衆議院

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第一九〇回

衆第三七号

   民法の一部を改正する法律案

 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 第七百三十一条を次のように改める。

 (婚姻適齢)

第七百三十一条 十八歳に達しない者は、婚姻をすることができない。

 第七百三十三条第一項中「六箇月」を「起算して百日」に改め、同条第二項を次のように改める。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

 二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

 第七百四十六条中「六箇月」を「起算して百日」に、「懐胎した」を「出産した」に改める。

 第七百四十九条中「第七百九十条第一項ただし書」を「第七百九十条第一項(括弧書に係る部分に限る。)」に改める。

 第七百五十条中「夫又は妻の氏」を「夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏」に改める。

 第七百九十条第一項中「、父母の氏」の下に「(子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏)又はその出生の際に父母の協議で定める父若しくは母の氏」を加え、同項ただし書を削り、同条第二項を同条第五項とし、同条第一項の次に次の三項を加える。

2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき(次項及び第四項の場合を除く。)は、家庭裁判所は、父又は母の請求により、協議に代わる審判をすることができる。

3 子が称する氏を父母の協議で定める場合において、父母の一方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、子は、他の一方が定める父又は母の氏を称する。

4 子が称する氏を父母の協議で定める場合において、父母の双方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、家庭裁判所は、子の親族その他の利害関係人の請求により、父又は母の氏を子が称する氏として定める。

 第七百九十一条第二項中「父母の氏」の下に「又はその父若しくは母の氏」を加え、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 子の出生後に婚姻をした父母が氏を異にする夫婦である場合には、子は、父母の婚姻中に限り、第一項の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。ただし、父母の婚姻後に子がその氏を改めたときは、この限りでない。

 第八百十条を次のように改める。

 (養子の氏)

第八百十条 養子は、養親の氏(氏を異にする夫婦が共に養子をする場合において、養子となる者が十五歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者と養子となる者の協議で定める養親のいずれかの氏、養子となる者が十五歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者の協議で定める養親のいずれかの氏)を称する。

2 氏を異にする夫婦の一方が配偶者の嫡出である子を養子とする場合において、養子は、前項の規定にかかわらず、養子となる者が十五歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者、その配偶者及び養子となる者の協議で定める養親又はその配偶者の氏(養親となる者の配偶者がその意思を表示することができないときは、養親となる者と養子となる者の協議で定める養親又はその配偶者の氏)、養子となる者が十五歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者とその配偶者の協議で定める養親又はその配偶者の氏(養親となる者の配偶者がその意思を表示することができないときは、養親となる者が定める養親又はその配偶者の氏)を称する。

3 養子が婚姻によって氏を改めた者であるときは、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、前二項の規定を適用しない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第七百四十九条の改正規定、第七百五十条の改正規定、第七百九十条の改正規定、第七百九十一条の改正規定及び第八百十条の改正規定並びに附則第四条の規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置の原則)

第二条 この法律による改正後の民法(次条において「新法」という。)の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の民法の規定により生じた効力を妨げない。

 (婚姻適齢に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際十六歳に達している女は、新法第七百三十一条の規定にかかわらず、婚姻をすることができる。

 (夫婦の氏に関する経過措置)

第四条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、配偶者との合意に基づき、当該規定の施行の日から二年以内に別に法律で定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏に復することができる。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、両性の本質的平等の観点から、再婚禁止期間を廃止すること及びこれに伴い嫡出の推定に係る制度を見直すことについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 最近における国民の価値観の多様化及び女性の地位の向上並びにこれらを反映した世論の動向等並びに再婚禁止期間を前婚の解消又は取消しの日から六箇月と定める民法の規定のうち百日を超える部分は憲法違反であるとの最高裁判所判決があったことに鑑み、個人の尊重と男女の対等な関係の構築の観点から、選択的夫婦別氏制の導入並びに婚姻適齢及び再婚禁止期間の見直しを行う必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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