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第一七九回

閣第一五号

   国民年金法の一部を改正する法律案

 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)の一部を次のように改正する。

 第十二条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(届出)」を付し、同条の次に次の一条を加える。

第十二条の二 第三号被保険者であつた者は、第二号被保険者の被扶養配偶者でなくなつたことについて、厚生労働省令の定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

2 前条第六項から第九項までの規定は、前項の届出について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 第十三条第一項中「前条第四項」を「第十二条第四項」に改める。

 第百八条第一項中「官公署」の下に「、共済組合等又は健康保険組合」を、「被保険者又は」の下に「国家公務員共済組合法若しくは地方公務員等共済組合法の短期給付に関する規定の適用を受ける組合員、私立学校教職員共済法の短期給付に関する規定の適用を受ける加入者若しくは健康保険若しくは」を加える。

 第百八条の二の次に次の一条を加える。

第百八条の二の二 共済組合等は、厚生労働大臣に対し、その組合員又は加入者が第二号被保険者でなくなつたことに関して必要な情報の提供を行うものとする。

 第百九条の四第一項ただし書中「第三十二号まで」を「第三十号まで、第三十一号、第三十二号」に改め、同項第三号の次に次の一号を加える。

 三の二 第十二条の二第一項の規定による届出の受理

 第百九条の四第一項第三十号の次に次の一号を加える。

 三十の二 第百八条の二の二の規定による情報の受領

 第百九条の四第一項第三十七号の次に次の二号を加える。

 三十七の二 附則第九条の四の二第一項の規定による届出の受理

 三十七の三 附則第九条の四の三第一項の規定による承認

 附則第七条の三第五項中「昭和六十年法律第三十四号」の下に「。以下「昭和六十年改正法」という。」を加える。

 附則第九条の四の二を附則第九条の四の七とし、附則第九条の四の次に次の五条を加える。

 (第三号被保険者としての被保険者期間の特例)

第九条の四の二 被保険者又は被保険者であつた者は、第三号被保険者としての被保険者期間(昭和六十一年四月から国民年金法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号。次条第一項において「平成二十三年改正法」という。)の施行の日(以下「平成二十三年改正法施行日」という。)の属する月の前月までの間にある保険料納付済期間(政令で定める期間を除く。)に限る。)のうち、第一号被保険者としての被保険者期間として第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされた期間(附則第九条の四の六第一項及び第二項において「不整合期間」という。)であつて、当該訂正がなされたときにおいて保険料を徴収する権利が時効によつて消滅しているもの(以下「時効消滅不整合期間」という。)について、厚生労働大臣に届出をすることができる。

2 前項の規定により届出が行われたときは、当該届出に係る時効消滅不整合期間(第四項及び次条第一項において「特定期間」という。)については、この法律その他の政令で定める法令の規定を適用する場合においては、当該届出が行われた日以後、第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間とみなすほか、これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

3 次条第一項の規定その他政令で定める規定により保険料の納付が行われたときは、納付が行われた日以後、当該納付に係る月については、前項の規定は、適用しない。

4 特定期間を有する者に対する昭和六十年改正法附則第十八条の規定の適用については、同条第一項中「同日以後の国民年金の被保険者期間」とあるのは、「同日以後に同法附則第九条の四の二第二項の規定により同法第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間とみなされた期間」とする。

 (特定保険料の納付)

第九条の四の三 平成二十三年改正法附則第五条に規定する政令で定める日の翌日から起算して三年を経過する日(以下「特定保険料納付期限日」という。)までの間において、被保険者又は被保険者であつた者(特定期間を有する者に限る。)は、厚生労働大臣の承認を受け、特定期間のうち、保険料納付済期間以外の期間であつて、その者が五十歳以上六十歳未満であつた期間(その者が六十歳未満である場合にあつては、承認の日の属する月前十年以内の期間)の各月につき、承認の日の属する月前十年以内の期間の各月の保険料に相当する額に政令で定める額を加算した額のうち最も高い額(承認の日の属する月前十年以内の期間にあつては、当該加算した額)の保険料(以下この条において「特定保険料」という。)を納付することができる。

2 前項の規定による特定保険料の納付は、先に経過した月の保険料に係る特定保険料から順次に行うものとする。

3 第一項の規定により特定保険料の納付が行われたときは、納付が行われた日に、納付に係る月の保険料が納付されたものとみなす。

4 老齢基礎年金の受給権者が第一項の規定による特定保険料の納付を行つたときは、納付が行われた日の属する月の翌月から、年金額を改定する。ただし、次条第一項に規定する特定受給者(同条第二項に規定する特定裁定受給者を除く。)については、特定保険料納付期限日の属する月の翌月から、年金額を改定する。

5 前各項に定めるもののほか、特定保険料の納付手続その他特定保険料の納付について必要な事項は、政令で定める。

 (特定受給者の老齢基礎年金等の特例)

