衆議院

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第一七四回

衆第一二号

   独立行政法人通則法の一部を改正する法律案

 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第十二条」を「第十二条−第十二条の七」に、「第三十五条」を「第三十五条の二」に、「特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「非特定独立行政法人」に改める。

 第八条の見出しを「(財産的基礎等)」に改め、同条に次の一項を加える。

3 独立行政法人は、業務の見直し、社会経済情勢の変化その他の事由により、その保有する重要な財産であって主務省令(当該独立行政法人を所管する内閣府又は各省の内閣府令又は省令をいう。以下同じ。)で定めるものが将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合には、第四十六条の二又は第四十六条の三の規定により、当該財産(以下「不要財産」という。)を処分しなければならない。

 第十二条の見出しを「(独立行政法人評価委員会の設置及び所掌事務)」に改め、同条第一項中「独立行政法人の主務省(当該独立行政法人を所管する内閣府又は各省をいう。以下同じ。)に、その所管に係る独立行政法人に関する事務を処理させるため」を「総務省に」に改め、同条第二項第一号中「実績」の下に「及びその保有する財産の状況」を加え、同項第二号中「この法律又は個別法」を「法律」に改め、同条第三項を削り、第一章第二節中同条の次に次の六条を加える。

 (組織)

第十二条の二 評価委員会は、委員十八人以内で組織する。

2 評価委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。

3 評価委員会に、専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる。

 (委員等の任命)

第十二条の三 委員及び臨時委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

2 専門委員は、当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

 (委員の任期等)

第十二条の四 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 臨時委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。

4 専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

5 委員、臨時委員及び専門委員は、非常勤とする。

 (委員長)

第十二条の五 評価委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。

2 委員長は、会務を総理し、評価委員会を代表する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (資料の提出その他の協力等)

第十二条の六 評価委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は独立行政法人の長(以下「法人の長」という。)若しくは監事に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

2 評価委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、独立行政法人の業務並びに資産及び債務の状況を調査し、又は委員、臨時委員若しくは専門委員若しくは評価委員会の事務に従事する者にこれを調査させることができる。

 (政令への委任)

第十二条の七 この法律に規定するもののほか、評価委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

 第十四条第一項中「独立行政法人の長(以下「法人の長」という。)」を「法人の長」に改め、同条第三項中「、第一項の法人の長」を「第一項の法人の長となるべき者の指名について、同条第二項の規定は第一項の監事」に改める。

 第十九条第四項に後段として次のように加える。

  この場合において、監事は、主務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。

 第十九条第五項を同条第八項とし、同条第四項の次に次の三項を加える。

5 監事は、いつでも、役員(監事を除く。)及び職員に対して、事務及び事業の報告を求め、又は独立行政法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

6 監事は、その職務を行うため必要があるときは、独立行政法人の子法人(独立行政法人がその経営を支配している法人として総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

7 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。

 第十九条の次に次の一条を加える。

 (法人の長等への報告義務)

第十九条の二 監事は、役員(監事を除く。)が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又はこの法律、個別法若しくは他の法令に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を法人の長(当該役員が法人の長である場合においては、主務大臣)に報告しなければならない。

 第二十条第一項及び第二項中「主務大臣が」の下に「内閣の承認を得て」を加え、同条第四項を同条第八項とし、同条第三項を同条第七項とし、同条第二項の次に次の四項を加える。

3 主務大臣は、前二項の規定による法人の長又は監事の任命を行おうとするときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、当該独立行政法人の第二十九条第一項に規定する中期目標の達成その他の当該独立行政法人における重要な課題を公示して候補者を募集するものとする。

 一 独立行政法人の業務の実績を考慮して、現にその職にある者を再任しようとする場合

 二 法人の長又は監事の職にあった者が欠け、かつ、緊急に補欠を行う必要がある場合

 三 前二号に掲げるもののほか、この項の規定による候補者の募集(以下この条において「公募」という。)を行うことが独立行政法人の事務及び事業の実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合

4 前項の規定は、法人の長又は監事の候補者の推薦を求めることを妨げない。

5 公募及び前項の推薦の求めに関し必要な事項は、政令で定める。

6 主務大臣は、第一項又は第二項の承認を得ようとする場合には、公募の結果(第三項各号のいずれかに該当する場合にあっては、当該各号に該当すると認める理由)、当該任命を行おうとする理由、当該任命を行おうとする際に考慮した第三十四条第二項に規定する評価結果その他承認を得るために必要と認める事項を記載した書面を内閣に提出しなければならない。

