衆議院

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第一九〇回

衆第四一号

   東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案

 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第二節 復興一体事業(第五十七条−第六十三条)」を

第二節 復興一体事業(第五十七条−第六十三条)

 

 

第二節の二 土地の収用又は使用に係る特別の措置

 

 

 第一款 総則(第六十三条の二−第六十三条の十)

 

 

 第二款 特例事業(第六十三条の十一−第六十三条の十六)

 

 

 第三款 収用又は使用の手続

 

 

  第一目 裁決手続の開始(第六十三条の十七−第六十三条の二十四)

 

 

  第二目 権利取得裁決前の土地使用(第六十三条の二十五・第六十三条の二十六)

 

 

  第三目 補償金の仮払請求(第六十三条の二十七−第六十三条の三十一)

 

 

  第四目 権利取得裁決(第六十三条の三十二−第六十三条の四十六)

 

 

  第五目 補償裁決(第六十三条の四十七−第六十三条の五十八)

 

 

 第四款 用地委員会

 

 

  第一目 組織及び権限(第六十三条の五十九−第六十三条の六十八)

 

 

  第二目 会議及び審理(第六十三条の六十九−第六十三条の七十八)

 

 

 第五款 損失の補償

 

 

  第一目 収用又は使用による損失の補償(第六十三条の七十九−第六十三条の百八)

 

 

  第二目 事業の廃止等による損失の補償(第六十三条の百九−第六十三条の百十一)

 

 

 第六款 手数料及び費用の負担(第六十三条の百十二−第六十三条の百十五)

 

 

 第七款 行政手続法の適用除外(第六十三条の百十六)

 

 

 第八款 審査請求及び訴訟(第六十三条の百十七−第六十三条の百二十二)

 

 

 第九款 雑則(第六十三条の百二十三−第六十三条の百二十八)

に、「第九十一条−第九十三条」を「第九十条の二−第九十四条」に改める。

 第四章第二節の次に次の一節を加える。

    第二節の二 土地の収用又は使用に係る特別の措置

     第一款 総則

 (土地の収用又は使用)

第六十三条の二 特例事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該特例事業の用に供することが土地の利用上適正かつ合理的であるときは、この節の定めるところにより、これを収用し、又は使用することができる。

 (収用し、又は使用することができる土地等の制限)

第六十三条の三 この法律又は他の法律によって、土地等を収用し、又は使用することができる事業の用に供している土地等は、特別の必要がなければ、この節の定めるところにより収用し、又は使用することができない。

 (権利の収用又は使用)

第六十三条の四 土地を特例事業の用に供するため、その土地にある次に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要かつ相当である場合においては、この節の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。

 一 地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地に関する所有権以外の権利

 二 鉱業権

 三 温泉を利用する権利

2 土地の上にある立木、建物その他土地に定着する物件をその土地とともに特例事業の用に供するため、これらの物件に関する所有権以外の権利を消滅させ、又は制限することが必要かつ相当である場合においては、この節の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。

3 土地、河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を特例事業の用に供するため、これらのもの(当該土地が埋立て又は干拓により造成されるものであるときは、当該埋立て又は干拓に係る河川の敷地又は海底)に関係のある漁業権、入漁権その他河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を利用する権利を消滅させ、又は制限することが必要かつ相当である場合においては、この節の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。

 (立木、建物等の収用又は使用)

第六十三条の五 土地の上にある立木、建物その他土地に定着する物件をその土地とともに、特例事業の用に供することが必要かつ相当である場合においては、この節の定めるところにより、これらの物を収用し、又は使用することができる。

 (土石砂れきの収用)

第六十三条の六 土地に属する土石砂れきを特例事業の用に供することが必要かつ相当である場合においては、この節の定めるところにより、これらの物を収用することができる。

 (定義等)

第六十三条の七 この節において「特例事業」とは、復興整備事業であって、復興整備計画に第六十三条の十一第一項各号のいずれにも該当する旨の記載がされたものをいう。

2 この節において「特例事業者」とは、特例事業の実施主体をいう。

3 この節において「土地所有者」とは、この節の定めるところによる収用又は使用に係る土地の所有者をいう。

4 この節において「関係人」とは、第六十三条の二の規定によって土地を収用し、又は使用する場合においては当該土地に関して地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他所有権以外の権利を有する者及びその土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する者を、第六十三条の四の規定によって同条に規定する権利を収用し、又は使用する場合においては当該権利に関して質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他の権利を有する者を、第六十三条の五の規定によって同条に規定する立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、又は使用する場合においては当該物件に関して所有権以外の権利を有する者を、前条の規定によって土石砂れきを収用する場合においては当該土石砂れきの属する土地に関して所有権以外の権利を有する者及びその土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する者をいう。ただし、第六十三条の十二第一項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)の規定による復興整備計画の告示があった後において新たな権利を取得した者は、既存の権利を承継した者を除き、関係人に含まれないものとする。

5 この節において、土地又は物件に関する所有権以外の権利を有する者には、当該土地若しくは物件又は当該土地若しくは物件に関する所有権以外の権利につき、仮登記上の権利又は既登記の買戻権を有する者、既登記の差押債権者及び既登記の仮差押債権者が含まれるものとする。

6 前項の規定は、鉱業権、漁業権又は入漁権に関する権利を有する者について準用する。この場合において、同項中「仮登記」とあるのは「仮登録」と、「既登記」とあるのは「既登録」と読み替えるものとする。

 (特例事業者の権利義務の承継)

第六十三条の八 合併その他の事由により特例事業の承継があった場合においては、この法律の規定によって従前の特例事業者が有していた権利義務は、当該特例事業を承継した者に移転する。

 (手続の承継)

第六十三条の九 特例事業者、土地所有者又は関係人の変更があった場合においては、この法律又はこの法律に基づく命令の規定によって従前の特例事業者、土地所有者又は関係人がした手続その他の行為は、新たに特例事業者、土地所有者又は関係人となった者に対しても、その効力を有する。

 (取得した土地の管理)

第六十三条の十 特例事業者は、第六十三条の十二第一項の規定によって告示された復興整備計画に係る特例事業の用に供するため取得した土地については、公共の利益に沿うように適正な管理を行わなければならない。

2 特例事業者は、前項に規定する土地を、同項に規定する特例事業の用以外の他の用に供する工作物その他の施設の用に供するために利用し、又は利用させるときは、当該土地の周辺の環境を阻害しないよう配慮しなければならない。

     第二款 特例事業

 (特例事業に係る記載)

第六十三条の十一 第四十六条第二項第四号に掲げる事項には、復興整備事業が次の各号のいずれにも該当する旨を記載することができる。

 一 実施主体が当該復興整備事業を遂行する十分な意思と能力を有する者であること。

 二 事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであること。

 三 土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるものであること。

2 被災関連市町村等は、復興整備計画に、前項の規定による記載をしようとするときは、協議会を組織するものとする。この場合において、被災関連市町村等は、協議会に、都市計画その他の特例事業に関連する分野の実務経験を有する者を加えるものとする。

3 被災関連市町村等は、復興整備計画に、被災関連都道県が実施する復興整備事業に係る第一項の規定による記載をしようとするときは、国土交通大臣を協議会及び第四十七条第五項に規定する会議の構成員として加え、国土交通省令で定めるところにより、当該会議における協議をするとともに、国土交通大臣の同意を得なければならない。

4 被災関連市町村は、復興整備計画に、自ら実施する復興整備事業に係る第一項の規定による記載をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、第四十七条第五項に規定する会議における協議をするとともに、被災関連都道県知事の同意を得なければならない。ただし、共同作成の場合は、この限りでない。

 (復興整備計画の告示等)

第六十三条の十二 前条第一項の規定による記載がある復興整備計画に係る第四十六条第六項の規定による公表は、被災関連市町村等が定める方法で告示することにより行うものとする。

2 被災関連市町村等は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。

3 被災関連市町村等は、第一項の規定による告示をしたときは、直ちに、当該復興整備計画を、公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前三項の規定は、復興整備計画のうち特例事業に係る部分の変更について準用する。

 (補償等について周知させるための措置)

第六十三条の十三 被災関連市町村等は、前条第一項の規定による告示をしたときは、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、土地所有者及び関係人が受けることができる補償その他国土交通省令で定める事項について、土地所有者及び関係人に周知させるため必要な措置を講じなければならない。

 (土地の保全)

第六十三条の十四 第六十三条の十二第一項の規定による告示があった後においては、何人も、被災関連市町村等の長の許可を受けなければ、特例事業の実施区域について明らかに特例事業に支障を及ぼすような形質の変更をしてはならない。

2 被災関連市町村等の長は、土地の形質の変更について特例事業者の同意がある場合又は土地の形質の変更が災害の防止その他正当な理由に基づき必要があると認められる場合に限り、前項の規定による許可をするものとする。

 (復興整備計画の告示の特例)

第六十三条の十五 特例事業者が第六十三条の十二第一項の規定による告示があった日から一年以内に第六十三条の十七第一項の規定による収用又は使用の裁決の申請をしないときは、第六十三条の十二第一項の規定による告示があった日から一年を経過した日に同項の規定による告示があったものとみなして、第六十三条の七第四項、第六十三条の十七第一項、第六十三条の八十二(これを準用し、又はその例による場合を含む。)及び第六十三条の百二(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)の規定を適用する。

 (土地等の取得の完了)

第六十三条の十六 特例事業者は、特例事業の実施区域内の全ての土地について必要な権利を取得したときは、遅滞なく、被災関連市町村等にその旨を届け出なければならない。

     第三款 収用又は使用の手続

      第一目 裁決手続の開始

 (収用又は使用の裁決の申請)

第六十三条の十七 特例事業者は、第六十三条の十二第一項の規定による告示があったときは、収用し、又は使用しようとする土地が所在する被災関連都道県の用地委員会に、この節の規定による土地の収用又は使用の裁決を申請することができる。

2 土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者、差押債権者又は仮差押債権者である関係人を除く。)は、自己の権利に係る土地について、特例事業者に対し、前項の規定による申請をすべきことを請求することができる。ただし、一団の土地については、当該収用又は使用によって残地となるべき部分を除き、分割して請求することができない。

3 前項の規定による請求の手続に関して必要な事項は、国土交通省令で定める。

 (裁決申請書)

第六十三条の十八 特例事業者は、前条の規定によって用地委員会の裁決を申請しようとするときは、国土交通省令で定める様式に従い、裁決申請書に次に掲げる書類を添付して、用地委員会に提出しなければならない。

 一 事業計画書並びに特例事業の実施区域及び事業計画を表示する図面

 二 次に掲げる事項を記載した書類

  イ 収用し、又は使用しようとする土地の所在、地番及び地目

  ロ 収用し、又は使用しようとする土地の面積(土地が分割されることになる場合においては、その全部の面積を含む。)

