求権

  六 事務管理又は不当利益により更生手続開始後相互会社に対して生じた請求権

  七 第百六十条の三十八において準用する会社更生法第百三条第一項の規定により管財人が債務の履行をする場合において相手方が有する請求権

  八 相互会社のために支出すべきやむを得ない費用で前各号に掲げるもの以外のもの

  (共益債権の弁済等)

 第百六十条の八十五 会社更生法第二百九条から第二百十条の二までの規定は、相互会社の更生手続における共益債権について準用する。

     第七節 更生計画の条項

  (更生計画の条項)

 第百六十条の八十六 相互会社の更生計画においては、全部又は一部の更生債権者、更生担保権者又は社員の権利を変更する条項及び共益債権の弁済に関する条項を定めなければならない。債務の弁済資金の調達方法及び計画において予想された額を超える収益金の使途に関する条項についても、また同様である。

 2 計画においては、事業若しくは財産の譲渡、出資若しくは賃貸、保険契約の移転、業務及び財産の管理の委託、定款の変更、取締役、代表取締役若しくは監査役の変更、基金の募集、社債の発行、合併、解散、相互会社の組織の変更又は新相互会社の設立に関する条項その他更生のために必要な条項を定めることができる。

 3 計画においては、相互会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分をする権利を取締役に付与する旨を定めることができる。

  (更生債権者等の権利、取締役等の変更等)

 第百六十条の八十七 会社更生法第二百十二条から第二百十六条まで、第二百十八条から第二百二十条まで及び第二百二十七条の規定は、相互会社の更生計画について準用する。この場合において、同法第二百十五条の二中「第百十二条の二第一項又は第四項(第百二十三条第三項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「更生特例法第百六十条の四十において準用する第百十二条の二第一項又は第四項(更生特例法第百六十条の四十六第三項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。

  (事業又は財産の譲渡等)

 第百六十条の八十八 相互会社の事業若しくは財産の全部若しくは一部を譲渡し、出資し、若しくは賃貸し、相互会社の保険契約を他の保険会社に移転し、若しくは他の保険会社に相互会社の業務及び財産の管理の委託をし、又は他人の事業、営業若しくは財産の全部若しくは一部を譲り受け、若しくは他の保険会社の保険契約の移転を受けるときは、更生計画において、その目的物、対価、相手方その他の事項及びその対価を更生債権者、更生担保権者又は社員に分配するときはその分配の方法を定めなければならない。

  (基金の募集)

 第百六十条の八十九 相互会社が更生債権者若しくは更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせないで基金の拠出を引き受けさせるときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 引き受けさせる基金の拠出の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法

  二 基金の拠出の割当てに関する事項

 2 相互会社が更生債権者若しくは更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせて基金の拠出を引き受けさせるときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 引き受けさせる基金の拠出の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法

  二 払込金額その他基金の拠出の割当てに関する事項及び払込期日

 3 前二項に定める場合を除き、相互会社が新たに基金を募集するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 新たに募集する基金の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法

  二 払込期日

 4 第二項第二号及び前項第二号の払込期日は、更生計画認可の決定の日から三月以上を経過した日でなければならない。

  (社債の発行)

 第百六十条の九十 相互会社が社債を発行するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 社債の総額

  二 各社債の金額、社債の利率、社債償還及び利息支払の方法及び期限その他社債の内容

  三 社債発行の方法及び更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせ、又はさせないで社債を発行するときは、その割当てに関する事項

  四 担保付社債であるときは、その担保権の内容

  (吸収合併)

 第百六十条の九十一 相互会社が他の相互会社と合併してその一方が合併後存続するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 他の相互会社の名称

  二 他の相互会社が存続する場合において、合併により定款の変更をするときは、その規定

  三 合併により消滅する相互会社の更生債権者若しくは更生担保権者又は社員に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  四 存続する相互会社の準備金に関する事項

  五 合併により消滅する相互会社の社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  六 他の相互会社が消滅する場合において、その保険契約者の合併後における権利に関する事項

  七 他の相互会社における合併契約書承認決議のための社員総会又は総代会の日時

  八 合併すべき時期

  九 他の相互会社が合併の日までに剰余金の分配をするときは、その限度額

  十 他の相互会社が存続する場合において、その相互会社につき合併に際して就職すべき取締役又は監査役を定めたときは、その規定

  十一 他の相互会社が存続する場合において、保険業法第百七十三条第一項において準用する商法第四百十四条ノ三の別段の定めをしたときは、その規定

 第百六十条の九十二 相互会社が、保険業を営む株式会社(以下この条、次条、第百六十条の九十五、第百六十条の九十六及び第百六十条の百二十三において「株式会社」という。)と合併して合併後存続するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その株式会社の商号

  二 その株式会社の株主に対する補償の方法

  三 存続する相互会社の準備金に関する事項

  四 その株式会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  五 その株式会社における合併契約書承認決議のための株主総会の日時

  六 合併すべき時期

  七 その株式会社が合併の日までに利益の配当又は商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配をするときは、その限度額

 第百六十条の九十三 相互会社が株式会社と合併してその株式会社が合併後存続するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その株式会社の商号

  二 その株式会社が合併により定款の変更をするときは、その規定

  三 更生債権者、更生担保権者又は社員に対して発行すべき新株の額面無額面の別、種類及び数並びにその割当てに関する事項

  四 合併に際してする新株の発行に代えて、その株式会社が有する自己の株式で商法第二百十一条の規定により相当の時期に処分することを要するものを更生債権者、更生担保権者又は社員に移転するときは、移転すべき株式の額面無額面の別、種類及び数

  五 社員に対する新株の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  六 その株式会社の増加すべき資本の額及び準備金に関する事項

  七 基金の拠出者又は社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  八 合併剰余金額に関する事項

  九 その株式会社における合併契約書承認決議のための株主総会の日時(その株式会社が株主総会の承認を得ないで合併をするときは、その旨)

  十 合併すべき時期

  十一 その株式会社が合併の日までに利益の配当又は商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配をするときは、その限度額

  十二 その株式会社につき合併に際して就職すべき取締役又は監査役を定めたときは、その規定

  十三 保険業法第百五十九条第三項の規定により従うものとされる商法第四百十四条ノ三の別段の定めをしたときは、その規定

  (新設合併)

 第百六十条の九十四 相互会社が他の相互会社と合併して新相互会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 他の相互会社の名称

  二 新相互会社の定款の規定

  三 更生債権者若しくは更生担保権者又は各相互会社の基金の拠出者若しくは社員に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  四 新相互会社の準備金に関する事項

  五 各相互会社の社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  六 他の相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  七 新相互会社の取締役及び監査役の氏名

  八 新相互会社の会計監査人の氏名又は名称

  九 第百六十条の九十一第七号から第九号までに掲げる事項

 第百六十条の九十五 相互会社が株式会社と合併して新相互会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その株式会社の商号

  二 新相互会社の定款の規定

  三 その株式会社の株主に対する補償の方法

  四 更生債権者若しくは更生担保権者又は社員に対して割り当てるべき基金の拠出の額及びその割当てに関する事項

  五 新相互会社の準備金に関する事項

  六 その株式会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  七 新相互会社の取締役及び監査役の氏名

  八 新相互会社の会計監査人の氏名又は名称

  九 第百六十条の九十二第五号から第七号までに掲げる事項

 第百六十条の九十六 相互会社が株式会社と合併して新株式会社を設立するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 その株式会社の商号

  二 新株式会社の定款の規定

  三 更生債権者、更生担保権者又は社員及びその株式会社の株主に対して発行すべき株式の種類及び数並びにその割当てに関する事項

  四 社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  五 新株式会社の資本の額及び準備金に関する事項

  六 基金の拠出者若しくは社員又はその株式会社の株主に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  七 その株式会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

  八 合併剰余金額に関する事項

  九 第百六十条の九十三第九号から第十一号までに掲げる事項

  十 新株式会社の取締役及び監査役の氏名

  十一 新株式会社の会計監査人の氏名又は名称

  (組織変更)

 第百六十条の九十七 相互会社がその組織を変更して保険業を営む株式会社になるときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 組織変更後の株式会社の商号、目的、本店及び支店の所在地並びに公告の方法

  二 組織変更後の株式会社が発行する株式の総数

  三 額面株式を発行するときは、一株の金額

  四 前三号に掲げる事項のほか、組織変更後の株式会社の定款に記載すべき事項

  五 更生債権者、更生担保権者又は社員に対して発行すべき株式の額面無額面の別、種類及び数並びにその割当てに関する事項

  六 社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  七 組織変更後の株式会社の資本の額及び準備金に関する事項

  八 組織変更剰余金額に関する事項

  九 組織変更後の株式会社の取締役、代表取締役及び監査役となるべき者の氏名又はその選任若しくは選定の方法並びに任期。ただし、任期については一年を超えることができない。

  十 組織変更前の相互会社の取締役、代表取締役又は監査役のうち組織変更後の株式会社の取締役、代表取締役又は監査役として留任させる者があるときは、その者の氏名及び任期。ただし、任期については一年を超えることができない。

  十一 数人の代表取締役に共同して組織変更後の株式会社を代表させるときは、その旨

  十二 組織を変更すべき時期

 2 会社更生法第二百二十二条第二項及び第三項並びに第二百二十三条の規定は、前項に規定する場合における組織変更後の株式会社について準用する。

  (組織変更における株式の発行)

 第百六十条の九十八 前条第一項第五号の規定による場合を除き、相互会社が組織変更に際して組織変更後の株式会社の株式を発行するときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 株式の額面無額面の別、種類及び数

  二 株式の発行価額

  三 株式の発行価額中資本に組み入れない額

  四 現物出資をする者の氏名、出資の目的たる財産及びその価格並びにこれに対して与える株式の額面無額面の別、種類及び数

  (組織変更における株式交換)

 第百六十条の九十九 相互会社が他の株式会社を組織変更後の株式会社の完全親会社(商法第三百五十二条第一項に規定する完全親会社をいう。以下同じ。)とするため組織変更に際して株式交換(保険業法第九十二条の五第一項の株式交換をいう。以下同じ。)を行うときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 他の株式会社の商号

  二 他の株式会社が株式交換により定款の変更をするときは、その規定

  三 他の株式会社が更生債権者、更生担保権者又は社員に対して発行すべき新株の額面無額面の別、種類及び数並びにその割当てに関する事項

  四 株式交換に際してする新株の発行に代えて、他の株式会社が有する自己の株式で商法第二百十一条の規定により相当の時期に処分することを要するものを更生債権者、更生担保権者又は社員に移転するときは、移転すべき株式の額面無額面の別、種類及び数

  五 社員に対する新株の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  六 他の株式会社の増加すべき資本の額及び資本準備金に関する事項

  七 社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  八 他の株式会社における株式交換契約書承認決議のための株主総会の日時(その株式会社が株主総会の承認を得ないで株式交換をするときは、その旨)

  九 株式交換の日

  十 他の株式会社が株式交換の日までに利益の配当又は商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配をするときは、その限度額

  十一 保険業法第九十二条の五第二項の規定により従うものとされる商法第三百六十一条の別段の定めをしたときは、その規定

  (組織変更における株式移転)

 第百六十条の百 相互会社が組織変更後の株式会社の完全親会社を設立するため組織変更に際して株式移転(保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。以下同じ。)を行うときは、更生計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

  一 新株式会社の定款の規定

  二 更生債権者、更生担保権者又は社員に対して発行すべき株式の種類及び数並びにその割当てに関する事項

  三 社員に対する株式の割当てにより生ずる一株に満たない端数に係る部分につき新たに発行する株式の売却の方法その他売却に関し政令で定める事項

  四 新株式会社の資本の額及び資本準備金に関する事項

  五 社員に金銭を支払い、又は社債を割り当てることを定めたときは、その規定

  六 株式移転をすべき時期

  七 新株式会社の取締役及び監査役の氏名

  八 共同株式移転(相互会社が他の相互会社又は株式会社と共同してする株式移転をいう。以下同じ。)をするときは、その旨

  九 共同株式移転をする場合において、他の相互会社又は株式会社が株式移転の日までに利益の配当若しくは商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配又は剰余金の分配をするときは、その限度額