 第二十一条第一項中「役員の任期は、個別法」を「役員(監事を除く。以下この項において同じ。)の任期は、個別法」に改め、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 監事の任期は、その任命後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する第三十八条第一項に規定する財務諸表についての同項の承認の時までとする。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

 第二十三条第二項中「一に」を「いずれかに」に改め、同条の次に次の一条を加える。

 (評価委員会による解任の勧告)

第二十三条の二 評価委員会は、第十二条の六第二項の規定による調査の結果又は第三十四条第二項に規定する評価結果に照らして必要があると認めるときは、主務大臣に対し、前条第二項又は第三項の規定による法人の長又は監事の解任を勧告することができる。

 第二十八条第二項を次のように改める。

2 前項の業務方法書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 業務の方法

 二 役員(監事を除く。)の職務の執行がこの法律、個別法又は他の法令に適合することを確保するための体制その他独立行政法人の業務の適正を確保するための体制

 三 その他主務省令で定める事項

 第二十八条第三項中「しようとするときは、あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」を「したときは、遅滞なく、その旨を評価委員会に通知するものとする」に改める。

 第三十条第二項第四号の次に次の一号を加える。

 四の二 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画

 第三十条第二項第五号中「重要な財産」を「前号に規定する財産以外の重要な財産」に改め、同条第三項中「しようとするときは、あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」を「したときは、遅滞なく、その旨を評価委員会に通知するものとする」に改める。

 第三十二条から第三十四条までを次のように改める。

 (各事業年度に係る業務の実績等に関する評価等)

第三十二条 独立行政法人は、毎事業年度の終了後、次に掲げる事項について、評価委員会の評価を受けなければならない。

 一 当該事業年度における業務の実績

 二 評価を受けようとする事業年度についての次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれイ又はロに定める事項

  イ ロに掲げる事業年度以外の事業年度 中期目標の期間の最初から当該事業年度末までの期間に係る中期計画の進捗状況(中期目標の期間の最後の事業年度にあっては、中期目標の期間における業務の実績)

  ロ 中期目標の期間の最後の事業年度の直前の事業年度 中期目標の期間の終了時に見込まれる中期目標の期間における業務の実績

 三 保有する財産の状況(不要財産の有無を含む。)

2 独立行政法人は、前項の評価を受けようとするときは、総務省令で定めるところにより、同項第一号に掲げる事項、同項第二号イ又はロに定める事項及び同項第三号に掲げる事項並びにこれらの事項についてそれぞれ自ら評価を行った結果を明らかにした報告書を、評価委員会に提出しなければならない。

3 独立行政法人は、遅滞なく、前項の報告書を公表しなければならない。

第三十三条 前条第二項の報告書の提出は、主務大臣を経由して行わなければならない。この場合において、主務大臣は、遅滞なく、当該報告書の内容を検討し、次の各号に掲げる事業年度の区分に応じ、当該各号に定める事項に関する意見を付して、評価委員会に送付するものとする。

 一 前条第一項第二号イに掲げる事業年度 中期目標(中期目標の期間の最後の事業年度にあっては、次の中期目標)を達成するために必要な限度において、業務運営の改善に関し独立行政法人が当面講ずべき措置

 二 前条第一項第二号ロに掲げる事業年度 第三十五条の規定により、当該独立行政法人に関し講ずべき措置

2 前項の場合においては、主務大臣は、同項の意見のほか、前条第一項第三号に掲げる事項に関する意見を付さなければならない。

第三十四条 評価委員会による第三十二条第一項の規定による評価は、同項第一号に掲げる事項、同項第二号イ又はロに定める事項及び同項第三号に掲げる事項についてそれぞれ総合的な評定を付して、行わなければならない。

2 評価委員会は、遅滞なく、第三十二条第一項の規定による評価の結果(以下「評価結果」という。)を独立行政法人及び主務大臣に通知しなければならない。

3 評価委員会は、主務大臣に対し、前条第一項各号及び第二項に定める事項に関し、必要な勧告をすることができる。この場合において、同条第一項第二号に定める事項に関しては、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃について必要な事項を示さなければならない。

