衆議院

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第一五〇回

参第一三号

   警察法の一部を改正する法律案

 警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第七十六条」を「第七十五条の二」に改める。

 第五条第二項第二号中「予算」の下に「(国家公安委員会に関するものを除く。)」を加え、同条第四項を同条第六項とし、同条第三項の次に次の二項を加える。

4 国家公安委員会は、第二項の事務に関し必要な監察を行うほか、警察行政に関する調査及び検討並びに苦情の処理を行う。

5 国家公安委員会は、第十三条の三第一項の規定に基づく意見の提出若しくは同条第二項の規定に基づく調査の結果の報告又は第十三条の四第四項の規定に基づく意見の提出を受けたときは、警察庁に対し具体的又は個別的な事項にわたる指示をすることができる。

 第五条の次に次の一条を加える。

 (国会に対する報告)

第五条の二 国家公安委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して、国会に対し所掌事務の処理状況を報告しなければならない。

 第七条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項の次に次の一項を加える。

4 両議院は、第一項の同意又は前項の承認を求められた場合には、委員となろうとする者又は委員の出席を求め、その意見を聴くものとする。

 第八条第一項中「五年」を「三年」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第二項中「再任する」を「一回に限り再任される」に改める。

 第九条第一項中「第七条第四項」を「第七条第五項」に、「一に」を「いずれかに」に改める。

 第十一条に次の一項を加える。

4 委員長は、国家公安委員会の定めるところにより、会議の議事録を作成し、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条各号のいずれかに該当する情報が記載されている部分を除き、これを公表しなければならない。

 第十三条を次のように改める。

 (事務局)

第十三条 国家公安委員会の事務(第五条第四項の事務を除く。)を処理させるため、国家公安委員会に事務局を置く。

2 事務局に、事務局長及びその他の職員を置く。

3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

4 事務局の内部組織は、国家公安委員会規則で定める。

 第十三条の次に次の三条を加える。

 (中央警察監察委員室)

第十三条の二 国家公安委員会に中央警察監察委員室を置く。

2 中央警察監察委員室に、中央警察監察委員五人を置く。

3 中央警察監察委員は、第五条第四項の事務をつかさどる。

4 中央警察監察委員の事務を補佐させるため、中央警察監察委員室に中央警察監察補佐員を置く。

5 中央警察監察委員及び中央警察監察補佐員は、国家公務員法第二十七条の規定にかかわらず、警察又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者でなければならない。

6 中央警察監察委員及び中央警察監察補佐員は、国家公務員たる警察職員がしたその職務に関する犯罪及び国家公務員たる警察職員がその職務を行う際にした犯罪につき、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)に規定する司法警察員の職務を行う。

 (中央警察監察委員の調査等)

第十三条の三 中央警察監察委員は、国家公安委員会が管理する事務に関するすべての事項の調査に当たり、その実情及び改善すべき事項についての意見を国家公安委員会に提出する。

2 中央警察監察委員は、国家公務員たる警察職員が次の各号のいずれかに該当する疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、その結果を国家公安委員会に報告し、及び必要がある場合には犯罪の訴追に協力する。

 一 その職務を遂行するに当たつて、法令又は条例の規定に違反した場合

 二 前号に掲げるもののほか、職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合

 三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

3 中央警察監察委員は、前二項の調査(犯罪の捜査を除く。)を行うため必要があると認めるときは、次の各号に掲げる処分をすることができる。

 一 警察職員から報告を徴すること。

 二 警察庁又は管区警察局の庁舎その他の場所に立ち入り、関係のある物件を検査し、又は関係者に質問すること。

 三 警察職員に出頭を求めて質問すること。

 四 関係行政機関の長又は公私の団体その他の関係者に対し、資料又は情報の提供その他必要な協力を求めること。

4 中央警察監察委員は、必要があると認めるときは、中央警察監察補佐員に前項各号に掲げる処分をさせることができる。

5 第三項第二号に掲げる処分をする者は、その身分を証明する証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを示さなければならない。

 (苦情の申出等)

第十三条の四 警察行政について苦情がある者は、中央警察監察委員に対し、苦情の申出をすることができる。

2 中央警察監察委員は、前項の申出があつたときは、その相談に応じ、申出者に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査する等これを誠実に処理しなければならない。

