衆議院

メインへスキップ



第一七四回

閣第三六号

   賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)

 第二章 家賃債務保証業

  第一節 登録(第三条−第十一条)

  第二節 業務(第十二条−第二十四条)

  第三節 監督(第二十五条−第三十二条)

 第三章 家賃等弁済情報提供事業

  第一節 登録(第三十三条−第四十一条)

  第二節 業務(第四十二条−第四十九条)

  第三節 監督(第五十条−第五十六条)

  第四節 家賃等弁済情報の取扱い(第五十七条−第六十条)

 第四章 家賃関連債権の取立てに関する不当な行為の規制(第六十一条)

 第五章 雑則(第六十二条−第七十条)

 第六章 罰則(第七十一条−第八十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関して不当な行為が発生する等の家賃の支払に関連する賃借人の居住をめぐる状況にかんがみ、賃借人の居住の安定の確保を図るため、家賃債務保証業を営む者及び家賃等弁済情報提供事業を営む者について登録制度を実施し、これらの事業に対し必要な規制を行い、家賃債務保証業者及び家賃等弁済情報提供事業者の業務の適正な運営を確保するとともに、家賃等弁済情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定め、あわせて賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関する不当な行為を規制し、もって国民生活の安定に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「賃貸住宅」とは、賃貸の用に供する住宅(人の居住の用に供する建築物又は建築物の部分をいう。)をいう。

2 この法律において「賃借人」とは、賃貸住宅の賃借人(法人及び当該賃貸住宅を転貸する事業を行う個人を除く。)をいう。

3 この法律において「家賃債務保証業」とは、賃借人の委託を受けて当該賃借人の家賃の支払に係る債務(以下「家賃債務」という。)を保証することを業として行うことをいう。ただし、次に掲げる者が行うものを除く。

 一 国又は地方公共団体

 二 債務の保証を業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者その他のその業務が賃借人の居住の安定の確保に支障を生ずることがないと認められる者として政令で定めるもの

4 この法律において「家賃債務保証業者」とは、次条第一項の登録を受けて家賃債務保証業を営む者をいう。

5 この法律において「保証委託契約」とは、家賃債務保証業者が賃借人と締結する契約であって、当該家賃債務保証業者が当該賃借人の家賃債務を保証することを当該賃借人が委託することを内容とするものをいう。

6 この法律において「保証契約」とは、家賃債務保証業者が賃借人の委託を受けて賃貸人と締結する契約であって、当該家賃債務保証業者が当該賃借人の家賃債務を保証することを内容とするものをいう。

7 この法律において「被保証賃借人」とは、保証委託契約を締結した賃借人をいう。

8 この法律において「求償債権等」とは、保証契約に基づき有することとなる求償権に基づく債権若しくは保証債務の弁済により保証契約の相手方である賃貸人に代位して取得する債権又はこれらに係る保証債務に係る債権をいう。

9 この法律において「家賃等弁済情報」とは、家賃債務又は家賃債務の保証に係る債務(当該保証に係る求償権に基づく債権に係る債務を含む。)の過去の弁済に関する情報をいう。

10 この法律において「本人」とは、家賃等弁済情報によって識別される特定の個人をいう。

11 この法律において「家賃等弁済情報提供事業」とは、家賃等弁済情報を収集し、本人を賃借人若しくは保証人(法人及び家賃債務を保証することを業として行う個人を除く。以下同じ。)とする賃貸住宅の賃貸借契約又は本人の家賃債務を保証することを内容とする契約(以下この項及び第五十八条第一項において「家賃関連契約」という。)を締結しようとする者(これらの者の委託を受けて、家賃関連契約の締結に先立つ本人に関する審査をこれらの者に代わって行う者がいるときは、その者)に提供する事業をいう。ただし、家賃等弁済情報を人的関係、資本関係その他の関係において密接な関係を有する特定の者との間で共同して利用するために行う事業として政令で定めるものを除く。

12 この法律において「家賃等弁済情報提供事業者」とは、第三十三条第一項の登録を受けて家賃等弁済情報提供事業を営む者をいう。

   第二章 家賃債務保証業

    第一節 登録

 (登録)

第三条 家賃債務保証業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

3 前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

5 第一項の登録を受けようとする者は、登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の定めるところにより登録免許税を、第二項の登録の更新を受けようとする者は、政令の定めるところにより手数料を、納めなければならない。

 (登録の申請)

第四条 前条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。以下この章及び第七十一条第一号において同じ。)を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

 一 商号又は名称

 二 法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。第二十六条第二項において同じ。)、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいい、法人に対しこれらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として国土交通省令で定めるものを含む。同項を除き、以下この章において同じ。)の氏名、商号又は名称及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名

 三 個人である場合においては、その者の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名

 四 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名

 五 営業所又は事務所の名称及び所在地

2 前項の申請書には、前条第一項の登録を受けようとする者が第六条第一項各号に該当しないことを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録簿への記載等)

第五条 国土交通大臣は、第三条第一項の登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を家賃債務保証業者登録簿に記載して、その登録をしなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否)

第六条 国土交通大臣は、第三条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第四条第一項の申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 成年被後見人又は被保佐人

 二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 三 第二十六条第一項、第二十七条第一項又は第二十八条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)

 四 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

 五 この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の二第七項の規定を除く。第二十六条第一項第五号において同じ。)に違反し、又は債権の取立てに当たり、貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二十一条第一項(同法第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)の規定に違反し、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

 六 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に掲げる暴力団員又は同号に掲げる暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)

 七 家賃債務保証業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として国土交通省令で定めるもの

 八 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの

 九 法人でその役員又は第四条第一項第二号の政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 十 個人で第四条第一項第三号の政令で定める使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 十一 暴力団員等がその事業活動を支配する者

