衆議院

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第一八六回

衆第四四号

   経済社会改革の推進に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条−第六条)

 第二章 基本的施策(第七条−第二十条)

 第三章 経済社会改革推進計画(第二十一条)

 第四章 経済社会改革推進本部(第二十二条−第三十一条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、我が国の経済状況を好転させるためには、民間の自主的な選択に配慮した施策の推進、生産性の高い経済の実現及び地域を中心とした社会のシステムの構築による経済社会の改革(以下「経済社会改革」という。)が喫緊の課題であることに鑑み、経済社会改革に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項を定め、国の責務を明らかにし、並びに経済社会改革推進計画の作成について定めるとともに、経済社会改革推進本部を設置することにより、経済社会改革に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民生活の向上及び経済社会の発展に寄与することを目的とする。

 (民間の自主的な選択に配慮した施策の推進)

第二条 経済社会改革は、民間活動が経済社会の発展の基盤であることに鑑み、国が講ずる施策について民間の自主的な選択に配慮したものとするとともに、これを踏まえて国の行政組織並びに事務及び事業の見直しを行い、行政運営の効率化及び歳出の削減が図られることを旨として行われなければならない。

 (生産性の高い経済の実現)

第三条 経済社会改革は、技術革新の進展に必要な環境を整備するため、民間活動の活性化に資するよう人材の多様性を確保し、並びに社会における人材の移動に伴う手続及び費用の負担を軽減することにより、民間における生産性を高め、雇用を確保し、及び国民負担の軽減に資することを旨として行われなければならない。

 (地域を中心とした社会のシステムの構築)

第四条 経済社会改革は、各地域において、商品を使用し、若しくは消費し、又はサービスの提供を受ける者を起点として各産業分野相互の連携を図り、これらの者が商品を使用し、若しくは消費し、又はサービスの提供を受けることにより享受する価値を効果的に創造し、提供し、及び確保するシステムを構築し、及び運営することを旨として行われなければならない。

 (国の責務)

第五条 国は、前三条に規定する経済社会改革に関する基本理念にのっとり、経済社会改革に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (法制上の措置等)

第六条 政府は、経済社会改革に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない。

   第二章 基本的施策

 (経済活動への参加意欲の向上)

第七条 国は、経済活動に参加し、又は参加しようとする者の意欲を高めるため、就業に係る規制の緩和、労働契約制度の見直し、新たな事業の開拓及びこれに伴う総合調整に関する業務並びに高度な専門的業務に必要な技能及びこれに関する知識を有する者に対する認定又は資格に係る制度の創設その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (社会保障制度への依存の防止)

第八条 国は、経済活動に参加しようとする努力を怠る者が社会保障制度に過度に依存することとならないよう、社会保障制度の改革その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (経済活動における再挑戦又はその機会の確保)

第九条 国は、経済活動に参加しようとする者が失敗を恐れることなく経済活動に参加することができるよう、経済活動における再挑戦又はその機会の確保に必要な規制の緩和その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (人材の多様性の確保)

第十条 国は、民間企業の活性化に資するよう、人材の多様性を確保するため、採用慣行その他の雇用慣行の見直しの奨励及び社外取締役の選任の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (人材の移動に伴う手続及び費用の負担の軽減)

第十一条 国は、転職、転居その他の社会における人材の移動に伴う手続及び費用の負担を軽減するため、人材の移動の際に必要な情報の授受が迅速に行われるよう、個人を識別するための番号の利用範囲の拡大その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (情報の収集、蓄積及び共有の促進)

第十二条 国は、高度情報通信ネットワーク社会の形成その他の技術革新の進展に必要な環境の整備を推進するため、事業の効率化又は新たな事業の開拓に資する大量かつ多様な情報の収集、蓄積及び共有の促進に必要な規制の緩和その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (経済の発展の基盤の拡大)

第十三条 国は、アジア地域及び太平洋周辺の地域を我が国経済の成長の場とする等我が国経済の発展の基盤を世界的規模に拡大するために必要な体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (経済社会の基盤の模範的な仕組みの海外への展開)

第十四条 国は、我が国が自ら課題の解決に取り組んできた成果である経済社会の基盤の模範的な仕組みの海外への展開を図るため、その促進に必要な規制の緩和その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (地域医療・福祉ネットワークシステムの構築)

