第一六四回
参第一四号
国が行う契約の過程及び内容の透明性の確保等による契約事務の適正化を図るための会計法の一部を改正する法律案
会計法(昭和二十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第二十九条の七中「以下次条」を「次条第一項及び第二十九条の八の二第一項」に改める。
第二十九条の八の次に次の一条を加える。
第二十九条の八の二 契約担当官等は、第二十九条の三第三項若しくは第五項の規定による指名競争により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、その日の翌日から起算して六十日以内に、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を公表しなければならない。
一 落札又は随意契約に係る物品又は役務の名称、落札金額又は随意契約に係る契約金額その他の契約の内容に関する事項で政令で定めるもの
二 指名競争に付し、又は随意契約によることとした理由その他の契約の過程に関する事項で政令で定めるもの
三 落札者又は随意契約の相手方の氏名又は名称その他の落札者又は随意契約の相手方に関する事項(次号及び第五号に掲げるものを除く。)で政令で定めるもの
四 落札者又は随意契約の相手方が個人である場合においては、その者が国の職員であつた者であるときは、その旨
五 落札者又は随意契約の相手方が法人その他の団体である場合においては、その役員のうちに国の職員であつた者があるときは、その数
六 その他政令で定める事項
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 契約に係る国の行為を秘密にする必要がある場合
二 契約に係る予定価格が少額なものとして政令で定める額を超えない場合
三 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第三十一条の規定による米穀等の買入れに係る契約その他のその性質又は目的により前項の規定による公表を行う必要がないものとして政令で定める契約である場合
第二十九条の十二中「電気通信役務」の下に「(情報処理システム(電子計算機及びプログラムの集合体であつて、情報処理の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。)の開発及び運用を除く。)」を加える。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律による改正後の会計法第二十九条の八の二の規定は、この法律の施行の日前に指名競争又は随意契約の手続に着手していた場合における当該指名競争又は当該随意契約については、適用しない。
3 前項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
4 国は、この法律による改正後の会計法第二十九条の八の二の規定による情報の公表により明らかになる契約の実態を踏まえ、指名競争及び随意契約の在り方について常に検討を行い、その結果に基づき、指名競争に付し、及び随意契約によることとすることができる場合の基準の厳格化その他の指名競争及び随意契約に係る契約事務の適正化を図るために必要な措置を講ずるものとする。
理 由
国が行う契約の過程及び内容の透明性の確保等による契約事務の適正化を図るため、指名競争により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、その日の翌日から起算して六十日以内に、落札又は随意契約に係る物品又は役務の名称その他の契約の内容に関する事項、指名競争に付し又は随意契約によることとした理由その他の契約の過程に関する事項、落札者又は随意契約の相手方の役員のうちの国の職員であった者の数その他の相手方に関する事項等を公表しなければならないこととする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。