  十 新株式会社が株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)第二条に規定する株式会社であるときは、新株式会社の会計監査人の氏名又は名称

  (新相互会社の設立)

 第百六十条の百一 第十八条の九の規定は、相互会社の更生手続において新相互会社を設立する場合について準用する。この場合において、同条第一項中「株主」とあるのは「社員」と、同項第六号中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同条第二項第二号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。

  (新株式会社の設立)

 第百六十条の百二 会社更生法第二百二十六条の規定は、相互会社の更生手続において新株式会社を設立する場合について準用する。この場合において、同条第一項中「株主」とあるのは「社員」と、同項第八号中「会社から」とあるのは「相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。)から」と、同項第十号中「第二百二十三条」とあるのは「更生特例法第百六十条の九十七第二項において準用する第二百二十三条」と、同条第二項中「株式移転」とあるのは「株式移転(保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。)」と、同項第二号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。

  (条件の差等)

 第百六十条の百三 相互会社の更生計画においては、次に掲げる権利の順位を考慮して、計画の条件に公正、衡平な差等を設けなければならない。

  一 更生担保権

  二 一般の先取特権その他一般の優先権のある更生債権

  三 前号及び次号に掲げる更生債権以外の更生債権

  四 劣後的更生債権

  五 社員の権利

 2 前項の規定は、第百六十条の四十四第一項第五号に掲げる請求権及び第百六十条の四十五において準用する会社更生法第百二十二条第一項に規定する請求権については、適用しない。

  (平等の原則等)

 第百六十条の百四 会社更生法第二百二十九条及び第二百三十条の規定は、相互会社の更生計画について準用する。この場合において、同条中「共同株式移転」とあるのは、「共同株式移転(相互会社が他の相互会社又は株式会社と共同してする保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。)」と読み替えるものとする。

  (特別利益の供与の無効)

 第百六十条の百五 相互会社又は第三者が更生計画の条件によらないで、ある更生債権者、更生担保権者又は社員に特別の利益を与える行為は、無効とする。

     第八節 更生計画の認否及び遂行

  (更生計画の認否)

 第百六十条の百六 相互会社の更生手続における関係人集会において更生計画案を可決したときは、裁判所は、その期日又は直ちに言い渡した期日において、計画の認否につき決定をしなければならない。

 2 会社更生法第二百三十二条第二項の規定は相互会社の更生計画の認否について、同条第三項の規定は相互会社の更生手続における更生計画認否の期日を定める決定について、それぞれ準用する。この場合において、同条第二項中「第百六十四条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の六十五において準用する第百六十四条」と読み替えるものとする。

  (更生計画認可の要件等)

 第百六十条の百七 会社更生法第二百三十三条及び第二百三十九条の規定は相互会社の更生計画の認可の決定について、同法第二百三十四条の規定は相互会社の更生手続における更生計画案について、同法第二百三十六条及び第二百四十条の規定は相互会社の更生計画について、同法第二百三十五条及び第二百三十七条の規定は相互会社の更生計画の認否の決定について、第百六十条の百四十六において準用する同法第二百八十二条の規定及び同法第二百八十三条の規定は相互会社の更生計画の不認可の決定が確定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百三十三条第一項第四号中「株式交換」とあるのは「株式交換(保険業法第九十二条の五第一項の株式交換をいう。)」と、同項第五号中「共同株式移転」とあるのは「共同株式移転(相互会社が他の相互会社又は株式会社と共同してする保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。)」と、「他の会社」とあるのは「他の相互会社の社員総会若しくは総代会の同法第八十六条第一項の組織変更計画書(同法第九十二条の九第一項各号に掲げる事項の定めがあるものに限る。)の承認の決議又は他の株式会社」と、同項第六号中「の株主総会の合併契約書承認」とあるのは「又は保険業(保険業法第二条第一項に規定する保険業をいう。)を営む株式会社の社員総会若しくは総代会又は株主総会の合併契約書承認」と、「その会社」とあるのは「その株式会社」と、同項第七号中「第百九十四条第二項」とあるのは「更生特例法第百六十条の七十九において準用する第百九十四条第二項」と、同法第二百三十七条第四項中「第八条」とあるのは「更生特例法第百六十条の四において準用する第八条」と、同法第二百四十条第一項中「共同株式移転」とあるのは「共同株式移転(相互会社が他の相互会社又は株式会社と共同してする保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。)」と読み替えるものとする。

  (更生債権等の免責等)

 第百六十条の百八 更生計画認可の決定があったときは、計画の定め又はこの章の規定により認められた権利を除き、相互会社は、すべての更生債権及び更生担保権につきその責めを免れ、社員の権利及び相互会社の財産の上に存した担保権は、すべて消滅する。ただし、更生手続開始後相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人であった者で、更生計画認可の決定後も引き続き相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人として在職しているものの退職手当の請求権並びに第百六十条の四十四第一項第五号及び第六号に掲げる請求権については、この限りでない。

  (権利の変更、更生債権者表等の記載の効力等)

 第百六十条の百九 会社更生法第二百四十二条第一項及び第二百四十六条の規定は相互会社の更生計画の認可の決定があった場合について、同法第二百四十三条の規定は相互会社の更生計画の定めによって更生債権者又は更生担保権者に対し権利(更生債権又は更生担保権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)が認められた場合について、同法第二百四十五条の規定は相互会社の更生計画の認可の決定が確定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百四十六条第一項中「第六十七条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の二十八において準用する第六十七条第一項」と、同法第二百四十五条第一項中「又は更生担保権」とあるのは「、更生担保権又は社員権」と「共同株式移転」とあるのは「共同株式移転(相互会社が他の相互会社又は株式会社と共同してする保険業法第九十二条の八第一項の株式移転をいう。)」と読み替えるものとする。

  (更生計画の遂行)

 第百六十条の百十 相互会社の更生計画の認可の決定があったときは、管財人は、速やかに計画を遂行しなければならない。

 2 第百六十条の八十六第三項又は第百六十条の百十二第一項の規定により相互会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分をする権利が取締役に付与された場合においては、管財人は、取締役が計画を実行するにつき、これを監督する。

 3 計画の定めにより新相互会社を設立するときは、発起人の職務は、管財人が行う。

 4 第二項の規定は新相互会社(共同株式移転又は合併により設立される新相互会社を除く。以下この項において同じ。)の計画の実行に対する管財人の監督について、会社更生法第九十八条の二の規定は新相互会社に対する管財人の調査について、それぞれ準用する。

  (更生計画遂行に関する裁判所の命令)

 第百六十条の百十一 会社更生法第二百四十八条の規定は、相互会社の更生計画の遂行について準用する。この場合において、同条第一項中「第二百四十条第一項」とあるのは「更生特例法第百六十条の百七において準用する第二百四十条第一項」と、同条第二項中「この法律」とあるのは「更生特例法第三章の二」と読み替えるものとする。

  (更生計画認可後の取締役に対する権利付与)

 第百六十条の百十二 裁判所は、更生計画に第百六十条の八十六第三項の規定による定めがない場合においても、相当と認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、相互会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分をする権利を取締役に付与することができる。

 2 会社更生法第二百四十八条の二第二項及び第三項の規定は、前項の規定による決定について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは「更生特例法第百六十条の百十二第一項又は同条第二項において準用する前項」と、「第十五条」とあるのは「更生特例法第百六十条の六第四項において準用する第十五条」と読み替えるものとする。

  (社員総会の決議等に関する法令の規定等の排除)

 第百六十条の百十三 更生計画の遂行については、法令又は定款の規定にかかわらず、相互会社の創立総会、社員総会若しくは総代会又は取締役会の決議を要しない。

  (事業の譲渡等に関する特例)

 第百六十条の百十四 第百六十条の八十八の規定により更生計画において相互会社の事業若しくは財産の全部若しくは一部を譲渡し、出資し、若しくは賃貸し、又は他人の事業、営業若しくは財産の全部若しくは一部を譲り受けることを定めたときは、計画の定めによりこれらの行為をすることができる。

 2 前項の場合における相互会社に対する保険業法第百四十三条第一項の規定の適用については、同項中「保険金信託業務を行う相互会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転の決議をした場合で、当該保険金信託業務に係る事業の譲渡について社員総会(総代会を設けているときは、総代会)又は取締役会の決議をした」とあるのは「保険金信託業務を行う相互会社について保険契約の全部に係る保険契約の移転及び当該保険金信託業務に係る事業の譲渡を内容とする更生計画認可の決定があった」と、「当該決議をした」とあるのは「当該決定のあった」とする。

  (保険契約の移転に関する特例)

 第百六十条の百十五 第十八条の十第一項から第四項までの規定は、第百六十条の八十八の規定により更生計画において相互会社の保険契約を他の保険会社に移転し、又は他の保険会社の保険契約の移転を受けることを定めた場合について準用する。

 2 第十八条の十第五項の規定は、第百六十条の八十八の規定により更生計画において相互会社が他の相互会社の保険契約の全部に係る保険契約の移転を受けることを定めた場合において、当該他の相互会社の解散の登記の申請書に対する保険業法第百五十五条の規定の適用について準用する。

 3 第百六十条の八十八の規定により更生計画において相互会社の保険契約の全部を他の保険会社に移転することを定めた場合においては、保険契約の全部に係る保険契約の移転による解散の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (業務及び財産の管理の委託に関する特例)

 第百六十条の百十六 第十八条の十一の規定は、第百六十条の八十八の規定により更生計画において他の保険会社に相互会社の業務及び財産の管理の委託をすることを定めた場合について準用する。

  (定款の変更に関する特例)

 第百六十条の百十七 第百六十条の八十七において準用する会社更生法第二百十九条の規定により更生計画において相互会社の定款を変更することを定めたときは、定款は、計画認可の決定の時に計画の定めによって変更される。

  (取締役等の変更に関する特例)

 第百六十条の百十八 第百六十条の八十七において準用する会社更生法第二百二十条第一項の規定により更生計画において取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定を定めたときは、これらの者は、計画認可の決定の時に選任され、又は選定されるものとする。

 2 第百六十条の八十七において準用する会社更生法第二百二十条第一項の規定により計画において取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定の方法を定めたときは、これらの者の選任又は選定は、計画に定める方法によってすることができる。この場合においては、保険業法第五十一条第一項及び第五十三条第一項並びに同法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十一条第一項の規定は、適用しない。

 3 相互会社の取締役、代表取締役又は監査役で、計画において留任することを定められなかった者は、計画認可の決定の時に解任されるものとする。

 4 第一項及び第二項の規定により選任され、若しくは選定され、又は計画の定めによって留任した取締役、代表取締役又は監査役の任期及び代表取締役の代表の方法は、計画に定めるところによる。

 5 第二項の場合においては、取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定による変更の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、その選任又は選定に関する書類を添付しなければならない。

  (基金の募集に関する特例)

 第百六十条の百十九 第百六十条の八十九第一項の規定により更生計画において相互会社が更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせないで基金の拠出を引き受けさせることを定めたときは、これらの権利者は、計画認可の決定の時に基金の拠出者となる。

 第百六十条の百二十 第百六十条の八十九第二項又は第三項の規定により更生計画において相互会社が基金の拠出を引き受けさせ、又は新たに基金を募集することを定めたときは、計画の定めにより基金の拠出を引き受けさせ、又は新たに基金を募集することができる。

 2 前項の場合においては、保険業法第六十条第四項において準用する商法第二百八十条ノ十三、第二百八十条ノ十五、第二百八十条ノ十六、第二百八十条ノ十七第一項及び第二百八十条ノ十八第一項の規定は、適用しない。

 3 第一項の場合においては、保険業法第六十条第四項において準用する商法第百七十八条に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 4 第百六十条の八十九第二項の規定により更生計画において相互会社が基金の拠出を引き受けさせることを定めた場合において、更生債権者、更生担保権者又は社員が基金の拠出を引き受ける権利を有するときは、その者に対し、その者が引き受ける権利を有する基金の拠出の額、当該基金の拠出者が有する権利及びその償却の方法、一定の期日までに基金の拠出に係る払込みをしないときはその権利を失う旨並びにその権利を譲渡することができる旨を通知しなければならない。

