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第一九六回

閣第六五号

   災害救助法の一部を改正する法律案

 災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)の一部を次のように改正する。

 目次中「・第二条」を「−第二条の三」に、「第二十九条」を「第三十条」に、「第三十条」を「第三十一条」に、「第三十一条−第三十四条」を「第三十二条−第三十五条」に改める。

 第二条中「市町村(特別区を含む。)」を「市(特別区を含む。以下同じ。)町村(以下「災害発生市町村」という。)」に改め、「とする。」の下に「次条第一項において同じ。」を加え、第一章中同条の次に次の二条を加える。

 (救助実施市の長による救助の実施)

第二条の二 救助実施市(その防災体制、財政状況その他の事情を勘案し、災害に際し円滑かつ迅速に救助を行うことができるものとして内閣総理大臣が指定する市をいう。以下同じ。)の区域内において前条に規定する災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対する救助は、同条の規定にかかわらず、当該救助実施市の長が行う。

2 前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、内閣府令で定めるところにより、同項の救助を行おうとする市の申請により行う。

3 内閣総理大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、当該指定をしようとする市を包括する都道府県の知事の意見を聴かなければならない。

4 内閣総理大臣は、指定をしたときは、直ちにその旨を公示しなければならない。

5 前各項に定めるもののほか、指定及びその取消しに関し必要な事項は、内閣府令で定める。

 (都道府県知事による連絡調整)

第二条の三 都道府県知事は、救助実施市の区域及び当該救助実施市以外の市町村の区域にわたり発生した第二条に規定する災害に際し、当該都道府県知事及び当該救助実施市の長が行う救助において必要となる物資の供給又は役務の提供が適正かつ円滑に行われるよう、当該救助実施市の長及び物資の生産等(生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送をいう。以下同じ。)を業とする者その他の関係者との連絡調整を行うものとする。

 第三条の見出し中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改め、同条中「都道府県知事は」を「都道府県知事又は救助実施市の長(以下「都道府県知事等」という。)は」に改める。

 第四条第二項中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改める。

 第五条第一項中「生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送」を「生産等」に改める。

 第七条第一項及び第二項並びに第八条中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改める。

 第九条の見出し中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改め、同条第一項中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に、「生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送」を「生産等」に改める。

 第十条の見出し並びに同条第一項及び第二項中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改める。

 第十一条中「、都道府県知事」を「、都道府県知事等」に、「市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)」を「災害発生市町村(救助実施市を除く。以下同じ。)の長」に改める。

 第十三条中「市町村長」を「災害発生市町村の長」に改める。

 第十四条及び第十六条中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に改める。

 第十七条を次のように改める。

 (事務の区分)

第十七条 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 一 第四条第二項、第七条第一項及び第二項、同条第四項において準用する第五条第二項、第七条第五項、第八条、第九条第一項、同条第二項において準用する第五条第二項及び第三項、第十条第一項及び第二項、同条第三項において準用する第六条第三項、第十一条、第十二条並びに第十四条の規定により都道府県又は救助実施市(以下「都道府県等」という。)が処理することとされている事務

 二 第二条及び第十三条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務

 三 第二条の二第一項の規定により救助実施市が処理することとされている事務

 四 第十三条第二項の規定により災害発生市町村が処理することとされている事務

 第十八条第一項中「の行われた地の都道府県」を「を行った都道府県知事等の統括する都道府県等」に改め、同条第二項及び第三項中「都道府県知事」を「都道府県知事等」に、「都道府県が」を「都道府県等が」に改める。

 第十九条中「都道府県は、当該都道府県知事」を「都道府県等は、その都道府県知事等」に改める。

 第二十条の見出し中「都道府県」を「都道府県等」に改め、同条第一項中「都道府県は、他の都道府県において」を「都道府県等は、他の都道府県等の都道府県知事等により」に、「救助の行われた地の都道府県」を「当該他の都道府県等」に改め、同条第二項中「救助の行われた地の都道府県」を「都道府県等(以下「被請求都道府県等」という。)」に、「当該都道府県」を「当該被請求都道府県等」に、「行った都道府県」を「行った都道府県等(以下「請求都道府県等」という。)」に改め、同条第三項中「前項の規定による」の下に「被請求都道府県等の」を加え、「救助の行われた地の都道府県」を「当該被請求都道府県等」に改め、「費用」の下に「(以下「請求費用」という。)」を加え、「当該都道府県」を「当該被請求都道府県等」に、「当該求償の請求を行った都道府県」を「請求都道府県等」に改め、同条第四項中「第一項の規定による求償の請求に係る費用」を「請求費用」に、「場合において、救助の行われた地の都道府県」を「ときは、被請求都道府県等」に改める。

 第二十一条第一項中「都道府県」を「都道府県等」に、「。以下」を「。第二十三条において」に改め、同条第二項中「前条第二項の規定による」の下に「被請求都道府県等の」を加え、「同条第一項の規定により求償の請求を行った都道府県」を「請求都道府県等」に改め、同項第一号中「救助の行われた地の都道府県」を「被請求都道府県等」に改め、同項第二号中「救助の行われた地の都道府県」を「被請求都道府県等」に、「前条第一項の規定による求償の請求に係る費用を当該都道府県」を「請求費用を当該被請求都道府県等」に、「当該求償の請求を行った都道府県」を「請求都道府県等」に改め、同条第三項中「前条第一項の規定による求償の請求に係る費用」を「請求費用」に、「より救助の行われた地の都道府県から弁済するよう要請された」を「よる要請に係る」に改める。