  ハ 土地を使用しようとする場合においては、その方法及び期間

  ニ 登記簿に現れた土地所有者及び土地に関して権利を有する関係人の氏名及び住所

  ホ ニに掲げる者のほか、知れている土地所有者及び土地に関して権利を有する関係人の氏名及び住所

  ヘ 各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償の見積り及びその内訳

  ト 権利を取得し、又は消滅させる時期

  チ 土地にある物件の種類及び数量(物件が分割されることになる場合においては、その全部の物件の数量を含む。)

  リ 登記簿に現れた物件に関して権利を有する関係人の氏名及び住所

  ヌ リに掲げる者のほか、知れている物件に関して権利を有する関係人の氏名及び住所

  ル ヘに掲げるものを除くその他の損失の補償の見積り及びその内訳

 (裁決申請書の欠陥の補正及び却下)

第六十三条の十九 前条の規定による裁決申請書及びその添付書類が同条又は同条に基づく国土交通省令に規定する方式を欠くときは、用地委員会は、相当な期間を定めて、その欠陥を補正させなければならない。第六十三条の百十二の規定による手数料を納めないときも、同様とする。

2 特例事業者が前項の規定により欠陥の補正を命ぜられたにかかわらず、その定められた期間内に欠陥の補正をしないときは、用地委員会は、裁決申請書を却下しなければならない。

 (裁決申請書の縦覧)

第六十三条の二十 用地委員会は、第六十三条の十八の規定による裁決申請書及びその添付書類を受理したときは、前条第二項の規定により裁決申請書を却下する場合を除き、直ちに、添付書類に記載されている土地所有者及び関係人に土地の収用又は使用の申請があった旨の通知をするとともに、裁決の申請があった旨及び第六十三条の十八第二号イ及びロに掲げる事項を公告し、公告の日から二週間裁決申請書及びその添付書類の写しを公衆の縦覧に供しなければならない。

 (裁決の申請に対する異議の申出)

第六十三条の二十一 前条の規定による公告があったときは、第六十三条の十八第二号イ又はロに掲げる事項について異議のある者は、前条の縦覧期間内に、用地委員会に異議を申し出ることができる。

2 用地委員会は、前条の縦覧期間を経過した後、直ちに、前項の規定による異議の申出の有無を、特例事業者に通知するとともに、公告しなければならない。

 (土地所有者及び関係人等の意見書の提出)

第六十三条の二十二 第六十三条の二十の規定による公告があったときは、土地所有者及び関係人は、同条の縦覧期間内に、用地委員会に意見書を提出することができる。ただし、縦覧期間が経過した後において意見書が提出された場合においても、用地委員会は、相当の理由があると認めるときは、当該意見書を受理することができる。

2 第六十三条の二十の規定による公告があったときは、その公告があった土地及びこれに関する権利について仮処分をした者その他損失の補償の決定によって権利を害されるおそれのある者(以下「準関係人」と総称する。)は、用地委員会の審理が終わるまでは、自己の権利が影響を受ける限度において、損失の補償に関して用地委員会に意見書を提出することができる。

3 土地所有者、関係人及び準関係人は、前二項の規定による意見書において、特例事業に係る復興整備計画の記載に対する不服に関する事項その他の事項であって、用地委員会の審理と関係がないものを記載することができない。

4 第一項又は第二項の規定による意見書に、前項に規定する用地委員会の審理と関係がない事項が記載されている場合における第六十三条の七十三第一項の規定の適用については、初めから当該事項の記載がなかったものとみなす。

 (裁決手続開始の決定及び裁決手続開始の登記の嘱託)

第六十三条の二十三 用地委員会は、第六十三条の十七第一項の規定による収用又は使用の裁決の申請があったときは、第六十三条の二十の縦覧期間を経過した後、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、裁決手続の開始を決定してその旨を公告し、かつ、申請に係る土地を管轄する登記所に、その土地及びその土地に関する権利について、収用又は使用の裁決手続の開始の登記(以下単に「裁決手続開始の登記」という。)を嘱託しなければならない。

 (裁決手続開始の登記の効果)

第六十三条の二十四 裁決手続開始の登記があった後において、当該登記に係る権利を承継し、当該登記に係る権利について仮登記若しくは買戻しの特約の登記をし、又は当該登記に係る権利について差押え、仮差押えの執行若しくは仮処分の執行をした者は、当該承継、仮登記上の権利若しくは買戻権又は当該処分を特例事業者に対抗することができない。ただし、相続人その他の一般承継人及び当該裁決手続開始の登記前に登記された買戻権の行使又は当該裁決手続開始の登記前にされた差押え若しくは仮差押えの執行に係る国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)による滞納処分(その例による滞納処分を含むものとし、以下単に「滞納処分」という。)、強制執行若しくは担保権の実行としての競売(その例による競売を含むものとし、以下単に「競売」という。)により権利を取得した者の当該権利の承継については、この限りでない。

2 裁決手続開始の登記前においては、土地が収用され、又は使用されることによる損失の補償を請求する権利については、差押え、仮差押えの執行、譲渡又は質権の設定をすることができない。裁決手続開始の登記後においても、その登記に係る権利で、その登記前に差押え又は仮差押えの執行がされているもの(質権、抵当権その他の権利で、当該差押え又は仮差押えの執行に係る滞納処分、強制執行又は競売によって消滅すべきものを含む。)に対する損失の補償を請求する権利につき、同様とする。

      第二目 権利取得裁決前の土地使用

 (見積りによる補償金の予納)

第六十三条の二十五 特例事業者は、第六十三条の二十一第一項の規定による異議の申出がなかったときは、第六十三条の十八第二号ヘ及びルに掲げる見積りによる補償金を、用地委員会に予納することができる。

2 土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者、差押債権者又は仮差押債権者である関係人を除く。)は、第六十三条の二十一第一項の規定による異議の申出がなかったときは、自己の権利に係る土地について、特例事業者に対し、前項の規定による補償金の予納をすべきことを請求することができる。第六十三条の十七第二項ただし書及び第三項の規定は、この場合に準用する。

3 裁決手続開始の登記前から差押え又は仮差押えの執行がされている権利(当該差押え又は仮差押えの執行に係る滞納処分、強制執行又は競売によって消滅すべき権利を含む。)については、前項の規定による補償金の予納の請求は、することができない。差押え又は仮差押えの執行前に同項の規定による補償金の予納の請求がされた権利について、差押え又は仮差押えの執行後に裁決手続開始の登記がされたときは、同項の規定による補償金の予納の請求は、その効力を失う。

4 特例事業者は、第二項の規定による補償金の予納の請求を受けたときは、国土交通省令で定めるところにより、二月以内に第一項の規定による補償金の予納を行わなければならない。ただし、納付期限前に第六十三条の三十四第一項の規定による権利取得裁決があったときは、この限りでない。

 (手続中使用裁決)

第六十三条の二十六 用地委員会は、前条第一項の規定による予納があったときは、直ちに、当該予納に係る土地について、特例事業者に、特例事業の用に供するため使用させる旨の裁決(以下「手続中使用裁決」という。)をしなければならない。

2 手続中使用裁決においては、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 使用する土地の区域及び使用の方法

 二 土地の使用を開始する時期

3 用地委員会は、前項第一号に掲げる事項については、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類によって特例事業者が申し立てた範囲内で、かつ、特例事業に必要な限度において裁決しなければならない。

      第三目 補償金の仮払請求

 (補償金の仮払請求)

第六十三条の二十七 土地所有者又は土地に関して権利を有する関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者、差押債権者又は仮差押債権者である関係人を除く。)は、第六十三条の二十五第一項の規定による予納があったときは、第六十三条の三十四第一項の規定による権利取得裁決があるまでの間、用地委員会に対し、予納された補償金の仮払を請求することができる。第六十三条の十七第二項ただし書及び第三項の規定は、この場合に準用する。

2 裁決手続開始の登記前から差押え又は仮差押えの執行がされている権利(当該差押え又は仮差押えの執行に係る滞納処分、強制執行又は競売によって消滅すべき権利を含む。)については、前項の規定による補償金の仮払の請求は、することができない。差押え又は仮差押えの執行前に同項の規定による補償金の仮払の請求がされた権利について、差押え又は仮差押えの執行後に裁決手続開始の登記がされたときは、同項の規定による補償金の仮払の請求は、その効力を失う。

 (補償金の仮払)

第六十三条の二十八 用地委員会は、前条第一項の規定による補償金の仮払の請求を受けたときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、補償金の仮払をしなければならない。

 (仮払に係る補償金の供託)

第六十三条の二十九 用地委員会は、次に掲げる場合においては、前条の規定にかかわらず、補償金を供託することができる。

 一 補償金の仮払を受けるべき者がその受領を拒んだとき又は補償金を受領することができないとき。

 二 用地委員会が土地所有者及び関係人の氏名及び住所、これらの者が有する権利の内容等を確知するよう努めたにもかかわらず、補償金の仮払を受けるべき者を確知することができないとき。

 三 用地委員会が差押え又は仮差押えにより補償金の払渡しを禁じられたとき。

2 用地委員会は、裁決手続開始の登記前に仮登記又は買戻しの特約の登記がされた権利に係る補償金については、前条の規定にかかわらず、補償金を供託しなければならない。

3 前二項の規定による補償金の供託は、収用し、又は使用しようとする土地の所在地の供託所にしなければならない。

4 用地委員会は、第一項又は第二項の規定による供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金の仮払を受けるべき者に通知しなければならない。

 (担保物権と補償金の仮払)

第六十三条の三十 第六十三条の五十三の規定は、第六十三条の二十八の規定によって仮払をすべき補償金について準用する。この場合において、第六十三条の五十三中「が権利取得裁決に基づき収用され、又は使用された」とあるのは「について第六十三条の二十七第一項の規定による補償金の仮払の請求がされた」と、「その目的物の収用又は使用によって」とあるのは「第六十三条の二十八の規定によって」と読み替えるものとする。

2 用地委員会は、前項において準用する第六十三条の五十三の規定により権利を行うことができる者に対して、第六十三条の二十八の規定による補償金の仮払前にあらかじめ、その仮払をする旨を通知しなければならない。

 (補償金の仮払の請求の失効)

第六十三条の三十一 第六十三条の二十八の規定による仮払が行われる前に第六十三条の三十四第一項の規定による権利取得裁決があったときは、第六十三条の二十七第一項の規定による補償金の仮払の請求は、その効力を失う。

      第四目 権利取得裁決

 (審理手続の開始)

第六十三条の三十二 用地委員会は、第六十三条の二十に規定する縦覧期間を経過した後、遅滞なく、土地又は土地に関する所有権以外の権利の取得、各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償等の裁決(以下「権利取得裁決」という。)に係る審理を開始しなければならない。

2 用地委員会は、前項の審理を開始する場合においては、特例事業者、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類に記載されている土地所有者及び関係人、第六十三条の二十一第一項の規定によって異議を申し出た者並びに第六十三条の二十二又は第六十三条の九十九ただし書の規定によって意見書を提出した者に、あらかじめ審理の期日及び場所を通知しなければならない。

3 用地委員会は、権利取得裁決に係る審理の促進を図り、権利取得裁決が遅延することのないように努めなければならない。

 (却下の裁決)

