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第一六六回

衆第四八号

   債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案

 債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第十九条」を「第十九条の四」に改める。

 第二条第一項第三号の次に次の五号を加える。

 三の二 第一号に掲げる者が有する社債(当該社債の発行が金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する有価証券の私募によるものに限る。次号において同じ。)

 三の三 第一号に掲げる者が有していた社債

 三の四 第一号に掲げる者が有する資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第二条第七項に規定する特定社債(当該特定社債の発行が金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の私募によるものに限る。次号において同じ。)

 三の五 第一号に掲げる者が有していた特定社債

 三の六 第一号に掲げる者であって手形の割引を業として行うものが、その業として手形の割引をしたことに基づいて取得する金銭債権

 第二条第一項第五号中「提示して」を「提示し若しくは通知して」に改め、「商品」の下に「若しくは権利」を加え、「役務の提供を受けること」を「有償で役務の提供を受けること」に改め、「物」の下に「又は番号、記号その他の符号」を、「)に交付し」の下に「又は付与し」を加え、同項第六号中「商品」の下に「若しくは権利」を加え、同項第七号中「提示して」を「提示し若しくは通知して」に改め、「商品」の下に「若しくは権利」を加え、「役務の提供を受ける」を「有償で役務の提供を受ける」に、「証票その他の物を」を「証票その他の物又は番号、記号その他の符号(以下この号において「証票等」という。)を」に改め、「交付し」の下に「又は付与し」を加え、「証票その他の物と」を「証票等と」に改め、「その提示」の下に「若しくは通知」を加え、同項第七号の二中「提示して商品」を「提示し若しくは通知して商品又は権利」に改め、「物」の下に「又は番号、記号その他の符号」を加え、同項第八号中「(平成十年法律第百五号)」を削り、同項第十二号中「株式会社」の下に「若しくは合同会社」を加え、同号イ中「(昭和二十三年法律第二十五号)」を削り、同項第十四号中「株式会社」の下に「若しくは合同会社」を加え、同号の次に次の六号を加える。

 十四の二 投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十二項に規定する投資法人をいう。以下同じ。)が有する金銭債権(業として取得したものに限る。)

 十四の三 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が投資法人の有する資産であるもの

 十四の四 投資法人が業として取得した資産又は投資法人が信託の受益権を取得した場合において当該信託の受託者が有する資産(以下この号において「投資法人等が取得した資産」という。)の管理及び処分により生ずる金銭債権(投資法人若しくは信託の受託者が有するもの又は投資法人等が取得した資産を借り受けてこれを管理する者が有するものに限る。)

 十四の五 投資事業有限責任組合(投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合をいう。以下同じ。)が有する金銭債権(業として買い取ったものに限る。)

 十四の六 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が投資事業有限責任組合の有する資産であるもの

 十四の七 投資事業有限責任組合が業として取得した資産又は投資事業有限責任組合が信託の受益権を取得した場合において当該信託の受託者が有する資産(以下この号において「投資事業有限責任組合等が取得した資産」という。)の管理及び処分により生ずる金銭債権(投資事業有限責任組合若しくは信託の受託者が有するもの又は投資事業有限責任組合等が取得した資産を借り受けてこれを管理する者が有するものに限る。)

 第二条第一項第十五号中「行う者」の下に「(以下「事業者」という。)」を加え、「有する金銭債権(その業として買い取ったものに限る。)」を「、その業として買い取った金銭債権」に改め、同号の次に次の三号を加える。

 十五の二 第一号に掲げる者であって、事業者が有する一定の範囲に属する不特定の金銭債権について、当該事業者の申込みを受けて当該金銭債権に係る債務を保証し又は当該債務を引き受けることを業として行うものが、その業として保証し又は引き受けたことに基づいて取得する金銭債権

 十五の三 第一号に掲げる者であって、事業者が有する一定の範囲に属する不特定の金銭債権について、当該事業者との間で当該金銭債権に係る債務が履行されないことによって受ける損害をてん補する保険契約を締結することを業として行うものが、その業として締結した保険契約に基づき当該事業者に保険金を支払ったことにより当該金銭債権に係る債務者に対して取得する金銭債権

 十五の四 第一号に掲げる者であって、同号に掲げる貸付債権について、当該貸付債権の債務者との間で当該貸付債権に係る債務が履行されないことによって受ける損害をてん補する保険契約を締結することを業として行うものが、その業として締結した保険契約(当該貸付債権の債権者を被保険者として締結するものに限る。)に基づき当該貸付債権の債権者に保険金を支払ったことにより当該貸付債権の債務者に対して取得する金銭債権

 第二条第一項第十六号中「次号において」を「以下」に改め、同項第十七号の次に次の五号を加える。

 十七の二 手続開始決定を受けた者に対する金銭債権(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続開始前の原因に基づいて生じたもの(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続開始後の利息の請求権並びに不履行による損害賠償及び違約金の請求権を含む。)に限る。)(前各号又は次号から第二十二号までのいずれかに掲げる金銭債権に該当するものを除く。)

 十七の三 次に掲げる要件のいずれにも該当する事業者が有する金銭債権

  イ 当該事業者が、窮境に陥った事業の再生を図るため、事業の再生に関する計画(以下この号において「事業再生計画」という。)の案を作成していること。

  ロ 当該事業者が、事業再生計画により自己の権利が変更されるべき債権者(以下この号において「対象債権者」という。)に対し、当該事業再生計画の案の内容を書面により通知していること。