 十二 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者

 十三 家賃債務保証業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者

 十四 家賃債務保証業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者として国土交通省令で定めるもの

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (変更の届出及び登録)

第七条 家賃債務保証業者は、第四条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨及び当該変更があった事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

2 国土交通大臣は、前項の規定による届出を受けたときは、当該届出に係る事項が前条第一項第八号から第十号までのいずれかに該当する場合を除き、当該事項を家賃債務保証業者登録簿に記載して、変更の登録をしなければならない。

3 第四条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。

 (家賃債務保証業者登録簿の閲覧)

第八条 国土交通大臣は、家賃債務保証業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

 (廃業等の届出)

第九条 家賃債務保証業者が次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日(第一号の場合にあっては、その事実を知った日)から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 一 家賃債務保証業者である個人が死亡した場合 相続人

 二 家賃債務保証業者である法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であった者

 三 破産手続開始の決定を受けた場合 破産管財人

 四 家賃債務保証業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 清算人

 五 家賃債務保証業を廃止した場合 家賃債務保証業者であった個人又は家賃債務保証業者であった法人を代表する役員

2 家賃債務保証業者が前項各号に掲げる場合のいずれかに該当するに至ったときは、第三条第一項の登録は、その効力を失う。

 (無登録営業等の禁止)

第十条 第三条第一項の登録を受けない者は、家賃債務保証業を営んではならない。

2 第三条第一項の登録を受けない者は、家賃債務保証業を営む旨の表示をし、又は家賃債務保証業を営む目的をもって、広告をしてはならない。

 (名義貸しの禁止)

第十一条 家賃債務保証業者は、自己の名義をもって、他人に家賃債務保証業を営ませてはならない。

    第二節 業務

 (業務処理の原則)

第十二条 家賃債務保証業者は、被保証賃借人その他の者の権利利益を侵害することがないよう、適正にその業務を行わなければならない。

 (証明書の携帯等)

第十三条 家賃債務保証業者は、国土交通省令で定めるところにより、家賃債務保証業の業務に従事する使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。

2 家賃債務保証業者の使用人その他の従業者は、家賃債務保証業の業務を行うに際し、被保証賃借人その他の関係者から請求があったときは、前項の証明書を提示しなければならない。

 (暴力団員等の使用の禁止)

第十四条 家賃債務保証業者は、暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用してはならない。

 (虚偽告知等の禁止)

第十五条 家賃債務保証業者は、保証委託契約の締結について勧誘をするに際し、又は保証委託契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、被保証賃借人又はその保証人(被保証賃借人又はその保証人となろうとする者を含む。)に対し、虚偽のことを告げ、又は保証委託契約の内容のうち重要な事項を告げない行為をしてはならない。

 (誇大広告等の禁止)

第十六条 家賃債務保証業者は、その家賃債務保証業の業務に関して広告をするときは、保証の条件について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

 (契約の締結の制限)

第十七条 家賃債務保証業者は、保証委託契約において、保証債務の弁済により有することとなる求償権に基づき、被保証賃借人又はその保証人が支払うべき損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第九条(第二号に係る部分に限る。)の規定によりその一部が無効となるものを定めてはならない。

 (契約締結前の書面の交付)

第十八条 家賃債務保証業者は、保証委託契約を締結しようとする場合には、当該保証委託契約を締結するまでに、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項についてその内容を明らかにする書面をその相手方となろうとする者に交付しなければならない。

 一 家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名及び住所

 二 保証期間

 三 保証金額

 四 保証委託料

 五 事前求償に関する定めがあるときは、その定めの内容

 六 違約金又は損害賠償の額に関する定めがあるときは、その定めの内容

 七 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令・内閣府令で定める事項

 (契約締結時の書面の交付)

第十九条 家賃債務保証業者は、保証委託契約を締結した場合には、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項についてその内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要なものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものを変更したときも、同様とする。

 一 家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名及び住所

 二 契約年月日

 三 保証期間

 四 保証金額

 五 保証委託料

 六 事前求償に関する定めがあるときは、その定めの内容

 七 違約金又は損害賠償の額に関する定めがあるときは、その定めの内容

 八 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令・内閣府令で定める事項

 (求償債権等の取立て時の書面の交付等)

第二十条 家賃債務保証業者は、被保証賃借人又はその保証人(第二十二条において「被保証賃借人等」という。)に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるものをいう。第二号において同じ。)を送付するときは、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、これらに次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

 一 家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに電話番号

 二 当該書面又は電磁的記録を送付する者の氏名

 三 保証委託契約の契約年月日

 四 求償債権等の額及びその内訳

 五 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令・内閣府令で定める事項

2 前項に定めるもののほか、家賃債務保証業者は、求償債権等の取立てをするに当たり、相手方の請求があったときは、当該家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名その他国土交通省令・内閣府令で定める事項を、国土交通省令・内閣府令で定める方法により、その相手方に明らかにしなければならない。

 (帳簿の備付け等)

第二十一条 家賃債務保証業者は、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け、被保証賃借人ごとに保証契約について契約年月日、保証期間、当該保証契約に基づき弁済した金額その他国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (帳簿の閲覧等の請求)

第二十二条 被保証賃借人等又は被保証賃借人等であった者その他国土交通省令・内閣府令で定める者は、家賃債務保証業者に対し、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(これらの者の利害に関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、家賃債務保証業者は、当該請求が当該請求を行った者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。

 (標識の掲示)

第二十三条 家賃債務保証業者は、その営業所又は事務所ごとに、その公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げなければならない。

 (求償債権等の譲渡の規制等)