第六十三条の三十三 収用又は使用の裁決の申請が次の各号のいずれかに該当するときその他この法律の規定に違反するときは、用地委員会は、裁決をもって申請を却下しなければならない。

 一 申請に係る事業が第六十三条の十二第一項の規定によって告示された復興整備計画に係る事業と異なるとき。

 二 申請に係る事業計画が第六十三条の十二第一項の規定によって告示された復興整備計画に適合しないとき。

2 前項の場合において、特例事業者が手続中使用裁決を受けた者である場合には、用地委員会は、手続中使用裁決に基づき土地を使用することによって生じた各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償を裁決しなければならない。

 (権利取得裁決)

第六十三条の三十四 用地委員会は、権利取得裁決に係る審理を終結したときは、前条第一項の規定によって申請を却下する場合を除き、権利取得裁決をしなければならない。

2 権利取得裁決においては、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 収用する土地の区域又は使用する土地の区域並びに使用の方法及び期間

 二 各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償

 三 権利を取得し、又は消滅させる時期(以下「権利取得の時期」という。)

 四 特例事業者が手続中使用裁決を受けた者である場合には、手続中使用裁決に基づき土地を使用することによって生じた各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償

 五 第二号及び前号に掲げるものを除くその他の損失の補償

 六 その他この法律に規定する事項

3 用地委員会は、前項第一号に掲げる事項については、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類によって特例事業者が申し立てた範囲内で、かつ、特例事業に必要な限度において裁決しなければならない。ただし、第六十三条の八十七第一項又は第六十三条の九十三第一項の規定による請求があった場合においては、その請求の範囲内において裁決することができる。

4 用地委員会は、第二項第二号、第四号及び第五号に掲げる事項については、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類及び第六十三条の二十二、第六十三条の七十三第二項若しくは第六十三条の九十九ただし書の規定による意見書又は第六十三条の七十五第一項第一号の規定に基づいて提出された意見書によって特例事業者、土地所有者、関係人及び準関係人が申し立てた範囲を超えて裁決してはならない。

5 用地委員会は、第二項第二号、第四号及び第五号に掲げる事項については、前項の規定によるほか、土地又は物件に関する所有権以外の権利に関して争いがある場合において、権利取得裁決の時期までにその権利の存否が確定しないときは、当該権利が存するものとして裁決しなければならない。この場合においては、権利取得裁決の後に土地又は物件に関する所有権以外の権利が存しないことが確定した場合における土地又は物件の所有者の受けるべき補償金を併せて裁決しなければならない。

6 用地委員会は、権利取得裁決をしたときは、直ちに、第二項各号に掲げる事項を、第六十三条の二十一第一項の規定によって異議を申し出た者及び第六十三条の二十二第二項の規定により意見書を提出した準関係人に通知するとともに、公告しなければならない。

 (権利取得裁決に係る補償の納付又は供託)

第六十三条の三十五 特例事業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金、第六十三条の百五第一項第四号に掲げる加算金及び第六十三条の百六に規定する過怠金(以下この目において「補償金等」という。)を用地委員会に納付しなければならない。

2 特例事業者は、権利取得裁決において定められた補償金等の額に対して不服があるときは、自己の見積金額を納付し、権利取得裁決において定められた補償金等の額との差額を供託しなければならない。

3 特例事業者は、前条第五項の規定による裁決があった場合においては、第一項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに、その裁決においてあるものとされた権利に係る補償金等(その裁決において併存し得ない二以上の権利があるものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金等のうち最高額のもの)を供託しなければならない。裁決手続開始の登記前に仮登記又は買戻しの特約の登記がされた権利に係る補償金等についても、同様とする。

 (担保の供託)

第六十三条の三十六 権利取得裁決に係る第六十三条の九十五第四項(第六十三条の九十六第三項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の規定に基づく金銭又は有価証券の供託は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までにしなければならない。

 (供託の方法)

第六十三条の三十七 第六十三条の三十五第二項及び第三項並びに第六十三条の九十五第四項の規定による金銭又は有価証券の供託は、収用し、又は使用しようとする土地の所在地の供託所にしなければならない。

2 特例事業者は、前項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、その旨を用地委員会(その供託が第六十三条の三十五第三項の規定によるものであるときは、土地所有者及び関係人)又は担保を取得すべき者に通知しなければならない。

 (権利取得裁決の失効等)

第六十三条の三十八 特例事業者が権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、補償金等の納付又は供託をしないときは、権利取得裁決は、その効力を失い、裁決手続開始の決定は、取り消されたものとみなす。

第六十三条の三十九 特例事業者が、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに納付すべき補償金等の額の全部を現金又は小切手等(銀行が振り出した小切手その他これと同程度の支払の確実性があるものとして国土交通省令で定める支払手段をいう。)により書留郵便(国土交通大臣が定める方法によるものに限る。)又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして国土交通大臣が定めるものに付して、当該権利取得の時期から国内において郵便物が配達されるために通常要する期間を勘案して政令で定める一定の期間前までに、用地委員会に宛てて発送した場合における前条の規定の適用については、当該補償金等の全部は、当該権利取得の時期までに納付されたものとみなす。

 (権利の取得、消滅及び制限)

第六十三条の四十 土地を収用するときは、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、特例事業者は、当該土地の所有権を取得し、当該土地に関するその他の権利並びに当該土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に係る仮登記上の権利及び買戻権は消滅し、当該土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に係る差押え、仮差押えの執行及び仮処分の執行は、その効力を失う。ただし、第六十三条の八十七第二項又は第六十三条の九十三第二項の規定に基づく請求に係る裁決で存続を認められた権利については、この限りでない。

2 土地を使用するときは、特例事業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土地を使用する権利を取得し、当該土地に関するその他の権利は、使用の期間中は、行使することができない。ただし、権利取得裁決で認められた方法による当該土地の使用を妨げない権利については、この限りでない。

3 手続中使用裁決は、権利取得裁決があったときは当該権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、第六十三条の三十三第一項の規定による却下の裁決があったときはその裁決の時期において、その効力を失う。

4 第一項本文の規定は、第六十三条の八十九又は第六十三条の九十の規定によって物件を収用する場合に準用する。

 (土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転)

第六十三条の四十一 権利取得裁決があったときは、当該土地又は当該土地にある物件を占有している者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、特例事業者に土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

 (土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転の代行及び代執行)

第六十三条の四十二 前条の場合において次の各号のいずれかに該当するときは、用地委員会は、特例事業者の請求により、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者に代わって、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

 一 土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその責めに帰することができない理由によりその義務を履行することができないとき。

 二 土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者を確知することができないとき。

2 前条の場合において、土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその義務を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに完了する見込みがないときは、用地委員会は、特例事業者の請求により、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。物件を移転すべき者が権利取得裁決に係る第六十三条の九十七第二項の規定に基づく移転の代行の提供の受領を拒んだときも、同様とする。

3 前項後段の場合においては、物件の移転に要した費用は、行政代執行法第二条の規定にかかわらず、特例事業者から徴収するものとし、特例事業者がその費用を支払ったときは、特例事業者は、移転の代行による補償をしたものとみなす。

 (危険負担)

第六十三条の四十三 権利取得裁決があった後に、権利取得裁決に基づき収用し、若しくは使用すべき土地又は収用すべき物件が土地所有者又は関係人の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は毀損したときは、その滅失又は毀損による損失は、特例事業者の負担とする。

 (返還及び原状回復の義務)

第六十三条の四十四 特例事業者は、土地を使用する場合において、その期間が満了したとき又は特例事業の廃止、変更その他の事由によって使用する必要がなくなったときは、遅滞なく、その土地を土地所有者又はその承継人に返還しなければならない。

2 特例事業者は、前項の場合において、土地所有者の請求があったときは、土地を原状に復しなければならない。ただし、当該土地が第六十三条の九十二第一項の規定によって補償されたものであるときは、この限りでない。

 (買受権)

第六十三条の四十五 第六十三条の十二第一項の規定による告示の日から二十年以内に、特例事業の廃止、変更その他の事由によって特例事業者が収用した土地の全部若しくは一部が不用となったとき又は当該告示の日から十年を経過しても収用した土地の全部を特例事業の用に供しなかったときは、権利取得裁決において定められた権利取得の時期に土地所有者であった者又はその包括承継人(以下「買受権者」と総称する。)は、当該土地が不用となった時期から五年又は当該告示の日から二十年のいずれか遅い時期までに、特例事業者が不用となった部分の土地又は特例事業の用に供しなかった土地及びその土地に関する所有権以外の権利に対して支払った補償金に相当する金額を当該収用に係る土地の現在の所有者(第三項において「収用地の現所有者」という。)に提供して、その土地を買い受けることができる。ただし、第六十三条の八十七第一項の規定によって収用した残地は、その残地とともに収用された土地でその残地に接続する部分が不用となったときでなければ買い受けることができない。

2 前項の規定は、第六十三条の九十四の規定によって土地所有者が収用された土地の全部又は一部について替地による損失の補償を受けたときは、適用しない。

3 第一項の場合において、土地の価格が権利取得裁決において定められた権利取得の時期に比して著しく騰貴したときは、収用地の現所有者は、訴えをもって同項の金額の増額を請求することができる。

4 第一項の規定による買受権は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の定めるところに従って収用の登記がされたときは、第三者に対して対抗することができる。

 (買受権の消滅)

第六十三条の四十六 前条第一項に規定する不用となった土地又は特例事業の用に供しなかった土地があるときは、特例事業者は、遅滞なく、その旨を買受権者に通知しなければならない。ただし、特例事業者が過失がなくて買受権者を確知することができないときは、その土地が存する地方の新聞紙に、通知すべき内容を少なくとも一月の期間をおいて三回公告しなければならない。

2 買受権者は、前項の規定による通知を受けた日又は第三回の公告があった日から六月を経過した後においては、前条第一項の規定にかかわらず、買受権を行使することができない。

      第五目 補償裁決

 (審理手続の開始)

第六十三条の四十七 用地委員会は、第六十三条の三十三第二項の規定により各筆の土地又は当該土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償を裁決したとき又は権利取得裁決をしたときは、直ちに、土地所有者及び関係人に対する各人別の損失の補償等の裁決(以下「補償裁決」という。)に係る審理を開始しなければならない。

2 用地委員会は、権利取得裁決に係る審理において、土地所有者及び関係人の氏名及び住所、これらの者が有する権利の内容等を確知することができた場合には、前項の規定にかかわらず、補償裁決に係る審理を行わないことができる。

3 用地委員会は、補償裁決に係る審理を開始する場合においては、特例事業者、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類に記載されている土地所有者及び関係人、第六十三条の二十一第一項の規定によって異議を申し出た者並びに第六十三条の二十二又は第六十三条の九十九ただし書の規定によって意見書を提出した者に、あらかじめ審理の期日及び場所を通知しなければならない。

4 用地委員会は、補償裁決に係る審理の促進を図り、補償裁決が遅延することのないように努めなければならない。

 (補償裁決)