4 評価委員会は、遅滞なく、評価結果及び前項の勧告の内容を内閣総理大臣に報告するとともに、公表しなければならない。

 第三十四条の次に次の一条を加える。

第三十四条の二 主務大臣は、評価委員会が第三十二条第一項第二号イに掲げる事業年度に係る評価に際し、前条第三項の規定により第三十三条第一項第一号に定める事項に関し勧告を行った場合には、独立行政法人に対し、当該事項に関し必要な指示をすることができる。評価委員会が第三十二条第一項第三号に掲げる事項に係る評価に際し、前条第三項の規定により勧告を行った場合についても、同様とする。

2 独立行政法人は、前項の指示に基づいてした措置について、遅滞なく、主務大臣及び評価委員会に報告しなければならない。

 第三十五条第一項中「において」を「までに」に、「所要」を「当該独立行政法人に関し所要」に改め、同条第二項及び第三項を削り、第三章第二節中同条の次に次の一条を加える。

 (内閣総理大臣への意見具申)

第三十五条の二 評価委員会は、評価結果に照らして、独立行政法人の業務運営の改善又はその主要な事務及び事業の改廃に関し特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、第三十四条第三項の規定により勧告した事項について内閣法(昭和二十二年法律第五号)第六条の規定による措置がとられるよう意見を具申することができる。

 第三十八条第二項中「を添え、」を削り、「監事の意見(次条」を「監査報告(次条第一項」に、「監事及び会計監査人の意見」を「監査報告及び会計監査報告」に、「付け」を「添付し」に改め、同条第三項中「承認しようとするときは、あらかじめ、評価委員会の意見を聴かなければならない」を「承認したときは、遅滞なく、その旨を評価委員会に通知するものとする」に改め、同条第四項中「監事の意見を記載した書面」を「監査報告」に改め、同条に次の二項を加える。

5 独立行政法人は、第一項の附属明細書その他主務省令で定める書類については、前項の規定による公告に代えて、次に掲げる方法のいずれかにより公告することができる。

 一 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

 二 電子公告(公告方法のうち、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって総務省令で定めるものにより不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって総務省令で定めるものをとる方法をいう。次項において同じ。)

6 独立行政法人が前項の規定により電子公告による公告をする場合には、第四項の主務省令で定める期間、継続して当該公告をしなければならない。

 第三十九条中「除く」の下に「。以下この条において同じ」を加え、同条に後段として次のように加える。

  この場合において、会計監査人は、主務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。

 第三十九条に次の四項を加える。

2 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は役員(監事を除く。)及び職員に対し、会計に関する報告を求めることができる。

 一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面

 二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして総務省令で定めるものをいう。以下この号において同じ。)をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を総務省令で定める方法により表示したもの

3 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、独立行政法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は独立行政法人若しくはその子法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

4 前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。

5 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。

 一 第四十一条第三項第一号又は第二号に掲げる者

 二 第四十条の規定により自己が会計監査人に選任されている独立行政法人又はその子法人の役員又は職員

 三 第四十条の規定により自己が会計監査人に選任されている独立行政法人又はその子法人から公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。第四十一条第一項及び第三項第二号において同じ。)又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者

 第三十九条の次に次の一条を加える。

 (監事に対する報告)

第三十九条の二 会計監査人は、その職務を行うに際して役員(監事を除く。)の職務の執行に関し不正の行為又はこの法律、個別法若しくは他の法令に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。

2 監事は、その職務を行うため必要があると認めるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。

 第四十一条の見出しを「(会計監査人の資格等)」に改め、同条第一項中「(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)」を削り、同条第二項を次のように改める。

2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを独立行政法人に通知しなければならない。この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。

 第四十一条に次の一項を加える。

3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。

 一 公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者

 二 独立行政法人の子法人若しくはその役員から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者

 三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

 第四十三条中「一に」を「いずれかに」に改める。

 第四十四条中第四項を削り、第五項を第四項とする。

 第四十五条中第四項を削り、第五項を第四項とする。

 第四十六条の次に次の二条を加える。

 (不要財産に係る国庫納付等)