第二十四条 家賃債務保証業者は、求償債権等を他人に譲渡するに当たっては、その者に対し、当該求償債権等が保証契約に基づいて発生したことその他国土交通省令で定める事項並びにその者が当該求償債権等に関してする行為について次項及び第三項並びに第六十一条の規定の適用がある旨を、国土交通省令で定める方法により、通知しなければならない。

2 求償債権等を譲り受けた者は、当該求償債権等を譲り受けたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項についてその内容を明らかにする書面を当該求償債権等の債務者に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要なものとして国土交通省令で定めるものを変更したときも、同様とする。

 一 求償債権等を譲り受けた者及び当該求償債権等に係る保証委託契約を締結した家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名及び住所

 二 求償債権等の譲受年月日

 三 当該求償債権等に係る保証委託契約の締結年月日

 四 譲り受けた求償債権等の額及びその内訳

 五 違約金又は損害賠償の額に関する定めがあるときは、その定めの内容

 六 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

3 第一項並びに第二十条から第二十二条まで及び第三十一条の規定は、求償債権等の譲渡があった場合における当該求償債権等を譲り受けた者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

4 家賃債務保証業者は、求償債権等の譲渡又は求償債権等の取立ての委託(以下「求償債権譲渡等」という。)をしようとする場合において、その相手方が次の各号のいずれかに該当する者(以下「取立て制限者」という。)であることを知り、若しくは取立て制限者であると疑うに足りる相当な理由があると認めるとき、又は当該求償債権譲渡等の後取立て制限者が当該求償債権等について求償債権譲渡等を受けることを知り、若しくは受けると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、当該求償債権譲渡等をしてはならない。

 一 暴力団員等

 二 暴力団員等がその運営を支配する法人その他の団体又は当該法人その他の団体の役員、従業者その他の構成員

 三 求償債権等の取立てに当たり、第六十一条の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すおそれが明らかである者

    第三節 監督

 (業務改善命令)

第二十五条 国土交通大臣は、家賃債務保証業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、家賃債務保証業者に対して、求償債権等の取立ての方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 国土交通大臣は、家賃債務保証業者が第十二条、第十五条から第二十二条まで又は第六十一条の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。次項及び次条第三項において同じ。)に違反した場合において、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。

3 内閣総理大臣は、賃借人の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、第一項の規定による命令(家賃債務保証業者が第十二条、第十五条から第二十二条まで又は第六十一条の規定に違反した場合に限る。)に関し、必要な意見を述べることができる。

 (監督上の処分)

第二十六条 国土交通大臣は、家賃債務保証業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該家賃債務保証業者に対し登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第六条第一項第十三号又は第十四号に該当することとなったとき。

 二 家賃債務保証業の業務に関し法令(第十四条及び第二十四条第四項を除く。)又は前条第一項若しくはこの項若しくは次項の規定による国土交通大臣の処分に違反したとき。

 三 取立て制限者であることを知りながら、これを相手方として、求償債権譲渡等をしたとき。

 四 求償債権譲渡等をした場合において、次の場合のいずれにも該当することとなったとき。

  イ 当該家賃債務保証業者が、当該求償債権譲渡等に当たりその相手方が取立て制限者であることを知らなかったことにつき相当の理由があることを証明できなかったとき、又は当該求償債権譲渡等に当たり当該求償債権譲渡等の後取立て制限者が当該求償債権等について求償債権譲渡等を受けることを知らなかったことにつき相当の理由があることを証明できなかったとき。

  ロ 当該求償債権譲渡等を受けた取立て制限者又は当該求償債権譲渡等の後当該求償債権等について求償債権譲渡等を受けた取立て制限者が、当該求償債権等の取立てをするに当たり、第六十一条の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したとき。

 五 第二号に掲げるもののほか、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したとき。

2 国土交通大臣は、家賃債務保証業者の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下この項において同じ。)が、前項第二号から第五号までのいずれかに該当することとなったときは、当該家賃債務保証業者に対し当該役員の解任を命ずることができる。

3 第五条第二項の規定は、第一項(登録の取消しに係る部分に限る。)の規定による処分があった場合について、前条第二項及び第三項の規定は、第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による処分(家賃債務保証業者が第十二条、第十五条から第二十二条まで又は第六十一条の規定に違反した場合に限る。)について準用する。

 (登録の取消し)

第二十七条 国土交通大臣は、家賃債務保証業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その登録を取り消さなければならない。

 一 第六条第一項第一号若しくは第四号から第十二号までのいずれかに該当するに至ったとき、又は登録の時点において同項各号のいずれかに該当していたことが判明したとき。

 二 不正の手段により第三条第一項の登録を受けたとき。

 三 第十四条の規定に違反したとき。

2 第五条第二項の規定は、前項の規定による処分があった場合について準用する。

 (所在不明者等の登録の取消し)

第二十八条 国土交通大臣は、家賃債務保証業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その登録を取り消すことができる。

 一 当該家賃債務保証業者の営業所若しくは事務所の所在地又は当該家賃債務保証業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できない場合において、国土交通省令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該家賃債務保証業者から申出がないとき。

 二 正当な理由がないのに、当該登録を受けた日から六月以内に家賃債務保証業を開始しないとき、又は引き続き六月以上家賃債務保証業を休止したとき。

2 前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。

 (登録の抹消)

第二十九条 国土交通大臣は、家賃債務保証業者について第三条第二項若しくは第九条第二項の規定により登録が効力を失ったとき、又は第二十六条第一項、第二十七条第一項若しくは前条第一項の規定により登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。

 (監督処分等の公告)

第三十条 国土交通大臣は、第二十六条第一項、第二十七条第一項又は第二十八条第一項の規定による処分をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

 (報告徴収及び立入検査)

第三十一条 国土交通大臣は、家賃債務保証業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、家賃債務保証業者に対して、その業務に関し報告又は資料の提出を命ずることができる。