 5 前項の通知は、同項の期日の二週間前にしなければならない。

 6 相互会社が第四項の通知をしても基金の拠出を引き受ける権利を有する者が同項の期日までに基金の拠出に係る払込みをしないときは、その権利を失う。

 7 更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせて基金の拠出を引き受けさせるときは、これらの権利者は、計画に定める金額を払い込めば足りる。

 8 第一項の場合においては、相互会社の基金の拠出の引受け又は募集による変更の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (社債の発行に関する特例)

 第百六十条の百二十一 第百六十条の九十の規定により更生計画において相互会社が更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせないで社債を発行することを定めたときは、これらの権利者は、計画認可の決定の時に社債権者となる。

 2 前項の場合においては、保険業法第六十一条第二項において準用する商法第二百九十八条の規定は、適用しない。

 第百六十条の百二十二 前条に規定する場合を除き、第百六十条の九十の規定により更生計画において相互会社が社債を発行することを定めたときは、計画の定めにより社債を発行することができる。

 2 前項の場合において、更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせて社債を発行するときは、これらの権利者は、計画に定める金額を払い込めば足りる。

 3 第百六十条の百二十第四項から第六項まで及び前条第二項の規定は、第一項の場合について準用する。

  (合併に関する特例)

 第百六十条の百二十三 第百六十条の九十一から第百六十条の九十六までの規定により更生計画において相互会社が合併することを定めたときは、計画の定めによって合併することができる。

 2 第百六十条の九十一、第百六十条の九十四又は第百六十条の九十五の規定により更生計画において相互会社が合併することを定めたときは、合併後存続する相互会社又は合併により設立される新相互会社の基金の拠出の割当てを受けた更生債権者、更生担保権者又は社員は、合併の効力が生じた時に基金の拠出者となる。

 3 会社更生法第二百五十八条第二項の規定は、第百六十条の九十三又は第百六十条の九十六の規定により更生計画において相互会社が合併することを定めた場合について準用する。

 4 第一項の場合においては、保険業法第百六十五条の二及び第百六十六条並びに同法第百七十三条第一項において準用する商法第四百十二条及び第四百十五条の規定は、適用せず、保険業法第百六十四条第三項(同法第百六十五条第二項において準用する場合を含む。)において準用する同法第八十九条第三項において準用する商法第二百十七条第二項又は保険業法第百五十九条第三項の規定により従うものとされる商法第四百十六条第三項において準用する同法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 5 第一項の場合においては、保険業法第百七十三条第一項において準用する商法第四百十六条第二項の規定は、適用しない。

 6 前各項の規定は、合併の相手方たる他の相互会社又は株式会社に対する商法及び保険業法の規定の適用を妨げない。

 7 会社更生法第二百五十六条の規定は、第百六十条の九十一第五号、第百六十条の九十三第七号、第百六十条の九十四第五号又は第百六十条の九十六第六号の規定により基金の拠出者若しくは社員又は株主に社債を割り当てた場合について準用する。この場合においては、基金の拠出者若しくは社員又は株主は、合併の効力が生じた時に社債権者となる。

 8 第一項の場合においては、合併による相互会社の変更の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

 9 第一項の場合においては、合併による設立の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

 10 裁判所が前二項の登記を嘱託するときは、合併の相手方たる相互会社又は株式会社の合併による解散の登記をも嘱託しなければならない。

 11 第一項の場合において、合併の相手方たる相互会社又は株式会社が合併後存続するときは、第百六十条の三第三項の規定により読み替えて適用される第百六十条の七において準用する会社更生法第十七条第三項の規定は、適用しない。

 12 前項の場合における合併の相手方たる相互会社又は株式会社の合併による変更の登記の申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更に関する特例)

 第百六十条の百二十四 第百六十条の九十七第一項の規定により更生計画において相互会社がその組織を変更することを定めたときは、相互会社についての解散の登記及び組織変更後の株式会社についての設立の登記に関する規定に定める登記をした時に組織変更の効力が生じる。

 2 前項の場合においては、組織変更後の株式会社の株式の割当てを受けた更生債権者、更生担保権者又は社員は、組織変更の効力が生じた時に株主となる。

 3 第一項の場合においては、保険業法第八十六条から第八十七条まで、第九十条及び第九十六条の規定は、適用せず、同法第八十九条第三項において準用する商法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 4 第一項の場合における相互会社に対する保険業法第八十八条第一項及び第八十九条第一項の規定の適用については、これらの規定中「組織変更計画書」とあるのは、「更生計画」とする。

 5 会社更生法第二百五十二条第一項から第四項までの規定は、第百六十条の九十七第一項の規定により更生計画において相互会社がその組織を変更することを定めた場合について準用する。この場合において、同法第二百五十二条第一項中「第二百二十条」とあるのは「更生特例法第百六十条の九十七第一項第九号」と、「計画認可の決定の時」とあるのは「組織変更の効力が生じた時」と、同条第二項中「第二百二十条」とあるのは「更生特例法第百六十条の九十七第一項第九号」と、「第二百五十四条第一項(同法第二百八十条において準用する場合を含む。)(取締役、監査役の選任)及び第二百六十一条第一項」とあるのは「第二百六十一条第一項」と、同条第三項中「会社の取締役、代表取締役又は監査役で、計画において」とあるのは「相互会社の取締役、代表取締役又は監査役で、計画において組織変更後の株式会社の取締役、代表取締役又は監査役として」と読み替えるものとする。

 6 第一項の場合においては、組織変更後の株式会社の設立の登記に関する規定に定める登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更後の株式会社の新株の発行に関する特例)

 第百六十条の百二十五 第百六十条の九十七第二項において準用する会社更生法第二百二十二条第二項又は第三項の規定により更生計画において組織変更後の株式会社が新株を発行することを定めたときは、組織変更の効力が生じた後、計画の定めにより新株を発行することができる。

 2 前項の場合においては、会社更生法第二百五十五条第二項及び第三項の規定を準用する。

 3 第一項の場合においては、商法第二百八十条ノ五第一項、第三項及び第四項の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「株主」とあるのは「更生債権者、更生担保権者又ハ社員」と、同条第三項中「前二項ノ通知又ハ公告ハ第一項」とあるのは「第一項ノ通知ハ同項」と、同条第四項中「通知又ハ公告」とあるのは「通知」と読み替えるものとする。

 4 更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込み又は現物出資をさせて新株を発行するときは、これらの権利者は、計画に定める金額を払い込み、又は計画に定める現物出資をすれば足りる。

 5 商法第二百十七条第一項及び第二項の規定は、社員に対し新たに払込み又は現物出資をさせて割り当てる株式に端数を生ずる場合について準用する。ただし、この場合においては、社員に交付すべき代金から、端株について払い込むべき金額又は給付すべき現物出資に相当する金額を控除しなければならない。

 6 前項において準用する商法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とし、非訟事件手続法第百三十二条ノ二の規定は、同項の規定による許可の申請について準用する。

 7 会社更生法第二百五十五条第七項の規定は、第一項の場合における新株発行による変更の登記の嘱託書又は申請書について準用する。

  (組織変更後の株式会社の社債の発行に関する特例)

 第百六十条の百二十六 第百六十条の九十七第二項において準用する会社更生法第二百二十三条の規定により更生計画において組織変更後の株式会社が更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせないで社債を発行することを定めたときは、これらの権利者は、組織変更の効力が生じた時に社債権者となる。

 2 前項の場合においては、商法第二百九十八条の規定は、適用しない。

 第百六十条の百二十七 前条に規定する場合を除き、第百六十条の九十七第二項において準用する会社更生法第二百二十三条の規定により更生計画において組織変更後の株式会社が社債を発行することを定めたときは、組織変更の効力が生じた後、計画の定めにより社債を発行することができる。

 2 前項の場合において、更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込みをさせて社債を発行するときは、これらの権利者は、計画に定める金額を払い込めば足りる。

 3 第百六十条の百二十五第三項及び前条第二項の規定は、第一項の場合について準用する。

 4 会社更生法第二百五十七条第四項の規定は、第一項の場合における転換社債又は新株引受権付社債の登記の嘱託書又は申請書について準用する。

  (組織変更における株式の発行に関する特例)

 第百六十条の百二十八 第百六十条の九十八の規定により更生計画において相互会社が組織変更に際して組織変更後の株式会社の株式を発行することを定めたときは、計画の定めにより組織変更後の株式会社の株式を発行することができる。

 2 前項の場合においては、保険業法第九十二条の二第二項において準用する商法第百九十二条及び第二百二十二条ノ二第二項後段、保険業法第九十二条の二第四項において準用する商法第百七十三条、保険業法第九十二条の二第五項において準用する商法第百七十三条ノ二及び第百九十五条並びに保険業法第九十二条の三の規定は、適用せず、同法第九十二条の二第二項において準用する商法第百七十八条に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 3 第一項の場合において、計画の定めにより発行すべき株式のうち引受けのない株式については、商法第百六十六条第三項の規定に反しない限り、更に株主を募集せず、その株式数を当該組織変更に際して募集した株式の総数から控除することができる。

 4 第一項の場合においては、組織変更後の株式会社の設立の登記に関する規定に定める登記の嘱託書又は申請書には、第百六十条の百二十四第六項に定める書面のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更における株式交換に関する特例)

 第百六十条の百二十九 第百六十条の九十九の規定により更生計画において相互会社が株式交換をすることを定めたときは、計画の定めにより株式交換をすることができる。

 2 会社更生法第二百五十七条の二第二項の規定は、第百六十条の九十九の規定により更生計画において相互会社が株式交換をすることを定めた場合について準用する。

 3 第一項の場合においては、保険業法第九十二条の六第二項において準用する同法第八十九条第三項において準用する商法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 4 前三項の規定は、株式交換の相手方たる他の株式会社に対する商法及び保険業法の規定の適用を妨げない。

 5 第百六十条の九十九第七号の規定により社員に社債を割り当てたときは、社員は、株式交換の効力が生じた時に社債権者となる。この場合においては、商法第二百九十八条の規定は、適用しない。

 6 第一項の場合においては、株式交換の相手方たる株式会社の株式交換による変更の登記の申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (組織変更における株式移転に関する特例)

 第百六十条の百三十 第百六十条の百の規定により更生計画において相互会社が株式移転をすることを定めたときは、計画の定めにより株式移転をすることができる。

 2 会社更生法第二百五十七条の三第二項の規定は、第百六十条の百の規定により更生計画において相互会社が株式移転をすることを定めた場合について準用する。

 3 第一項の場合においては、保険業法第九十二条の八第二項において準用する同法第九十二条の六第二項において準用する同法第八十九条第三項において準用する商法第二百十七条第二項に定めた事件は、更生裁判所の管轄とする。

 4 前三項の規定は、共同株式移転をする場合における他の相互会社又は株式会社に対する商法及び保険業法の規定の適用を妨げない。

 5 第百六十条の百第五号の規定により社員に社債を割り当てたときは、社員は、株式移転の効力が生じた時に社債権者となる。

 6 第一項の場合においては、株式移転による設立の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本のほか、政令で定める書面を添付しなければならない。

  (新相互会社又は新株式会社の設立に関する特例)

 第百六十条の百三十一 第百六十条の百一において準用する第十八条の九第一項又は第百六十条の百二において準用する会社更生法第二百二十六条第一項の規定により更生計画において更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込み又は現物出資をさせないで基金の拠出又は株式を引き受けさせることにより新相互会社又は新株式会社(以下この条及び次条において「新会社」という。)を設立することを定めたときは、新会社は、定款を作成し、更生裁判所の認証を得た後設立の登記をした時に成立する。

 2 前項の場合においては、新会社成立の時において、計画の定めにより新会社に移転すべき相互会社の財産は、新会社に移転し、新会社の基金の拠出、株式又は社債の割当てを受けた更生債権者、更生担保権者又は社員は、基金の拠出者、株主又は社債権者となる。

 3 第百六十条の百十八第一項、第二項及び第四項並びに第百六十条の百二十二の規定は、第一項に規定する場合において新相互会社を設立することを定めたときについて準用する。この場合において、第百六十条の百十八第一項及び第二項中「第百六十条の八十七」とあるのは「第百六十条の百一」と、「会社更生法第二百二十条第一項」とあるのは「第十八条の九第一項第七号」と、第百六十条の百二十二第一項中「第百六十条の九十」とあるのは「第百六十条の百一において準用する第十八条の九第一項第八号」と読み替えるものとする。