第四十六条の二 独立行政法人は、不要財産であって、政府からの出資又は支出(金銭の出資に該当するものを除く。)に係るもの(以下この条において「政府出資等に係る不要財産」という。)については、遅滞なく、主務大臣の認可を受けて、これを国庫に納付するものとする。ただし、中期計画において第三十条第二項第四号の二の計画を定めた場合であって、その計画に従って当該政府出資等に係る不要財産を国庫に納付するときは、主務大臣の認可を受けることを要しない。

2 独立行政法人は、前項の規定による政府出資等に係る不要財産(金銭を除く。以下この項及び次項において同じ。)の国庫への納付に代えて、主務大臣の認可を受けて、政府出資等に係る不要財産を譲渡し、当該政府出資等に係る不要財産の譲渡により生じた収入の額(当該財産の帳簿価額を超える額(次項において「簿価超過額」という。)がある場合には、その額を除く。)の範囲内で主務大臣が定める基準により算定した金額を国庫に納付することができる。ただし、中期計画において第三十条第二項第四号の二の計画を定めた場合であって、その計画に従って当該金額を国庫に納付するときは、主務大臣の認可を受けることを要しない。

3 独立行政法人は、前項の場合において、政府出資等に係る不要財産の譲渡により生じた簿価超過額があるときは、遅滞なく、これを国庫に納付するものとする。ただし、その全部又は一部の金額について国庫に納付をしないことについて主務大臣の認可を受けた場合における当該認可を受けた金額については、この限りでない。

4 独立行政法人が第一項又は第二項の規定による国庫への納付をした場合において、当該納付に係る政府出資等に係る不要財産が政府からの出資に係るものであるときは、当該独立行政法人の資本金のうち当該納付に係る政府出資等に係る不要財産に係る部分として主務大臣が定める金額については、当該独立行政法人に対する政府からの出資はなかったものとし、当該独立行政法人は、その額により資本金を減少するものとする。

5 前各項に定めるもののほか、政府出資等に係る不要財産の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

 (不要財産に係る民間等出資の払戻し)

第四十六条の三 独立行政法人は、不要財産であって、政府以外の者からの出資に係るもの(以下この条において「民間等出資に係る不要財産」という。)については、主務大臣の認可を受けて、当該民間等出資に係る不要財産に係る出資者(以下この条において単に「出資者」という。)に対し、主務省令で定めるところにより、当該民間等出資に係る不要財産に係る出資額として主務大臣が定める額の持分の全部又は一部の払戻しの請求をすることができる旨を催告しなければならない。ただし、中期計画において第三十条第二項第四号の二の計画を定めた場合であって、その計画に従って払戻しの請求をすることができる旨を催告するときは、主務大臣の認可を受けることを要しない。

2 出資者は、独立行政法人に対し、前項の規定による催告を受けた日から起算して一月を経過する日までの間に限り、同項の払戻しの請求をすることができる。

3 独立行政法人は、前項の規定による請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る民間等出資に係る不要財産又は当該請求に係る民間等出資に係る不要財産(金銭を除く。)の譲渡により生じた収入の額(当該財産の帳簿価額を超える額がある場合には、その額を除く。)の範囲内で主務大臣が定める基準により算定した金額により、同項の規定により払戻しを請求された持分(当該算定した金額が当該持分の額に満たない場合にあっては、当該持分のうち主務大臣が定める額の持分)を、当該請求をした出資者に払い戻すものとする。

4 独立行政法人が前項の規定による払戻しをしたときは、当該独立行政法人の資本金のうち当該払戻しをした持分の額については、当該独立行政法人に対する出資者からの出資はなかったものとし、当該独立行政法人は、その額により資本金を減少するものとする。

5 出資者が第二項の規定による払戻しの請求をしなかったとき、又は同項の規定による民間等出資に係る不要財産に係る持分の一部の払戻しの請求をしたときは、独立行政法人は、払戻しの請求がされなかった持分については、払戻しをしないものとする。

 第四十八条第一項中「主務省令で定める重要な財産」を「不要財産以外の重要な財産であって主務省令で定めるもの」に改め、同条第二項を削る。

 「第二節 特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「第二節 非特定独立行政法人」に改める。

 第六十一条中「特定独立行政法人以外の独立行政法人」の下に「(以下この節において「非特定独立行政法人」という。)」を加え、同条の次に次の六条を加える。

 (他の非特定独法役職員についての依頼等の規制)