第六十三条の四十八 用地委員会は、補償裁決に係る審理を終結したときは、補償裁決をしなければならない。

2 前条第二項の規定により補償裁決に係る審理を行わない場合における前項の規定の適用については、「補償裁決に」とあるのは、「権利取得裁決に」とする。

3 補償裁決においては、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する各人別の損失の補償

 二 特例事業者が手続中使用裁決を受けた者である場合には、手続中使用裁決に基づき土地を使用することによって生じた土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する各人別の損失の補償

 三 前二号に掲げるものを除くその他の各人別の損失の補償

 四 各人別の第六十三条の百五第一項第四号に掲げる加算金及び第六十三条の百六に規定する過怠金の額

 五 その他この法律に規定する事項

4 用地委員会は、前項第一号から第三号までに掲げる事項については、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類及び第六十三条の二十二、第六十三条の七十三第二項若しくは第六十三条の九十九ただし書の規定による意見書又は第六十三条の七十五第一項第一号の規定に基づいて提出された意見書によって特例事業者、土地所有者、関係人及び準関係人が申し立てた範囲を超えて裁決してはならない。

5 用地委員会は、第三項第一号から第三号までに掲げる事項については、前項の規定によるほか、当該補償金を受けるべき土地所有者及び関係人の氏名及び住所を明らかにして裁決しなければならない。ただし、土地所有者又は関係人の氏名又は住所を確知することができないときは、当該事項については、この限りでない。

6 用地委員会は、第三項第一号から第三号までに掲げる事項については、前二項の規定によるほか、土地又は物件に関する所有権以外の権利に関して争いがある場合において、補償裁決の時期までにその権利の存否が確定しないときは、当該権利が存するものとして裁決しなければならない。この場合においては、補償裁決の後に土地又は物件に関する所有権以外の権利が存しないことが確定した場合における土地又は物件の所有者の受けるべき補償金を併せて裁決しなければならない。

7 用地委員会は、補償裁決をしたときは、直ちに、第三項各号に掲げる事項を、第六十三条の二十一第一項の規定によって異議を申し出た者及び第六十三条の二十二第二項の規定により意見書を提出した準関係人に通知するとともに、公告しなければならない。

 (補償裁決に係る補償の払渡し、供託等)

第六十三条の四十九 用地委員会は、補償裁決をしたときは、遅滞なく、補償裁決に基づき、補償裁決に係る補償金、第六十三条の百五第一項第四号に掲げる加算金及び第六十三条の百六に規定する過怠金(以下この目(第六十三条の五十三第二項、第六十三条の五十五及び第六十三条の五十六を除く。)において「補償金等」という。)を払い渡さなければならない。

2 用地委員会は、次に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、補償金等を供託することができる。

 一 補償金等の払渡しを受けるべき者がその受領を拒んだとき又は補償金等を受領することができないとき。

 二 用地委員会が土地所有者及び関係人の氏名及び住所、これらの者が有する権利の内容等を確知するよう努めたにもかかわらず、補償金等の払渡しを受けるべき者を確知することができないとき。

 三 用地委員会が差押え又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。

第六十三条の五十 特例事業者は、補償裁決において替地による損失の補償又は宅地の造成による損失の補償が裁決されたときは、遅滞なく、第六十三条の九十四第一項に規定する替地の譲渡及び引渡し又は第六十三条の九十八第二項の規定に基づく宅地の造成をしなければならない。ただし、次に掲げる場合においては、替地を供託することができる。

 一 替地を受けるべき者がその受領を拒んだとき又は替地の譲渡若しくは引渡しを受けることができないとき。

 二 特例事業者が差押え又は仮差押えにより替地の譲渡又は引渡しを禁じられたとき。

2 特例事業者は、補償裁決において耕地の造成による損失の補償が裁決されたときは、遅滞なく、補償裁決に係る第六十三条の九十五第二項の規定に基づく耕地の造成をしなければならない。

 (差押え又は仮差押えがある場合の措置)

第六十三条の五十一 裁決手続開始の登記前にされた差押えに係る権利(先取特権、質権、抵当権その他当該差押えによる換価手続において消滅すべき権利を含むものとし、以下この項において単に「差押えに係る権利」という。)について補償裁決があったときは、用地委員会は、前条の規定にかかわらず、遅滞なく、当該差押えに係る権利に対する補償金等を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。ただし、強制執行若しくは競売による代金の納付又は滞納処分による売却代金の支払があった後においては、この限りでない。

2 前項の規定により配当手続を実施すべき機関が払渡しを受けた金銭は、配当に関しては、強制執行若しくは競売による代金又は滞納処分による売却代金(使用の裁決に係るときは、それらの一部)とみなし、収用の裁決に係る場合におけるその払渡しを受けた時が強制競売又は競売に係る配当要求の終期の到来前であるときは、その時に配当要求の終期が到来したものとみなす。

3 強制競売若しくは競売に係る売却許可決定後代金の納付前又は滞納処分による売却決定後売却代金の支払前に第一項本文の規定による払渡しがあったときは、売却許可決定又は売却決定は、その効力を失う。

4 第一項の規定は、裁決手続開始の登記前にされた仮差押えの執行に係る権利に対する補償金等の払渡しに準用する。

5 特例事業者に第一項又は前項に規定する権利に対する補償金等の支払を命ずる判決が確定したときは、その補償金等の支払に関しては、第一項の規定による補償金等の例による。この場合において、特例事業者が補償金等を配当手続を実施すべき機関に払い渡したときは、補償金等の支払を命ずる判決に基づく給付をしたものとみなす。

6 第一項又は前二項の規定による補償金等の裁判所への払渡し及びその払渡しがあった場合における強制執行、仮差押えの執行又は競売に関しては、最高裁判所規則で民事執行法(昭和五十四年法律第四号)又は民事保全法(平成元年法律第九十一号)の特例その他必要な事項を、その補償金等の裁判所以外の配当手続を実施すべき機関への払渡し及びその払渡しがあった場合における滞納処分に関しては、政令で国税徴収法の特例その他必要な事項を定めることができる。

 (供託の方法)

第六十三条の五十二 第六十三条の四十九第二項の規定による補償金等の供託は、収用し、又は使用しようとする土地の所在地の供託所にしなければならない。

2 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百九十五条第二項並びに非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第九十四条及び第九十八条の規定は、第六十三条の五十第一項ただし書の規定による替地の供託について準用する。

3 用地委員会は、前二項に規定する供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金等又は替地を取得すべき者に通知しなければならない。

 (担保物権と補償金等又は替地等)

第六十三条の五十三 先取特権、質権若しくは抵当権の目的物が権利取得裁決に基づき収用され、又は使用された場合においては、これらの権利は、その目的物の収用又は使用によって債務者が受けるべき補償金等又は替地に対しても行うことができる。ただし、その払渡し又は引渡し前に差押えをしなければならない。

2 土地所有者又は関係人は、仮補償裁決に係る補償金等に対し次条第三項において準用する前項の規定による権利を有する者がある場合においては、関係権利者の同意を得て、国土交通省令で定めるところによりその旨を用地委員会に届け出なければ、補償金の全部又は一部に代えて替地の提供、工事の代行その他の給付をすべき旨の要求をすることができない。

 (仮補償裁決)

第六十三条の五十四 用地委員会は、補償裁決に係る審理を開始した日から六月を経過したときは、その時までに判明した事実関係に基づき、土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する各人別の損失の仮の補償等の裁決(以下「仮補償裁決」という。)をしなければならない。

2 仮補償裁決においては、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する各人別の損失の補償

 二 特例事業者が手続中使用裁決を受けた者である場合には、手続中使用裁決に基づき土地を使用することによって生じた土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する各人別の損失の補償

 三 前二号に掲げるものを除くその他の各人別の損失の補償

 四 各人別の第六十三条の百五第一項第四号に掲げる加算金及び第六十三条の百六に規定する過怠金の額

 五 その他この法律に規定する事項

3 第六十三条の四十八第四項から第七項まで、第六十三条の五十から第六十三条の五十二まで及び前条第一項の規定は、仮補償裁決について準用する。

 (仮補償裁決に係る補償の払渡し又は供託)

第六十三条の五十五 用地委員会は、仮補償裁決をしたときは、遅滞なく、仮補償裁決に基づき、仮補償裁決に係る補償金、第六十三条の百五第一項第四号に掲げる加算金及び第六十三条の百六に規定する過怠金(次項において「補償金等」という。)を払い渡さなければならない。

2 用地委員会は、次に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、補償金等を供託することができる。

 一 補償金等の払渡しを受けるべき者がその受領を拒んだとき又はその受領をすることができないとき。

 二 用地委員会が土地所有者及び関係人の氏名及び住所、これらの者が有する権利の内容等を確知するよう努めたにもかかわらず、補償金等の払渡しを受けるべき者を確知することができないとき。

 三 用地委員会が差押え又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。

 (清算)

第六十三条の五十六 補償裁決で定められた補償金等の額と仮補償裁決で定められた補償金等の額の間に差額があるとき及び補償裁決により補償金の全部又は一部に代えて替地の提供、工事の代行その他の給付をすべき旨が定められたときは、金銭によって清算しなければならない。

 (補償裁決で定める事項)

第六十三条の五十七 補償裁決においては、前条の規定による清算金の額及び納付期限を定めなければならない。

 (清算金の徴収)

第六十三条の五十八 用地委員会は、補償裁決において定められた納付期限までに清算金を納付しない者があるときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

2 前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに清算金を納付しないときは、用地委員会は、滞納処分の例によって、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

     第四款 用地委員会

      第一目 組織及び権限

 (設置)

第六十三条の五十九 この法律に基づく権限を行うため、被災関連都道県知事の所轄の下に、用地委員会を設置する。

2 用地委員会は、独立してその職権を行う。

 (組織及び委員)

第六十三条の六十 用地委員会は、委員十五人以内をもって組織する。

2 用地委員会には、就任の順位を定めて、二人以上の予備委員を置かなければならない。

3 委員及び予備委員は、法律、経済又は行政に関して優れた経験と知識を有し、公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者のうちから、被災関連都道県の議会の同意を得て、被災関連都道県知事が任命する。

4 委員及び予備委員は、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。

5 委員及び予備委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、被災関連都道県の議会の閉会又は解散のためにその同意を得ることができないときは、被災関連都道県知事は、第三項の規定にかかわらず、被災関連都道県の議会の同意を得ないで委員及び予備委員を任命することができる。

6 前項の場合においては、任命後最初の議会でその承認を得なければならない。この場合において、議会の承認を得ることができないときは、被災関連都道県知事は、その委員及び予備委員を罷免しなければならない。

7 委員及び予備委員は、非常勤とする。ただし、政令で定める被災関連都道県の用地委員会の委員は、政令で定めるところにより、常勤とすることができる。

 (委員の任期)

第六十三条の六十一 委員及び予備委員の任期は、三年とする。

2 委員に欠員が生じたときは、予備委員のうち先順位者が、就任するものとする。

3 前項の規定による委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員及び予備委員は、再任されることができる。