 4 会社更生法第二百五十二条第一項、第二項及び第四項並びに第二百五十四条第四項並びに第百六十条の百二十六及び第百六十条の百二十七の規定は、第一項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときについて準用する。この場合において、同法第二百五十二条第一項及び第二項中「第二百二十条」とあるのは「更生特例法第百六十条の百二において準用する第二百二十六条第一項第九号」と、同法第二百五十四条第四項中「第二百十五条第一項及び第二項、第二百十六条並びに第二百十七条」とあるのは「第二百十七条第一項及び第二項」と、「株主」とあるのは「社員」と、第百六十条の百二十六第一項及び第百六十条の百二十七第一項中「第百六十条の九十七第二項」とあるのは「第百六十条の百二」と、「第二百二十三条」とあるのは「第二百二十六条第一項第十号」と、「組織変更後の株式会社」とあるのは「新株式会社」と、「組織変更の効力が生じた」とあるのは「新株式会社成立の」と読み替えるものとする。

 5 第十八条の十六第四項の規定は第一項の場合における新相互会社の設立の登記の嘱託書又は申請書について、会社更生法第二百五十九条第四項の規定は第一項の場合における新株式会社の設立の登記の嘱託書又は申請書について、それぞれ準用する。

 第百六十条の百三十二 第百六十条の百一において準用する第十八条の九第二項又は第百六十条の百二において準用する会社更生法第二百二十六条第二項の規定により更生計画において株式移転又は合併によらないで新会社を設立することを定めたときは、計画の定めにより新会社を設立することができる。

 2 第十八条の十七第二項及び第三項の規定は前項に規定する場合において新相互会社を設立することを定めたときについて、会社更生法第二百六十条第二項及び第三項の規定は前項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときについて、それぞれ準用する。この場合において、第十八条の十七第三項中「株式会社」とあるのは、「相互会社」と読み替えるものとする。

 3 第一項の場合において、更生債権者、更生担保権者又は社員に対し、新たに払込み又は現物出資をさせないで基金の拠出、株式又は社債を引き受けさせるときは、これらの権利者は、新会社成立の時に基金の拠出者、株主又は社債権者となる。

 4 会社更生法第二百六十条第五項の規定は、第一項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときについて準用する。この場合において、同条第五項中「株主に」とあるのは、「社員に」と読み替えるものとする。

 5 第百六十条の百二十第四項から第七項まで及び前条第三項の規定は、第一項に規定する場合において新相互会社を設立することを定めたときについて準用する。この場合において、第百六十条の百二十第四項中「第百六十条の八十九第二項」とあるのは「第百六十条の百一において準用する第十八条の九第二項第二号」と、前条第三項中「第十八条の九第一項第七号」とあるのは「第十八条の九第二項第一号」と読み替えるものとする。

 6 第百六十条の百二十五第三項から第六項まで及び前条第四項の規定は、第一項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときについて準用する。この場合において、同条第四項中「第二百二十六条第一項第九号」とあり、及び「第二百二十六条第一項第十号」とあるのは、「第二百二十六条第二項第一号」と読み替えるものとする。

 7 第十八条の十七第六項の規定は第一項の場合における新相互会社の設立の登記の嘱託書又は申請書について、会社更生法第二百六十条第七項の規定は第一項の場合における新株式会社の設立の登記の嘱託書又は申請書について、それぞれ準用する。

  (解散に関する特例)

 第百六十条の百三十三 第百六十条の八十七において準用する会社更生法第二百二十七条の規定により更生計画において相互会社が合併によらないで解散することを定めたときは、相互会社は、計画に定める時期に解散する。

 2 前項の場合においては、保険業法第百五十六条の二及び第百五十七条の規定は、適用しない。

 3 会社更生法第二百六十一条第二項の規定は、第一項の場合について準用する。

  (新株主等の失権)

 第百六十条の百三十四 更生債権者、更生担保権者又は社員が第百六十条の百二十三第三項において準用する会社更生法第二百五十八条第二項、第百六十条の百二十九第二項において準用する同法第二百五十七条の二第二項若しくは第百六十条の百三十第二項において準用する同法第二百五十七条の三第二項の規定又は第百六十条の百二十一第一項、第百六十条の百二十三第七項、第百六十条の百二十四第二項、第百六十条の百二十六第一項(第百六十条の百三十一第四項(第百六十条の百三十二第六項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第百六十条の百二十九第五項、第百六十条の百三十第五項、第百六十条の百三十一第二項若しくは第百六十条の百三十二第三項の規定により新たに相互会社の株主又は社債権者となったときは、その相互会社は、遅滞なくその者に対し、株券又は債券の交付(その者が端株主であるときは、端株券の交付又は端株主であることの確認。第四項において同じ。)を請求すべき旨及び株主又は社債権者となつた後三年以内にこれを請求しないときは、その権利を失うべき旨を公告し、かつ、知れている権利者には各別にその旨を通知しなければならない。

 2 社債権者であった者が前項の請求をするには、従前の債券を相互会社に提出しなければならない。

 3 従前の債券は、公示催告の手続によって、無効とすることができる。この場合においては、除権判決を得た者については、前項の規定は、適用しない。

 4 第一項の相互会社が同項の公告をしても同項に定める株主又は社債権者が同項の期間内に株券又は債券の交付を請求しないときは、その権利を失う。

 5 会社更生法第二百六十二条第五項の規定は、前項の規定により株主がその権利を失った場合について準用する。

 第百六十条の百三十五 社債権者であった者が前条第一項の期間内に従前の債券を提出できない場合において、同期間内にその者の請求があり、かつ、その期間内に他にこれを請求する者がないときは、相互会社は、同条の規定にかかわらず、その請求者に対し、債券の交付をすることができる。

  (基金の拠出等の引受権の譲渡)

 第百六十条の百三十六 更生債権者、更生担保権者又は社員は、更生計画の定めにより相互会社の基金の拠出又は社債を引き受ける権利を有するときは、これを他に譲渡することができる。

 2 更生債権者、更生担保権者又は社員は、計画の定めにより株式会社の株式又は社債を引き受ける権利を有するときは、これを他に譲渡することができる。

  (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律等の特例)

 第百六十条の百三十七 会社更生法第二百六十五条の規定は更生債権者、更生担保権者又は社員が更生計画の定めにより株式を取得する場合について、同法第二百六十六条の規定は更生計画の定めによりこれらの者に対して株式又は社債を発行する場合について、それぞれ準用する。

  (許可、認可等に基づく権利の承継)

 第百六十条の百三十八 更生計画において相互会社が行政庁から得ていた許可、認可、免許その他の処分に基づく権利義務を新相互会社に移転することを定めたときは、その新相互会社は、他の法令の規定にかかわらず、その権利義務を承継する。

  (法人税法等の特例)

 第百六十条の百三十九 更生計画において新相互会社が相互会社の租税債務を承継することを定めたときは、新相互会社は、その租税を納める義務を負い、相互会社の租税債務は、消滅する。

 2 更生手続開始の決定があったときは、相互会社の事業年度は、その開始の時に終了し、これに続く事業年度は、計画認可の時又は更生手続終了の日に終了するものとする。ただし、法人税法第十三条第一項ただし書及び地方税法第七十二条の十三第四項の規定の適用を妨げない。

 3 更生手続による相互会社の財産の評価換え及び債務の消滅による益金で、更生手続開始前から繰り越されている法人税法第二条第二十号に規定する欠損金額(同法第五十七条第一項又は第五十八条第一項の規定の適用を受けるものを除く。)に達するまでの金額は、当該財産の評価換え又は債務の消滅のあった各事業年度の同法による所得の金額の計算上益金の額に算入しない。

 4 更生手続開始の時に続く相互会社の事業年度の法人税及び事業税については、法人税法第七十一条及び地方税法第七十二条の二十六の規定は、適用しない。

 5 第百六十条の七において準用する会社更生法第十七条第一項、第二項及び第三項前段、第十八条第一項、第十八条の二第三項、第十八条の三、第十九条並びに第二十条第二項から第四項までの規定(第百六十条の九において準用する場合を含む。)、第百六十条の八第一項(第百六十条の九において準用する場合を含む。)において準用する同法第二十一条第一項の規定並びに第百六十条の八第二項(第百六十条の九において準用する場合を含む。)において準用する同法第十八条第一項の規定による登記については、登録免許税を課さない。

 6 計画において相互会社が株式会社と合併してその株式会社が合併後存続することを定めた場合におけるその株式会社の合併による資本の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、千分の一(合併により増加した資本の金額のうち、更生債権者又は更生担保権者に株式を割り当てる部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、千分の三・五)とする。

 7 計画において相互会社が株式会社と合併して新株式会社を設立することを定めた場合における新株式会社の設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、千分の一(資本の金額のうち、合併により消滅した株式会社の当該合併の直前における資本の金額に対応する部分に相当する金額及び更生債権者又は更生担保権者に株式を割り当てる部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、千分の三・五)とする。

 8 計画において相互会社がその組織を変更して株式会社になることを定めた場合における設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、千分の一(資本の金額のうち、更生債権者又は更生担保権者に株式を割り当てる部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、千分の三・五)とする。

 9 計画において組織変更後の株式会社が新株を発行することを定めた場合における資本の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、千分の三・五とする。

 10 会社更生法第二百六十九条第七項の規定は、第百六十条の九十九の規定により更生計画において相互会社が株式交換をすることを定めた場合における株式交換による資本の増加の登記の登録免許税の税率について準用する。

 11 会社更生法第二百六十九条第八項の規定は、第百六十条の百の規定により更生計画において相互会社が株式移転をすることを定めた場合における新株式会社の設立の登記の登録免許税の税率について準用する。

 12 会社更生法第二百六十九条第十項の規定は、計画において株式移転又は合併によらないで新株式会社を設立することを定めた場合における新株式会社の設立の登記の登録免許税の税率について準用する。

 13 会社更生法第二百六十九条第十一項の規定は、計画において新相互会社が相互会社から不動産又は船舶に関する権利の移転又は設定を受けることを定めた場合におけるその移転又は設定の登記の登録免許税の税率について準用する。

  (退職手当)

 第百六十条の百四十 更生手続開始後相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人であった者で、引き続き新相互会社の取締役、代表取締役、監査役又は使用人となったものは、相互会社から退職したことを理由として退職手当の支給を受けることができない。

 2 前項に定める者の相互会社における在職期間は、退職手当の計算については、新相互会社における在職期間とみなす。

  (更生計画の変更)

 第百六十条の百四十一 会社更生法第二百七十一条の規定は、相互会社の更生計画の認可の決定があった後やむを得ない事由で計画に定める事項を変更する必要が生じた場合について準用する。この場合において、同条第三項中「第二百十一条第三項」とあるのは「更生特例法第百六十条の八十六第三項」と、「第十五条」とあるのは「更生特例法第百六十条の六第四項において準用する第十五条」と、同条第四項中「第二百三十六条」とあるのは「更生特例法第百六十条の百七において準用する第二百三十六条」と読み替えるものとする。

  (更生手続の終結)

 第百六十条の百四十二 相互会社の更生計画が遂行されたとき、又は計画が遂行されることが確実であると認めるに至ったときは、裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、更生手続終結の決定をし、かつ、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。ただし、送達をすることを要しない。

 2 会社更生法第三十五条第一項の規定は、前項の決定があった場合について準用する。

     第九節 更生手続の廃止

  (更生計画認可前の廃止)

 第百六十条の百四十三 次に掲げる場合においては、裁判所は、職権で、相互会社について更生手続廃止の決定をしなければならない。

  一 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に更生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての計画案が関係人集会の審理若しくは決議に付するに足りないものであるとき。

  二 計画案が否決されたとき、又は決議のための関係人集会の第一期日から二月以内若しくはその伸長した期間内に計画案が可決されないとき。

 第百六十条の百四十四 会社更生法第二百七十三条の二の規定は相互会社の更生計画の認可の決定前に更生の見込みがないことが明らかになった場合について、同法第二百七十四条から第二百七十六条までの規定は相互会社が届出期間内に届出をしたすべての更生債権者及び更生担保権者に対する債務を完済できることが明らかになった場合について、それぞれ準用する。