第十五条 国は、効率的な地域医療及び福祉の体制整備に資するため、地域医療・福祉ネットワークシステム(住民に必要な医療サービス及び福祉サービスを可能な限り包括する事業体を地域ごとに設置し、及び運営するための仕組みをいう。)の構築その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (地域社会の中心となる都市への人口の集中)

第十六条 国は、地域社会の中心となる都市がそれぞれ魅力あるものとなることによって人口の集中を促進し、効率的な経済の発展を図ることができるよう、道州制の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (農村地域の再生)

第十七条 国は、農村地域の再生に資するよう、若者が夢を求めて農業に参入し、及び農村に居住し、並びに消費者を主体とした豊かな食生活を創造するため、農村地域における雇用機会の創出、農産物等の生産及び加工又は販売を一体的に行う事業の促進、農業及び農村地域を振興する仕組みの再構築その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (安定的で効果的なエネルギー供給のシステム及び効率的な物流のシステムの構築)

第十八条 国は、真に安定的で効果的なエネルギー供給及び効率的な物流を実現するため、国際的な電力供給のシステムの構築、蓄電池を活用した電力供給のシステムの構築並びにバイオマス及び太陽熱の活用並びに複数の輸送機関を活用し輸送時間を短縮する物流のシステムの構築その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (文化及び景観を活用したシステムの構築)

第十九条 国は、我が国の大衆文化、食文化及び美しい景観を活用して地域振興を図るため、大衆文化を活用することにより都市部に活力をもたらすシステム並びに食文化及び景観を活用した観光のシステムの構築その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (新たな社会参加の場の創出)

第二十条 国は、新たな社会参加の場を創出するため、営利を目的としない団体の育成その他の必要な施策を講ずるものとする。

   第三章 経済社会改革推進計画

第二十一条 経済社会改革推進本部は、経済社会改革に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、経済社会改革に関する推進計画(以下「経済社会改革推進計画」という。)を作成しなければならない。

2 経済社会改革推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 経済社会改革の推進に関する基本的な方針

 二 経済社会改革に関し政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策

 三 前二号に定めるもののほか、経済社会改革に関する施策を政府が総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 経済社会改革推進計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の期間を定めるものとする。

4 経済社会改革推進本部は、第一項の規定により経済社会改革推進計画を作成したときは、遅滞なく、これをインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

5 経済社会改革推進本部は、適時に、第三項の規定により定める目標の達成状況を調査し、その結果をインターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

6 経済社会改革推進本部は、経済社会改革の進展の状況、政府が経済社会改革に関して講じた施策の効果等を勘案して、適宜、経済社会改革推進計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。この場合においては、第四項の規定を準用する。

7 政府は、経済社会改革推進計画について、その実施に要する経費に関し必要な資金の確保を図るため、毎年度、国の財政の許す範囲内で、これを予算に計上する等その円滑な実施に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

   第四章 経済社会改革推進本部

 (設置)

第二十二条 経済社会改革に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に、経済社会改革推進本部(以下「本部」という。)を置く。

 (所掌事務)

第二十三条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 経済社会改革推進計画を作成し、及びその実施を推進すること。

 二 前号に掲げるもののほか、経済社会改革に関する施策で重要なものの企画に関する調査審議、その施策の実施の推進及び総合調整に関すること。

 (組織)

第二十四条 本部は、経済社会改革推進本部長、経済社会改革推進副本部長及び経済社会改革推進本部員をもって組織する。

 (経済社会改革推進本部長)

第二十五条 本部の長は、経済社会改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。

2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

3 本部長は、前項の職務を遂行するに当たっては、必要に応じて内閣総理大臣補佐官を活用するよう努めるものとする。

 (経済社会改革推進副本部長)

第二十六条 本部に、経済社会改革推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。

2 副本部長は、本部長の職務を助ける。

 (経済社会改革推進本部員)

第二十七条 本部に、経済社会改革推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。

2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。

 (資料の提出その他の協力)

第二十八条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

 (事務局)

第二十九条 本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。

2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。

3 事務局長その他の職員は、経済社会改革の推進に関し知見を有する者を行政組織の内外から積極的に登用するものとする。

4 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。

 (主任の大臣)

第三十条 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

 (政令への委任)

第三十一条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。


     理 由

 経済社会改革に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、経済社会改革に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項を定め、国の責務を明らかにし、並びに経済社会改革推進計画の作成について定めるとともに、経済社会改革推進本部を設置する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


   本案施行に要する経費

 本案施行に要する経費としては、平年度約一億八千四百万円の見込みである。

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