3 中央警察監察委員は、第一項の申出が文書によりなされたとき(口頭による申出がなされた場合であつて、文書によることができないことに相当の理由があるときを含む。)は、その処理の結果を文書により申出者に通知しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 申出が警察の事務の適正な遂行を妨げる目的で行われたと認めるとき。

 二 申出者の所在が不明であるとき。

 三 申出者が他の者と共同で苦情の申出を行つたと認められる場合において、当該他の者に当該苦情に係る処理の結果を通知したとき。

4 中央警察監察委員は、第一項の申出に係る苦情の処理に関して必要があると認めるときは、国家公安委員会に対し意見を提出することができる。

 第三十八条中第六項を第八項とし、第五項を第七項とし、第四項の次に次の二項を加える。

5 都道府県公安委員会は、第三項の事務に関し必要な監察を行うほか、警察行政に関する調査及び検討並びに都道府県警察に係る苦情の処理を行う。

6 都道府県公安委員会は、第四十四条の三第一項の規定に基づく意見の提出若しくは同条第二項の規定に基づく調査の結果の報告又は第四十四条の四第四項の規定に基づく意見の提出を受けたときは、警視庁又は道府県警察本部に対し具体的又は個別的な事項にわたる指示をすることができる。

 第三十八条の次に次の一条を加える。

 (議会に対する報告)

第三十八条の二 都道府県公安委員会は、毎年、都道府県の議会に対し所掌事務の処理状況を報告しなければならない。

 第三十九条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。

2 都道府県及び指定市の議会は、前項の同意を求められた場合には、委員となろうとする者の出席を求め、その意見を聴くものとする。

 第四十条第二項中「再任する」を「一回に限り再任される」に改める。

 第四十一条第一項中「左の」を「次の」に、「一に」を「いずれかに」に改め、同項ただし書中「但し」を「だだし」に、「因る」を「よる」に改め、同項第一号中「第三十九条第二項」を「第三十九条第三項」に改め、同項第二号中「但書」を「ただし書」に改める。

 第四十二条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 委員のうち少なくとも一人以上は、常勤としなければならない。

 第四十三条の次に次の一条を加える。

 (議事録の公表)

第四十三条の二 委員長は、都道府県公安委員会の定めるところにより、会議の議事録を作成し、当該都道府県の情報公開条例(都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例をいう。)の行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条各号の規定に相当する規定に該当する情報が記載されている部分を除き、これを公表しなければならない。

 第四十四条を次のように改める。

 (事務局)

第四十四条 都道府県公安委員会の事務(第三十八条第五項の事務を除く。)を処理させるため、都道府県公安委員会に事務局を置く。

2 事務局に、事務局長及びその他の職員を置く。

3 事務局長は、委員長の命を受けて局務を掌理する。

4 事務局長その他の常勤の職員の定数は、条例で定める。ただし、臨時の職員については、この限りでない。

 第四十四条の次に次の三条を加える。

 (都道府県警察監察委員室)

第四十四条の二 都道府県公安委員会に都道府県警察監察委員室を置く。

2 都道府県警察監察委員室に都道府県警察監察委員五人以内を置く。

3 都道府県警察監察委員は、第三十八条第五項の事務をつかさどる。

4 都道府県警察監察委員の事務を補佐させるため、都道府県警察監察委員室に都道府県警察監察補佐員を置く。

5 第十三条の二第五項及び第六項並びに前条第四項の規定は、都道府県警察監察委員及び都道府県警察監察補佐員について準用する。この場合において、第十三条の二第五項中「国家公務員法第二十七条」とあるのは「地方公務員法第十三条」と、同条第六項中「国家公務員たる警察職員」とあるのは「都道府県警察の職員」と読み替えるものとする。

 (都道府県警察監察委員の調査等)

第四十四条の三 都道府県警察監察委員は、都道府県公安委員会が管理する事務に関するすべての事項の調査に当たり、その実情及び改善すべき事項についての意見を都道府県公安委員会に提出する。