 (委員の欠格条項)

第六十三条の六十二 次の各号のいずれかに該当する者は、委員及び予備委員となることができない。

 一 破産者で復権を得ない者

 二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

 (身分保障)

第六十三条の六十三 委員及び予備委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。

 一 用地委員会の議決により心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき。

 二 用地委員会の議決により職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められたとき。

2 委員及び予備委員が前項各号のいずれかに該当するときは、被災関連都道県知事は、その委員及び予備委員を罷免しなければならない。

3 委員及び予備委員が前条各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職するものとする。

 (会長)

第六十三条の六十四 用地委員会に会長を置く。

2 会長は、委員のうちから委員が互選する。

3 会長は、用地委員会を代表し、議事その他の会務を総理する。

4 会長に事故があるときは、委員のうちからあらかじめ互選された者が、その職務を代理する。

 (給与)

第六十三条の六十五 委員及び予備委員は、被災関連都道県の条例で定めるところにより、給与を受ける。

 (用地委員会の事務の整理)

第六十三条の六十六 用地委員会の事務を整理させるため、用地委員会に必要な職員を置く。

2 前項の職員は、被災関連都道県知事が当該被災関連都道県の職員のうちから会長の同意を得て任命する。

3 被災関連都道県知事は、第一項の規定にかかわらず、その定める当該被災関連都道県の内部組織において用地委員会の事務を整理させることができる。

 (抗告訴訟等の取扱い)

第六十三条の六十七 用地委員会は、用地委員会の処分(行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項に規定する処分をいう。以下この条において同じ。)又は第六十三条の七十四の規定により会長若しくは第六十三条の七十第二項に規定する指名委員がする処分に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による被災関連都道県を被告とする訴訟について、当該被災関連都道県を代表する。

 (用地委員会の運営)

第六十三条の六十八 この法律又はこの法律に基づく条例に規定する事項を除くほか、用地委員会の会議その他運営に必要な事項は、用地委員会が定める。

      第二目 会議及び審理

 (会議及び議決)

第六十三条の六十九 用地委員会の会議は、会長が招集する。

2 用地委員会は、会長を含む過半数の委員の出席がなければ、会議を開き、又は議決をすることができない。

3 用地委員会の議事は、出席者の過半数をもって決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。

4 用地委員会が第六十三条の六十三第一項各号の規定による議決をする場合においては、前項の規定にかかわらず、本人を除く全員の一致がなければならない。

 (用地委員会の事務の委任)

第六十三条の七十 用地委員会は、必要があると認めるときは、審理又は調査に関する事務(裁決及び決定を除く。)の一部を委員に委任することができる。

2 用地委員会又は前項の規定により委任を受けた委員(以下「指名委員」という。)は、必要があると認めるときは、第六十三条の七十五第一項第三号に掲げる事務を、用地委員会の事務を整理する職員に行わせることができる。

 (委員の除斥)

第六十三条の七十一 次の各号のいずれかに該当する者は、委員として用地委員会の会議若しくは審理に加わり、又は議決をすることができない。

 一 特例事業者、土地所有者及び関係人

 二 特例事業者、土地所有者及び関係人の配偶者、四親等内の親族、同居の親族、代理人、保佐人及び補助人

 三 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社その他の法人が特例事業者、土地所有者及び関係人である場合において、当該株式会社の取締役、執行役及び監査役、当該合名会社の社員、当該合資会社の無限責任社員及び業務を執行する有限責任社員、当該合同会社の業務を執行する社員その他当該法人の理事、監事その他これらに準ずる職務権限を有する者

2 委員のうち一人以上が前項の規定に該当するため委員の数が減少して、会議を開き、審理を行い、又は議決をすることができないときは、予備委員が就任の順位に従って、会長の指名により臨時に補充されるものとする。

 (審理の公開)

第六十三条の七十二 用地委員会の審理は、公開しなければならない。ただし、用地委員会は、審理の公正が害されるおそれがあるときその他公益上必要があると認めるときは、公開しないことができる。

 (意見を述べる権利等)

第六十三条の七十三 特例事業者、土地所有者及び関係人は、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類又は第六十三条の二十二第一項の規定によって提出し、若しくは受理された意見書に記載された事項については、第六十三条の七十五第一項第一号の規定によって意見書の提出を命ぜられた場合又は次項に規定する場合を除いては、これを説明する場合に限り、用地委員会の審理において意見書を提出し、又は口頭で意見を述べることができる。

2 特例事業者、土地所有者及び関係人は、損失の補償に関する事項については、用地委員会の審理において、新たに意見書を提出し、又は口頭で意見を述べることができる。

3 特例事業者、土地所有者及び関係人は、特例事業に係る復興整備計画の記載に対する不服に関する事項その他の事項であって、用地委員会の審理と関係がないものを前二項の規定による意見書に記載し、又は用地委員会の審理と関係がない事項について口頭で意見を述べることができない。

4 特例事業者、土地所有者及び関係人は、第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類により、若しくは第六十三条の二十二第一項の規定による意見書により申し立てた事項又は第一項若しくは第二項の規定によって意見書により、若しくは口頭で述べた意見の内容を証明するために、用地委員会に対して資料を提出すること、必要な参考人を審問すること、鑑定人に鑑定を命ずること又は土地若しくは物件を実地に調査することを申し立てることができる。

5 特例事業者、土地所有者及び関係人は、審理において用地委員会が第六十三条の七十五第一項の規定による処分によって出頭を命じた参考人又は鑑定人を自ら審問することを申し立てることができる。

 (会長又は指名委員の審理指揮権)

第六十三条の七十四 用地委員会の審理の手続は、会長又は指名委員が指揮する。

2 会長又は指名委員は、特例事業者、土地所有者及び関係人が述べる意見、申立て、審問その他の行為が既に述べた意見又は申立てと重複するとき、裁決の申請に係る事件と関係がない事項にわたるときその他相当でないと認めるときは、これを制限することができる。

3 会長又は指名委員は、用地委員会の公正な審理の進行を妨げる者に対しては、退場を命ずることができる。

 (審理又は調査のための権限等)

第六十三条の七十五 用地委員会は、第六十三条の七十三第四項の規定による申立てが相当であると認めるとき又は審理若しくは調査のために必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。

 一 特例事業者、土地所有者若しくは関係人又は参考人に出頭を命じて審問し、又は意見書若しくは資料の提出を命ずること。

 二 鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。

 三 現地について土地又は物件を調査すること。

2 前項第二号の規定によって鑑定人に土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の価格を鑑定させるときは、当該鑑定人のうち少なくとも一人は、不動産鑑定士でなければならない。

3 第六十三条の七十の規定によって委員又は職員が土地又は物件を実地に調査する場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、土地又は物件の所有者、占有者その他の利害関係人の請求があったときは、これを示さなければならない。

4 前項に規定する証明書の様式は、国土交通省令で定める。

5 第一項第二号の規定による鑑定人は、第六十三条の七十一第一項各号のいずれかに該当する者であってはならない。

6 第一項の規定による鑑定人又は参考人に対しては、条例で定めるところにより、旅費及び手当を給する。

 (代表当事者)

第六十三条の七十六 共同の利益を有する多数の土地所有者又は関係人は、その中から、全員のために用地委員会の審理において当事者となるべき者(以下この条において「代表当事者」という。)を三人以内で選定することができる。

2 代表当事者を選定した土地所有者又は関係人(以下この条において「選定者」という。)は、その選定を取り消し、又は変更することができる。

3 第一項の規定による選定並びに前項の規定による選定の取消し及び変更は、書面をもって証明しなければならない。

4 代表当事者は、各自、他の選定者のために、用地委員会の審理に関する一切の行為をすることができる。

5 代表当事者が選定されたときは、代表当事者を除く選定者は、代表当事者を通じてのみ、前項に規定する行為をすることができる。

6 選定者に対する用地委員会の通知その他の行為は、二人以上の代表当事者が選定されている場合においても、一人の代表当事者に対してすれば足りる。

7 用地委員会は、共同の利益を有する土地所有者又は関係人が著しく多数である場合において、審理の円滑な進行のため必要があると認めるときは、当該土地所有者又は関係人に対し、第一項の規定により代表当事者を選定すべきことを勧告することができる。

 (和解)

第六十三条の七十七 用地委員会は、審理の途中において、いつでも、特例事業者、土地所有者及び関係人に和解を勧めることができる。

2 収用し、又は使用しようとする土地の全部又は一部について特例事業者と土地所有者及び関係人の全員との間に第六十三条の三十四第二項各号又は第六十三条の四十八第三項各号に掲げる全ての事項に関して和解が調った場合において、その和解の内容が第六十三条の二十九、第六十三条の三十、第六十三条の三十五から第六十三条の四十六まで、第六十三条の四十九から第六十三条の五十三まで及び第六十三条の五十五の規定に適合するときは、用地委員会は、特例事業者、土地所有者及び関係人の申請により、和解調書を作成することができる。

3 前項の和解調書には、第六十三条の三十四第二項各号又は第六十三条の四十八第三項各号に掲げる全ての事項を記載し、用地委員会の会長及び和解調書の作成に加わった委員並びに特例事業者、土地所有者及び関係人が、これに署名押印しなければならない。

4 和解調書の正本には、用地委員会の印章を押し、これを特例事業者、土地所有者及び関係人に送達しなければならない。

5 第三項の規定による和解調書が作成されたときは、この法律の適用については、権利取得裁決又は補償裁決があったものとみなす。この場合において、特例事業者、土地所有者及び関係人は、和解の成立及び内容を争うことができない。

 (裁決の会議等)

第六十三条の七十八 用地委員会の裁決の会議は、公開しない。

2 裁決は、文書によって行う。裁決書には、その理由及び成立の日を付記し、会長及び会議に加わった委員は、これに署名押印しなければならない。

3 裁決書の正本には、用地委員会の印章を押し、これを特例事業者、土地所有者及び関係人に送達しなければならない。

     第五款 損失の補償

      第一目 収用又は使用による損失の補償

 (損失を補償すべき者)

第六十三条の七十九 この節の規定によって土地を収用し、又は使用することによって土地所有者及び関係人が受ける損失は、特例事業者の負担において補償されなければならない。

 (個別払の原則)

第六十三条の八十 損失の補償は、土地所有者及び関係人に、各人別にしなければならない。ただし、各人別に見積もることが困難であるときは、この限りでない。

 (損失の補償の方法)

第六十三条の八十一 損失の補償は、金銭をもってするものとする。ただし、替地の提供その他補償の方法について、第六十三条の九十四から第六十三条の九十八までの規定により用地委員会の裁決があった場合は、この限りでない。

 (土地等に対する補償金の額)

第六十三条の八十二 収用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額は、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した復興整備計画の告示の時における相当な価格に、権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする。

第六十三条の八十三 前条の規定は、使用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額について準用する。この場合において、同条中「近傍類地の取引価格」とあるのは「その土地及び近傍類地の地代及び借賃」と、「権利取得裁決」とあるのは「権利取得裁決又は第六十三条の三十三第一項の規定による却下の裁決」と読み替えるものとする。

