衆議院

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第一五九回

衆第一二号

   児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案

 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「かんがみ」の下に「、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ」を加え、「の擁護に資する」を「を擁護する」に改める。

 第二条第二項第三号中「後見人」を「未成年後見人」に改め、同条第三項中「ビデオテープ」を「電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体」に、「該当する」を「掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した」に改め、同項各号中「を視覚により認識することができる方法により描写したもの」を削る。

 第四条中「三年」を「五年」に、「百万円」を「三百万円」に改める。

 第五条第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条第二項中「五年」を「七年」に、「五百万円」を「千万円」に改める。

 第六条第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条第二項中「五年」を「七年」に、「五百万円」を「千万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (児童ポルノの製造等の禁止)

第六条の二 何人も、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、若しくは本邦から輸出し、又は第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならない。

 第七条の見出しを「(児童ポルノ提供等)」に改め、同条第三項中「第一項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項に後段として次のように加える。

  同項に掲げる行為の目的で、前条の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 第七条第二項を同条第五項とし、同条第一項中「頒布し、販売し、業として貸与し」を「不特定若しくは多数の者に提供し」に、「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同項に後段として次のように加える。

  電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

 第七条第一項を同条第四項とし、同条に第一項から第三項までとして次の三項を加える。

  児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。

2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、前条の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。

 第八条第一項中「第二条第三項第一号、第二号若しくは第三号の」を「第二条第三項各号のいずれかに掲げる」に改める。

 第九条中「から前条まで」を「、第六条及び前二条」に改める。

 第十条中「及び第二項」を「から第五項まで」に改める。

 第十一条中「から第七条まで」を「、第六条及び第七条」に改める。

 第十二条第一項及び第十三条中「第八条まで」を「第六条まで、第七条及び第八条」に改める。

 第十四条第一項及び第二項中「頒布等」を「提供等」に改める。

 第十七条中「罪」を「規定」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、附則第四条の規定は、この法律の施行の日又は犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第▼▼▼号)の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (検討)

第二条 児童買春及び児童ポルノの規制その他の児童を性的搾取及び性的虐待から守るための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の施行状況、児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の適用に関する経過措置)

第三条 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)別表第五十九号の規定の適用については、同号中「第七条(児童ポルノ頒布等)」とあるのは、「第七条第四項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等)、第五項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等の目的による製造等)若しくは第六項(児童ポルノの不特定又は多数の者に対する提供等の目的による外国への輸入等)」とする。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第四条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を次のように改正する。

  別表第二第二十一号を削る。


     理 由

 児童買春及び児童ポルノに係る行為の実情、児童の権利の擁護に関する国際的動向等にかんがみ、これらの行為が強い非難に値することをより明らかにし、児童の権利の擁護を十全なものとするため、これらの行為について、厳格な処罰を行うことができるように法定刑を引き上げるとともに、その処罰の範囲を広げる等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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