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第一九六回

衆第三七号

   民法の一部を改正する法律案

 民法(明治二十九年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

 第七百四十九条中「第七百九十条第一項ただし書」を「第七百九十条第一項(子の出生前に父母が離婚したときに係る部分に限る。)」に改める。

 第七百五十条中「夫又は妻の氏」を「夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏」に改める。

 第七百九十条第一項中「、父母の氏」の下に「(子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏)又はその出生の際に父母の協議で定める父若しくは母の氏」を加え、同項ただし書を削り、同条第二項を同条第五項とし、同条第一項の次に次の三項を加える。

2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき(次項及び第四項の場合を除く。)は、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。

3 子が称する氏を第一項の協議で定める場合において、父母の一方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、子は、他の一方が定める父又は母の氏を称する。

4 子が称する氏を第一項の協議で定める場合において、父母の双方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、家庭裁判所は、子の親族その他の利害関係人の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。

 第七百九十一条第二項中「父母と」を「父母の双方と」に、「許可を得ないで」を「規定にかかわらず」に改め、「父母の氏」の下に「又はその父若しくは母の氏」を加え、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

3 子の出生後に婚姻をした父母が氏を異にする夫婦である場合には、子は、父母の婚姻中に限り、第一項の規定にかかわらず、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。ただし、父母の婚姻後に子がその氏を改めたときは、この限りでない。

 第八百十条を次のように改める。

 (養子の氏)

第八百十条 養子は、養親の氏(氏を異にする夫婦が共に養子をする場合において、養子が十五歳未満であるときは、養親の協議で定めた養親のいずれかの氏、養子が十五歳以上であるときは、当事者の協議で定めた養親のいずれかの氏)を称する。

2 氏を異にする夫婦の一方が配偶者の嫡出である子を養子とする場合において、養子は、前項の規定にかかわらず、養子が十五歳未満であるときは、養親とその配偶者の協議で定めた養親又はその配偶者の氏(配偶者がその意思を表示することができないときは、養親が定めた養親又はその配偶者の氏)、養子が十五歳以上であるときは、当事者の協議で定めた養親又はその配偶者の氏(配偶者がその意思を表示することができないときは、養親と養子の協議で定めた養親又はその配偶者の氏)を称する。

3 養子が婚姻によって氏を改めた者であるときは、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、前二項の規定を適用しない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

 (法制上の措置等)

第二条 政府は、この法律の施行の日までに、この法律の円滑な施行を図るために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

 (経過措置)

第三条 この法律の施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、配偶者との合意に基づき、この法律の施行の日から二年以内に、別に法律で定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏に復することができる。

2 前項の規定により父又は母が婚姻前の氏に復した場合には、子は、父母の婚姻中に限り、父母が同項の届出をした日から三月以内に、別に法律で定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏に復した父又は母の氏を称することができる。この場合においては、この法律による改正後の民法第七百九十一条第四項及び第五項の規定を準用する。


     理 由

 最近における国民の価値観の多様化及びこれを反映した世論の動向等に鑑み、個人の尊重と男女の対等な関係の構築等の観点から、選択的夫婦別氏制を導入する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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