 (その他の補償額算定の時期)

第六十三条の八十四 この目に別段の定めがある場合を除くほか、損失の補償は、権利取得裁決の時の価格によって算定してしなければならない。

 (残地補償)

第六十三条の八十五 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することによって、残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、その損失を補償しなければならない。

2 前項の規定による残地又は残地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額については、第六十三条の八十二及び第六十三条の八十三の例による。

 (工事の費用の補償)

第六十三条の八十六 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用することによって、残地に通路、溝、垣、柵その他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用を補償しなければならない。

 (残地収用の請求権)

第六十三条の八十七 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用することによって、残地を従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、土地所有者は、その全部の収用を請求することができる。

2 前項の規定によって収用の請求がされた残地又はその上にある物件に関して権利を有する関係人は、用地委員会に対して、特例事業者の業務の執行に特別の支障がなく、かつ、他の関係人の権利を害しない限りにおいて、従前の権利の存続を請求することができる。

3 第一項の規定によって収用の請求がされた土地に関する所有権以外の権利に対しては、第六十三条の八十二の規定にかかわらず、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した権利取得裁決の時における相当な価格をもって補償しなければならない。

 (移転料の補償)

第六十三条の八十八 収用し、又は使用する土地に物件があるときは、その物件の移転料を補償して、これを移転させなければならない。この場合において、物件が分割されることとなり、その全部を移転しなければ従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、その所有者は、その物件の全部の移転料を請求することができる。

 (移転困難な場合の収用請求権)

第六十三条の八十九 前条の場合において、物件を移転することが著しく困難であるとき又は物件を移転することによって従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときは、その所有者は、その物件の収用を請求することができる。

 (移転料多額の場合の収用請求権)

第六十三条の九十 第六十三条の八十八の場合において、移転料が移転しなければならない物件に相当するものを取得するのに要する価格を超えるときは、特例事業者は、その物件の収用を請求することができる。

 (物件の補償)

第六十三条の九十一 前二条の規定によって物件を収用する場合において、収用する物件に対しては、近傍同種の物件の取引価格等を考慮して、相当な価格をもって補償しなければならない。

 (原状回復の困難な使用の補償)

第六十三条の九十二 土地を使用する場合において、使用の方法が土地の形質を変更し、当該土地を原状に復することを困難にするものであるときは、これによって生ずる損失をも補償しなければならない。

2 前項の規定による土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額については、第六十三条の八十二の例による。

 (土地の使用に代わる収用の請求)

第六十三条の九十三 土地を使用する場合において、土地の使用が三年以上にわたるとき、土地の使用によって土地の形質を変更するとき又は使用しようとする土地に土地所有者の所有する建物があるときは、土地所有者は、その土地の収用を請求することができる。ただし、空間又は地下を使用する場合で、土地の通常の用法を妨げないときは、この限りでない。

2 前項の規定によって収用の請求がされた土地に関して権利を有する関係人は、用地委員会に対して従前の権利の存続を請求することができる。

3 前項の規定による請求があった権利については、特例事業者がその権利の使用の裁決の申請をしたものとみなして、第一項の規定に基づく請求に係る裁決と併せて裁決するものとする。

 (替地による補償)

第六十三条の九十四 土地所有者又は関係人(先取特権を有する者、質権者、抵当権者及び第六十三条の七第五項の規定により関係人に含まれる者を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、収用される土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の全部又は一部に代えて土地又は土地に関する所有権以外の権利(以下「替地」と総称する。)をもって、損失を補償することを用地委員会に要求することができる。

2 土地所有者又は関係人が特例事業者の所有する特定の土地を指定して前項の規定による要求をした場合において、用地委員会は、その要求が相当であり、かつ、替地の譲渡が特例事業者の事業又は業務の執行に支障を及ぼさないと認めるときは、権利取得裁決において替地による損失の補償の裁決をすることができる。

3 土地所有者又は関係人が土地を指定しないで、又は特例事業者の所有に属しない土地を指定して第一項の規定による要求をした場合において、用地委員会は、その要求が相当であると認めるときは、特例事業者に対して替地の提供を勧告することができる。

4 前項の規定による勧告に基づいて特例事業者が提供しようとする替地について、土地所有者又は関係人が同意したときは、用地委員会は、替地による損失の補償の裁決をすることができる。

5 第三項の規定による勧告があった場合において、国又は地方公共団体である特例事業者は、地方公共団体又は国の所有する土地で、公用又は公共用に供し、又は供するものと決定したもの以外のものであって、かつ、替地として相当と認めるものがあるときは、その譲渡のあっせんを用地委員会に申請することができる。

6 前項の規定による申請があった場合において、用地委員会は、その申請を相当と認めるときは、国又は地方公共団体に対し、替地として相当と認めるものの譲渡を勧告することができる。

7 特例事業者が提供すべき替地は、土地の地目、地積、土性、水利、権利の内容等を総合的に勘案して、従前の土地又は土地に関する所有権以外の権利に照応するものでなければならない。

 (耕地の造成)

第六十三条の九十五 土地所有者又は関係人は、前条第一項の規定による要求をする場合において、収用される土地が耕作を目的とするものであるときは、その要求に併せて、収用される土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金に代わる範囲内において、同条第七項の規定の趣旨により、替地となるべき土地について、特例事業者が耕地の造成を行うことを用地委員会に要求することができる。

2 用地委員会は、前項の規定による要求が相当であると認めるときは、権利取得裁決において工事の内容及び工事を完了すべき時期を定めて、耕地の造成による損失の補償を替地による損失の補償に併せて裁決することができる。

3 前項の場合において、特例事業者が国以外の者であるときは、用地委員会は、必要があると認めるときは、同時に特例事業者が耕地の造成のための担保を提供しなければならない旨の裁決をすることができる。

4 前項の規定による担保は、用地委員会が相当と認める金銭又は有価証券を供託することによって、提供するものとする。

5 特例事業者が工事を完了すべき時期までに工事を完了しないときは、土地所有者又は関係人は、用地委員会の確認を得て前項の規定による担保の全部又は一部を取得する。この場合において、特例事業者は、用地委員会の確認を得て耕地の造成による損失の補償の義務を免れるものとする。

6 特例事業者は、工事を完了したときは、用地委員会の確認を得て第四項の規定による担保を取り戻すことができる。

7 前二項の規定による担保の取得及び取戻しに関する手続は、国土交通省令で定める。

 (工事の代行による補償)

第六十三条の九十六 第六十三条の八十六の場合において、特例事業者、土地所有者又は関係人は、補償金の全部又は一部に代えて、特例事業者が当該工事を行うことを用地委員会に要求することができる。

2 用地委員会は、前項の規定による要求が相当であると認めるときは、権利取得裁決において工事の内容及び工事を完了すべき時期を定めて、工事の代行による損失の補償の裁決をすることができる。

3 前条第三項から第七項までの規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第三項及び第五項中「耕地の造成」とあるのは、「工事の代行」と読み替えるものとする。

 (移転の代行による補償)

第六十三条の九十七 第六十三条の八十八に規定する場合において、特例事業者又は物件の所有者は、移転料の補償に代えて、特例事業者が当該物件を移転することを用地委員会に要求することができる。

2 用地委員会は、前項の規定による要求が相当であると認めるときは、権利取得裁決において移転の代行による損失の補償の裁決をすることができる。

 (宅地の造成)

第六十三条の九十八 第六十三条の八十八の規定により建物を移転しようとする場合において、移転先の土地が宅地以外の土地であるときは、土地所有者又は関係人は、第六十三条の八十二、第六十三条の八十三、第六十三条の八十五、第六十三条の九十二及び第六十三条の百の規定による損失の補償の一部に代えて、特例事業者が宅地の造成を行うことを用地委員会に要求することができる。

2 用地委員会は、前項の規定による要求が相当であると認めるときは、権利取得裁決において工事の内容を定めて宅地の造成による損失の補償の裁決をすることができる。

 (請求、要求の方法)

第六十三条の九十九 第六十三条の八十七第一項及び第二項、第六十三条の八十八から第六十三条の九十まで並びに第六十三条の九十三第一項及び第二項の規定による請求、第六十三条の九十四第一項、第六十三条の九十五第一項、第六十三条の九十六第一項、第六十三条の九十七第一項及び前条第一項の規定による要求は、権利取得裁決までに、第六十三条の二十二第一項若しくは第六十三条の七十三第二項の規定による意見書又は第六十三条の七十五第一項第一号の規定に基づいて提出する意見書によってしなければならない。ただし、第六十三条の八十七第一項及び第六十三条の九十三第一項の規定による請求は、第六十三条の二十二第一項の縦覧期間前においても、その請求に係る意見書を用地委員会に提出することによってすることができる。

 (通常受ける損失の補償)

第六十三条の百 第六十三条の八十二、第六十三条の八十三、第六十三条の八十五、第六十三条の八十六、第六十三条の八十八、第六十三条の九十一及び第六十三条の九十二に規定する損失の補償のほか、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他土地を収用し、又は使用することによって土地所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない。

 (損失の補償に関する細目)

第六十三条の百一 第六十三条の八十二、第六十三条の八十三、第六十三条の八十五、第六十三条の八十六、第六十三条の八十八、第六十三条の九十一、第六十三条の九十二及び前条の規定の適用に関し必要な事項の細目は、政令で定める。

 (損失の補償の制限)

第六十三条の百二 土地所有者又は関係人は、第六十三条の十二第一項の規定による復興整備計画の告示の後において、土地の形質を変更し、工作物を新築し、改築し、増築し、若しくは大修繕し、又は物件を付加増置したときは、あらかじめこれについて被災関連市町村等の長の承認を得た場合を除くほか、これに関する損失の補償を請求することができない。

2 土地の形質の変更、工作物の新築、改築、増築若しくは大修繕又は物件の付加増置が専ら補償の増加のみを目的とすると認められるときは、被災関連市町村等の長は、前項に規定する承認をしてはならない。

3 土地の形質の変更について、土地所有者又は関係人が第六十三条の十四第一項の規定による許可を受けたときは、第一項の規定による承認があったものとみなす。

 (起業利益との相殺の禁止)

第六十三条の百三 同一の土地所有者に属する一団の土地の一部を収用し、又は使用する場合において、当該土地を収用し、又は使用する事業の施行によって残地の価格が増加し、その他残地に利益が生ずることがあっても、その利益を収用又は使用によって生ずる損失と相殺してはならない。

 (補償金の仮払を受けた者等に関する特例)

第六十三条の百四 第六十三条の二十八の規定による補償金の仮払又は第六十三条の二十九第一項若しくは第二項の規定による供託があった土地又は土地に関する所有権以外の権利については、第六十三条の八十二中「権利取得裁決の時」とあるのは、「第六十三条の二十八の規定による補償金の仮払又は第六十三条の二十九第一項若しくは第二項の規定による供託の時」とする。

