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第一六九回

衆第一四号

   食品の安全性の確保を図るための農林水産省設置法等の一部を改正する法律案

 (農林水産省設置法の一部改正)

第一条 農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第三節 施設等機関(第八条−第十一条)」を「第三節 削除」に、「第二節 削除」を

第二節 食品安全庁

 

 

 第一款 任務及び所掌事務(第二十四条−第二十六条)

 

 

 第二款 審議会等(第二十七条)

 

 

 第三款 施設等機関(第二十八条)

 

 

 第四款 地方支分部局(第二十八条の二・第二十八条の三)

 に改める。

  第三条中「発揮」の下に「、食品の安全性の確保」を加える。

  第四条第一号中「(食品衛生に係るものを除く。)」を削り、同条第十四号中「食品衛生に関すること及び」を削り、同条第五十五号の次に次の七号を加える。

  五十五の二 飲食に起因する衛生上の危害の発生の防止に関すること。

  五十五の三 販売の用に供する食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第一項、第二項、第四項若しくは第五項に規定する食品、添加物、器具若しくは容器包装又は同法第六十二条第一項に規定するおもちゃ(第二十八条第二項第一号において「食品等」という。)の取締りに関すること。

  五十五の四 健康増進法(平成十四年法律第百三号)に規定する特別用途表示及び栄養表示基準に関すること(消費者の食品に関する合理的な選択への寄与に関することに限る。)。

  五十五の五 製菓衛生師に関すること。

  五十五の六 と畜場及び食鳥処理場の衛生の確保、と畜検査及び食鳥検査その他獣畜及び食鳥の処理の適正に関すること。

  五十五の七 化製場その他これに類する施設の規制に関すること。

  五十五の八 第五号、第五号の二、第十四号、第十八号、第二十号から第二十二号まで及び第五十五号の二から第五十五号の六までに掲げるもののほか、食品の安全性の確保に関すること(環境省の所掌に係る農薬の安全性の確保に関することを除く。)及び消費者の食品に関する合理的な選択への寄与に関すること。

  第六条第二項の表中獣医事審議会の項を削る。

  第七条第一項中「、農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)」を削る。

  第三章第三節を次のように改める。

     第三節 削除

 第八条から第十一条まで 削除

  第十八条第一項第一号中「から第十五号まで」を「、第十五号」に改め、「、第二十号(病虫害の防除及び家畜の衛生に係るものに限る。)、第二十一号(獣医療に係るものに限る。)」を削る。

  第二十一条第一項第一号中「、第十四号」を削る。

  第二十三条中「林野庁」を

食品安全庁

 

 

林野庁

 に改める。

  第四章第二節を次のように改める。

     第二節 食品安全庁

      第一款 任務及び所掌事務

  (長官)

 第二十四条 食品安全庁の長は、食品安全庁長官とする。

  (任務)

 第二十五条 食品安全庁は、食品の安全性の確保を図るとともに、消費者の食品に関する合理的な選択に寄与することを任務とする。

  (所掌事務)

 第二十六条 食品安全庁は、前条の任務を達成するため、第四条第四号から第五号の二まで、第十二号、 第十四号、第十八号、第二十号から第二十二号まで、第五十五号の二から第五十五号の八まで及び第八十五号から第八十七号までに掲げる事務をつかさどる。

      第二款 審議会等

  (食品安全審議会)

 第二十七条 食品安全庁に、食品安全審議会を置く。

 2 食品安全審議会は、食品衛生法、農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)、獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)及び獣医療法(平成四年法律第四十六号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。

 3 食品安全審議会の委員その他の職員で政令で定めるものは、農林水産大臣が任命する。

 4 前二項に定めるもののほか、食品安全審議会の組織、所掌事務及び委員その他の職員その他食品安全審議会に関し必要な事項については、政令で定める。

      第三款 施設等機関

  (食品等検疫所)

 第二十八条 食品安全庁に、食品等検疫所を置く。

 2 食品等検疫所は、次に掲げる事務をつかさどる。

  一 販売の用に供し、又は営業上使用する食品等の輸入に際しての検査及び指導

  二 輸出入植物又は輸入病菌害虫の検査及び取締り並びに病菌害虫の調査及び研究

  三 植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)第二十三条第一項の規定による発生予察事業の実施

  四 植物防疫法第二十二条に規定する指定有害動植物の防除に必要な薬剤(薬剤として用いることができる物を含む。)及び防除用器具の保管

  五 輸出入動物その他の物に対する家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)の規定による輸出入検査及びこれに基づく処置

  六 輸出入動物に対する狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)の規定に基づく検査

  七 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)の規定による輸入動物に対する検査及びこれに基づく措置

  八 輸出入動物の健康検査

  九 動物用生物学的製剤及び予防用器具の保管、配布、譲与及び貸付け

  十 委託を受けて動物その他の物に対する検査又は消毒を行うこと。

 3 農林水産大臣は、食品等検疫所の所掌事務の全部又は一部を分掌させるため、所要の地に、食品等検疫所の支所又は出張所を設けることができる。

 4 食品等検疫所の名称、位置、管轄区域及び内部組織並びに支所又は出張所の名称、位置、所掌事務及び内部組織は、農林水産省令で定める。

      第四款 地方支分部局

  (地方食品安全局)