  (更生計画認可後の廃止)

 第百六十条の百四十五 会社更生法第二百七十七条から第二百七十九条までの規定は、相互会社の更生計画の認可の決定があった後計画遂行の見込みがないことが明らかになった場合について準用する。この場合において、同条中「この法律」とあるのは、「更生特例法第三章の二」と読み替えるものとする。

  (廃止決定の公告、共益債権の弁済等)

 第百六十条の百四十六 会社更生法第二百八十条及び第二百八十一条第一項の規定は相互会社についての更生手続廃止の決定について、同条第二項及び同法第二百八十二条の規定は相互会社について更生手続廃止の決定が確定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百八十一条第一項中「第八条」とあるのは「更生特例法第百六十条の四において準用する第八条」と、同法第二百八十二条中「第二十三条第一項本文」とあるのは「更生特例法第百六十条の十において準用する第二十三条第一項本文」と読み替えるものとする。

  (更生債権者表等の記載の効力)

 第百六十条の百四十七 会社更生法第二百八十三条の規定は、第百六十条の百四十三又は第百六十条の百四十四において準用する同法第二百七十三条の二若しくは第二百七十四条第一項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について準用する。この場合において、同法第二百八十三条第一項中「確定した更生債権又は更生担保権」とあるのは、「確定した更生債権、更生担保権又は社員権」と読み替えるものとする。

 2 第百六十条の百九において準用する会社更生法第二百四十五条第二項の規定は、第百六十条の百四十五において準用する同法第二百七十七条の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について準用する。

     第十節 報酬及び報償金

  (管財人等の報酬等)

 第百六十条の百四十八 調査委員、保全管理人、監督員及び管財人は、相互会社の更生手続において、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。法律顧問、保全管理人代理及び管財人代理も、同様とする。

 2 会社更生法第二百八十五条第二項の規定は前項の報酬の額について、同法第二百八十六条の規定は同項の費用及び報酬について、それぞれ準用する。この場合において、同条中「前条」とあるのは、「更生特例法第百六十条の百四十八第一項」と読み替えるものとする。

  (代理委員等の報償金等)

 第百六十条の百四十九 更生債権者、更生担保権者、社員若しくは代理委員又はその代理人が更生に貢献したときは、裁判所は、これらの者に対し、相互会社の財産から適当な範囲内の費用を償還し、又は報償金を支払うことを許すことができる。その額は、裁判所が定める。

 2 会社更生法第二百八十八条の規定は、前項の許可について準用する。

  (抗告)

 第百六十条の百五十 第百六十条の百四十八第一項及び前条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

  第百六十一条第一項中「金融機関」の下に「及び保険会社(以下この節において「金融機関等」という。)」を加え、同条第二項中「規定により」の下に「金融機関の」を加え、同条第五項中「第三十一条」の下に「及び第百六十条の十四」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項中「第三十一条」の下に「及び第百六十条の十四」を加え、同項を同条第五項とし、同条第三項中「第三十一条」の下に「及び第百六十条の十四」を加え、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 監督庁は、第一項の規定により保険会社の更生手続開始の申立てをすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、大蔵大臣に協議しなければならない。

  第百六十二条中「金融機関」を「金融機関等」に改め、「第三十一条」の下に「若しくは第百六十条の十四」を、「第三十九条」の下に「及び第百六十条の二十二」を加える。

  第百六十三条第一項中「金融機関」を「金融機関等」に改め、「第三十三条第一項」の下に「若しくは第百六十条の十六第一項」を加え、同条第二項中「第二十一条」の下に「及び第百六十条の四」を、「第三十三条第二項」の下に「及び第百六十条の十六第二項」を加える。

  第百六十六条第三項中「第三十七条第二項」を「同法第四十七条第二項」に改める。

  第百六十九条及び第百七十三条第三項中「前章」を「第三章」に改める。

  第四章第三節の次に次の一節を加える。

     第四節 保険契約者保護機構の権限等

      第一款 保険契約者保護機構の権限

  (届出期間を定める場合の特例)

 第百七十七条の十五 裁判所は、保険会社について更生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、会社更生法第四十六条(第百六十条の十九において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により定める同法第四十六条第一号の届出期間について、保険契約者保護機構(保険業法第二百五十九条に規定する保険契約者保護機構であって、当該保険会社が加入しているものをいう。以下「保護機構」という。)の意見を聴かなければならない。

  (送達の特例)

 第百七十七条の十六 保険会社について更生手続開始の決定をしたときは、更生債権者又は更生担保権者である保険契約者等(保険契約者その他の保険契約に係る権利(保険契約者が相互会社の社員であるときは、社員の権利を含む。以下この節において同じ。)を有する者をいう。以下この節において同じ。)に対しては、会社更生法第四十七条第二項の規定又は第百六十条の二十第二項の規定による送達は、することを要しない。

 2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、会社更生法第四十七条第一項各号に掲げる事項又は第百六十条の二十第一項各号に掲げる事項及び更生手続を開始することの当否についての調査委員の意見の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

 3 保険会社の更生手続において、第百七十七条の十八第一項の規定による保険契約者表の提出があるまでに、会社更生法第四十七条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項若しくは第百六十条の二十第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項に変更を生じた場合又は更生手続開始決定取消しの決定が確定した場合においては、更生債権者又は更生担保権者である保険契約者等であって同法第百二十五条第一項又は第百二十六条第一項(これらの規定を第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による届出をしていないものに対しては、同法第四十七条第三項において準用する同条第二項若しくは第百六十条の二十第三項において準用する同条第二項の規定又は同法第五十一条第二項において準用する同法第四十七条第二項若しくは第百六十条の二十三において準用する同法第五十一条第二項において準用する同法第四十七条第二項の規定による送達は、することを要しない。

 4 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、会社更生法第四十七条第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項若しくは第百六十条の二十第一項第二号若しくは第三号に掲げる事項について生じた変更の内容又は更生手続開始決定取消しの決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。

  (保険契約者表の作成及び縦覧等)

 第百七十七条の十七 保護機構は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている更生債権又は更生担保権である保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)について次の各号に掲げる保険契約者表を作成し、権利の性質に応じ適宜分類して、それぞれ当該各号に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 更生債権者に係る保険契約者表

   イ 保険契約者等の氏名及び住所

   ロ 保険契約に係る権利の内容及び原因(更生債権が相互会社の保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)

   ハ 議決権(会社更生法第百十三条第二項(第百六十条の四十において準用する場合を含む。)に規定する議決権をいう。次号において同じ。)の額

   ニ 保険契約に係る権利が優先権のある債権又は会社更生法第百二十一条第一項第一号若しくは第百六十条の四十四第一項第一号に掲げる債権であるときは、その旨

  二 更生担保権者に係る保険契約者表

   イ 保険契約者等の氏名及び住所

   ロ 保険契約に係る権利の内容及び原因(更生担保権が相互会社の保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)、担保権の目的及び価額並びに保険会社以外の者が債務者であるときは、その氏名及び住所

   ハ 議決権の額

 2 保護機構は、保険契約者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた届出期間の末日の前日までの間、保険契約者表を保険契約者等の縦覧に供しなければならない。

 3 前項の規定による保険契約者表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた届出期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。

 4 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該保険契約者表に、当該保険契約に係る権利に係る第一項各号に掲げる事項の記載の追加をしなければならない。当該保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利について当該保険契約に係る権利を有する者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。

 5 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等の承諾を得て、当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等に係る保険契約に係る権利を、保険業法第二百七十条の六の八の規定により買い取った場合において、当該保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該保険契約者等の承諾を要しない。

  (保険契約者表の提出)

 第百七十七条の十八 保護機構は、裁判所の定めた届出期間の末日に、前条の規定により作成した保険契約者表を裁判所に提出しなければならない。

 2 前条第四項前段の規定は、保護機構が、保険契約者表を裁判所に提出した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるもの及び既に保険契約者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。

 3 前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加は、更生計画案審理のための関係人集会が終わった後は、することができない。

 4 会社更生法第百二十五条第三項の規定は、第一項の規定による保険契約者表の提出及び第二項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加について準用する。

 5 保険契約者表及び前項において準用する会社更生法第百二十五条第三項の規定による届出に関する書類は、利害関係人の閲覧に供するため裁判所に備えて置かなければならない。

  (保険契約者表の提出の効果)

 第百七十七条の十九 会社更生法の規定又は前章の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利(保険契約者等が当該提出があるまでに同法第百二十五条第一項又は第百二十六条第一項(これらの規定を第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた届出期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百七十七条の十七第四項前段の規定による記載の追加に係る保険契約に係る権利については同法第百二十七条第一項(第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による届出の追完があったものとみなす。

  (保険契約者等の参加)

 第百七十七条の二十 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる保険契約に係る権利(保護機構が会社更生法第百二十八条第一項(第百六十条の五十において準用する場合を含む。)の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)を有する者は、自ら更生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、更生債権又は更生担保権の確定に関する訴訟に関する行為については、この限りでない。

 2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、更生手続が終了するまでの間、することができる。

 3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを保護機構に通知しなければならない。

 4 参加の届出をした保険契約者等は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利の全部をもって自ら更生手続に参加するものとする。

  (保険契約者保護機構の権限)

 第百七十七条の二十一 保護機構は、第百七十七条の十九の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる保険契約に係る権利を有する者(参加の届出をした保険契約者等を除く。以下この節において「保護機構代理保険契約者」という。)のために、当該保護機構代理保険契約者に係る保険契約に係る権利(以下この節において「保護機構代理債権」という。)をもって、更生手続に属する一切の行為(次に掲げる保護機構代理債権に係る更生債権又は更生担保権の確定に関する訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、保護機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は保護機構代理債権に係る更生債権若しくは更生担保権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の授権がなければならない。

  一 保険金請求権

  二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)

  三 更生債権及び更生担保権調査の期日において、保護機構が異議を述べた保護機構代理債権

  (保険契約者保護機構の義務)

 第百七十七条の二十二 保護機構は、保護機構代理保険契約者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。

 2 保護機構は、保護機構代理保険契約者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。

  (届出に係る事項の変更)

 第百七十七条の二十三 保護機構は、保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。

 2 第百七十七条の十八第三項の規定は、前項の変更について準用する。

 3 第一項の規定による変更は、会社更生法の規定又は前章の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第百二十七条第四項(第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による変更とみなす。

  (特別期日の費用)

 第百七十七条の二十四 保護機構代理債権に係る会社更生法第百三十八条第二項(第百六十条の五十四第二項並びに同法第百三十九条(第百六十条の五十四第二項において準用する場合を含む。)及び同法第百四十条(第百六十条の五十四第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する特別期日(以下この条において「特別期日」という。)の費用は、保護機構の負担とする。ただし、保護機構は、同法第八十九条(第百六十条の三十三において準用する場合を含む。)の規定により原状に復した保険契約に係る債権について調査するため特別期日が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、保護機構代理保険契約者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。

  (異議の通知)

 第百七十七条の二十五 更生債権及び更生担保権調査の期日において保護機構代理債権について異議があったとき(保護機構が当該保護機構代理債権について異議を述べたときを除く。)は、保護機構は、遅滞なく、その旨を当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。

 2 更生債権及び更生担保権調査の期日において保護機構が保護機構代理債権について異議を述べたときは、裁判所は、これを当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。

  (議決権の行使のための通知及び公告)

 第百七十七条の二十六 保護機構は、会社更生法第二百条第一項(同法第二百七十一条第二項において準用する場合を含む。)又は第百六十条の八十第一項(第百六十条の百四十一において準用する同法第二百七十一条第二項において準用する場合を含む。)の関係人集会において保護機構代理保険契約者のために議決権を行使しようとするときは、当該関係人集会の第一期日の二週間前までに、同意しようとする更生計画の内容を保護機構代理保険契約者に通知するとともに公告しなければならない。

  (保険契約者保護機構がする通知等)

 第百七十七条の二十七 第百七十七条の二十五第一項及び前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。この場合においては、会社更生法第十四条第四項の規定を準用する。