  ハ ロの通知に先立ち、当該事業者が、当該事業者の事業の再生に関し弁護士若しくは弁護士法人を代理人として選任していること又は当該事業者により若しくは当該事業者の同意を得て当該事業再生計画の案について意見を述べるために選任された弁護士若しくは弁護士法人から当該事業者が過大な債務を負っており若しくは支払不能となるおそれがある旨及び当該事業再生計画の案が法令に違反しておらず、かつ、不合理でない旨の意見が記載された書面を受け取っていること。

  ニ 当該事業者が、当該事業再生計画の案について、対象債権者の債権の元本の総額の二分の一を超える債権を有する対象債権者から書面で同意を得ていること。

  ホ 次に掲げる事由のいずれにも該当しないこと。

   (1) 当該事業再生計画の案について対象債権者全員の同意が得られないことが明らかであること。

   (2) ニの同意が得られた日の翌日から起算して一年を経過する日までに当該事業再生計画の案について対象債権者全員の同意が得られないこと。

   (3) 当該事業再生計画に基づいて対象債権者に対して負担する債務の履行を終えていること。

   (4) 当該事業再生計画に基づいて対象債権者に対して負担する債務が履行できないことが明らかであること。

   (5) 当該事業再生計画の案について対象債権者全員の同意が得られた日の翌日から起算して三年を経過していること。

   (6) ニの同意が得られた後に手続開始決定を受けていること。

 十七の四 前号に掲げる事業者が譲渡した金銭債権

 十七の五 次に掲げる要件のいずれにも該当する事業者が有する金銭債権

  イ 当該事業者が、知れている債権者に対し、清算(当該事業者が事業を継続し、又は当該事業を事業の譲渡、合併、会社分割若しくは会社の設立その他の方法により他の者が継続することを前提としないものに限る。以下この号において同じ。)を開始した旨を書面により通知していること。

  ロ イの通知に先立ち、当該事業者が、当該事業者の清算に関し弁護士又は弁護士法人を代理人として選任していること。

  ハ 次に掲げる事由のいずれにも該当しないこと。

   (1) 当該事業に係る清算が結了していること。

   (2) イの通知をした日の翌日から起算して三年を経過していること。

   (3) イの通知をした後に当該事業の継続を決定していること。

   (4) イの通知をした後に手続開始決定を受けていること。

 十七の六 前号に掲げる事業者が譲渡した金銭債権

 第二条第一項第二十一号中「を履行した場合に」を「に関して」に改め、同項第二十二号中「に類し」を「と同様の性質を有するものであってその管理及び回収を債権回収会社に行わせることが国民経済の健全な発展に特に資するもの」に改め、「又は」の下に「前各号に掲げる金銭債権に」を加える。

 第五条第八号中「足りる」の下に「経理的基礎又は」を加える。

 第十二条第二号中「前号」を「前二号」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

 二 金銭債権の管理又は回収に関する業務であって、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第二十条第一項(同法第二十三条において準用する場合を含む。)の契約による委託に基づき実施するもの

 第十八条第八項中「又は弁護士法人」を「若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人」に改め、同条に次の一項を加える。

10 債権回収会社は、第二条第一項第十七号の二に掲げる金銭債権について管理又は回収の業務を行おうとするときは、当分の間、あらかじめ、当該金銭債権の管理又は回収の業務を行うことについて、同号の手続開始決定を受けた者であってその代理人として弁護士又は弁護士法人が選任されているもの並びに破産管財人その他の当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続における当該手続開始決定を受けた者の財産の管理及び処分をする権利を有する者が裁判所に選任されている場合にあってはその者の書面による同意を得なければならない。

 第三章中第十九条の次に次の三条を加える。

 (債権回収会社が組織する団体)

第十九条の二 債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために債権回収会社が組織する団体(以下第十九条の四までにおいて「団体」という。)は、債権回収会社及びその業務に従事する者がその業務に関して遵守すべき基準の作成の支援その他債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために必要な活動を行うとともに、その活動の状況を公表するものとする。

 (法務大臣の援助)

第十九条の三 法務大臣は、債権回収会社の業務の運営の実情を踏まえつつ、団体に対し、その活動に関して、必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとする。

 (団体による報告)

第十九条の四 団体は、債権回収会社の業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、その旨を法務大臣に報告することができる。

 第二十四条第一項第三号中「この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれら」を「法令に違反し、又はこの法律(この法律に基づく命令を含む。)」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (調整規定)

第二条 この法律の施行の日が証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第六十六号)の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間におけるこの法律による改正後の債権管理回収業に関する特別措置法(以下「新法」という。)第二条第一項の規定の適用については、同項第三号の二及び第三号の四中「金融商品取引法」とあるのは「証券取引法」と、同項第十四号の二中「第二条第十二項」とあるのは「第二条第十九項」とする。

 (許可の取消し等に関する経過措置)

第三条 新法第二十四条第一項第三号の規定は、この法律の施行後に生じた事由を理由とする許可の取消し又は業務の全部若しくは一部の停止の命令について適用し、この法律の施行前に生じた事由を理由とする許可の取消し又は業務の全部若しくは一部の停止の命令については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第五条 新法の規定については、この法律の施行後五年以内に新法の規定の実施状況等を勘案しつつ検討が加えられるものとし、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとする。


     理 由

 社会経済情勢の変化に伴い、我が国の経済社会において事業の再生等を通じた金融機能の強化が求められていることにかんがみ、不良債権処理、資産流動化及び倒産処理の迅速化の一層の促進を図るため、債権回収会社の取扱債権の範囲を拡大する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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