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第一六二回

閣第四〇号

   旅券法及び組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案

 (旅券法の一部改正)

第一条 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条中「左の」を「次の」に改め、同条第六号中「又は再発給」を削り、同号を同条第七号とし、同条中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。

  四 渡航書 第十九条の三第一項に規定する渡航書をいう。

  第三条第二項第一号中「第十条の二」を「第十一条」に改める。

  第五条第二項中「一般旅券を発行するとき、」を「一般旅券を発行するとき、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録を行つていない一般旅券を発行するとき、」に改める。

  第十条を削る。

  第九条第三項中「生じ、又は」の下に「旅券の記載事項若しくは旅券に電磁的方法により記録された事項に」を加え、同条第四項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条を第十条とし、第八条を第九条とする。

  第七条第三項中「事情等」を「事情その他の」に改め、同条を第八条とし、第六条の次に次の一条を加える。

  (旅券の電磁的方法による記録)

 第七条 外務大臣又は領事官は、旅券の名義人の写真及び前条第一項に掲げる事項の一部であつて外務省令で定めるものを、旅券に電磁的方法により記録することができる。

  第十一条を削る。

  第十条の二中「一に」を「いずれかに」に改め、第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。

  三 旅券を著しく損傷したとき。

  第十条の二を第十一条とする。

  第十二条第一項中「(再発給を含む。以下第十九条の三までにおいて同じ。)」を削り、同条第三項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に、「第八条第三項後段」を「第九条第三項後段」に改める。

  第十三条第一項中「左の」を「次の」に、「一に」を「いずれかに」に改め、同項第三号中「終る」を「終わる」に改め、同項第四号中「規定に該当して」を「規定により」に改め、同項第五号中「除く外」を「除くほか」に、「且つ」を「、かつ、」に、「虞が」を「おそれが」に改め、同号を同項第七号とし、同項第四号の二を同項第六号とし、同項第四号の次に次の一号を加える。

  五 旅券若しくは渡航書を偽造し、又は旅券若しくは渡航書として偽造された文書を行使し、若しくはその未遂罪を犯し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百五十五条第一項又は第百五十八条の規定により刑に処せられた者

  第十三条第二項中「前項第五号」を「前項第七号」に改める。

  第十五条中「、一般旅券再発給申請書、公用旅券発給請求書又は公用旅券再発給請求書」を「又は公用旅券発給請求書」に改める。

  第十七条中「旅券の名義人」を「一般旅券の名義人」に、「当該旅券」を「当該一般旅券」に、「都道府県知事又は」を「都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して」に改め、「国外においては」の下に「最寄りの領事館に出頭の上」を加え、同条後段を削り、同条に次のただし書を加える。

   ただし、国内において届け出る場合において、急を要し、かつ、都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるときは、直接外務省に出頭の上外務大臣に提出することができる。

  第十七条に次の三項を加える。

 2 前項の場合において、一般旅券の名義人が病気、身体の障害、交通至難の事情その他の真にやむを得ない理由により出頭が困難であると認められるときは、外務省令で定めるところにより、次に掲げる者を通じて届出を行うことができる。

  一 一般旅券の名義人の配偶者又は二親等内の親族

  二 前号に掲げる者のほか、一般旅券の名義人の指定した者(当該一般旅券の名義人のために届出を行うことが適当でない者として外務省令で定めるものを除く。)

 3 都道府県知事は、第一項の旅券の紛失又は焼失の届出を受理するに当たり、届出者が人違いでないこと及び届出者が紛失旅券等届出書に記載された住所又は居所に居住していることを確認するものとし、その確認のため、外務省令で定めるところによりこれを立証する書類の提示又は提出を届出者に求めることができる。

 4 公用旅券の名義人は、当該公用旅券を紛失し、又は焼失した場合には、外務省令で定めるところにより、遅滞なく、国内においては各省各庁の長を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館に出頭の上領事官に、その旨を届け出なければならない。