 2 会社更生法第十二条の規定は、第百七十七条の十七第二項及び前条の規定による公告について準用する。

      第二款 保険会社の更生手続における保険契約の取扱い等

  (管財人の解除権に関する特例)

 第百七十七条の二十八 保険会社を保険者とする保険契約(再保険契約を除く。)については、会社更生法第百三条(第百六十条の三十八において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

  (補償対象保険金の弁済に関する特例)

 第百七十七条の二十九 保険会社について更生手続開始の決定があった場合において、当該保険会社は、保護機構と保険業法第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結したときは、会社更生法第百十二条(第百六十条の四十において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、保険業法第二百七十条の三第二項第一号に規定する補償対象契約(第百九十四条の二十八第一項において「補償対象契約」という。)に係る保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この条から第百七十七条の三十一まで、第百九十四条の二十八及び第百九十四条の二十九において「保険金請求権等」という。)に係る更生債権者又は更生担保権者の請求に基づき、同法第二百四十五条に規定する補償対象保険金(第百九十四条の二十八第一項において「補償対象保険金」という。)に係る債務の弁済をすることができる。

 2 裁判所の定めた届出期間経過後更生計画認可の決定前に前項の規定による請求がされた保険金請求権等については、当該保険金請求権等に係る更生債権者又は更生担保権者は、その請求をした後二週間の不変期間内に、会社更生法第百二十五条第一項若しくは第百二十六条第一項(これらの規定を第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による届出、同法第百二十七条第一項(第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による届出の追完、同法第百二十七条第四項(第百六十条の四十八において準用する場合を含む。)の規定による届出事項の変更又は同法第百二十八条(第百六十条の五十において準用する場合を含む。)の規定による届出名義の変更(以下「届出等」という。)をしなければならない。

 3 更生債権者又は更生担保権者は、第一項の規定により弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって更生手続に参加することができる。

 4 第一項の規定により弁済を受けた更生債権者又は更生担保権者は、同じ性質の権利を有する他の更生債権者又は更生担保権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、更生手続により、弁済を受けることができない。

 5 前項の更生債権者又は更生担保権者は、第一項の規定により弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。

 第百七十七条の三十 保険会社は、前条第一項の規定による請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る保険金請求権等について第百七十七条の十七第一項各号に掲げる事項を保護機構に通知しなければならない。

  (保険契約に係る権利の届出に関する特例)

 第百七十七条の三十一 保険契約者が更生債権又は更生担保権である保険契約に係る権利について届出等をしたときは、更生計画において、更生債権又は更生担保権である当該保険契約に係る権利であって届出等がなかったもの(当該保険契約者以外の者が有するものを含み、第百七十七条の二十九第一項の規定による請求に係る保険金請求権等を除く。)についても、会社更生法第二百十一条第一項又は第百六十条の八十六第一項の権利を変更する条項を定めなければならない。

 2 前項の規定は、保険契約に係る権利を有する者(保険契約者を除く。)が、届出等をすることを妨げない。この場合における届出等は、保険事故の発生その他の事由により当該権利が生じた後にするものとする。

  (保険契約に係る権利の調査及び確定に関する特例)

 第百七十七条の三十二 第百七十七条の二十九第二項の規定による届出等がされた場合又は前条第二項の規定による届出等が裁判所の定めた届出期間経過後更生計画認可の決定前にされた場合においては、当該届出等に係る権利については、会社更生法第百三十五条から第百四十二条まで又は第百六十条の五十四の規定による調査は行わず、裁判所は、直ちにその届出等があった旨を管財人及び保険会社に通知しなければならない。

 2 会社更生法第百四十三条の規定(保険会社が相互会社である場合にあっては、第百六十条の五十五の規定)は、前項の通知があった日から二週間以内に同項の権利について管財人の異議がなかった場合について準用する。

 3 第一項の通知があった日から二週間以内に同項の権利について管財人の異議があったときは、裁判所は、これをその権利に係る債権者に通知しなければならない。

 4 前項の管財人の異議があった権利に対する会社更生法第百四十七条第二項(第百六十条の五十九において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「その権利の調査(前条後段の場合にあつては、同条後段の規定による通知)」とあるのは、「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百七十七条の三十二第三項の規定による通知」とする。

  (保険契約者の保険契約に係る債権の評価)

 第百七十七条の三十三 会社更生法第百十八条第一項(同法第百二十四条第四項において準用する場合を含む。)又は第百六十条の四十若しくは第百六十条の四十七において準用する同法第百十八条第一項に規定する更生手続開始の時における評価額は、保険契約者の保険契約に係る債権(更生手続開始の時において既に保険事故の発生その他の事由により保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この条において「保険金請求権等」という。)が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る債権を除く。)については、生命保険会社(保険業法第二条第三項に規定する生命保険会社をいう。次条第三項において同じ。)及び外国生命保険会社等(保険業法第二条第八項に規定する外国生命保険会社等をいう。次条第三項において同じ。)にあっては第一号に掲げる金額とし、損害保険会社(保険業法第二条第四項に規定する損害保険会社をいう。)及び外国損害保険会社等(保険業法第二条第九項に規定する外国損害保険会社等をいう。)にあっては第二号及び第三号に掲げる金額の合計額とする。

  一 更生手続開始の時において被保険者のために積み立てた金額

  二 未経過期間(保険契約に定めた保険期間のうち、更生手続開始の時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料の金額

  三 更生手続開始の時において払戻積立金として積み立てた金額

  (保険会社の更生計画)

 第百七十七条の三十四 会社更生法第二百二十九条(第百六十条の百四において準用する場合を含む。)の規定は、更生計画で同種の保険契約に係る債権を変更する場合において、責任準備金の積立方式及び予定死亡率その他の責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準について、同一の水準を用いることを妨げるものと解してはならない。

 2 会社更生法第二百二十九条(第百六十条の百四において準用する場合を含む。)の規定は、更生計画において、保険会社の更生手続開始の決定の後(裁判所が会社更生法第三十九条第一項前段の規定又は第百六十条の十六第一項の規定により保険会社が更生債権者又は更生担保権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合にあっては、その決定があった後)に発生する解約返戻金その他これに類する給付金に係る債権について、その他の保険契約に係る債権に比して不利な条件を定めることを妨げるものと解してはならない。

 3 保険契約に係る債権のうち保険会社(生命保険会社及び外国生命保険会社等に限る。)の更生手続開始の決定の後に収入した保険料により積み立てるべき責任準備金に対応する保険契約者の保険契約に係る債権の部分については、更生計画において減免その他権利に影響を及ぼす定めをすることができない。

  第百七十八条第一項中「及び証券会社」を「、証券会社及び保険会社」に改め、同条第二項中「規定は、」を「規定は」に改め、「申立てについて」の下に「、同条第三項の規定は監督庁が前項の規定によりする保険会社の破産の申立てについて、それぞれ」を加える。

  第五章の二の章名を削る。

  第百九十四条の十五を第百九十四条の三十とし、同条の前に次の章名を付する。

    第五章の二 雑則

  第五章に次の一節を加える。

     第四節 保険契約者保護機構の権限

  (債権届出の期間を定める場合の特例)

 第百九十四条の十五 裁判所は、保険会社について破産の宣告をしようとするときは、あらかじめ、破産法第百四十二条第一項(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により定める同法第百四十二条第一項第一号の債権届出の期間について、保護機構の意見を聴かなければならない。

  (送達の特例)

 第百九十四条の十六 保険会社について破産の宣告をしたときは、債権者である保険契約者等(保険契約者その他の保険契約に係る権利を有する者をいう。以下この節において同じ。)に対しては、破産法第百四十三条第二項(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)の規定による送達は、することを要しない。

 2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、破産法第百四十三条第一項各号(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を記載した書面を送達しなければならない。

 3 保険会社の破産手続において、第百九十四条の十八第一項の規定による保険契約者表の提出があるまでに、破産法第百四十三条第一項第二号若しくは第三号(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項に変更を生じた場合又は破産取消しの決定若しくは強制和議取消しの取消しの決定が確定した場合においては、債権者である保険契約者等であって同法第二百二十八条第一項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第百四十三条第三項(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)又は同法第百五十六条第二項(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百四十三条第二項の規定による送達は、することを要しない。

 4 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、破産法第百四十三条第一項第二号若しくは第三号(同法第三百三十七条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項について生じた変更の内容又は破産取消しの決定若しくは強制和議取消しの取消しの決定の主文を記載した書面を送達しなければならない。

  (保険契約者表の作成及び縦覧等)

 第百九十四条の十七 保護機構は、前条第二項の規定による送達を受けたときは、遅滞なく、知れている保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)について次に掲げる事項を記載した保険契約者表を作成しなければならない。

  一 保険契約者等の氏名及び住所

  二 保険契約に係る権利の額及び原因

  三 保険契約に係る権利が優先権のある債権又は破産法第四十六条第一号に掲げる請求権を含むときは、その旨

 2 保護機構は、保険契約者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、裁判所の定めた債権届出の期間の末日の前日までの間、保険契約者表を保険契約者等の縦覧に供しなければならない。

 3 前項の規定による保険契約者表の縦覧の開始の日は、裁判所の定めた債権届出の期間の末日の前日の二週間以上前の日でなければならない。

 4 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該保険契約者表に、当該保険契約に係る権利に係る第一項各号に掲げる事項の記載の追加をしなければならない。当該保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利について当該保険契約に係る権利を有する者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。

 5 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等の承諾を得て、当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等に係る保険契約に係る権利を、保険業法第二百七十条の六の八の規定により買い取った場合において、当該保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該保険契約者等の承諾を要しない。

  (保険契約者表の提出)

 第百九十四条の十八 保護機構は、裁判所の定めた債権届出の期間の末日に、前条の規定により作成した保険契約者表を裁判所に提出しなければならない。

 2 前条第四項前段の規定は、保護機構が、保険契約者表を裁判所に提出した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるもの及び既に保険契約者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。

 3 破産法第二百二十八条第三項の規定は、第一項の規定による保険契約者表の提出及び前項において準用する前条第四項前段の規定による記載の追加について準用する。

 4 保険契約者表及び前項において準用する破産法第二百二十八条第三項の規定による届出に関する書類は、利害関係人の閲覧に供するため裁判所に備えて置かなければならない。

  (保険契約者表の提出の効果)

 第百九十四条の十九 破産法の規定の適用については、前条第一項の規定により提出された保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利(保険契約者等が当該提出があるまでに同法第二百二十八条第一項の規定により届け出たものを除く。)については裁判所の定めた債権届出の期間内に届出があったものと、前条第二項において準用する第百九十四条の十七第四項前段の規定による記載の追加に係る保険契約に係る権利については裁判所の定めた債権届出の期間後に届出があったものとみなす。

  (保険契約者等の参加)

 第百九十四条の二十 前条の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利(保護機構が届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら破産手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、債権の確定に関する訴訟に関する行為については、この限りでない。

 2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、破産手続が終了するまでの間、することができる。

 3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを保護機構に通知しなければならない。

 4 参加の届出をした保険契約者等は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利の全部をもって自ら破産手続に参加するものとする。

  (保険契約者保護機構の権限)

 第百九十四条の二十一 保護機構は、第百九十四条の十九の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利を有する者(参加の届出をした保険契約者等を除く。以下この節において「保護機構代理保険契約者」という。)のために、当該保護機構代理保険契約者に係る保険契約に係る権利(以下この節において「保護機構代理債権」という。)をもって、破産手続に属する一切の行為(次に掲げる保護機構代理債権に係る債権の確定に関する訴訟に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、保護機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は保護機構代理債権に係る債権の確定に関する訴訟において、民事訴訟法第三十二条第二項第一号若しくは第二号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の授権がなければならない。

  一 保険金請求権

  二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)

  三 債権調査の期日において、保護機構が異議を述べた保護機構代理債権

  (保険契約者保護機構の義務)

 第百九十四条の二十二 保護機構は、保護機構代理保険契約者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。

 2 保護機構は、保護機構代理保険契約者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。

  (届出に係る事項の変更)

 第百九十四条の二十三 保護機構は、保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。

  (特別期日の費用)

