第一五六回
参第一八号食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成十二年法律第百十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五章 再生利用事業計画(第十八条・第十九条)」を
「 |
第五章 再生利用事業計画(第十八条・第十九条) |
|
第五章の二 市町村の再生利用の実施(第十九条の二―第十九条の七) |
」 |
に改める。
第一条中「食品関連事業者」の下に「及び市町村」を、「事業の健全な発展」の下に「及び循環型社会の形成」を加える。
第六条中「地方公共団体は」を「都道府県及び市町村は、前二項に規定するもののほか」に改め、同条を同条第三項とし、同項の前に次の二項を加える。
市町村は、その区域内における一般廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)第二条第二項に規定する一般廃棄物をいう。以下同じ。)に該当する食品循環資源について、その再生利用に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分達成されるように必要な技術的援助を与えることに努めなければならない。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 市町村の再生利用の実施
(市町村基本計画)
第十九条の二 市町村は、一般廃棄物に該当する食品循環資源の再生利用をしようとするときは、基本方針に即して、当該市町村の区域内の一般廃棄物に該当する食品循環資源の再生利用に関する基本計画(以下「市町村基本計画」という。)を定めなければならない。
2 市町村基本計画においては、当該市町村が行うその区域内の一般廃棄物に該当する食品循環資源の再生利用に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 食品廃棄物等(一般廃棄物に該当するものに限る。以下この章において同じ。)の排出量の見込み及び排出される食品廃棄物等に係る食品循環資源の量の見込み
二 市町村が分別収集(廃棄物を分別して収集することをいう。以下同じ。)をするものとした食品廃棄物等の種類並びに当該食品廃棄物等の排出量の見込み及び排出される当該食品廃棄物等に係る食品循環資源の量の見込み
三 食品廃棄物等の分別収集に関する基本的事項
四 その他食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用に関する基本的事項
3 市町村基本計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、当該市町村の区域内の一般廃棄物に該当する食品循環資源の再生利用と併せて行うべき食品廃棄物等の発生の抑制及び減量のための方策に関する事項を定めることができる。
4 市町村は、市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(市町村分別収集計画)
第十九条の三 市町村は、市町村基本計画を定めたときは、当該市町村が行うその区域内の食品廃棄物等の分別収集に関する計画(以下「市町村分別収集計画」という。)を定めなければならない。
2 市町村分別収集計画においては、当該市町村が行うその区域内の食品廃棄物等の分別収集に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 分別収集をするものとした食品廃棄物等の収集に係る分別の区分
二 分別収集をするものとした食品廃棄物等の排出前の保管に関する事項
三 分別収集をするものとした食品廃棄物等の排出に関する事項
四 分別収集を実施する者に関する基本的事項
五 その他食品廃棄物等の分別収集の実施に関する重要事項
3 市町村分別収集計画は、当該市町村が定める市町村基本計画に即し、かつ、当該市町村が廃棄物処理法第六条第一項の規定により定める一般廃棄物処理計画に適合するものでなければならない。
4 前条第四項の規定は、市町村分別収集計画について準用する。
(食品廃棄物等の分別収集)
第十九条の四 市町村は、市町村分別収集計画を定めたときは、これに従って食品廃棄物等の分別収集をしなければならない。
2 市町村は、食品廃棄物等の分別収集をするときは、当該市町村の区域内において食品廃棄物等を排出する者が遵守すべき分別、保管及び排出方法の基準を定めるとともに、これを周知させるために必要な措置を講じなければならない。
3 前項に規定する分別、保管及び排出方法の基準が定められたときは、当該市町村の区域内において第一項の規定による分別収集に係る食品廃棄物等を排出する者は、当該基準に従い、食品廃棄物等を適正に分別し、保管し、かつ、排出しなければならない。
(市町村再生利用計画)
第十九条の五 市町村は、市町村分別収集計画を定めるときは、当該市町村がその区域内で分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用の実施及びこれにより得られた特定肥飼料等の利用に関する計画(以下「市町村再生利用計画」という。)を併せて定めなければならない。
2 市町村再生利用計画においては、当該市町村がその区域内で分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用の実施及びこれにより得られた特定肥飼料等の利用に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用の実施内容
二 分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用を行う事業場の名称及び所在地
三 特定肥飼料等の製造の用に供する施設の種類及び規模
四 その他分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用の実施及びこれにより得られた特定肥飼料等の利用に関する重要事項
3 第十九条の二第四項及び第十九条の三第三項の規定は、市町村再生利用計画について準用する。
(市町村の再生利用)
第十九条の六 第十九条の四第一項の規定により食品廃棄物等の分別収集をした市町村は、市町村再生利用計画に従い、分別収集をした食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用をしなければならない。
2 前項の規定により市町村が行う再生利用に関する基準は、他の法令に定めるもののほか、政令で定める。
3 市町村は、第一項の場合において、特定肥飼料等の製造を他人に委託し、又は食品循環資源を特定肥飼料等の製造を行う者に譲渡しようとするときは、登録再生利用事業者の活用に努めなければならない。
(国庫補助)
第十九条の七 国は、市町村に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、市町村再生利用計画に基づく食品循環資源の再生利用をするための施設の整備につき、市町村が自ら行う場合にあってはその要する費用の一部を、市町村が出資している法人その他の政令で定める者が行う場合にあってはその者に対し市町村が補助する費用の一部を補助することができる。
第二十条第一項中「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)」を「廃棄物処理法」に改め、「(廃棄物処理法第二条第二項に規定する一般廃棄物をいう。第三項において同じ。)」を削る。
第二十二条の次に次の一条を加える。
(特別な助成)
第二十二条の二 国は、生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与するため、食品循環資源の再生利用をするための施設の整備に必要な資金の融通又はそのあっせんに努めるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(基本方針に関する経過措置)
2 主務大臣は、この法律の公布後直ちに、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律第三条第一項に規定する基本方針(以下「基本方針」という。)につき、この法律の施行に伴い必要となる改定をし、かつ、これを公表しなければならない。この場合において、当該基本方針の改定は、この法律の施行の日にその効力を生ずるものとする。
理 由
家庭から排出される食品廃棄物等の利用が十分に行われていない現状にかんがみ、循環型社会の形成を促進するため、市町村基本計画の策定その他市町村による一般廃棄物に該当する食品循環資源の再生利用を図るための措置等を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
この法律の施行に伴い必要となる経費
この法律の施行に伴い必要となる経費は、平年度約六十億円の見込みである。