2 都道府県警察監察委員は、都道府県警察の職員が次の各号のいずれかに該当する疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、その結果を都道府県公安委員会に報告し、及び必要がある場合には犯罪の訴追に協力する。

 一 その職務を遂行するに当たつて、法令又は条例の規定に違反した場合

 二 前号に掲げるもののほか、職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合

 三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

3 都道府県警察監察委員は、前二項の調査(犯罪の捜査を除く。)を行うため必要があると認めるときは、次の各号に掲げる処分をすることができる。

 一 警察職員から報告を徴すること。

 二 警視庁又は道府県警察本部の庁舎その他の場所に立ち入り、関係のある物件を検査し、又は関係者に質問すること。

 三 警察職員に出頭を求めて質問すること。

 四 関係行政機関の長又は公私の団体その他の関係者に対し、資料又は情報の提供その他必要な協力を求めること。

4 第十三条の三第四項及び第五項の規定は、前項各号の処分について準用する。この場合において、同条第四項中「中央警察監察委員」とあるのは「都道府県警察監察委員」と、「中央警察監察補佐員」とあるのは「都道府県警察監察補佐員」と読み替えるものとする。

 (苦情の申出等)

第四十四条の四 都道府県警察に係る苦情がある者は、都道府県警察監察委員に対し、苦情の申出をすることができる。

2 都道府県警察監察委員は、前項の申出があつたときは、その相談に応じ、申出者に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査する等これを誠実に処理しなければならない。

3 都道府県警察監察委員は、第一項の申出が文書によりなされたとき(口頭による申出がなされた場合であつて、文書によることができないことに相当の理由があるときを含む。)は、その処理の結果を文書により申出者に通知しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

 一 申出が警察の事務の適正な遂行を妨げる目的で行われたと認めるとき。

 二 申出者の所在が不明であるとき。

 三 申出者が他の者と共同で苦情の申出を行つたと認められる場合において、当該他の者に当該苦情に係る処理の結果を通知したとき。

4 都道府県警察監察委員は、第一項の申出に係る苦情の処理に関して必要があると認めるときは、都道府県公安委員会に対し意見を提出することができる。

 第四十六条第二項中「第六項並びに」を「第八項、」に、「前条まで」を「第四十四条まで並びに前条」に、「第三十八条第六項」を「第三十八条第八項」に改める。

 第六十五条中「(昭和二十三年法律第百三十一号)」を削る。

 第七章中第七十六条の前に次の一条を加える。

 (情報公開の推進)

第七十五条の二 国及び地方公共団体は、警察行政の運営の透明性を向上させ、警察に対する国民の信頼を確保するためには、警察の保有する情報の公開が欠くことのできないものであることにかんがみ、その積極的な公開の推進を図るものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成十三年四月一日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に在職する国家公安委員会の委員の任期は、この法律による改正後の警察法(以下「新法」という。)第八条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に在職する国家公安委員会の委員、都道府県公安委員会の委員又は方面公安委員会の委員であって二回以上再任されているものは、新法第八条第二項又は第四十条第二項(新法第四十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、一回再任されているものとみなす。

3 新法第四十二条第三項(新法第四十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の際現に在職する都道府県公安委員会の委員又は方面公安委員会の委員のうちこの法律の施行の日以後最初に任期が満了する都道府県公安委員会の委員又は方面公安委員会の委員の当該任期が満了するまでの間においては、当該都道府県公安委員会の委員又は方面公安委員会の委員が選任されている都道府県公安委員会又は方面公安委員会については、適用しない。

 (検察審査会法の一部改正)

第三条 検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)の一部を次のように改正する。

  第六条中「左に」を「次に」に改め、同条第十一号中「国家公安委員会委員、都道府県公安委員会委員及び」を「国家公安委員会の委員及び職員、都道府県公安委員会の委員及び職員並びに」に改める。

 (地方公務員法の一部改正)

第四条 地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

  第六条第一項中「教育委員会」の下に、「、公安委員会」を加える。

 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)

第五条 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の一部を次のように改正する。

  第五条第四号中「と行政機関の長が認めることにつき相当の理由が」を「ことが明らかで」に改める。

 (内閣府設置法の一部改正)

第六条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第三項第五十八号中「及び第三項」を「から第五項まで」に改める。

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