衆議院

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第一五七回

参第三号

   国の行政機関等の職員等の営利企業等への就職の制限等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員について、その離職後、国の行政機関等又は独立行政法人等と密接な関係にある営利企業等の地位に就くことの制限等の措置を定めることにより、国の行政機関等の業務の公正な執行及び独立行政法人等の業務の適正な運営の確保を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「国の行政機関等の職員」とは、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第二項に規定する一般職に属する職員並びに同条第三項第三号、第四号、第五号の二、第五号の三、第九号から第十一号まで及び第十六号から第十八号までに掲げる職員(同項第九号に掲げる職員にあっては政令で定めるものに、同項第十一号に掲げる職員にあっては特命全権大使及び特命全権公使に限る。)をいう。

2 この法律において「独立行政法人等」とは、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)第二条第一項に規定する独立行政法人等(特定独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第二項に規定する特定独立行政法人をいう。以下同じ。)及び日本郵政公社を除く。)をいう。

3 この法律において「営利企業等」とは、次に掲げるものをいう。

 一 商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(第四号において「営利企業」という。)

 二 独立行政法人等

 三 その行う業務が国の行政運営と密接な関連を有するものとして政令で定める法人又は団体(特定独立行政法人及び日本郵政公社を除く。)

 四 営利企業を営む会社その他の団体を主たる構成員とし、その共通の利益を増進することを主たる目的とする団体又はその連合体

 (就職の制限)

第三条 国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員は、その離職後五年間は、営利企業等の地位で、その離職前五年間に在職していた政令で定める国の行政機関、特定独立行政法人、日本郵政公社又は独立行政法人等(以下「在職機関」という。)と監督関係、契約関係その他の密接な関係にあるものに就くことを承諾し、又は就いてはならない。

2 前項の者のうち、その離職前五年間に次に掲げる者として在職した期間のある者についての当該期間に係る同項の規定の適用については、同項中「離職後五年間は」とあるのは「離職後」と、「在職していた」とあるのは「次項各号に掲げる者として在職していた」とする。

 一 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)別表第一イ行政職俸給表の適用を受ける職員で同表の職務の級が十級以上のもの及びこれと同等以上のものとして政令で定める国の行政機関等の職員

 二 独立行政法人等の役員

3 前二項の規定は、国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員が、政令で定める基準に従い行う任命権者(国家公務員法第五十五条第一項の規定その他の法律の規定により任命権を有する者をいう。以下同じ。)(特定独立行政法人、日本郵政公社及び独立行政法人等の役員及び職員にあっては、主務大臣。第五項において同じ。)の承認を受けた場合には、適用しない。

4 前項の政令で定める基準は、在職機関と営利企業等との監督関係、契約関係その他の関係、当該役員又は職員が離職前五年間に就いていた官職又は職及びその職務内容、当該役員又は職員が就こうとする営利企業等の地位、当該役員又は職員の離職後の期間その他の事情を考慮して、当該役員又は職員が当該営利企業等の地位に就くことにより、国の行政機関等の業務の公正な執行及び独立行政法人等の業務の適正な運営並びにこれらに対する国民の信頼が損なわれることがないようにするものでなければならない。

5 任命権者は、第三項に規定する承認を行い、又は行わないこととする場合には、国家公務員等離職者就職審査会に付議し、その議決に基づいて行わなければならない。

6 国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員の離職前五年間の在職関係に関する事項、第三項に規定する承認の手続その他前各項(第四項を除く。)の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (役員の報酬等の支給基準)

第四条 特定独立行政法人、日本郵政公社及び独立行政法人等の役員が受ける報酬及び退職手当の支給の基準は、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与及び退職手当の例に準じて定められるものとする。

 (国会への報告)

第五条 内閣は、毎年、遅滞なく、国会に対し、前年において任命権者又は主務大臣が行った第三条第三項に規定する承認の処分に関し、承認に係る者の在職機関における官職又は職、承認に係る営利企業等の地位及び承認をした理由その他必要な事項を報告しなければならない。

 (非常勤職員等に関する特例)

第六条 第三条の規定の適用については、政令で定める非常勤の職員その他の者は同条に規定する役員及び職員に含まれないものとし、これらの者としての在職は同条に規定する在職に含まれないものとし、これらの者以外の役員及び職員がこれらの者になった場合には、その際離職したものとみなす。

 (国立大学の教員となろうとする場合等の特例)

第七条 第三条の規定は、国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員が国立大学の教員となろうとする場合、国立大学の教員が他の国立大学の教員となろうとする場合その他の政令で定める場合には、適用しない。

 (罰則)

第八条 第三条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に違反して営利企業等の地位に就いた者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

   附 則

1 この法律は、別に法律で定める日から施行する。

2 国家公務員等離職者就職審査会の設置及びこの法律の施行に伴い必要な経過措置、関係法律の整備その他必要な事項については、別に法律で定める。

     理 由

 国の行政機関等の業務の公正な執行及び独立行政法人等の業務の適正な運営の確保を図るため、国の行政機関等の職員並びに独立行政法人等の役員及び職員について、その離職後、国の行政機関等又は独立行政法人等と密接な関係にある営利企業等の地位に就くことの制限等の措置を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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