  第十八条第一項第六号を同項第七号とし、同項第五号を次のように改める。

  五 前条第一項又は第四項の規定による届出があつたとき。

  第十八条第一項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「第九条第三項」を「第十条第三項」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号を同項第三号とし、同項第一号の二中「(再発行を含む。第四号において同じ。)」を削り、同号を同項第二号とし、同条第二項中「前項第五号又は第六号」を「前項第六号又は第七号」に改める。

  第十九条第一項第一号及び第二号中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第二項中「第十三条第一項第五号」を「第十三条第一項第七号」に、「ときに」を「ときについて」に改め、同条第三項中「第四号の二」を「第六号」に改め、同条第五項中「第三号まで又は第五号の一に」を「第四号まで又は第六号のいずれかに」に改める。

  第十九条の三第一項及び第四項中「一に」を「いずれかに」に改める。

  第二十条第一項第一号中「一万三千円」を「一万四千円」に改め、同項第二号中「八千円」を「九千円」に、「三千円」を「四千円」に改め、同項第三号中「三千円」を「四千円」に改め、同項中第六号から第八号までを削り、第九号を第六号とし、第十号を第七号とし、同条第二項中「第九号」を「第六号」に改め、同条第三項中「第九号」を「第六号」に、「第八条第三項、第九条第四項、第十条第三項」を「第九条第三項、第十条第四項」に改め、同条第四項中「加えた額」の下に「に相当するものとして政令で定める額」を加え、同条第五項中「、発給又は再発給」を「又は発給」に、「前四項」を「前各項」に改める。

  第二十一条の三中「第七条第一項」を「第八条第一項」に、「第八条第一項」を「第九条第一項」に、「第九条第一項ただし書」を「第十条第一項ただし書」に改め、「、第十条第一項及び第三項」を削り、「第十七条」を「第十七条第一項から第三項まで」に改める。

  第二十三条第一項中「一に」を「いずれかに」に、「三年」を「五年」に、「又は三十万円」を「若しくは三百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同項第三号を次のように改める。

  三 行使の目的をもつて、自己名義の旅券又は渡航書を他人に譲り渡し、又は貸与した者

  第二十三条第一項中第五号を第七号とし、第四号を第六号とし、第三号の次に次の二号を加える。

  四 行使の目的をもつて、他人名義の旅券又は渡航書を譲り渡し、若しくは貸与し、譲り受け、若しくは借り受け、又は所持した者

  五 行使の目的をもつて、旅券又は渡航書として偽造された文書を譲り渡し、若しくは貸与し、譲り受け、若しくは借り受け、又は所持した者

  第二十三条第二項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項を同条第四項とし、同条第一項の次に次の二項を加える。

 2 営利の目的をもつて、前項第一号、第四号又は第五号の罪を犯した者は、七年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 3 第一項(第四号及び第五号の所持に係る部分並びに第六号を除く。)及び前項(第一項第四号及び第五号の所持に係る部分を除く。)の未遂罪は、罰する。

  第二十五条中「第二十三条第一項又は第二項に掲げる者に該当する者の旅券又は渡航書」を「第二十三条の罪(第一項第一号の未遂罪を除く。)を犯した者の旅券若しくは渡航書又は旅券若しくは渡航書として偽造された文書」に改める。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第二条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第一号イ中「、第四号若しくは第五号」を「若しくは第四号から第六号まで」に改める。

  別表第一第四号ニ中「ヘ」を「ト」に改め、同号ヘ中「ホ」を「ヘ」に改め、同号中ヘをトとし、ホの次に次のように加える。

   ヘ 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第二十三条第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第三号から第五号まで(自己名義旅券等の譲渡等、他人名義旅券等の譲渡等、偽造旅券等の譲渡等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪又はこれらの罪の未遂罪

