衆議院

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第一八五回

衆第四号

   公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、公的資金による事業再生支援が公正かつ自由な競争を阻害するおそれがあることに鑑み、公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保に関する指針の策定等について定めることにより、これらの者の対等な競争条件の確保を図り、もって国民経済の健全な発達の促進に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「公的資金による事業再生支援」とは、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者について、債務等の調整(当該事業者及びこれに対して金銭債権を有する者その他の利害関係人の間における金銭債務の内容の変更、担保関係の変更その他の金銭債務に係る利害関係の調整であって、当該事業者の経済的再生に資するためのものをいう。)が行われる場合において、政府(政府が出資する法人を含む。この条において同じ。)が出資して特別の法律により設立された法人(以下この条において「政府出資法人」という。)が、当該事業者の事業の維持更生又は再生を支援する目的で行う次に掲げる行為をいう。

 一 当該事業者に対する金銭債権の取得

 二 当該事業者に対する資金の貸付け(社債の引受けを含む。)

 三 当該事業者に対する金融機関等からの資金の借入れに係る債務の保証

 四 当該事業者に対する出資(当該事業者の株式の取得を含む。)

 五 その他当該事業者に経済的利益を生じさせる行為

2 極めて大規模な災害によって被害を受けたことにより過大な債務を負っている事業者であって被災地域においてその事業の再生を図ろうとするものの事業の再生を支援することを目的とする政府出資法人が当該目的に係る業務として行う前項各号に掲げる行為は、公的資金による事業再生支援に含まれないものとする。

3 この法律において「事業再生支援法人」とは、公的資金による事業再生支援を行う場合における政府出資法人をいう。

4 この法律において「公的資金再生事業者」とは、公的資金による事業再生支援を受け、事業再生支援法人が当該公的資金による事業再生支援に係る全ての業務を完了するまでの間にある事業者をいう。

 (基本原則)

第三条 公的資金による事業再生支援は、公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との競争条件に対する影響が、公的資金による事業再生支援の目的を達成する上で必要最小限のものとなるよう、行われなければならない。

 (指針の策定等)

第四条 公正取引委員会は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第一条の公正かつ自由な競争の促進を図るため、公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との競争条件に対する影響が公的資金による事業再生支援の目的を達成する上で必要最小限のものとなるようにするために、公的資金による事業再生支援の当該競争条件に対する影響の評価の方法、当該影響を緩和することに資する方策等に関し、事業再生支援法人及び関係行政機関の長が勘案すべき基本的事項に関する指針を策定するものとする。

2 公正取引委員会は、前項の指針を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長の意見を聴くものとする。

3 公正取引委員会は、第一項の指針を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

 (事業再生支援法人の責務)

第五条 事業再生支援法人は、公的資金による事業再生支援を行うに当たっては、前条第一項の指針を勘案するものとする。

 (関係行政機関の長の責務)

第六条 関係行政機関の長は、公的資金による事業再生支援に関連して、公的資金再生事業者又は同種の業務を営む事業者に対し処分等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第二号に規定する処分及び同条第六号に規定する行政指導をいう。次条第一項において同じ。)を行うときは、第四条第一項の指針を勘案するものとする。

 (事業再生支援法人及び関係行政機関の長に対する通知)

第七条 公正取引委員会は、公的資金による事業再生支援又はこれに関連して行われた公的資金再生事業者若しくは同種の業務を営む事業者に対する処分等(以下「支援又は処分等」という。)が第四条第一項の指針に照らし適切に行われたと認められず、かつ、当該支援又は処分等による公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との競争条件に対する影響が著しく大きく、公正かつ自由な競争を確保する上で特に必要と認めるときは、事業再生支援法人又は関係行政機関の長に対し、その旨を通知することができる。

2 公正取引委員会は、前項の規定による通知をしたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならない。

3 事業再生支援法人又は関係行政機関の長は、第一項の通知を受けたときは、当該支援又は処分等に係る状況を総合的に勘案し、必要な措置を講ずることができる。

4 事業再生支援法人及び関係行政機関の長は、前項の規定により講じた措置について、公正取引委員会に通知しなければならない。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
     理 由

 公的資金による事業再生支援が公正かつ自由な競争を阻害するおそれがあることに鑑み、公的資金再生事業者と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件の確保を図るため、これらの者の対等な競争条件の確保に関する指針の策定等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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