 第二十二条中「都道府県」を「都道府県等」に改める。

 第二十三条中「当該都道府県の当該年度の前年度の前三年間における地方税法に定める普通税の収入額の決算額の平均年額の千分の五に相当する」を「次の各号に掲げる都道府県等の区分に応じ当該各号に定める」に、「都道府県は」を「都道府県等は」に改め、同条に次の各号を加える。

 一 都道府県(次号に掲げる都道府県を除く。) 当該都道府県の当該年度の前年度の前三年間における地方税法に定める普通税の収入額の決算額の平均年額の千分の五に相当する額

 二 救助実施市を包括する都道府県 当該都道府県の当該年度の前年度の前三年間における地方税法に定める普通税の収入額の決算額の平均年額の千分の五に相当する額から、当該額に救助実施市人口割合(救助実施市を包括する都道府県の人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる人口調査の結果による人口をいう。以下この号において同じ。)に占める救助実施市ごとの人口の割合をいう。次号において同じ。)の合計を乗じて得た額を減じた額

 三 救助実施市 当該救助実施市を包括する都道府県の当該年度の前年度の前三年間における地方税法に定める普通税の収入額の決算額の平均年額の千分の五に相当する額に、当該救助実施市に係る救助実施市人口割合を乗じて得た額

 第二十八条中「以上」を「を超えて」に改め、「(特別区を含む。以下同じ。)」を削り、「同条の規定による」を「当該」に改める。

 第三十四条中「第三十一条」を「第三十二条」に改め、同条を第三十五条とし、第三十三条を第三十四条とし、第三十二条を第三十三条とし、第三十一条を第三十二条とし、第四章中第三十条を第三十一条とする。

 第二十九条中「市町村長」を「災害発生市町村の長」に、「救助を必要とする者の現在地の市町村」を「当該救助に係る災害発生市町村」に改め、第三章中同条を第三十条とし、第二十八条の次に次の一条を加える。

第二十九条 災害救助基金が第二十三条の規定による最少額を超えて積み立てられている都道府県等は、当該最少額を超える部分の金額の範囲内において、災害救助基金を取り崩すことができる。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。ただし、附則第四条の規定は、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律(平成三十年法律第▼▼▼号)の公布の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (地方自治法の一部改正)

第二条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)の項を次のように改める。

災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)

この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるもの

一 第四条第二項、第七条第一項及び第二項、同条第四項において準用する第五条第二項、第七条第五項、第八条、第九条第一項、同条第二項において準用する第五条第二項及び第三項、第十条第一項及び第二項、同条第三項において準用する第六条第三項、第十一条、第十二条並びに第十四条の規定により都道府県等が処理することとされている事務

二 第二条及び第十三条第一項の規定により都道府県が処理することとされている事務

三 第二条の二第一項の規定により救助実施市が処理することとされている事務

四 第十三条第二項の規定により災害発生市町村が処理することとされている事務

 (住民基本台帳法の一部改正)

第三条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

  別表第二中一の五の項を一の七の項とし、一の二の項から一の四の項までを二項ずつ繰り下げ、一の項の次に次のように加える。

一の二 災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)第二条の二第一項に規定する救助実施市(次項及び別表第四の一の二の項において「救助実施市」という。)の長

災害救助法による同法第二条の二第一項の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務であつて総務省令で定めるもの

一の三 災害救助法第二条に規定する災害発生市町村(救助実施市を除く。以下この項及び別表第四の一の三の項において「災害発生市町村」という。)の長

災害救助法による同法第二条の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務のうち、同法第十三条第一項の規定により災害発生市町村の長が行うこととされたものに関する事務であつて総務省令で定めるもの

  別表第二中五の十三の項を削り、五の十四の項を五の十三の項とし、五の十五の項から五の三十四の項までを一項ずつ繰り上げる。

  別表第三中一の三の項を一の四の項とし、一の二の項を一の三の項とし、一の項の次に次のように加える。

一の二 都道府県知事

災害救助法による同法第二条の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務であつて総務省令で定めるもの

  別表第三中七の八の項を削り、七の九の項を七の八の項とし、七の十の項から七の二十の項までを一項ずつ繰り上げる。

  別表第四中一の六の項を一の八の項とし、一の二の項から一の五の項までを二項ずつ繰り下げ、一の項の次に次のように加える。

一の二 救助実施市の長

災害救助法による同法第二条の二第一項の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務であつて総務省令で定めるもの

一の三 災害発生市町村の長

災害救助法による同法第二条の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務のうち、同法第十三条第一項の規定により災害発生市町村の長が行うこととされたものに関する事務であつて総務省令で定めるもの

  別表第四中四の十三の項を削り、四の十四の項を四の十三の項とし、四の十五の項から四の三十四の項までを一項ずつ繰り上げる。

  別表第五中第一号の三を第一号の四とし、第一号の二を第一号の三とし、第一号の次に次の一号を加える。

  一の二 災害救助法による同法第二条の救助又は同法第十二条の扶助金の支給に関する事務であつて総務省令で定めるもの

  別表第五中第九号の五を削り、第九号の六を第九号の五とし、第九号の七を第九号の六とする。

 (卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の一部改正)

第四条 卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

  附則第十六条のうち住民基本台帳法別表第三の七の二十の項の次に次のように加える改正規定中「別表第三の七の二十の項」を「別表第三の七の十九の項」に、「七の二十一」を「七の二十」に改める。


     理 由

 災害救助の円滑かつ迅速な実施を図るため、内閣総理大臣の指定する救助実施市の長による救助の実施に係る制度を創設する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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