2 内閣総理大臣は、第二十五条第三項(第二十六条第三項において準用する場合を含む。)の規定による意見を述べるため必要があると認める場合には、家賃債務保証業者に対して、その業務に関し報告又は資料の提出を命ずることができる。

3 国土交通大臣は、家賃債務保証業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、家賃債務保証業者の営業所又は事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

4 内閣総理大臣は、第二項に規定する場合において、賃借人の利益の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その職員に、家賃債務保証業者の営業所又は事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

5 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

6 第三項及び第四項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

7 内閣総理大臣は、第二項の規定による命令又は第四項の規定による立入検査をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議しなければならない。

 (登録の失効等に伴う業務の結了)

第三十二条 家賃債務保証業者について第三条第二項若しくは第九条第二項の規定により登録が効力を失ったとき、又は第二十六条第一項、第二十七条第一項若しくは第二十八条第一項の規定により登録が取り消されたときは、当該家賃債務保証業者であった者又はその一般承継人は、当該家賃債務保証業者が締結した保証契約を結了する目的の範囲内においては、なお家賃債務保証業者とみなす。

   第三章 家賃等弁済情報提供事業

    第一節 登録

 (登録)

第三十三条 家賃等弁済情報提供事業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。

2 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

3 前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

5 第一項の登録を受けようとする者は、登録免許税法の定めるところにより登録免許税を、第二項の登録の更新を受けようとする者は、政令の定めるところにより手数料を、納めなければならない。

 (登録の申請)

第三十四条 前条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。以下この章及び第七十四条第八号において同じ。)を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

 一 商号又は名称

 二 役員(業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。第五十一条第二項において同じ。)、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。同項を除き、以下この章において同じ。)の氏名又は商号若しくは名称

 三 営業所又は事務所の名称及び所在地

2 前項の申請書には、前条第一項の登録を受けようとする者が第三十六条第一項各号に該当しないことを誓約する書面その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録簿への記載等)

第三十五条 国土交通大臣は、第三十三条第一項の登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を家賃等弁済情報提供事業者登録簿に記載して、その登録をしなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (登録の拒否)

第三十六条 国土交通大臣は、第三十三条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第三十四条第一項の申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 法人でない者

 二 第五十一条第一項、第五十二条第一項又は第五十三条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者

 三 この法律又は個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号。以下「個人情報保護法」という。)の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

 四 家賃等弁済情報提供事業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として国土交通省令で定めるもの

 五 役員のうちに次のいずれかに該当する者がある者

  イ 成年被後見人又は被保佐人

  ロ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

  ハ 家賃等弁済情報提供事業者が第五十一条第一項、第五十二条第一項又は第五十三条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該家賃等弁済情報提供事業者の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの

  ニ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

  ホ この法律又は個人情報保護法の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

  ヘ 家賃等弁済情報提供事業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として国土交通省令で定めるもの

 六 家賃等弁済情報提供事業に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下この号において同じ。)又はプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるよう組み合わされたものをいう。)を有しない者

 七 家賃等弁済情報提供事業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者として国土交通省令で定めるもの

 八 債務超過の状態にある者

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

 (変更の届出及び登録)

第三十七条 家賃等弁済情報提供事業者は、第三十四条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨及び当該変更があった事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

2 国土交通大臣は、前項の規定による届出を受けたときは、当該届出に係る事項が前条第一項第五号に該当する場合を除き、当該事項を家賃等弁済情報提供事業者登録簿に記載して、変更の登録をしなければならない。

3 第三十四条第二項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。

 (家賃等弁済情報提供事業者登録簿の閲覧)

第三十八条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

 (廃業等の届出)

第三十九条 家賃等弁済情報提供事業者が次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 一 合併により消滅した場合 消滅した法人を代表する役員であった者

 二 破産手続開始の決定を受けた場合 破産管財人

 三 合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 清算人

 四 家賃等弁済情報提供事業を廃止した場合 家賃等弁済情報提供事業者であった法人を代表する役員

2 家賃等弁済情報提供事業者が前項各号に掲げる場合のいずれかに該当するに至ったときは、第三十三条第一項の登録は、その効力を失う。

 (無登録営業等の禁止)

第四十条 第三十三条第一項の登録を受けない者は、家賃等弁済情報提供事業を営んではならない。

2 第三十三条第一項の登録を受けない者は、家賃等弁済情報提供事業を営む旨の表示をし、又は家賃等弁済情報提供事業を営む目的をもって、広告をしてはならない。

 (名義貸しの禁止)

第四十一条 家賃等弁済情報提供事業者は、自己の名義をもって、他人に家賃等弁済情報提供事業を営ませてはならない。

    第二節 業務

 (業務規程の届出等)

第四十二条 家賃等弁済情報提供事業者は、国土交通省令で定めるところにより、家賃等弁済情報提供事業に係る次に掲げる事項に関する業務規程を定め、家賃等弁済情報提供事業の開始前に、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 一 収集及び提供する家賃等弁済情報の内容その他の家賃等弁済情報提供事業の実施方法に関する事項

 二 家賃等弁済情報の収集に関する契約(以下「家賃等弁済情報収集契約」という。)及び家賃等弁済情報の提供に関する契約(以下「家賃等弁済情報提供契約」という。)の内容及び締結に関する事項

 三 家賃等弁済情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の家賃等弁済情報の安全管理に関する事項

 四 家賃等弁済情報の正確性の確保に関する事項

 五 家賃等弁済情報提供事業の一部を他の者に委託する場合には、委託する家賃等弁済情報提供事業の内容及びその委託先に関する事項

 六 苦情の処理に関する事項

 七 前各号に掲げるもののほか、家賃等弁済情報提供事業の実施に必要な事項として国土交通省令で定める事項

2 国土交通大臣は、前項の規定による届出のあった業務規程が、この章の規定に従って家賃等弁済情報提供事業を行う上で不適当であり、又は不適当となったと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 (家賃等弁済情報の収集又は提供の相手方の制限)