第六十一条の二 非特定独立行政法人の役員又は職員(非常勤の者を除く。以下「非特定独法役職員」という。)は、密接関係法人等に対し、当該非特定独立行政法人の他の非特定独法役職員をその離職後に、若しくは当該非特定独立行政法人の他の非特定独法役職員であった者を、当該密接関係法人等の地位に就かせることを目的として、当該他の非特定独法役職員若しくは当該他の非特定独法役職員であった者に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該他の非特定独法役職員をその離職後に、若しくは当該他の非特定独法役職員であった者を、当該密接関係法人等の地位に就かせることを要求し、若しくは依頼してはならない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 基礎研究、福祉に関する業務その他の円滑な再就職に特に配慮を要する業務として政令で定めるものに従事している他の非特定独法役職員又は従事していた他の非特定独法役職員を密接関係法人等の地位に就かせることを目的として行う場合

 二 非特定独立行政法人の組織の意思決定の権限を実質的に有しない地位として主務大臣が指定したもの以外に就いたことがない他の非特定独法役職員を密接関係法人等の地位に就かせることを目的として行う場合

 三 退職手当通算予定役職員を退職手当通算法人等の地位に就かせることを目的として行う場合

 四 大学その他の教育研究機関の研究者であった者であって任期(五年以内に限る。)を定めて専ら研究に従事する職員として採用された他の非特定独法役職員を密接関係法人等の地位に就かせることを目的として行う場合

 五 第三十五条の規定による措置であって政令で定める人数以上の非特定独法役職員が離職を余儀なくされることが見込まれるものを行うため、当該非特定独法役職員の離職後の就職の援助のための措置に関する計画を作成し、主務大臣の認定を受けている場合において、当該計画における離職後の就職の援助の対象者である他の非特定独法役職員を密接関係法人等の地位に就かせることを目的として行うとき。

3 前二項の「密接関係法人等」とは、営利企業等(営利企業及び営利企業以外の法人(国、国際機関、地方公共団体、特定独立行政法人及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第二項に規定する特定地方独立行政法人を除く。)をいう。以下同じ。)のうち、資本関係、取引関係等において当該非特定独立行政法人と密接な関係を有するものとして政令で定めるものをいう。

4 第二項第三号の「退職手当通算法人等」とは、営利企業等でその業務が非特定独立行政法人の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち主務省令で定めるもの(退職手当(これに相当する給付を含む。)に関する規程において、非特定独法役職員が当該非特定独立行政法人の長の要請に応じ、引き続いて当該営利企業等の役員又は当該営利企業等に使用される者となった場合に、非特定独法役職員としての勤続期間を当該営利企業等の役員又は当該営利企業等に使用される者としての勤続期間に通算することと定めている営利企業等に限る。)をいう。

5 第二項第三号の「退職手当通算予定役職員」とは、非特定独立行政法人の長の要請に応じ、引き続いて退職手当通算法人等(前項に規定する退職手当通算法人等をいう。以下同じ。)の役員又は退職手当通算法人等に使用される者となるため退職することとなる非特定独法役職員であって、当該退職手当通算法人等に在職した後、特別の事情がない限り引き続いて採用が予定されている者のうち政令で定めるものをいう。

6 第一項の規定によるもののほか、非特定独立行政法人の役員又は職員は、この法律、個別法若しくは他の法令若しくは当該非特定独立行政法人が定める業務方法書若しくは第四十九条に規定する規程その他の規則に違反する職務上の行為(以下「法令等違反行為」という。)をすること若しくはしたこと又は当該非特定独立行政法人の他の役員若しくは職員に法令等違反行為をさせること若しくはさせたことに関し、営利企業等に対し、当該非特定独立行政法人の他の役員若しくは職員をその離職後に、又は当該非特定独立行政法人の他の役員若しくは職員であった者を、当該営利企業等の地位に就かせることを要求し、又は依頼してはならない。

 (法令等違反行為に関する在職中の求職の規制)

第六十一条の三 非特定独立行政法人の役員又は職員は、法令等違反行為をすること若しくはしたこと又は当該非特定独立行政法人の他の役員若しくは職員に法令等違反行為をさせること若しくはさせたことに関し、営利企業等に対し、離職後に当該営利企業等の地位に就くことを要求し、又は約束してはならない。