  別表第一に次の一号を加える。

  六 旅券法第二十三条第一項第一号(旅券等の不正受交付)若しくは第三号から第五号まで(自己名義旅券等の譲渡等、他人名義旅券等の譲渡等、偽造旅券等の譲渡等)若しくは第二項(営利目的の旅券等の不正受交付等)の罪又はこれらの罪の未遂罪

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第一条中旅券法第十三条、第十九条、第二十三条及び第二十五条の改正規定並びに附則第五条の規定公布の日から起算して六月を経過した日

 二 第二条の規定 公布の日から起算して六月を経過した日又は犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第▼▼▼号)の施行の日のいずれか遅い日

 (旅券法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 第一条の規定による改正前の旅券法(以下「旧法」という。)の規定に基づいて再発行された旅券でこの法律の施行の際現に有効なもの及び次条の規定に基づいて再発行された旅券は、第一条の規定による改正後の旅券法(以下「新法」という。)第五条又は第五条の二の規定により発行された旅券とみなす。

第三条 この法律の施行の日前にされた旅券に関する申請若しくは請求又は当該申請若しくは請求に係る処分については、なお従前の例による。

第四条 旅券を紛失し、又は焼失した者が、旧法第十条第一項若しくは第二項の規定に基づき旅券の再発給の申請若しくは請求を行った場合又は旧法第十九条の三第一項の規定に基づき渡航書の申請を行った場合における当該紛失し、又は焼失した旅券の効力については、旧法第十八条第一項第五号の規定は、なおその効力を有する。

第五条 新法第十三条第一項第五号の規定は、附則第一条第一号に定める日以後に刑に処せられた者について適用する。

第六条 新法第二十条第一項、第三項、第四項及び第六項の規定は、この法律の施行の日以後にされる旅券に関する申請に係る手数料について適用し、同日前にされた旅券に関する申請に係る手数料については、なお従前の例による。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第七条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)

第八条 第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日が犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日後となった場合には、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第九条第一項から第三項まで、第十条及び第十一条の規定は、第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日前に財産上の不正な利益を得る目的で犯した旧法第二十三条第一項の罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為より得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に関して第一条中旅券法第二十三条の改正規定の施行の日後にした行為に対しても、適用する。この場合において、これらの財産は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第二条第二項第一号の犯罪収益とみなす。

 (地方自治法の一部改正)

第九条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の項中「第七条第一項」を「第八条第一項」に、「第八条第一項」を「第九条第一項」に、「第九条第一項ただし書」を「第十条第一項ただし書」に改め、「、第十条第一項及び第三項」を削り、「第十七条」を「第十七条第一項から第三項まで」に改める。

 (住民基本台帳法の一部改正)

第十条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

  別表第一の四十一の項及び別表第五第五号中「第八条第一項」を「第九条第一項」に、「第九条第一項」を「第十条第一項」に改め、「同法第十条第一項の再発給又は」を削り、「増補」の下に「又は同法第十七条第一項の届出」を加える。

 (行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の一部改正)

第十一条 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。

  別表旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)の項中「第八条第一項」を「第九条第一項」に、「第九条第一項ただし書」を「第十条第一項ただし書」に改め、「、第十条第一項及び第二項(同条第二項については、領事官に対する請求に係る部分に限る。)」を削り、「第七条第一項」を「第八条第一項」に、「第八条第三項、第九条第四項、第十条第三項」を「第九条第三項、第十条第四項」に改める。


     理 由

 近年増加している旅券の不正取得等の旅券犯罪に対処し、併せて海外に渡航する国民の便宜を図るため、旅券の名義人の写真等を電磁的方法により記録した旅券を発給できるようにし、紛失又は焼失した旅券の失効制度を導入し、及び罰則を強化するとともに、国連国際組織犯罪防止条約を補足する密入国議定書の締結に伴い、旅券法の罪を組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の犯罪収益等隠匿罪等の前提犯罪に加える必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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