第四十三条 家賃等弁済情報提供事業者は、第五十七条第四項に規定する場合を除くほか、情報提供業者(当該家賃等弁済情報提供事業者が家賃等弁済情報収集契約を締結した相手方をいう。以下同じ。)以外の者から家賃等弁済情報を収集し、又は情報利用業者(当該家賃等弁済情報提供事業者が家賃等弁済情報提供契約を締結した相手方をいう。以下同じ。)以外の者に対して家賃等弁済情報を提供してはならない。

2 家賃等弁済情報提供事業者は、情報提供業者又は情報利用業者について、家賃等弁済情報の提供又は利用に関してこの法律その他の法令の規定に違反する重大な事実があることを知ったときは、当該情報提供業者又は情報利用業者が同様の事実の再発の防止のため必要な措置をとるまでの間、当該情報提供業者から家賃等弁済情報を収集し、又は当該情報利用業者に家賃等弁済情報を提供してはならない。

 (家賃等弁済情報の提供)

第四十四条 家賃等弁済情報提供事業者は、情報利用業者から家賃等弁済情報の提供を依頼された場合には、当該依頼に係る本人に関し保有するすべての家賃等弁済情報を提供しなければならない。

 (家賃等弁済情報の開示及び訂正等)

第四十五条 家賃等弁済情報提供事業者は、本人から、当該本人に係る家賃等弁済情報の開示(当該本人に係る家賃等弁済情報が存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下この項において同じ。)を求められたときは、本人に対し、国土交通省令で定める方法により、遅滞なく、当該家賃等弁済情報の開示をしなければならない。

2 家賃等弁済情報提供事業者は、本人から、当該本人に係る家賃等弁済情報の内容が事実でないという理由によって当該家賃等弁済情報の内容の訂正、追加又は削除(以下この項及び次項において「訂正等」という。)を求められた場合には、遅滞なく調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該家賃等弁済情報の内容の訂正等を行わなければならない。

3 家賃等弁済情報提供事業者は、前項の規定により家賃等弁済情報の内容の全部若しくは一部について訂正等を行ったとき、又は訂正等を行わない旨の決定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、本人に対し、遅滞なく、その旨(訂正等を行ったときは、その内容を含む。)を通知しなければならない。

4 情報提供業者及び情報利用業者は、第二項の規定により家賃等弁済情報提供事業者が行う調査に協力しなければならない。

5 第二項の場合において、家賃等弁済情報提供事業者は、第三項の規定による通知を行うまでの間は、第二項の調査に係る家賃等弁済情報を、情報利用業者に提供してはならない。

6 家賃等弁済情報提供事業者は、第一項の開示を求められたときは、本人から手数料を徴収することができる。

7 家賃等弁済情報提供事業者は、前項の規定により手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、その手数料の額を定めなければならない。

 (情報提供業者及び情報利用業者の名簿の縦覧)

第四十六条 家賃等弁済情報提供事業者は、情報提供業者及び情報利用業者の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

 (記録の保存)

第四十七条 家賃等弁済情報提供事業者は、国土交通省令で定めるところにより、家賃等弁済情報提供事業に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

 (秘密を守る義務)

第四十八条 家賃等弁済情報提供事業者の役員又は使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。家賃等弁済情報提供事業者の役員又は使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする。

 (個人情報保護法の適用除外)

第四十九条 家賃等弁済情報提供事業者が行う家賃等弁済情報提供事業については、個人情報保護法第十五条、第十六条、第十八条、第二十三条、第二十四条第二項及び第三項、第二十五条、第二十六条、第二十七条第二項、第三十条並びに第三十二条から第三十六条までの規定は、適用しない。

2 情報提供業者がこの法律の定めるところにより行う家賃等弁済情報の提供については、個人情報保護法第二十三条の規定は、適用しない。この場合における個人情報保護法第二十七条第二項並びに第三十四条第一項及び第三項の規定の適用については、個人情報保護法第二十七条第二項中「第二十三条第一項」とあるのは「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律(平成二十二年法律第▼▼▼号)第五十七条第一項」と、個人情報保護法第三十四条第一項中「第二十条から第二十七条まで又は第三十条第二項」とあるのは「第二十条から第二十二条まで、第二十四条から第二十七条まで若しくは第三十条第二項又は賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律第五十七条第一項」と、同条第三項中「、第二十条」とあるのは「若しくは第二十条」と、「第二十三条第一項」とあるのは「賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律第五十七条第一項」とする。

3 情報利用業者がこの法律の定めるところにより行う家賃等弁済情報の取得及び利用については、個人情報保護法第十八条の規定は、適用しない。

    第三節 監督

 (業務改善命令)

第五十条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その必要の限度において、家賃等弁済情報提供事業者に対して、家賃等弁済情報の収集又は提供の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (監督上の処分)

第五十一条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該家賃等弁済情報提供事業者に対し登録を取り消し、又は一年以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 第三十六条第一項第六号から第八号までのいずれかに該当することとなったとき。

 二 家賃等弁済情報提供事業の業務に関し法令又は前条若しくはこの項若しくは次項の規定による国土交通大臣の処分に違反したとき。

 三 家賃等弁済情報提供事業者の役員又は使用人その他の従業者が、第四十八条の規定に違反して、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用したとき。

2 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下この項において同じ。)がその業務に関し法令又は前条若しくは前項の規定による国土交通大臣の処分に違反したときは、当該家賃等弁済情報提供事業者に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

3 第三十五条第二項の規定は、第一項(登録の取消しに係る部分に限る。)の規定による処分があった場合について準用する。

 (登録の取消し)