 (差額及び加算金の裁決)

第六十三条の百五 第六十三条の二十五第一項の規定による補償金の予納があった場合においては、用地委員会は、権利取得裁決において、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 特例事業者が予納した補償金の額

 二 この款の規定によって算定した補償金の額

 三 第一号に掲げる額と前号に掲げる額との間に過不足があるときは、特例事業者が支払うべき補償金の残額又は特例事業者が返還を受けることができる補償金の額

 四 支払うべき補償金の残額に対する加算金

2 前項第四号に掲げる加算金の額は、次に定めるところによる。

 一 前項第四号に掲げる補償金の残額が同項第二号に掲げる補償金の額の二割以上である場合 同項第四号に掲げる補償金の残額の十八・二五パーセントに相当する額

 二 前項第四号に掲げる補償金の残額が同項第二号に掲げる補償金の額の二割未満一割以上である場合 同項第四号に掲げる補償金の残額の十一パーセントに相当する額

 三 前項第四号に掲げる補償金の残額が同項第二号に掲げる補償金の額の一割未満である場合 同項第四号に掲げる補償金の残額の六・二五パーセントに相当する額

 (過怠金の裁決)

第六十三条の百六 特例事業者が第六十三条の十七第二項の規定による請求を受けた日から二週間以内に収用又は使用の裁決の申請をしなかった場合又は第六十三条の二十五第二項の規定による請求を受けたときから二月以内に補償金の予納を行わなかった場合(同条第四項ただし書の場合を除く。)においては、用地委員会は、権利取得裁決において、土地所有者及び土地に関する所有権以外の権利を有する関係人が受けるべき補償金の額につき年十八・二五パーセントの割合により裁決の申請又は補償金の予納を怠った期間の日数に応じて算定した過怠金を支払うべき旨の裁決をしなければならない。

 (差額の裁決)

第六十三条の百七 第六十三条の二十八の規定による補償金の仮払があった場合においては、用地委員会は、補償裁決(仮補償裁決を含む。)において、次に掲げる事項について裁決しなければならない。

 一 仮払をした補償金の額

 二 第六十三条の百四の規定により読み替えられた第六十三条の八十二の規定により算定された補償金の額

 三 第一号に掲げる補償金の額と前号に掲げる補償金の額との間に過不足があるときは、用地委員会が支払うべき補償金の残額又は用地委員会が返還を受けるべき補償金の額

 (用地委員会が返還を受けるべき補償金の徴収)

第六十三条の百八 用地委員会は、前条第三号に規定する用地委員会が返還を受けるべき補償金を納付しない者があるときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

2 前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに返還すべき補償金を納付しないときは、用地委員会は、滞納処分の例によって、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

      第二目 事業の廃止等による損失の補償

 (事業の廃止又は変更等による損失の補償)

第六十三条の百九 第六十三条の十二第一項の規定による復興整備計画の告示があった後、特例事業者が事業の全部若しくは一部を廃止し、若しくは変更し、又は第六十三条の三十八の規定により権利取得裁決が失効したことによって土地所有者又は関係人が損失を受けたときは、特例事業者は、これを補償しなければならない。

2 前項の規定による損失の補償は、損失があったことを知った日から一年を経過した後においては、請求することができない。

 (収用し、又は使用する土地以外の土地に関する損失の補償)

第六十三条の百十 土地を収用し、又は使用して、その土地を特例事業の用に供することにより、当該土地及び残地以外の土地について、通路、溝、垣、柵その他の工作物を新築し、改築し、増築し、若しくは修繕し、又は盛土若しくは切土をする必要があると認められるときは、特例事業者は、これらの工事をすることを必要とする者の請求により、これに要する費用の全部又は一部を補償しなければならない。この場合において、特例事業者又は当該工事をすることを必要とする者は、補償金の全部又は一部に代えて、特例事業者が当該工事を行うことを要求することができる。

2 前項の規定による損失の補償は、事業に係る工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない。

 (前二条による損失の補償の裁決手続)

第六十三条の百十一 前二条の規定による損失の補償は、特例事業者と損失を受けた者(前条第一項に規定する工事をすることを必要とする者を含む。次項において同じ。)とが協議して定めなければならない。

2 前項の規定による協議が成立しないときは、特例事業者又は損失を受けた者は、用地委員会の裁決を申請することができる。

3 前項の規定による裁決を申請しようとする者は、国土交通省令で定める様式に従い、次に掲げる事項を記載した裁決申請書を用地委員会に提出しなければならない。

 一 裁決申請者の氏名及び住所

 二 相手方の氏名及び住所

 三 事業の種類

 四 損失の事実

 五 損失の補償の見積り及びその内訳

 六 協議の経過

4 第六十三条の十九の規定は、前項の規定による裁決申請書の欠陥の補正について準用する。この場合において、同条第一項中「前条」とあるのは「第六十三条の百十一第三項」と読み替えるものとする。

5 用地委員会は、第三項の規定による裁決申請書を受理したときは、前項において準用する第六十三条の十九第二項の規定により裁決申請書を却下する場合を除くほか、第三項の規定による裁決申請者及び裁決申請書に記載されている相手方にあらかじめ審理の期日及び場所を通知した上で、審理を開始しなければならない。

6 第四款第二目(第六十三条の七十三第一項を除く。)の規定は、用地委員会が前項の規定によって審理をする場合に準用する。この場合において、第六十三条の七十一第一項、第六十三条の七十三第二項から第五項まで、第六十三条の七十四第二項、第六十三条の七十七及び第六十三条の七十八第三項中「特例事業者、土地所有者及び関係人」とあり、並びに第六十三条の七十七第二項中「収用し、又は使用しようとする土地の全部又は一部について特例事業者と土地所有者及び関係人の全員」とあるのは「裁決申請者及びその相手方」と、同条第二項及び第三項中「第六十三条の三十四第二項各号又は第六十三条の四十七第三項各号に掲げる全ての事項」とあるのは「損失の補償及び補償をすべき時期」と、同条第五項中「権利取得裁決」とあるのは「第六十三条の百十一第八項の規定による裁決」と、第六十三条の七十三第三項中「前二項」とあるのは「前項」と、同条第四項中「第六十三条の十八の規定による裁決申請書の添付書類により、若しくは第六十三条の二十二第一項の規定による意見書により申し立てた事項又は第一項若しくは」とあるのは「第六十三条の百十一第三項の規定による裁決申請書により申し立てた事項又は」と、第六十三条の七十五第一項第一号中「特例事業者、土地所有者若しくは関係人」とあるのは「裁決申請者若しくはその相手方」と、第六十三条の七十六第一項、第二項及び第七項中「土地所有者又は関係人」とあるのは「裁決申請者又はその相手方(これらの者のうち特例事業者である者を除く。)」と読み替えるものとする。

7 用地委員会は、第二項の規定による裁決の申請がこの法律の規定に違反するときは、裁決をもって申請を却下しなければならない。

8 用地委員会は、前項の規定によって申請を却下する場合を除くほか、損失の補償及び補償をすべき時期について裁決しなければならない。この場合において、用地委員会は、損失の補償については、裁決申請者及びその相手方が裁決申請書又は第六項において準用する第六十三条の七十三第二項の規定による意見書若しくは第六項において準用する第六十三条の七十五第一項第一号の規定に基づいて提出する意見書によって申し立てた範囲を超えて裁決してはならない。

9 前項の規定による裁決に対して不服がある者は、第六十三条の百二十一第二項の規定にかかわらず、裁決書の正本の送達を受けた日から六十日以内に、損失があった土地の所在地の裁判所に対して訴えを提起しなければならない。

10 前項の規定による訴えの提起がなかったときは、第八項の規定によってされた裁決は、強制執行に関しては、民事執行法第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。

11 前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、用地委員会の会長が行う。民事執行法第二十九条後段の執行文及び文書の謄本の送達も、同様とする。

12 前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、用地委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。

     第六款 手数料及び費用の負担

 (手数料)

第六十三条の百十二 被災関連都道県が、第六十三条の十七第一項又は前条第二項の規定によって収用若しくは使用又は損失の補償の裁決を申請する者から手数料を徴収する場合においては、その額は、実費の範囲内において当該事務の性質を考慮して損失の補償の見積りの額に応じ政令で定める額を標準として、条例で定めなければならない。

 (鑑定人等の旅費及び手当の負担)

第六十三条の百十三 第六十三条の七十五第六項(第六十三条の百十一第六項において準用する場合を含む。)の規定による鑑定人及び参考人の旅費及び手当は、特例事業者の負担とする。

 (手続費、義務履行費その他の費用の負担、徴収等)

第六十三条の百十四 特例事業者、土地所有者及び関係人がこの節又はこの節(第六十三条の五十一第六項を除く。)の規定に基づく命令に規定する手続その他の行為をし、又は義務を履行するために要する費用は、それぞれの者が自ら負担しなければならない。

第六十三条の百十五 用地委員会は、第六十三条の四十二第一項の規定により用地委員会が土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転するに要した費用を、第六十三条の四十一の規定により土地若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者から徴収するものとする。

2 用地委員会は、前項に規定する者に対し、あらかじめ納付すべき金額、納付の期限及び場所を通知して、これを納付させるものとする。

3 用地委員会は、前項の規定によって通知を受けた者が同項の規定によって通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

4 前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第二項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、用地委員会は、滞納処分の例によって、これを徴収することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

     第七款 行政手続法の適用除外

第六十三条の百十六 この法律の規定により用地委員会がする処分(第六十三条の七十四の規定により会長又は指名委員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。

     第八款 審査請求及び訴訟

 (審査請求期間)

第六十三条の百十七 特例事業に係る復興整備計画の告示についての審査請求に関する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文の期間は、第六十三条の十二第一項の規定による復興整備計画の告示があった日の翌日から起算して三月とする。

2 用地委員会の裁決についての審査請求に関する行政不服審査法第十八条第一項本文の期間は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から起算して三十日とする。

 (審査請求に対する裁決)

第六十三条の百十八 被災関連市町村等は、特例事業に係る復興整備計画の告示についての審査請求があった場合において、復興整備計画の告示に至るまでの手続その他の行為に関して違法があっても、それが軽微なものであって特例事業に係る復興整備計画の告示に影響を及ぼすおそれがないと認めるときは、裁決をもって当該審査請求を棄却することができる。

2 用地委員会は、用地委員会の裁決についての審査請求があった場合において、裁決に至るまでの手続その他の行為に関して違法があっても、それが軽微なものであって裁決に影響を及ぼすおそれがないと認めるときは、裁決をもって当該審査請求を棄却することができる。

 (復興整備計画の記載又は用地委員会の裁決の手続の省略)

第六十三条の百十九 審査請求に対する裁決により特例事業に係る復興整備計画の記載が取り消された場合において、被災関連市町村等が再び特例事業に係る復興整備計画の記載を行おうとするときは、当該記載につき既に行った手続その他の行為は、法令の規定に違反するものとして当該取消しの理由となったものを除き、省略することができる。