 第百九十四条の二十四 保護機構代理債権に係る破産法第二百三十四条第二項(同法第二百三十五条及び第二百三十六条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する特別期日(以下この条において「特別期日」という。)の費用は、同法第二百三十四条第二項後段の規定にかかわらず、保護機構の負担とする。ただし、保護機構は、同法第七十九条の規定により原状に復した保険契約に係る権利について調査するため特別期日が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、保護機構代理保険契約者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。

  (異議の通知)

 第百九十四条の二十五 債権調査の期日において保護機構代理債権について異議があったとき(保護機構が当該保護機構代理債権について異議を述べたときを除く。)は、保護機構は、遅滞なく、その旨を当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。

 2 債権調査の期日において保護機構が保護機構代理債権について異議を述べたときは、裁判所は、これを当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。

  (議決権の行使のための通知及び公告)

 第百九十四条の二十六 保護機構は、破産法第二百九十九条第一項に規定する債権者集会において保護機構代理保険契約者のために議決権を行使しようとする場合において、同条第三項の規定により同項に規定する書面の送達を受けたときは、当該書面に記載された強制和議の条件及び監査委員の意見の要領並びに当該強制和議に係る保護機構の議決権の行使について必要な事項を当該保護機構代理保険契約者に通知するとともに公告しなければならない。

  (保険契約者保護機構がする通知等)

 第百九十四条の二十七 第百九十四条の二十五第一項又は前条の規定による通知は、書類を通常の取扱いによる郵便に付してすることができる。

 2 前項の規定により書類を通常の取扱いによる郵便に付して発送した場合においては、その郵便物が通常到達すべきであった時に、通知があったものとみなす。

 3 第百九十四条の十七第二項及び前条の規定による公告は、官報及び時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載してしなければならない。

 4 破産法第百十五条第二項の規定は、第百九十四条の十七第二項及び前条の規定による公告について準用する。

  (補償対象保険金の弁済に関する特例)

 第百九十四条の二十八 保険会社について破産の宣告があった場合において、当該保険会社は、保護機構と保険業法第二百七十条の六の七第三項の規定による契約を締結したときは、破産法第十六条の規定にかかわらず、補償対象契約に係る保険金請求権等に係る破産債権者の請求に基づき、補償対象保険金に係る債務の弁済をすることができる。

 2 破産債権者は、前項の規定により弁済を受けた場合にあっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって破産手続に参加することができる。

 3 第一項の規定により弁済を受けた破産債権者は、他の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、破産手続により、弁済を受けることができない。

 4 前項の破産債権者は、第一項の規定により弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。

 第百九十四条の二十九 保険会社は、前条第一項の規定による請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る保険金請求権等について第百九十四条の十七第一項各号に掲げる事項を保護機構に通知しなければならない。

  第百九十五条第一項中「この条」を「この項」に、「「担保権者」」を「「協同組織金融機関に係る担保権者」」に改め、同項第一号中「、担保権者」を、「、協同組織金融機関に係る担保権者」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 相互会社の取締役若しくはこれに準ずべき者又は支配人が更生手続開始の前後を問わず、自己若しくは他人の利益を図り、又は債権者、相互会社の財産の上に特別の先取特権、質権、抵当権若しくは商法による留置権を有する者(以下この項において「相互会社に係る担保権者」という。)若しくは社員を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をし、相互会社について更生手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

  一 相互会社の財産を隠匿し、き棄し、又は債権者、相互会社に係る担保権者若しくは社員の不利益に処分すること。

  二 相互会社の負担を虚偽に増加すること。

  三 保険業法第二十一条第一項において準用する商法第三十二条第一項の規定により作成すべき帳簿を作成せず、これに財産の現況を知るに足りる記載をせず、若しくは不正の記載をし、又はこれを隠匿し、若しくはき棄すること。

  第百九十六条第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

 2 前条第二項に規定する者でなくて同項に規定する行為をした者又は自己若しくは他人の利益を図る目的で更生債権者、更生担保権者若しくは社員として虚偽の権利を行った者は、相互会社について更生手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

  第百九十七条第一項中「協同組織金融機関」の下に「又は相互会社」を、「組合員等」の下に「、社員」を加え、同条第二項中「協同組織金融機関」の下に「又は相互会社」を加える。

  第百九十九条の次に次の一条を加える。

 第百九十九条の二 組織変更後の相互会社又は新相互会社(合併により設立される新相互会社を除く。)の取締役、監査役又は支配人その他の使用人が第十八条の三第二項の規定により読み替えて適用される会社更生法第九十八条の二第一項(同法第百一条の三及び第十八条の三第二項の規定により読み替えて適用される同法第二百四十七条第四項において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 2 相互会社、組織変更後の株式会社又は新相互会社若しくは新株式会社(共同株式移転又は合併により設立される新相互会社及び新株式会社を除く。)の取締役、監査役、支配人その他の使用人が第百六十条の三第三項の規定により読み替えて適用される第百六十条の十七第二項、第百六十条の十八第二項、第百六十条の三十五第二項、第百六十条の三十六第二項又は第百六十条の百十第四項において準用する会社更生法第九十八条の二第一項の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。

  第二百条の次に次の一条を加える。

 第二百条の二 保険業を営む株式会社について更生手続が開始された場合における会社更生法第二百九十五条第一項の規定の適用については、同項第三号中「第二百六十二条第一項」とあるのは、「更生特例法第十八条の三第一項の規定により読み替えて適用される第二百六十二条第一項」とする。

 2 組織変更後の相互会社又は新相互会社の取締役若しくはこれに準ずべき者又は支配人は、会社更生法第二百四十八条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反したときは、百万円以下の過料に処する。

  第六章中第二百一条の次に次の一条を加える。

 第二百二条 更生手続の開始された相互会社、組織変更後の株式会社又は新相互会社若しくは新株式会社の取締役若しくはこれに準ずべき者又は支配人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。

  一 第百六十条の百十一において準用する会社更生法第二百四十八条第一項又は第二項の規定による裁判所の命令に違反したとき。

  二 第百六十条の百三十四第一項の規定によってすべき公告若しくは通知をすることを怠り、又は同条第五項において準用する会社更生法第二百六十二条第五項の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。

 2 更生債権者、更生担保権者、社員及び更生のために債務を負担し、又は担保を供する者が前項第一号に掲げる行為をしたときも、同項と同様とする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中保険業法第二百六十五条の四十二の次に次の一条を加える改正規定並びに第二百七十五条及び第三百十七条の二の改正規定並びに附則第十九条の規定は、平成十三年四月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の保険業法(以下「新保険業法」という。)第十六条の二及び第十七条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられる株主総会の決議に係る資本の減少について適用し、施行日前に同項の招集の通知が発せられた株主総会の決議に係る資本の減少については、なお従前の例による。

第三条 新保険業法第二編第二章第三節の規定は、施行日以後に商法第二百三十二条第一項(新保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられる株主総会又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)(以下「株主総会等」という。)の決議に係る組織変更(新保険業法第六十八条第二項又は第八十六条第一項に規定する組織変更をいう。)について適用し、施行日前に商法第二百三十二条第一項(第一条の規定による改正前の保険業法(以下「旧保険業法」という。)第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられた株主総会等の決議に係る組織変更(旧保険業法第六十八条第二項又は第八十六条第一項に規定する組織変更をいう。)については、なお従前の例による。

第四条 新保険業法第百十七条の二の規定は、施行日前に締結された保険契約に係る債権についても、適用する。

第五条 新保険業法第百三十六条の二及び第百三十七条の規定は、施行日以後に商法第二百三十二条第一項(新保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられる株主総会等の決議に係る保険契約の移転について適用し、施行日前に商法第二百三十二条第一項(旧保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられた株主総会等の決議に係る保険契約の移転については、なお従前の例による。

第六条 新保険業法第百五十六条の二及び第百五十七条の規定は、施行日以後に新保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられる社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この条において同じ。)の決議に係る解散について適用し、施行日前に旧保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられた社員総会の決議に係る解散については、なお従前の例による。

第七条 新保険業法第二編第八章第三節の規定は、施行日以後に商法第二百三十二条第一項(新保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられる株主総会等の決議に係る合併について適用し、施行日前に商法第二百三十二条第一項(旧保険業法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられた株主総会等の決議に係る合併については、なお従前の例による。

第八条 新保険業法第二百十条第一項において準用する新保険業法第百三十六条の二及び第百三十七条の規定は、施行日以後に外国保険会社等(新保険業法第二条第七項に規定する外国保険会社等をいう。)が作成する新保険業法第二百十条第一項において準用する新保険業法第百三十五条第一項の契約に係る契約書に係る保険契約の移転について適用し、施行日前に作成した旧保険業法第二百十条第一項において準用する旧保険業法第百三十五条第一項の契約に係る契約書に係る保険契約の移転については、なお従前の例による。

第九条 新保険業法第二編第十章第一節第二款の規定は、施行日以後にされる新保険業法第二百四十一条第一項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分について適用し、施行日前にされた旧保険業法第二百四十一条の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分については、なお従前の例による。

第十条 新保険業法第二編第十章第一節第三款の規定は、施行日以後に新保険業法第二百四十一条第一項の規定による合併等の協議の命令、同項の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は新保険業法第二百六十八条第一項の認定がされる場合における契約条件の変更について適用し、施行日前に旧保険業法第二百四十一条の規定による保険契約の移転若しくは合併の協議の命令、同条の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は旧保険業法第二百六十八条第一項の認定がされた場合における契約条件の変更については、なお従前の例による。

第十一条 新保険業法第二百五十七条の規定は、施行日以後にされる新保険業法第二百五十六条第一項の勧告に係るあっせんについて適用し、施行日前にされた旧保険業法第二百五十六条第一項の勧告に係るあっせんについては、なお従前の例による。

第十二条 新保険業法第二百六十五条の三十七の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る予算及び資金計画の認可、提出又は変更について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る予算及び資金計画の認可、提出又は変更については、なお従前の例による。

第十三条 新保険業法第二百六十五条の三十九第三項の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同項に規定する書類について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る同項に規定する書類については、なお従前の例による。

第十四条 新保険業法第二編第十章第二節第二款第一目の規定は、施行日以後に新保険業法第二百七十条の三第一項の資金援助を行う旨の決定をする場合における当該決定に係る資金援助について適用し、施行日前に旧保険業法第二百七十条の三第一項の資金援助を行う旨の決定をした場合における当該決定に係る資金援助については、なお従前の例による。

第十五条 新保険業法第二編第十章第二節第二款第三目の規定は、施行日以後に新保険業法第二百七十条の四第六項の保険契約の引受けに関する契約を締結する日の決定をする場合における当該決定に係る保険契約の引受けについて適用し、施行日前に旧保険業法第二百七十条の四第六項の保険契約の引受けに関する契約を締結する日の決定をした場合における当該決定に係る保険契約の引受けについては、なお従前の例による。

第十六条 第二条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「新更生特例法」という。)第四章の規定は、施行日前に保険会社(新更生特例法第二条第五項に規定する保険会社をいう。次条において同じ。)について更生手続開始の申立てがあった事件については、適用しない。

第十七条 新更生特例法第五章の規定は、施行日前に保険会社について破産の申立てがあった事件については、適用しない。

 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正)

第十八条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の一部を次のように改正する。

  第九条の二第一項第九号中「第百四十七条」の下に「及び第百六十条の百三十七」を加える。

 (中小企業等協同組合法の一部改正)

第十九条 中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。

  第九条の七の五第二項中「第二百七十五条(」を「第二百七十五条第一項(」に、「第二百七十五条第二号」を「第二百七十五条第一項第二号」に改める。

  第百十二条の二第一号中「第二百七十五条」を「第二百七十五条第一項」に改める。

 (船主相互保険組合法の一部改正)

第二十条 船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)の一部を次のように改正する。

  第五十二条第二項中「、第二百四十七条及び第二百四十九条」を「から第二百四十七条の五まで及び第二百四十九条から第二百四十九条の四まで」に改める。

  第五十九条及び第六十条中「第二百四十二条第二項」の下に「若しくは第四項」を加える。

 (地方税法の一部改正)