第五十二条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その登録を取り消さなければならない。

 一 第三十六条第一項第三号から第五号までのいずれかに該当するに至ったとき、又は登録の時点において同項各号のいずれかに該当していたことが判明したとき。

 二 不正の手段により第三十三条第一項の登録を受けたとき。

2 第三十五条第二項の規定は、前項の規定による処分があった場合について準用する。

 (所在不明者等の登録の取消し)

第五十三条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その登録を取り消すことができる。

 一 当該家賃等弁済情報提供事業者の営業所若しくは事務所の所在地又は当該家賃等弁済情報提供事業者の役員の所在を確知できない場合において、国土交通省令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該家賃等弁済情報提供事業者から申出がないとき。

 二 正当な理由がないのに、当該登録を受けた日から六月以内に家賃等弁済情報提供事業を開始しないとき、又は引き続き六月以上家賃等弁済情報提供事業を休止したとき。

2 前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない。

 (登録の抹消)

第五十四条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業者について第三十三条第二項若しくは第三十九条第二項の規定により登録が効力を失ったとき、又は第五十一条第一項、第五十二条第一項若しくは前条第一項の規定により登録を取り消したときは、当該登録を抹消しなければならない。

 (監督処分等の公告)

第五十五条 国土交通大臣は、第五十一条第一項、第五十二条第一項又は第五十三条第一項の規定による処分をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

 (報告徴収及び立入検査)

第五十六条 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、家賃等弁済情報提供事業者に対して、その業務に関し報告又は資料の提出を命ずることができる。

2 国土交通大臣は、家賃等弁済情報提供事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、家賃等弁済情報提供事業者の営業所又は事務所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

3 第三十一条第五項及び第六項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

    第四節 家賃等弁済情報の取扱い

 (情報提供業者等の義務)

第五十七条 情報提供業者は、家賃等弁済情報提供事業者に家賃等弁済情報を提供する場合には、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、当該家賃等弁済情報に係る本人から、次に掲げる同意を得なければならない。

 一 本人に関する家賃等弁済情報を当該家賃等弁済情報提供事業者に提供することについての同意

 二 提供に係る家賃等弁済情報の内容及びその提供の方法についての同意

 三 第一号の家賃等弁済情報を当該家賃等弁済情報提供事業者が情報利用業者に提供することについての同意

2 前項の同意を得て家賃等弁済情報を提供した情報提供業者は、当該家賃等弁済情報に変更があったときは、遅滞なく、その変更内容を家賃等弁済情報提供事業者に提供しなければならない。

3 情報提供業者は、国土交通省令で定めるところにより、第一項の同意及び家賃等弁済情報提供事業者に提供した家賃等弁済情報に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

4 家賃等弁済情報提供事業者は、本人から直接家賃等弁済情報を取得しその全部又は一部を情報利用業者に対する提供の用に供するためにデータベース(家賃等弁済情報の集合物であって、家賃等弁済情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。第七十五条第三号において同じ。)を整備する場合には、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、当該家賃等弁済情報に係る本人から、次に掲げる同意を得なければならない。

 一 本人に関する家賃等弁済情報を情報利用業者に提供することについての同意

 二 提供に係る家賃等弁済情報の内容及びその提供の方法についての同意

5 家賃等弁済情報提供事業者は、国土交通省令で定めるところにより、前項の同意に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

 (情報利用業者の義務)

第五十八条 情報利用業者は、家賃等弁済情報提供事業者に家賃等弁済情報の提供の依頼をする場合には、あらかじめ、当該家賃等弁済情報に係る本人から、当該依頼をすること及び当該依頼に基づき提供を受けた家賃等弁済情報を家賃関連契約の締結に先立つ本人の過去の債務の弁済の状況に関する調査の目的に利用することについての同意を得なければならない。この場合において、情報利用業者は、本人に対し、本人が当該同意に先立って当該家賃等弁済情報について当該家賃等弁済情報提供事業者に第四十五条第一項の開示を請求することができること及びその請求の方法を告知しなければならない。

2 情報利用業者は、国土交通省令で定めるところにより、前項の同意及び同項の依頼に基づき提供を受けた家賃等弁済情報に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

 (家賃等弁済情報提供事業者の商号等の公表)

第五十九条 情報提供業者又は情報利用業者は、それぞれ、家賃等弁済情報収集契約又は家賃等弁済情報提供契約の相手方である家賃等弁済情報提供事業者の商号又は名称を公表しなければならない。

 (目的外利用等の禁止)

第六十条 情報利用業者(法人である場合にあっては、その役員)若しくはその使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、家賃等弁済情報提供事業者から提供を受けた家賃等弁済情報を第五十八条第一項に規定する調査以外の目的に利用し、又は第三者に提供してはならない。

   第四章 家賃関連債権の取立てに関する不当な行為の規制

第六十一条 家賃債務保証業者その他の家賃債務を保証することを業として行う者若しくは賃貸住宅を賃貸する事業を行う者若しくはこれらの者の家賃関連債権(家賃債務に係る債権、家賃債務の保証により有することとなる求償権に基づく債権若しくは家賃債務の弁済により賃貸人に代位して取得する債権又はこれらに係る保証債務に係る債権をいう。以下この条及び第六十三条において同じ。)を譲り受けた者又はこれらの者から家賃関連債権の取立てを受託した者は、家賃関連債権の取立てをするに当たって、面会、文書の送付、はり紙、電話をかけることその他のいかなる方法をもってするかを問わず、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。

 一 賃貸住宅の出入口の戸の施錠装置の交換又は当該施錠装置の解錠ができないようにするための器具の取付けその他の方法により、賃借人が当該賃貸住宅に立ち入ることができない状態とすること。

