第一六六回
閣第九三号
安全保障会議設置法等の一部を改正する法律案
(安全保障会議設置法の一部改正)
第一条 安全保障会議設置法(昭和六十一年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
国家安全保障会議設置法
第一条中「国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項」を「我が国の安全保障(以下「国家安全保障」という。)に関する事項」に、「安全保障会議」を「国家安全保障会議」に改める。
第二条第二項中「前項」を「前二項」に、「国防に関する重要事項及び重大緊急事態への対処に関する重要事項」を「国家安全保障に関する事項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項中「内閣総理大臣は」の下に「、前項に掲げるもののうち」を加え、同項第四号中「(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態をいう。以下同じ。)」を削り、同項第九号を次のように改める。
九 前項第三号に掲げる事項
第二条第一項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
会議は、内閣総理大臣の諮問に応じ、次の事項について審議する。
一 国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針
二 内閣総理大臣が必要と認める国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策に関する重要事項
三 内閣総理大臣が必要と認める重大緊急事態(武力攻撃事態等(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態をいう。以下同じ。)、周辺事態及び次項第七号又は第八号の規定によりこれらの規定に掲げる重要事項としてその対処措置につき諮るべき事態以外の緊急事態であつて、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、通常の緊急事態対処体制によつては適切に対処することが困難な事態をいう。)への対処に関する重要事項
四 その他内閣総理大臣が必要と認める国家安全保障に関する事項
第三条中「第五条第一項各号に掲げる議員(同条第二項の規定により臨時に会議に参加する議員を含む。)」を「議員」に改める。
第五条第一項を次のように改める。
第二条第一項に掲げる事項(同項第四号に掲げる事項については、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策に関するもの(同条第二項に掲げる事項の審議の前提となる国際的な情勢の判断については、同項第三号に掲げる事項に係るもの及び第四項に規定する事項に係るものを除く。)に限る。)で、同条第二項に掲げる事項以外のものについて審議する場合における議員は、次に掲げる国務大臣とする。
一 内閣法(昭和二十二年法律第五号)第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣(順位を定めて二以上の国務大臣が指定されているときは、最先順位の国務大臣)
二 外務大臣
三 防衛大臣
四 内閣官房長官
第五条第三項中「第二条第一項第四号」を「第二条第二項第四号」に、「第八条第二項」を「第十条第二項」に、「第一項第一号、第三号及び第六号から第九号まで」を「第二項第一号、第五号及び第六号」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「同項」を「これらの規定」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 第二条第二項に掲げる事項その他同条第一項に掲げる事項で前項に規定する事項以外のものについて審議する場合における議員は、次に掲げる国務大臣とする。
一 前項に掲げる国務大臣
二 総務大臣
三 財務大臣
四 経済産業大臣
五 国土交通大臣
六 国家公安委員会委員長
第十二条を第十四条とし、第九条から第十一条までを二条ずつ繰り下げる。
第八条第二項中「第二条第一項第四号」を「第二条第二項第四号」に、「同条第二項」を「同条第三項」に改め、同条を第十条とする。
第七条中「議長」を「前項に定めるもののほか、議長」に改め、「会議」の下に「又は専門会議」を加え、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策に関し置かれたものに限る。)は、会議又は専門会議に出席し、議長の許可を受けて意見を述べることができる。
第七条を第九条とし、第六条を第八条とし、第五条の次に次の二条を加える。
(専門会議)
第六条 議長は、会議が第二条第一項第四号に掲げる事項を審議し、又は当該事項に係る同条第三項の意見を述べる場合において、特定の事項について専門的に調査審議させるため、会議の議を経て、専門会議を置くことができる。
2 専門会議は、議長及び議員のうちから前項の特定の事項について特に関係があると認められるものとして議長が会議の議を経て指名した者をもつて組織する。
(資料提供の要求等)
第七条 会議は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を求めることができる。
(国家安全保障会議設置法の一部改正)
第二条 国家安全保障会議設置法(昭和六十一年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条を次のように改める。
(事務局)
第十二条 会議に、会議の事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他所要の職員を置く。
3 事務局長の任免は、内閣総理大臣の申出により、内閣において行う。
4 事務局長は、議長の命を受けて、局務を掌理する。
5 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第九十六条第一項、第九十八条第一項、第九十九条並びに第百条第一項及び第二項の規定は、事務局長の服務について準用する。
6 事務局長は、在任中、内閣総理大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。
7 内閣官房長官は、内閣法に定める職務を行うほか、会議の事務を統括し、職員の服務について統督する。
8 内閣官房副長官は、内閣法に定める職務を行うほか、前項の内閣官房長官の職務を助ける。
(国家公務員法の一部改正)
第三条 国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項第六号の次に次の一号を加える。
六の二 国家安全保障会議事務局長
(特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)
第四条 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
第一条第九号の次に次の一号を加える。
九の二 国家安全保障会議事務局長
別表第一官職名の欄中「内閣危機管理監」を
「 |
内閣危機管理監 |
|
|
国家安全保障会議事務局長 |
」 |
に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条から第四条まで及び次項の規定は、平成二十年四月一日から施行する。
(行政機関の職員の定員に関する法律の一部改正)
2 行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「及び内閣法制局」を「、内閣法制局及び国家安全保障会議事務局」に改める。
理 由
安全保障会議の名称を国家安全保障会議に改め、その審議事項を国家安全保障に関する事項に拡充し、国家安全保障に関する外交政策及び防衛政策の基本方針等の一定の事項について内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、内閣官房長官等により同会議の審議を行うことができることとするとともに、同会議に特定の事項を専門的に調査審議する専門会議を置くことができることとするほか、同会議に事務局を設置すること等により、同会議の審議体制を強化する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。