2 審査請求に対する裁決により用地委員会の裁決が取り消された場合において、用地委員会が再び裁決をしようとするときは、裁決につき既に行った手続その他の行為は、法令の規定に違反するものとして当該取消しの理由となったものを除き、省略することができる。

 (審査請求の制限)

第六十三条の百二十 用地委員会の裁決についての審査請求においては、損失の補償(第六十三条の百五の規定による加算金及び第六十三条の百六の規定による過怠金を含む。次条において同じ。)についての不服をその裁決についての不服の理由とすることができない。

 (訴訟)

第六十三条の百二十一 用地委員会の裁決に関する訴え(次項及び第三項に規定する損失の補償に関する訴えを除く。)は、裁決書の正本の送達を受けた日から三月の不変期間内に提起しなければならない。

2 用地委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から六月以内に提起しなければならない。

3 前項の規定による訴えは、これを提起した者が特例事業者であるときは土地所有者又は関係人を、土地所有者又は関係人であるときは特例事業者を、それぞれ被告としなければならない。

第六十三条の百二十二 前条第二項及び第三項の規定による訴えの提起は、特例事業の進行及び土地の収用又は使用を停止しない。

     第九款 雑則

 (期間の計算、通知及び書類の送達の方法)

第六十三条の百二十三 この節の規定による期間の計算方法は、審査請求及び訴訟の提起の期間の計算方法を除き、民法による。ただし、土曜日及び十二月二十九日から三十一日までの日は、同法第百四十二条の規定によるその他の休日とみなし、申請書、意見書及び異議の申出を郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付した場合においては、当該送付に要した日数は、期間に算入しない。

2 この節に規定する通知及び書類の送達の方法に関して必要な事項は、政令で定める。

 (代理人)

第六十三条の百二十四 特例事業者、土地所有者及び関係人は、裁決の申請、意見書の提出等この節で定める手続その他の行為について弁護士その他適当な者を代理人とすることができる。

2 前項の代理人は、書面をもって、その権限を証明しなければならない。

3 用地委員会は、審理の円滑な進行のため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、審理の期日に出席することができる代理人の数を制限することができる。

 (秘密を守る義務)

第六十三条の百二十五 用地委員会の委員及び予備委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。これらの者が、その職を退いた後も、同様とする。

 (権利、物件及び土石砂れきの収用又は使用に関する準用規定)

第六十三条の百二十六 第六十三条の九、第二款(第六十三条の十一を除く。)、第三款(第六十三条の四十五及び第六十三条の四十六を除く。)、第四款第二目、第五款(第六十三条の八十七及び第六十三条の九十三を除く。)、第六款から第八款まで及び第六十三条の百二十四の規定は、第六十三条の四に規定する権利若しくは第六十三条の五に規定する立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、若しくは使用する場合又は第六十三条の六に規定する土石砂れきを収用する場合に準用する。ただし、次の各号に掲げる場合においては、それぞれ当該各号に規定する規定は、準用しない。

 一 第六十三条の四第一項第一号に規定する質権若しくは抵当権、同項第二号若しくは第三号若しくは同条第二項若しくは第三項に規定する権利又は第六十三条の五に規定する立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、又は使用する場合 第六十三条の九十四及び第六十三条の九十五

 二 第六十三条の六に規定する土地に属する土石砂れきを収用する場合 第六十三条の二十六、第六十三条の四十から第六十三条の四十二まで、第六十三条の四十四、第六十三条の四十六、第六十三条の八十三、第六十三条の九十二、第六十三条の九十四及び第六十三条の九十五

2 前項において準用するこの法律の規定に関して必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (土石砂れきを収用する場合の効果の特例)

第六十三条の百二十七 第六十三条の六の規定によって土石砂れきを収用する場合においては、特例事業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土石砂れきを採取する権利を取得し、当該土石砂れきの属する土地に関するその他の権利は、その採取に支障を及ぼす限度において、行使することができない。

2 前項の場合においては、土石砂れきの属する土地の所有者及び関係人その他当該土地に関して権利を有する者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、当該土地を特例事業者に引き渡さなければならない。

 (生活再建のための措置)

第六十三条の百二十八 第六十三条の十二第一項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)の規定によって告示された復興整備計画に係る特例事業に必要な土地等を提供することによって生活の基礎を失うこととなる者は、その受ける対償と相まって実施されることを必要とする場合においては、次に掲げる生活再建のための措置の実施のあっせんを特例事業者に申し出ることができる。

 一 宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。

 二 住宅、店舗その他の建物の取得に関すること。

 三 職業の紹介、指導又は訓練に関すること。

2 特例事業者は、前項の規定による申出があった場合においては、事情の許す限り、当該申出に係る措置を講ずるように努めるものとする。

 第六十四条第四項に次の一号を加える。

 五 第六十三条の十四第一項の許可を要する行為

 第六十七条第一項中「掲げる事業」の下に「のうち特例事業でないもの」を加える。

 第七十三条第一項中「復興整備事業(」の下に「第六十三条の十二第一項又は」を加え、「又は都市計画法」を「若しくは都市計画法」に改め、「(平成十六年法律第百二十三号)」を削る。

 第七十三条の五中「(明治二十九年法律第八十九号)」を削る。

 第七章中第九十一条の前に次の二条を加える。

第九十条の二 次の各号のいずれかに該当する場合は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 一 第六十三条の七十五第一項第二号(第六十三条の百十一第六項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)又は第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。第九十四条第一号において同じ。)の規定によって出頭を命ぜられた鑑定人が虚偽の鑑定をしたとき。

 二 第六十三条の百二十五の規定により秘密を守る義務がある者が、職務上知り得た秘密を漏らしたとき。

第九十条の三 第六十三条の十四第一項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合(第六十三条の五に規定する立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、若しくは使用し、又は第六十三条の六に規定する土石砂れきを収用する場合に限る。)を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 第九十一条中第四号を第六号とし、第一号から第三号までを二号ずつ繰り下げ、同条に第一号及び第二号として次の二号を加える。

 一 第六十三条の四十一(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、土地若しくは物件を引き渡さず、又は物件を移転しない者

 二 第六十三条の百二十七第二項の規定に違反して、土地を引き渡さない者

 第九十二条を次のように改める。

第九十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第六十三条の七十五第一項第三号(第六十三条の百十一第六項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)又は第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)の規定による実地調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 二 第六十四条第四項又は第五項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第四項本文又は第五項に規定する行為をした者

 第九十三条中「前二条」を「前三条」に、「刑」を「罰金刑」に改める。

 本則に次の一条を加える。

第九十四条 次の各号のいずれかに該当する場合は、十万円以下の過料に処する。

 一 第六十三条の七十五第一項第二号の規定により出頭を命ぜられた鑑定人が、正当の事由がなくて出頭せず、又は鑑定をしないとき。

 二 第六十三条の七十五第一項第一号(第六十三条の百十一第六項(第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)又は第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。次号において同じ。)により出頭を命ぜられた者が、正当の事由がなくて出頭せず、陳述せず、又は虚偽の陳述をしたとき。

 三 第六十三条の七十五第一項第一号の規定により資料の提出を命ぜられた者が、正当の事由がなくて資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出したとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討等)

第二条 国は、移転促進区域(東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑化に関する法律(平成二十八年法律第▼▼▼号)第二条第一項に規定する移転促進区域をいう。以下この項において同じ。)の活用を促進するため、この法律による改正後の東日本大震災特別区域法に規定する土地の収用又は使用に係る特別の措置に関する制度の趣旨及び内容の周知徹底を図るとともに、土地の交換の促進、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の特例の創設等により移転促進区域を一団の土地とすることについて検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

2 国は、この法律の施行の状況を踏まえ、将来における大規模な災害の発生に備え、大規模な災害の被災地の復興に係る事業の用に供する土地の収用又は使用の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (地方税法の一部改正)

第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十三条の六第二項中「第八十二条」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の九十四」を加える。

  第六百二条第一項中「第八十二条」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法第六十三条の九十四」を加える。

 (道路法の一部改正)

第四条 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)の一部を次のように改正する。

  第七十条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加え、「外」を「ほか」に、「因り」を「より」に、「みぞ、かき、さく」を「溝、垣、柵」に改める。

  第九十二条第三項中「第百六条」の下に「及び東日本大震災復興特別区域法第六十三条の四十五」を加える。

  第九十四条第六項中「第百六条」の下に「若しくは東日本大震災復興特別区域法第六十三条の四十五」を加える。

 (農地法の一部改正)

第五条 農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第六項各号列記以外の部分中「事業」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の十二第一項の規定により告示された復興整備計画に係る同法第六十三条の七第一項に規定する特例事業」を加える。

  第五条第二項各号列記以外の部分中「事業」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法第六十三条の十二第一項の規定により告示された復興整備計画に係る同法第六十三条の七第一項に規定する特例事業」を加える。

 (自衛隊法の一部改正)

第六条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第百十五条の九の見出し中「土地収用法」を「土地収用法等」に改め、同条中「含む。)」の下に「及び東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の十四第一項(同法第六十三条の百二十六第一項において準用する場合を含む。)」を加える。

 (海岸法の一部改正)

第七条 海岸法(昭和三十一年法律第百一号)の一部を次のように改正する。

  第十九条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加え、「みぞ、かき、さく」を「溝、垣、柵」に改める。

 (地すべり等防止法の一部改正)

第八条 地すべり等防止法(昭和三十三年法律第三十号)の一部を次のように改正する。

  第十七条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加え、「みぞ、かき、さく」を「溝、垣、柵」に改める。

 (河川法の一部改正)

第九条 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)の一部を次のように改正する。

  第二十一条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加え、「みぞ、かき、さく」を「溝、垣、柵」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第九十一条第二項中「第百六条」の下に「及び東日本大震災復興特別区域法第六十三条の四十五」を加える。

  第九十三条第二項中「第百六条」の下に「若しくは東日本大震災復興特別区域法第六十三条の四十五」を加える。

 (地価公示法の一部改正)

第十条 地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。

  第十条中「土地収用法第七十一条」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の八十二」を加え、「同法」を「土地収用法」に改め、「時」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法第六十三条の十二第一項の規定による復興整備計画の告示の時」を加える。

 (急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の一部改正)

第十一条 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加え、「みぞ、かき、さく」を「溝、垣、柵」に改める。

 (新都市基盤整備法の一部改正)

第十二条 新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十条第二項中「第八十二条」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の九十四」を加える。

 (津波防災地域づくりに関する法律の一部改正)

第十三条 津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条第一項中「第九十三条第一項」の下に「又は東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第六十三条の百十第一項」を加える。


     理 由

 復興整備事業の実施の状況に鑑み、その円滑化及び迅速化を図るため、被災関連都道県知事の所轄の下に用地委員会を設置するとともに、補償金の予納に基づく権利取得裁決前の土地の使用、土地に関する権利の取得及び各筆の土地に関する権利に対する損失の補償等の裁決、各人別の損失の補償等の裁決等を内容とする土地の収用又は使用に係る特別の措置を創設する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
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