 二 賃貸住宅から衣類、寝具、家具、電気機械器具その他の物品を持ち出し、及び保管すること(当該物品を持ち出す際に、賃借人又はその同居人から同意を得た場合を除く。)。

 三 社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として国土交通省令・内閣府令で定める時間帯に、当該時間帯以外の時間帯に連絡することが困難な事情その他の正当な理由がある場合を除き、賃借人若しくは保証人を訪問し、又は賃借人若しくは保証人に電話をかけて、当該賃借人又は保証人から訪問し又は電話をかけることを拒まれたにもかかわらず、その後当該時間帯に連続して、訪問し又は電話をかけること。

 四 賃借人又は保証人に対し、前三号のいずれか(保証人にあっては、前号)に掲げる言動をすることを告げること。

   第五章 雑則

 (保証委託契約の締結を拒まれた者に対する情報の提供等)

第六十二条 国及び地方公共団体は、住宅に困窮する低額所得者であって家賃債務保証業者から保証委託契約の締結を拒まれたために賃貸住宅への入居が困難となった者の居住の安定を図るため、他の家賃債務保証業者又は保証委託契約の締結を賃貸の条件としない賃貸住宅に関する情報の提供、公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。)その他の公的賃貸住宅への入居等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (賃借人等に対する支援体制の整備等)

第六十三条 国及び地方公共団体は、家賃関連債権の取立てに関する違法又は不当な行為に関し、情報の収集及び提供並びに賃借人その他の者が相談又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備に努めるものとする。

 (登録等に関する意見聴取)

第六十四条 国土交通大臣は、第五条第一項の規定により登録をしようとするときは第六条第一項第六号又は第八号から第十二号までに該当する事由(同項第八号から第十号までに該当する事由にあっては、同項第六号に係るものに限る。以下「該当事由」という。)、第七条第二項の規定により変更の登録をしようとするときは第六条第一項第八号から第十号までに該当する事由(同項第六号に係るものに限る。)の有無について、警察庁長官の意見を聴くものとする。

2 国土交通大臣は、第二十六条第一項若しくは第二項の規定による命令又は同条第一項若しくは第二十七条第一項の規定による登録の取消しをしようとするときは、該当事由又は第十四条、第二十四条第四項若しくは第六十一条の規定に違反する事実(次条において「違反事実」という。)の有無について、警察庁長官の意見を聴くことができる。

 (国土交通大臣への意見)

第六十五条 警察庁長官は、家賃債務保証業者について該当事由又は違反事実があると疑うに足りる相当な理由があるため、国土交通大臣が当該家賃債務保証業者に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、国土交通大臣に対し、その旨の意見を述べることができる。

 (取立てを行う者に対する質問)

第六十六条 警視総監又は道府県警察本部長は、家賃債務保証業者による求償債権等の取立てが行われているものと認められ、その取立てを行う者について該当事由があると疑うに足りる相当な理由があり、かつ、警察庁長官が前二条の規定による意見を述べるために必要であると認められる場合には、当該都道府県警察の警察職員に、その取立てを行う者に対し、家賃債務保証業者の商号、名称又は氏名並びにその取立てを行う者の氏名及びその弁済受領権限の基礎となる事実について質問させることができる。

2 第三十一条第五項及び第六項の規定は、前項の場合について準用する。

 (関係行政機関への照会等)

第六十七条 国土交通大臣は、第六十四条に規定するもののほか、この法律の規定に基づく事務に関し、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対し、照会し、又は協力を求めることができる。

 (内閣総理大臣への資料提供等)

第六十八条 内閣総理大臣は、賃借人の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる。

 (権限の委任)

第六十九条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

2 この法律に規定する内閣総理大臣の権限(政令で定めるものを除く。)は、消費者庁長官に委任する。

 (命令への委任)

第七十条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、国土交通省令で定める。

2 第六十四条及び第六十五条の規定により警察庁長官の権限に属する事務を実施するために必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

   第六章 罰則

第七十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 不正の手段によって第三条第一項の登録を受けた者

 二 第十条第一項の規定に違反した者

 三 第十一条の規定に違反した者

第七十二条 第二十六条第一項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第七十三条 第六十一条の規定に違反した者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第七十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第十三号に該当する者から家賃等弁済情報の提供を受けた者も、同様とする。

 一 第十四条の規定に違反した者

 二 第十五条の規定に違反して虚偽のことを告げた者

 三 第十六条の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は人を誤認させるような表示をした者

 四 第二十四条第四項の規定に違反して、同項第一号又は第二号に該当する者であることを知りながら、これを相手方として、求償債権譲渡等をした者

 五 第二十五条第一項の規定による命令に違反した者

 六 第三十一条第一項又は第二項(第二十四条第三項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

 七 第三十一条第三項又は第四項(第二十四条第三項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

 八 不正の手段によって第三十三条第一項の登録を受けた者

 九 第四十条第一項の規定に違反した者

 十 第四十一条の規定に違反した者

 十一 第四十八条の規定に違反して、秘密を漏らし、又は盗用した者

 十二 第五十一条第一項の規定による業務の停止の命令に違反して業務を営んだ者

 十三 第六十条の規定に違反して、家賃等弁済情報提供事業者から提供を受けた家賃等弁済情報を第五十八条第一項に規定する調査以外の目的に利用し、又は第三者に提供した者

 十四 第六十六条第一項の規定による質問に対して答弁をせず、又は虚偽の答弁をした者

第七十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第五十条の規定による命令に違反した者

 二 第五十七条第一項の規定に違反して同項の同意を得ないで家賃等弁済情報提供事業者に家賃等弁済情報を提供した者

 三 第五十七条第四項の規定に違反して同項の同意を得ないでデータベースを整備した者

 四 第五十八条第一項前段の規定に違反して同項前段の同意を得ないで家賃等弁済情報提供事業者に家賃等弁済情報の提供の依頼をした者

第七十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。

 一 第四条第一項若しくは第三十四条第一項の申請書又は第四条第二項若しくは第三十四条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者