 (再就職者による法令等違反行為の依頼等の届出)

第六十一条の四 非特定独立行政法人の役員又は職員は、次に掲げる要求又は依頼を受けたときは、政令で定めるところにより、当該非特定独立行政法人の長にその旨を届け出なければならない。

 一 非特定独法役職員であった者であって離職後に営利企業等の地位に就いている者(以下この条において「再就職者」という。)が、離職後二年を経過するまでの間に、離職前五年間に在職していた当該非特定独立行政法人の内部組織として主務省令で定めるものに属する役員又は職員に対して行う、当該非特定独立行政法人と当該営利企業等との間で締結される売買、賃借、請負その他の契約又は当該営利企業等に対して行われる行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第二号に規定する処分に関する事務(当該非特定独立行政法人の業務に係るものに限る。次号において「契約等事務」という。)であって離職前五年間の職務に属するものに関する法令等違反行為の要求又は依頼

 二 再就職者のうち、当該非特定独立行政法人の役員又は管理若しくは監督の地位として主務省令で定めるものに就いていた者が、離職後二年を経過するまでの間に、当該非特定独立行政法人の役員又は職員に対して行う、契約等事務に関する法令等違反行為の要求又は依頼

 三 再就職者が行う、当該非特定独立行政法人と営利企業等(当該再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)との間の契約であって当該非特定独立行政法人においてその締結について自らが決定したもの又は当該非特定独立行政法人による当該営利企業等に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であって自らが決定したものに関する法令等違反行為の要求又は依頼

 (非特定独立行政法人の長への届出)

第六十一条の五 非特定独法役職員(退職手当通算予定役職員を除く。)は、離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合には、速やかに、政令で定めるところにより、非特定独立行政法人の長に政令で定める事項を届け出なければならない。

2 前項の届出を受けた非特定独立行政法人の長は、当該非特定独立行政法人の業務の公正性を確保する観点から、当該届出を行った非特定独法役職員の職務が適正に行われるように、人事管理上の措置を講ずる等適切な配慮をするものとする。

 (非特定独立行政法人の長がとるべき措置等)

第六十一条の六 非特定独立行政法人の長は、当該非特定独立行政法人の役員又は職員が第六十一条の二から前条までの規定に違反する行為をしたと認めるときは、当該役員又は職員に対する監督上の措置及び当該非特定独立行政法人における当該規定の遵守を確保するために必要な措置を講じなければならない。

2 第六十一条の四の届出を受けた非特定独立行政法人の長は、当該届出に係る要求又は依頼の事実があると認めるときは、当該要求又は依頼に係る法令等違反行為を確実に抑止するために必要な措置を講じなければならない。

3 非特定独立行政法人の長は、毎年度、第六十一条の四の届出及び前二項の措置の内容を取りまとめ、政令で定めるところにより、主務大臣に報告しなければならない。

 (政令への委任)

第六十一条の七 第六十一条の二から前条までの規定の実施に関し必要な手続は、政令で定める。

 第六十二条中「特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「非特定独立行政法人」に改める。

 第六十三条第一項及び第二項中「特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「非特定独立行政法人」に改め、同条第三項中「独立行政法人」を「非特定独立行政法人」に改める。

 第六十五条第一項中「職員の行為がこの法律、個別法若しくは他の法令に違反し、又は違反する」を「職員が、不正の行為若しくはこの法律、個別法若しくは他の法令に違反する行為をし、又は当該行為をする」に改める。

 第六十七条第二号中「第四十八条第一項」を「第四十八条」に改め、同条第三号の次に次の一号を加える。

 三の二 第四十六条の二第一項、第二項若しくは第三項ただし書又は第四十六条の三第一項の規定による認可をしようとするとき。

 第六十八条中「、主務省」を削る。

 第六十九条の二の次に次の一条を加える。

第六十九条の三 第六十一条の二第一項の規定に違反して密接関係法人等(同条第三項に規定する密接関係法人等をいう。以下この条において同じ。)に対し、当該非特定独立行政法人の他の非特定独法役職員をその離職後に、若しくは当該非特定独立行政法人の他の非特定独法役職員であった者を、当該密接関係法人等の地位に就かせることを目的として、当該他の非特定独法役職員若しくは当該他の非特定独法役職員であった者に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該他の非特定独法役職員をその離職後に、若しくは当該他の非特定独法役職員であった者を、当該密接関係法人等の地位に就かせることを要求し、若しくは依頼した非特定独法役職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 第七十一条第六号中「第三十三条」を「第三十二条第二項」に、「事業報告書」を「報告書」に改め、同条第七号中「若しくは監事の意見を記載した書面」を「又は監査報告」に改め、同条第九号中「第六十条第一項」を「第三十四条の二第二項、第六十条第一項」に、「又は第六十五条第二項」を「、第六十一条の六第三項又は第六十五条第二項」に改める。