第九条の四の四 第十四条の規定により記録した事項について平成二十三年改正法施行日から特定保険料納付期限日までの間に訂正がなされたことにより時効消滅不整合期間となつた期間を有する者であつて、平成二十三年改正法施行日において当該時効消滅不整合期間となつた期間が保険料納付済期間であるものとして老齢基礎年金又は被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けているもの(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。次項及び次条において「特定受給者」という。)が有する当該時効消滅不整合期間となつた期間については、この法律その他の政令で定める法令の規定(老齢基礎年金又は被用者年金各法に基づく老齢給付等に係るものに限る。)を適用する場合においては、特定保険料納付期限日までの間、保険料納付済期間とみなす。この場合において、附則第九条の四の二第二項の規定は、適用しない。

2 特定受給者のうち、平成二十三年一月一日から同年二月二十四日までの間に老齢基礎年金又は被用者年金各法に基づく老齢給付等を受ける権利に係る裁定(これに相当するものを含む。)が行われた者であつて厚生労働省令で定めるもの(次条において「特定裁定受給者」という。)に対する前項の規定の適用については、同項中「特定保険料納付期限日までの間、保険料納付済期間とみなす。この場合において、附則第九条の四の二第二項の規定は、適用しない」とあるのは、「平成二十三年改正法施行日の前日までの間、保険料納付済期間とみなす」とする。

 (特定保険料納付期限日の属する月の翌月以後の特定受給者の老齢基礎年金の額)

第九条の四の五 特定受給者(特定裁定受給者を除く。)に支給する特定保険料納付期限日の属する月の翌月以後の月分の老齢基礎年金の額については、訂正後年金額(第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二及び第九条の二の二並びに昭和六十年改正法附則第十七条の規定に定める額をいう。)が訂正前年金額(前条第一項に規定する時効消滅不整合期間となつた期間を保険料納付済期間とみなして第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二及び第九条の二の二並びに昭和六十年改正法附則第十七条の規定を適用した場合におけるこれらの規定に定める額をいう。)に百分の九十を乗じて得た額(以下この条において「減額下限額」という。)に満たないときは、第二十七条及び第二十八条並びに附則第九条の二及び第九条の二の二並びに昭和六十年改正法附則第十七条の規定にかかわらず、減額下限額に相当する額とする。

 (不整合期間を有する者の障害基礎年金等に係る特例)

第九条の四の六 平成二十三年改正法施行日以後に第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされたことにより不整合期間となつた期間を有する者であつて、平成二十三年改正法施行日において当該不整合期間となつた期間が保険料納付済期間であるものとして障害基礎年金又は被用者年金各法その他の政令で定める法令に基づく障害を支給事由とする年金たる給付を受けているもの(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。)の当該不整合期間となつた期間については、この法律その他の政令で定める法令の規定(これらの給付に係るものに限る。)を適用する場合においては、保険料納付済期間とみなす。

2 平成二十三年改正法施行日以後に第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされたことにより不整合期間となつた期間を有する者の死亡に係る遺族基礎年金又は被用者年金各法その他の政令で定める法令に基づく死亡を支給事由とする年金たる給付であつて、平成二十三年改正法施行日において当該不整合期間となつた期間が保険料納付済期間であるものとして支給されているもの(これらの給付の全部につき支給が停止されているものを含む。)の受給資格要件たる期間の計算の基礎となる当該不整合期間となつた期間については、この法律その他の政令で定める法令の規定(これらの給付に係るものに限る。)を適用する場合においては、保険料納付済期間とみなす。

3 附則第九条の四の二第一項の規定により届出が行われたときは、当該届出が行われた日以後、当該届出に係る期間については、第一項の規定は、適用しない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第八条から第十一条までの規定 公布の日

 二 第十二条の見出しを削る改正規定、同条の前に見出しを付する改正規定、同条の次に一条を加える改正規定、第十三条第一項の改正規定及び第百九条の四第一項第三号の次に一号を加える改正規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律により改正された国民年金法の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (第三号被保険者であった者の届出に関する経過措置)

第三条 この法律による改正後の国民年金法(以下「改正後の国民年金法」という。)第十二条の二第一項の規定は、附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日以後において国民年金法第七条第一項第三号に規定する第三号被保険者でなくなった者について適用する。

 (障害基礎年金等の支給に関する経過措置)

第四条 国民年金法第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされたことにより改正後の国民年金法附則第九条の四の二第一項に規定する時効消滅不整合期間(以下この条において「時効消滅不整合期間」という。)となった期間を有する者であって、初診日がこの法律の公布の日(次項及び次条において「公布日」という。)から改正後の国民年金法附則第九条の四の三第一項に規定する特定保険料納付期限日(初診日前に当該記録した事項の訂正がなされた者にあっては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して三月を経過する日)までの間にある傷病による障害を有するもの(施行日において当該障害を支給事由とする国民年金法による障害基礎年金又は改正後の国民年金法附則第九条の四の六第一項に規定する年金たる給付を受けている者(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。)及び当該初診日の前日までの間に当該時効消滅不整合期間について改正後の国民年金法附則第九条の四の二第一項の規定による届出をした者を除く。)について改正後の国民年金法附則第九条の四の二第一項及び第二項の規定を適用する場合(これらの給付の支給要件に関する規定を適用する場合に限る。)においては、同条第一項中「次条第一項」とあるのは「次項及び次条第一項」と、同条第二項中「法令の規定」とあるのは「法令の規定(障害基礎年金又は附則第九条の四の六第一項に規定する年金たる給付の支給要件に関する規定に限る。)」と、「当該届出が行われた日」とあるのは「平成二十三年改正法附則第四条第一項に規定する傷病に係る初診日の前日」とする。

