衆議院

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第一九〇回

衆第九号

   消費税の逆進性を緩和するための給付付き税額控除の導入等に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、消費税率(地方消費税率を含む。)の引上げが国民生活に及ぼす影響を踏まえ、消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)の逆進性を緩和し、格差の拡大を防止する必要があることに鑑み、給付付き税額控除を導入するために必要な基本的事項等を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「消費税の逆進性」とは、所得の少ない世帯ほど、家計において消費税として支出する額の所得の額に対する割合が高くなる傾向にあることをいう。

2 この法律において「給付付き税額控除」とは、居住者(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二条第一項第三号に規定する居住者をいう。以下同じ。)について、所得税の額から一定の額を控除し、かつ、当該控除をしてもなお控除しきれない額があるときは当該控除しきれない額に相当する金銭を給付する制度をいう。

 (給付付き税額控除の導入等)

第三条 政府は、消費税の逆進性を緩和するため、次に掲げる方針に従って給付付き税額控除を導入するものとし、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

 一 給付付き税額控除において所得税の額から控除する額は、居住者一人当たりの飲食料品の購入に要する費用の額に係る消費税の負担額として家計統計(統計法(平成十九年法律第五十三号)第二条第四項に規定する基幹統計である家計統計をいう。)における食料に係る消費支出の額(酒類及び外食に係るものを除く。)、消費税の収入見込額等を勘案して算定した額の十分の二に相当する額を基礎として計算するものとすること。この場合において、当該控除する額は居住者の所得の額の逓増に応じて逓減するように定めるとともに、一定以上の所得を有する者については給付付き税額控除における控除を行わないものとすること。

 二 給付付き税額控除に関する事務は、別に法律で定めるところにより内閣府の外局として置かれる歳入庁がつかさどるものとすること。

 三 前号の歳入庁が置かれてから一年以内に、給付付き税額控除を導入するものとすること。

2 政府は、前項の給付付き税額控除を導入するまでの間の暫定的及び臨時的な措置として、簡素な給付措置を実施するものとする。

 (総合合算制度の導入の検討)

第四条 政府は、消費税の逆進性を緩和する観点から、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)第七条第一号イの総合合算制度の導入について速やかに検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 消費税率の引上げが国民生活に及ぼす影響を踏まえ、消費税の逆進性を緩和し、格差の拡大を防止する必要があることに鑑み、給付付き税額控除を導入するために必要な基本的事項等を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

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