第二十一条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十三条の七第二号の二中「第百十九条」の下に「又は第百六十条の百二」を加え、「又は更生特例法第十一条」を「、更生特例法第十一条」に、「の規定により」を「又は更生特例法第十八条の九(更生特例法第百六十条の百一において準用する場合を含む。)の規定により」に、「又は協同組織金融機関」を「、協同組織金融機関」に改め、「において同じ。)」の下に「又は相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。以下本号及び第六百九十九条の四第二項第三号において同じ。)」を加え、「又は新協同組織金融機関」を「、新協同組織金融機関又は新相互会社」に改める。

  第六百九十九条の四第二項第三号中「第百十九条」の下に「又は第百六十条の百二」を加え、「又は更生特例法第十一条」を「、更生特例法第十一条」に、「の規定により」を「又は更生特例法第十八条の九(更生特例法第百六十条の百一において準用する場合を含む。)の規定により」に、「又は協同組織金融機関」を「、協同組織金融機関又は相互会社」に、「又は新協同組織金融機関」を「、新協同組織金融機関又は新相互会社」に改める。

  附則第十条に次の二項を加える。

 9 道府県は、保険業法第二百六十条第六項に規定する承継保険会社が、保険契約者保護機構の同法第二百七十条の三の二第六項の規定による同項第二号の決定を受けて行う破綻保険会社(同法第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社をいう。次項において同じ。)の保険契約の移転に係る移転契約に基づいて不動産を取得した場合には、当該決定が平成十四年三月三十一日までになされたときに限り、第七十三条の二第一項の規定にかかわらず、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。

 10 道府県は、保険業法附則第一条の二の三第一項第一号に規定する協定銀行が、同項に規定する協定の定めにより同法附則第一条の二の四第一項第一号に規定する保険契約者保護機構の委託を受けて行う破綻保険会社、同法第二百七十条の三の六第一項第一号に規定する協定承継保険会社又は同法第百七十四条第九項に規定する清算保険会社の資産の買取りにより不動産を取得した場合には、当該委託の申出が平成十四年三月三十一日までになされたときに限り、第七十三条の二第一項の規定にかかわらず、当該不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。

  附則第三十一条の二の二第一項中「若しくは第八項」を「若しくは第八項から第十項まで」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第二十二条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第六十七条の九の二中「の株式交換」の下に「(保険業法第九十二条の五第一項の株式交換を含む。)」を加える。

  第六十七条の九の三第一項中「の株式移転」の下に「(保険業法第九十二条の八第一項の株式移転を含む。)」を加え、「同法第三百五十二条第一項の完全子会社」を「商法第三百五十二条第一項の完全子会社」に改める。

 (国税通則法の一部改正)

第二十三条 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

  第四十四条第一項中「又は協同組織金融機関(」を「、協同組織金融機関(」に、「について更生手続」を「又は相互会社(同条第六項に規定する相互会社をいう。以下この項において同じ。)について更生手続」に、「又は協同組織金融機関の」を「、協同組織金融機関又は相互会社の」に改める。

 (法人税法の一部改正)

第二十四条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十七号ハ中「の株式交換」を「(株式交換)の株式交換(保険業法(平成七年法律第百五号)第九十二条の五第一項(組織変更における株式交換)の株式交換(以下この号において「保険株式交換」という。)を含む。)」に、「同法」を「商法」に、「の株式移転」を「(株式移転)の株式移転(保険業法第九十二条の八第一項(組織変更における株式移転)の株式移転(以下この号において「保険株式移転」という。)を含む。)」に改め、「受け入れた株式」の下に「(保険株式交換又は保険株式移転の場合にあつては、保険業法第九十二条の五第一項又は同法第九十二条の八第一項に規定する組織変更後の株式会社となる法人の株式で当該完全親会社が当該保険株式交換又は当該保険株式移転により受け入れた株式)」を加える。

  第六十条第一項中「(平成七年法律第百五号)」を削る。

 (金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律の一部改正)

第二十五条 金融機関等が行う特定金融取引の一括清算に関する法律(平成十年法律第百八号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三号中「協同組織金融機関」の下に「若しくは同条第六項に規定する相互会社」を加える。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第二十六条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  別表第五十五号中「第百九十五条第一項(詐欺更生)」を「第百九十五条第一項(協同組織金融機関の理事等の詐欺更生)若しくは第二項(相互会社の取締役等の詐欺更生)」に、「第百九十六条第一項(第三者の詐欺更生)」を「第百九十六条第一項(協同組織金融機関に関する第三者の詐欺更生)若しくは第二項(相互会社に関する第三者の詐欺更生)」に改める。

 (中央省庁等改革関係法施行法の一部改正)

第二十七条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部を次のように改正する。

  第五十五条中保険業法第二百六十条の改正規定を次のように改める。

   第二百六十条第一項第三号及び第八項第三号中「大蔵大臣」を「金融再生委員会及び大蔵大臣」に改め、同条第十項中「大蔵省令」を「総理府令・大蔵省令」に改める。

  第五十五条中保険業法第二百六十五条の三十四第四項、第二百六十五条の三十七及び第二百六十五条の三十九の改正規定を次のように改める。

   第二百六十五条の三十四第四項及び第二百六十五条の三十七中「大蔵大臣」を「金融再生委員会及び大蔵大臣」に改める。

   第二百六十五条の三十九中「大蔵大臣」を「金融再生委員会及び大蔵大臣」に改め、同条第三項中「大蔵省令」を「総理府令・大蔵省令」に改める。

  第五十五条のうち保険業法の改正規定中「附則第一条の八及び第一条の十一中「大蔵大臣」を「金融再生委員会及び大蔵大臣」に改める」を「附則第一条の八及び第一条の十二中「大蔵大臣」を「金融再生委員会及び大蔵大臣」に改める」に改める。

  第五十七条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の改正規定を次のように改める。

   第三十八条第一項及び第百六十条の二十一第一項中「、法務大臣及び大蔵大臣」を「及び法務大臣」に改める。

   第百九十四条の三十(見出しを含む。)中「金融監督庁長官」を「金融庁長官」に改める。

  第百五十九条中保険業法の改正規定を次のように改める。

   目次中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   本則(第百二十七条第七号、第百三十二条第二項、第百九十条第十一項、第二百四条第二項、第二百二十三条第十二項、第二百三十条第二項、第二百四十五条、第二百五十一条第一項、第二百五十五条第一項、第二百五十五条の二第一項、第二百五十五条の三第一項、第二百五十五条の四第一項、第四項及び第五項、第二百五十五条の五第一項、第二百六十条第十項、第二百六十五条の三第二項、第二百六十五条の四第三項、第二百六十五条の八第二項、第二百六十五条の十九第五項、第二百六十五条の二十第四項、第二百六十五条の二十二、第二百六十五条の二十九第一項第一号、第二百六十五条の三十第二項、第二百六十五条の三十四第一項、第二百六十五条の三十九第三項、第二百六十五条の四十二、第二百六十五条の四十三第三号、第二百六十五条の四十四、第二百六十五条の四十八第三項、第二百七十条の三第二項、第二百七十条の五第二項、第二百七十条の六の八第二項、第二百七十条の六の九第一項及び第二項、第二百七十条の七第二項、第二百七十条の八第一項、第二項及び第四項、第二百九十一条第十二項、第三百十一条の三、第三百十二条並びに第三百十三条を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「総理府令」を「内閣府令」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に、「大蔵省令」を「財務省令」に改める。

   第百二十七条第七号中「総理府令(」を「内閣府令(」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第百三十二条第二項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第百九十条第十一項中「総理府令・法務省令」を「内閣府令・法務省令」に改める。

   第二百四条第二項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百二十三条第十二項中「総理府令・法務省令」を「内閣府令・法務省令」に改める。

   第二百三十条第二項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百四十五条中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に、「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   第二百五十一条第一項及び第二百五十五条第一項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百五十五条の二第一項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に、「金融再生委員会の」を「内閣総理大臣の」に改める。

   第二百五十五条の三第一項、第二百五十五条の四第一項、第四項及び第五項、第二百五十五条の五第一項、第二百六十条第十項、第二百六十五条の三第二項、第二百六十五条の四第三項、第二百六十五条の八第二項、第二百六十五条の十九第五項並びに第二百六十五条の二十第四項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百六十五条の二十二中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に、「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に改める。

   第二百六十五条の二十九第一項第一号、第二百六十五条の三十第二項及び第二百六十五条の三十四第一項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百六十五条の三十九第三項及び第二百六十五条の四十二中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百六十五条の四十三第三号、第二百六十五条の四十四(見出しを含む。)、第二百六十五条の四十八第三項、第二百七十条の三第二項、第二百七十条の五第二項、第二百七十条の六の八第二項、第二百七十条の六の九第一項及び第二項並びに第二百七十条の七第二項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百七十条の八第一項及び第二項中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改め、同条第四項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第二百九十一条第十二項中「総理府令・法務省令」を「内閣府令・法務省令」に改める。

   第三百十一条の三の見出し中「大蔵大臣」を「財務大臣」に改め、同条第一項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改め、同項第二号中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改め、同条第二項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める。

   第三百十一条の四中「調査、」を削る。

   第三百十二条の見出しを「(内閣府令等への委任)」に改め、同条中「総理府令(」を「内閣府令(」に、「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   第三百十三条第一項中「金融再生委員会は」を「内閣総理大臣は」に、「第三条第一項の規定による免許その他金融再生委員会規則で定める処分に係る権限」を「政令で定めるもの」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を削る。

   附則第一条の二中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   附則第一条の二の四第一項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改め、同条第二項及び第三項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に改める。

   附則第一条の二の五第三項及び第一条の二の七第二項中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に改める。

   附則第一条の二の十二第一項中「大蔵省令」を「財務省令」に改める。

   附則第一条の三から第一条の三の三までの規定中「総理府令・大蔵省令」を「内閣府令・財務省令」に改める。

   附則第一条の七第三項、第一条の八及び第一条の十二中「金融再生委員会及び大蔵大臣」を「内閣総理大臣及び財務大臣」に改める。

   附則第五条第一項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   附則第三十八条第三項中「総理府令」を「内閣府令」に改める。

   附則第六十一条及び第六十二条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   附則第七十五条第二項中「総理府令」を「内閣府令」に改める。

   附則第七十八条第一項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   附則第七十九条中「総理府令」を「内閣府令」に改める。

   附則第八十三条、第百七条及び第百十五条中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改める。

   附則第百十九条第一項及び第二項中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に改め、同条第三項中「総理府令」を「内閣府令」に改める。

  第百六十一条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の改正規定を次のように改める。

   本則(第百九十四条の三十を除く。)中「金融再生委員会」を「内閣総理大臣」に、「労働大臣」を「厚生労働大臣」に、「大蔵大臣」を「財務大臣」に改める。

   第百九十四条の三十を次のように改める。

   (権限の委任)

  第百九十四条の三十 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。

 (預金保険法等の一部を改正する法律の一部改正)

第二十八条 預金保険法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第▼▼▼号)の一部を次のように改正する。

  第十一条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律目次の改正規定を次のように改める。

   目次中「第百七十七条」を「第百七十七条の二」に、「第百七十七条の二」を「第百七十七条の二の二」に、「第二款 保険会社の更生手続における保険契約の取扱い等(第百七十七条の二十八―第百七十七条の三十四)」を

  第二款 保険会社の更生手続における保険契約の取扱い等(第百七十七条の二十八―第百七十七条の三十四)

 
 

第四章の二 金融機関等の再生手続の特例

 
 

 第一節 監督庁による再生手続開始の申立て等(第百七十八条―第百七十八条の七)

 
 

 第二節 預金保険機構の権限(第百七十八条の八―第百七十八条の二十四)

 
 

 第三節 投資者保護基金の権限(第百七十八条の二十五―第百七十八条の四十)

  に、「第百七十八条」を「第百七十八条の四十一」に改める。

  第十一条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第二条の改正規定を次のように改める。

   第二条第七項を次のように改める。

  7 この法律において「預金等債権」とは、預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第二項に規定する預金等(政令で定めるものを除く。)に係る債権をいう。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第二十九条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第三十条 附則第二条から第十七条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第三十一条 政府は、この法律の施行後三年以内に、保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度等の実施状況、保険会社の経営の健全性の状況等を勘案し、この法律による改正後の保険契約者等の保護のための制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置を講ずるものとする。

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