 附則第四条第一項中「第四十五条第五項」を「第四十五条第四項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第八条及び第三十条第二項の改正規定、第四十六条の次に二条を加える改正規定並びに第四十八条第一項及び第六十七条の改正規定並びに附則第五条、第七条、第八条及び第十条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

 二 目次の改正規定(「特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「非特定独立行政法人」に改める部分に限る。)、第十四条第三項及び第十九条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第二十条、第二十一条、第二十八条第二項並びに第三十八条第二項及び第四項の改正規定、同条に二項を加える改正規定、第三十九条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第四十一条及び第四十三条の改正規定、「第二節 特定独立行政法人以外の独立行政法人」を「第二節 非特定独立行政法人」に改める改正規定、第六十一条の改正規定、同条の次に六条を加える改正規定、第六十二条、第六十三条、第六十五条第一項の改正規定、第六十九条の二の次に一条を加える改正規定及び第七十一条第七号の改正規定並びに同条第九号の改正規定(「第六十条第一項」を「第三十四条の二第二項、第六十条第一項」に改める部分を除く。)並びに次条から附則第四条まで及び附則第九条の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の独立行政法人通則法(以下「新法」という。)第十九条第四項から第七項まで、第十九条の二、第三十九条第一項から第四項まで及び第三十九条の二の規定は、前条第二号に掲げる規定の施行の日(以下「第二号施行日」という。)前に生じた事項にも適用する。

第三条 独立行政法人の役員の任命を行おうとする場合における新法第二十条第六項の規定の適用については、同項中「第三十四条第二項に規定する評価結果」とあるのは、第二号施行日からこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までの間においては「第三十二条第一項及び第三十四条第一項の規定による評価の結果」と、施行日から当該独立行政法人に係る新法第三十四条第二項の規定による評価結果の最初の通知を受ける日の前日までの間においては「独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十二年法律第▼▼▼号)による改正前の第三十二条第一項及び第三十四条第一項の規定による評価の結果」とする。

第四条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の際現に監事である者の任期については、新法第二十一条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第五条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の際現にこの法律による改正前の独立行政法人通則法(以下「旧法」という。)第三十条第一項の規定による認可を受けている中期計画については、新法第三十条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

第六条 新法第三十二条第一項の規定は、施行日の属する事業年度の直前の事業年度以後の事業年度に係る評価について適用する。

第七条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日(以下「第一号施行日」という。)前に独立行政法人が行った財産の譲渡であって、第一号施行日において新法第四十六条の二第一項に規定する政府出資等に係る不要財産(金銭を除く。)の譲渡に相当するものとして主務大臣が定めるものは、第一号施行日においてされた同条第二項の規定による政府出資等に係る不要財産の譲渡とみなして、同項から同条第五項までの規定を適用する。この場合において、同条第二項中「納付することができる」とあるのは、「納付するものとする」とする。

第八条 第一号施行日から施行日の前日までの間においては、主務大臣は、新法第四十六条の二第一項、第二項若しくは第三項ただし書(同条第二項又は第三項ただし書の規定を前条において適用する場合を含む。)又は第四十六条の三第一項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、旧法第十二条第一項に規定する評価委員会の意見を聴かなければならない。

 (罰則の適用に関する経過措置)

第九条 この法律(附則第一条第二号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第十条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (関係法律の整備)

第十一条 この法律の施行に伴う関係法律の整備については、別に法律で定める。


     理 由

 独立行政法人に係る制度の改革を進めるため、評価機関の一元化、監事の職務権限の強化等による業務の適正化のための措置を講ずるとともに、非特定独立行政法人の役職員に係る再就職規制を導入するほか、不要財産の国庫納付等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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