衆議院

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第一九〇回

衆第五八号

   官民連携事業の推進に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、官民連携事業に関し、基本理念を定め、及び国の責務等を明らかにするとともに、官民連携事業の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保するとともに、地域の活性化を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「官民連携事業」とは、次に掲げる事業をいう。

 一 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号。以下「民間資金法」という。)第二条第二項に規定する特定事業

 二 公共施設等(民間資金法第二条第一項に規定する公共施設等をいう。第二十二条において同じ。)の維持管理又はこれに関する企画(国民に対するサービスの提供を含む。)に係る二以上の種類の業務について、民間事業者が、国、地方公共団体又は独立行政法人、特殊法人その他の公共法人(市街地再開発事業、土地区画整理事業その他の市街地開発事業を施行する組合を含む。以下「公共法人」という。)(以下「国等」という。)から一括して受託して行う事業

 三 国等が所有権又は所有権以外の使用及び収益を目的とする権利を有する不動産(以下「公的不動産」という。)について、民間事業者が、国等から所有権以外の使用及び収益を目的とする権利の設定を受けて行う事業

 (基本理念)

第三条 官民連携事業については、財政資金の効率的使用、行政の効率化、公的不動産の有効利用等に資するよう、その積極的な活用が図られなければならない。

2 官民連携事業は、民間事業者の創意工夫等が十分に発揮され、低廉かつ良好なサービスが国民に対して提供されることを旨として行われなければならない。

3 官民連携事業は、民間事業者の官民連携事業についての提案を活用した地域における民間の事業機会の創出その他地域の活性化が図られるよう配慮して行われなければならない。

 (国の責務)

第四条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、官民連携事業に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、官民連携事業に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

 (公共法人の責務)

第六条 公共法人は、基本理念にのっとりその事業活動を行うとともに、国又は地方公共団体が実施する官民連携事業に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 (民間事業者の責務)

第七条 民間事業者は、基本理念についての理解を深め、その実現に向けて自ら取り組むことができる活動に主体的に取り組むよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する官民連携事業に関する施策に協力するよう努めるものとする。

 (国民の努力)

第八条 国民は、官民連携事業の活用の重要性に関する理解と関心を深めるよう努めるものとする。

 (関係者相互の連携及び協力)

第九条 国等、民間事業者その他の関係者は、基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

 (収益性の確保)

第十条 国等は、官民連携事業について、国等及び民間事業者の双方にとって魅力あるものとなるよう、収益を目的とする施設の併設、公的不動産の有効利用等により、高い収益性が確保されるよう努めるものとする。

 (官民連携事業についての提案等)

第十一条 国等は、民間事業者に対し、官民連携事業についての提案を積極的に求めるよう努めなければならない。

2 国等は、官民連携事業についての提案がされたときは、低廉かつ良好なサービスが国民に対して提供され、及び地域の活性化が図られるよう、これについて適切な審査及び評価を行うものとする。

 (地域の民間事業者の創意工夫等の適切な審査及び評価等)

第十二条 国等は、地域における民間の事業機会の創出その他地域の活性化を図る観点から、官民連携事業を実施する民間事業者の選定を行うに当たっては、当該官民連携事業の特性に応じ、地域の民間事業者の創意工夫等について、適切な審査及び評価を行い、並びに入札及び契約に適切に反映させるよう努めるものとする。

 (公的不動産の利用状況及び将来の見通しの公表等)

第十三条 国等は、民間事業者の官民連携事業についての提案を促進し、公的不動産の有効利用を図るため、公的不動産の利用状況及び将来の見通しの公表その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (官民連携事業に係る手続の透明性の向上)

第十四条 国等は、官民連携事業に係る手続の透明性の向上を図るよう努めるものとする。

 (公共施設等運営事業の積極的活用)

第十五条 国等は、財政資金の効率的使用の観点から、公共施設等運営事業(民間資金法第二条第六項に規定する公共施設等運営事業をいう。次項において同じ。)の積極的な活用を図るよう努めるものとする。

2 国は、公共施設等運営事業の推進を図るため、地方公共団体及び公共法人に対し、必要な支援を行うものとする。

 (民間事業者の相談に応じる体制の整備等)

第十六条 国等は、民間事業者の官民連携事業に係る相談に的確に応じることができるよう必要な体制の整備を図るとともに、当該相談に関する事務についての窓口となる部局の名称を明示するものとする。

 (支援等)

第十七条 国及び地方公共団体は、民間資金法に定めるもののほか、官民連携事業の推進を図るため、必要な法制上及び税制上の措置を講ずるとともに、官民連携事業を実施する民間事業者に対し、必要な財政上及び金融上の支援を行うものとする。

2 前項の措置及び支援は、実施される官民連携事業の特性に応じた柔軟かつ弾力的なものであり、かつ、地方公共団体及び公共法人の主体性が十分に発揮されるよう配慮されたものでなければならない。

 (規制緩和)

第十八条 国及び地方公共団体は、民間資金法に定めるもののほか、官民連携事業の推進を図るため、民間事業者の技術の活用及び創意工夫の十分な発揮を妨げるような規制その他の規制の撤廃又は緩和を速やかに推進するものとする。

 (職員の派遣等についての配慮)

第十九条 国及び地方公共団体は、民間資金法に定めるもののほか、官民連携事業の円滑かつ効率的な遂行を図るため必要があると認めるときは、職員の派遣その他の適当と認める人的援助について必要な配慮を加えるよう努めるものとする。

 (国の地方公共団体に対する援助)

第二十条 国は、官民連携事業の推進を図るため、地方公共団体に対し、職員の定期的な巡回訪問その他の方法による情報の提供及び助言、財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (人材の育成)

第二十一条 国及び地方公共団体は、地域に密着した官民連携事業の推進を図るため、地域における経済又は社会の実情に精通し、地域の課題に柔軟かつ的確に対応するために必要な知識及び能力を有する人材を育成するために必要な施策を講ずるものとする。

 (公共施設等の総合的な管理のための計画の策定等)

第二十二条 国及び地方公共団体は、官民連携事業の推進を図る観点から、公共施設等の総合的な管理のための計画を策定し、並びに地方公共団体の会計の基準及び固定資産に関する台帳を整備するよう努めるものとする。

 (国民の理解及び関心の増進)

第二十三条 国及び地方公共団体は、官民連携事業の活用の重要性に関する国民の理解と関心を深めるよう、官民連携事業に関する広報活動及び啓発活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保するとともに、地域の活性化を図るため、官民連携事業に関し、基本理念を定め、及び国の責務等を明らかにするとともに、官民連携事業の推進に関する施策の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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