 第二十八条の二 食品安全庁に、地方支分部局として、地方食品安全局を置く。

 2 地方食品安全局は、食品安全庁の所掌事務の全部又は一部を分掌する。

 3 地方食品安全局の名称、位置、管轄区域、所掌事務及び内部組織は、政令で定める。

  (地方食品安全事務所)

 第二十八条の三 地方食品安全局の所掌事務の一部を分掌させるため、所要の地に、地方食品安全事務所を置く。

 2 地方食品安全事務所の名称、位置及び管轄区域は、政令で定める。

 3 地方食品安全事務所の所掌事務及び内部組織は、農林水産省令で定める。

 (厚生労働省設置法の一部改正)

第二条 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  第四条第一項第二十三号中「、調理師及び製菓衛生師」を「及び調理師」に改め、同項第三十八号及び第三十九号を次のように改める。

  三十八及び三十九 削除

  第四条第一項第四十号中「前号」を「第三十七号」に改める。

  第六条第一項中「薬事・食品衛生審議会」を「薬事審議会」に改める。

  第十一条の見出しを「(薬事審議会)」に改め、同条第一項中「薬事・食品衛生審議会」を「薬事審議会」に、「、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十二号)及び食品衛生法」を「及び有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十二号)」に改め、同条第二項中「薬事・食品衛生審議会」を「薬事審議会」に改める。

  第十六条中第二項を削り、第三項を第二項とし、第四項から第七項までを一項ずつ繰り上げる。

  第十八条第一項中「から第四十号まで」を「、第四十号」に改める。

 (食品安全基本法の一部改正)

第三条 食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第二十八条第一項中「七人」を「十一人」に改め、同条第二項中「三人」を「四人」に改める。

  第二十九条第一項中「有する者」の下に「、消費者の利益の保護について理解のある者及び食品関連事業について経験を有する者」を加える。

  第三十五条第二項中「三人」を「五人」に改め、同条の次に次の五条を加える。

  (科学委員会の設置等)

 第三十五条の二 委員会に、科学委員会を置く。

 2 科学委員会は、委員会の指示を受けて、第二十三条第一項第二号及び第六号に掲げる事務を行う。

  (科学委員会の組織)

 第三十五条の三 科学委員会は、科学委員二十人以内で組織する。

 2 科学委員は、非常勤とする。

  (科学委員)

 第三十五条の四 科学委員は、食品の安全性の確保に関して優れた識見を有する者のうちから、委員会の推薦に基づき、内閣総理大臣が任命する。

 2 科学委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の科学委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 3 科学委員は、再任されることができる。

 4 科学委員の任期が満了したときは、当該科学委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

  (科学委員長)

 第三十五条の五 科学委員会に科学委員長を置き、委員長の指名する科学委員がこれに当たる。

 2 科学委員長は、科学委員会の事務を掌理する。

 3 科学委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する科学委員が、その職務を代理する。

  (科学委員会の会議)

 第三十五条の六 科学委員会は、科学委員長が招集する。

 2 科学委員会は、科学委員長及び科学委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

 3 科学委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、科学委員長の決するところによる。

 4 科学委員長に事故がある場合の第二項の規定の適用については、前条第三項に規定する科学委員は、科学委員長とみなす。

  第三十六条第一項中「委員会」を「科学委員会」に改め、同条第二項中「うちから」の下に「、委員会の推薦に基づき」を加える。

  第三十八条中「委員会」を「委員会及び科学委員会」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三条及び附則第三条の規定は公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から、次条、附則第四条及び第六条の規定は公布の日から施行する。

 (食品安全委員会の委員の任命のために必要な行為)

第二条 第三条の規定の施行に伴い新たに任命されることとなる食品安全委員会の委員については、食品安全基本法第二十九条第一項に規定する委員の任命のために必要な行為は、前条の規定にかかわらず、第三条の規定の施行前においても行うことができる。

 (食品安全委員会の委員の任命手続の特例)

第三条 食品安全基本法第二十九条第二項及び第三項の規定は、第三条の規定の施行に伴い新たに任命されることとなる食品安全委員会の委員の任命について準用する。

 (経過措置)

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、別に法律で定める。

 (国家行政組織法の一部改正)

第五条 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

  別表第一農林水産省の項中「林野庁」を

食品安全庁

 

 

林野庁

 に改める。

 (関係法律の整理)

第六条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に伴う関係法律の整理については、別に法律で定める。


     理 由

 食品の安全性の確保等が喫緊の課題となっている状況にかんがみ、その課題に迅速かつ適切に対応することができる体制を整備するため、農林水産省に新設する食品安全庁に食品安全行政を一元化するとともに、内閣府に置かれている食品安全委員会の機能を強化する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平年度約一億円の見込みである。

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