2 国民年金法第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされたことにより時効消滅不整合期間となった期間を有する者であって、公布日から改正後の国民年金法附則第九条の四の三第一項に規定する特定保険料納付期限日(当該記録した事項の訂正がなされた後に当該者が死亡した場合にあっては、施行日から起算して三月を経過する日)までの間に死亡したもの(施行日において当該死亡に係る国民年金法による遺族基礎年金又は改正後の国民年金法附則第九条の四の六第二項に規定する年金たる給付が支給されている場合(これらの給付の全部につき支給が停止されている場合を含む。)及び当該死亡の日の前日までの間に当該時効消滅不整合期間について改正後の国民年金法附則第九条の四の二第一項の規定による届出が行われた場合を除く。)について改正後の国民年金法附則第九条の四の二第一項及び第二項の規定を適用する場合(これらの給付の支給要件に関する規定を適用する場合に限る。)においては、同条第一項中「被保険者であつた者は、」とあるのは「被保険者であつた者の遺族(当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡に係る遺族基礎年金又は附則第九条の四の六第二項に規定する年金たる給付を受けることができる者に限る。)は、当該被保険者又は被保険者であつた者の」と、同条第二項中「法令の規定」とあるのは「法令の規定(遺族基礎年金又は附則第九条の四の六第二項に規定する年金たる給付の支給要件に関する規定に限る。)」と、「当該届出が行われた日」とあるのは「死亡日の前日」とする。

 (特定保険料の納付に関する経過措置)

第五条 改正後の国民年金法附則第九条の四の三第一項の規定は、公布日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までは、適用しない。

第六条 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第九十三号。附則第十条において「平成二十三年年金確保支援法」という。)附則第二条の規定の施行の日から同日以後三年を経過する日までの間における改正後の国民年金法附則第九条の四の三第一項の規定の適用については、同項中「被保険者又は被保険者であつた者」とあるのは「六十歳以上である者」と、「六十歳未満である場合にあつては、承認の日の属する月前十年以内の期間」とあるのは「老齢基礎年金の受給権者以外の者である場合にあつては、承認の日の属する月前十年以内の期間を除く。」とする。

 (国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)

第七条 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  附則第十四条第一項及び第二項中「、第二十八条、附則第九条の二及び第九条の二の二」を「及び第二十八条並びに附則第九条の二、第九条の二の二及び第九条の四の五」に改める。

 (独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律の一部改正)

第八条 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。

  附則第十二条のうち国民年金法附則第九条の五を削り、同法附則第九条の四の二を同法附則第九条の五とする改正規定中「附則第九条の四の二」を「附則第九条の四の七」に改める。

 (調整規定)

第九条 施行日が独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律の施行の日以後である場合には、附則第九条の四の二を附則第九条の四の七とし、附則第九条の四の次に五条を加える改正規定中「附則第九条の四の二を附則第九条の四の七とし、附則第九条の四」とあるのは、「附則第九条の四」とする。

2 前項の場合において、前条の規定は、適用しない。

 (平成二十三年年金確保支援法の一部改正)

第十条 平成二十三年年金確保支援法の一部を次のように改正する。

  第一条のうち国民年金法附則第五条に二項を加える改正規定(同条第十三項に係る部分に限る。)中「この項及び附則第七条の三第五項において」を削り、同法附則第七条の三第五項の改正規定中「昭和六十年法律第三十四号」の下に「。以下「昭和六十年改正法」という。」を加える。

  附則第一条に次の二号を加える。

  六 附則第五条の二の規定 国民年金法の一部を改正する法律(平成二十三年法律第▼▼▼号)の公布の日

  七 附則第十一条及び第十二条の規定 国民年金法の一部を改正する法律の施行の日

  附則第五条の次に次の一条を加える。

  (調整規定)

 第五条の二 国民年金法の一部を改正する法律の施行の日が附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日以後である場合には、第一条のうち国民年金法附則第七条の三第五項の改正規定中「昭和六十年法律第三十四号。以下「昭和六十年改正法」という。」とあるのは、「昭和六十年法律第三十四号」とする。

  附則に次の二条を加える。

  (国民年金法の一部を改正する法律の一部改正)

 第十一条 国民年金法の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

   国民年金法附則第七条の三第五項の改正規定を削る。

  (調整規定)

 第十二条 国民年金法の一部を改正する法律の施行の日が附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日前である場合には、前条の規定は、適用しない。

 (政令への委任)

第十一条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。


     理 由

 国民年金の第三号被保険者に関する記録の不整合に対処するため、届出の行われた不整合期間について、老齢基礎年金等の受給資格期間に算入することができる期間とみなすほか、本人の希望により当該不整合期間に係る特定保険料を納付することを可能とする等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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