 二 第十条第二項の規定に違反した者

 三 第十八条、第十九条若しくは第二十四条第二項の規定に違反して、書面を交付せず、又は第十八条各号、第十九条各号若しくは第二十四条第二項各号に掲げる事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者

 四 第二十条第一項(第二十四条第三項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、第二十条第一項各号に掲げる事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は記録をせず、若しくは虚偽の記録をした者

 五 第二十条第二項(第二十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して相手方から請求があった場合に取立てを行う者の氏名その他の事項を明らかにしなかった者

第七十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 一 第七条第一項又は第三十七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第七条第三項において準用する第四条第二項又は第三十七条第三項において準用する第三十四条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者

 三 第十三条第一項の規定に違反した者

 四 第二十一条(第二十四条第三項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、これに第二十一条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又はこれを保存しなかった者

 五 第二十二条後段(第二十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、当該請求が当該請求を行った者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかでないにもかかわらず、帳簿の閲覧又は謄写の請求を拒んだ者

 六 第二十三条の規定に違反した者

 七 第二十四条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

 八 第四十条第二項の規定に違反した者

 九 第四十二条第二項の規定による命令に違反した者

 十 第四十七条の規定による記録の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の記録を作成した者

第七十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第四十二条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第五十六条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

 三 第五十六条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者

第七十九条 法人又は人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

 一 第七十一条又は第七十二条 一億円以下の罰金刑

 二 第七十三条から前条まで 各本条の罰金刑

2 前項の規定により第七十一条の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同条の罪についての時効の期間による。

第八十条 第九条第一項又は第三十九条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、五十万円以下の過料に処する。

第八十一条 第四十六条の規定に違反した者は、三十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に家賃債務保証業を営んでいる者は、この法律の施行の日から六月間(当該期間内に第六条第一項の規定による登録の拒否の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、第三条第一項の登録を受けないでも、引き続き家賃債務保証業を営むことができる。その者がその期間内に同項の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。

2 前項の規定により引き続き家賃債務保証業を営むことができる場合においては、その者を第三条第一項の登録を受けた家賃債務保証業者とみなして、第十一条から第二十二条まで、第二十四条から第二十六条(登録の取消しに係る部分を除く。)まで及び第三十条から第三十二条までの規定を適用する。この場合において、同条中「第三条第二項若しくは第九条第二項の規定により登録が効力を失ったとき、又は第二十六条第一項、第二十七条第一項若しくは第二十八条第一項の規定により登録が取り消されたとき」とあるのは、「附則第二条第一項の規定により引き続き家賃債務保証業を営むことができる期間を経過したとき」とする。

3 この法律の施行の際現に家賃等弁済情報提供事業を営んでいる者は、この法律の施行の日から二月間(当該期間内に第三十六条第一項の規定による登録の拒否の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、第三十三条第一項の登録を受けないでも、引き続き家賃等弁済情報提供事業を営むことができる。その者がその期間内に同項の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。

4 前項の規定により引き続き家賃等弁済情報提供事業を営むことができる場合においては、その者を第三十三条第一項の登録を受けた家賃等弁済情報提供事業者と、その者と家賃等弁済情報収集契約を締結した者を情報提供業者と、その者と家賃等弁済情報提供契約を締結した者を情報利用業者とみなして、第四十一条、第四十三条から第五十一条(登録の取消しに係る部分を除く。)まで及び第五十五条から第六十条までの規定を適用する。

5 この法律の施行前に個人情報保護法第三十二条の規定により報告を求められ、又は個人情報保護法第三十四条第二項若しくは第三項の規定による命令を受けた個人情報取扱事業者で、この法律の施行後に家賃等弁済情報提供事業者(前項の規定により家賃等弁済情報提供事業者とみなされた者を含む。)となったものに係る当該報告の求め又は命令及びこれらに係る違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (検討)

第三条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (登録免許税法の一部改正)

第四条 登録免許税法の一部を次のように改正する。

  別表第一第百五十号の次に次のように加える。

百五十の二 家賃債務保証業者又は家賃等弁済情報提供事業者の登録

 () 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律(平成二十二年法律第▼▼▼号)第三条第一項(登録)の家賃債務保証業者の登録

登録件数

一件につき九万円

(更新の登録を除く。)

 

 

 () 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律第三十三条第一項(登録)の家賃等弁済情報提供事業者の登録(更新の登録を除く。)

登録件数

一件につき十五万円

 (住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部改正)

第五条 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(平成十九年法律第百十二号)の一部を次のように改正する。

  第十条第一項中「宅地建物取引業者」の下に「、家賃債務保証業者」を加える。

 (消費者庁及び消費者委員会設置法の一部改正)

第六条 消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第四条第十三号の次に次の一号を加える。

  十三の二 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律(平成二十二年法律第▼▼▼号)の規定による賃借人(同法第二条第二項に規定するものをいう。)の利益の保護に関すること。

 


     理 由

 賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関して不当な行為が発生する等の家賃の支払に関連する賃借人の居住をめぐる状況にかんがみ、賃借人の居住の安定の確保を図るため、家賃債務保証業を営む者及び家賃等弁済情報提供事業を営む者について登録制度を実施し、これらの事業に対し必要な規制を行い、家賃債務保証業者及び家賃等弁済情報提供事業者の業務の適正な運営を確保するとともに、家賃等弁済情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定め、あわせて賃貸住宅の家賃等に係る債権の取立てに関する不当な行為を規制する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.