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第一九六回

閣第二九号

   学校教育法等の一部を改正する法律案

 (学校教育法の一部改正)

第一条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条第二項中「前項の」を削り、「以外の図書その他」を「及び第二項に規定する教材以外」に改め、同条第一項の次に次の二項を加える。

   前項に規定する教科用図書(以下この条において「教科用図書」という。)の内容を文部科学大臣の定めるところにより記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)である教材がある場合には、同項の規定にかかわらず、文部科学大臣の定めるところにより、児童の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができる。

   前項に規定する場合において、視覚障害、発達障害その他の文部科学大臣の定める事由により教科用図書を使用して学習することが困難な児童に対し、教科用図書に用いられた文字、図形等の拡大又は音声への変換その他の同項に規定する教材を電子計算機において用いることにより可能となる方法で指導することにより当該児童の学習上の困難の程度を低減させる必要があると認められるときは、文部科学大臣の定めるところにより、教育課程の全部又は一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができる。

  附則第九条中「第四十九条」の下に「、第四十九条の八」を加え、同条に次の一項を加える。

   第三十四条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により使用する教科用図書について準用する。

 (文部科学省著作教科書の出版権等に関する法律の一部改正)

第二条 文部科学省著作教科書の出版権等に関する法律(昭和二十四年法律第百四十九号)の一部を次のように改正する。

  第十七条を次のように改める。

  (文部科学省が著作の名義を有する他の著作物への準用)

 第十七条 この法律の規定は、政令の定めるところにより、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第三十四条第二項(同法第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。)に規定する教材その他の教科書以外の教授上用いられる著作物であつて文部科学省が著作の名義を有するものに準用する。

 (著作権法の一部改正)

第三条 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第二十条第二項第一号中「第三十三条の二第一項」の下に「、第三十三条の三第一項」を加える。

  第三十三条第一項中「小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するもの」を「学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第三十四条第一項(同法第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。)に規定する教科用図書」に改め、同条第二項中「毎年定める」を「定める算出方法により算出した」に改め、同条第三項中「定めをした」を「算出方法を定めた」に改める。

  第三十三条の二第二項中「前条第二項」を「第三十三条第二項」に、「毎年定める」を「定める算出方法により算出した」に改め、同条第三項中「定めをした」を「算出方法を定めた」に改め、同条を第三十三条の三とし、第三十三条の次に次の一条を加える。

  (教科用図書代替教材への掲載等)

 第三十三条の二 教科用図書に掲載された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書代替教材(学校教育法第三十四条第二項又は第三項(これらの規定を同法第四十九条、第四十九条の八、第六十二条、第七十条第一項及び第八十二条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により教科用図書に代えて使用することができる同法第三十四条第二項に規定する教材をいう。以下この項及び次項において同じ。)に掲載し、及び教科用図書代替教材の当該使用に伴つていずれの方法によるかを問わず利用することができる。

 2 前項の規定により教科用図書に掲載された著作物を教科用図書代替教材に掲載しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、同項の規定の趣旨、同項の規定による著作物の利用の態様及び利用状況、前条第二項に規定する補償金の額その他の事情を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

 3 文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これを官報で告示する。

  第四十七条の六第一項第四号、第四十七条の七、第四十八条第一項第一号並びに第四十九条第一項第一号及び第二項第一号中「第三十三条の二第一項」の下に「、第三十三条の三第一項」を加える。

  第七十一条を次のように改める。

  (文化審議会への諮問)

 第七十一条 文化庁長官は、次に掲げる事項を定める場合には、文化審議会に諮問しなければならない。

  一 第三十三条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第二項又は第三十三条の三第二項の算出方法

  二 第六十七条第一項、第六十七条の二第五項若しくは第六項、第六十八条第一項又は第六十九条の補償金の額

  第七十四条第一項中「第三十三条の二第二項」の下に「、第三十三条の三第二項」を加える。

  第八十六条第一項及び第二項第一号中「第三十三条の二第一項」の下に「、第三十三条の三第一項」を加え、同条第三項中「第三十三条の二第四項」を「第三十三条の二第一項、第三十三条の三第四項」に改める。

  第九十五条第十二項中「並びに第七十一条」を「、第七十一条(第二号に係る部分に限る。)並びに第七十二条」に改める。

  第百二条第一項中「レコードの利用について準用し」の下に「、第三十三条から第三十三条の三までの規定は、著作隣接権の目的となつている放送又は有線放送の利用について準用し」を加え、同条第二項中「第三十二条」の下に「、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項」を加え、同条第三項中「第三十三条の二第一項」を「第三十三条の三第一項」に改め、同条第九項第一号中「第三項後段」の下に「、第三十三条の二第一項、第三十三条の三第一項若しくは第四項」を加え、同項第五号中「第三十三条の二第一項」を「第三十三条の三第一項」に改める。

  第百三条中「第七十一条から第七十三条まで」を「第七十一条(第二号に係る部分に限る。)、第七十二条、第七十三条」に改め、「利用について」の下に「、第七十一条(第一号に係る部分に限る。)及び第七十四条の規定は第百二条第一項において準用する第三十三条から第三十三条の三までの規定による放送又は有線放送の利用について」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、平成三十一年四月一日から施行する。

 (罰則に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第三条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の一部改正)

第四条 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(昭和三十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「第四十九条」の下に「、第四十九条の八」を加え、「附則第九条」を「附則第九条第一項」に改める。

  第十三条第六項ただし書及び第十八条第一項中「附則第九条」を「附則第九条第一項」に改める。

 (障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律の一部改正)

第五条 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成二十年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

  第二条第二項中「第四十九条」の下に「、第四十九条の八」を加える。

  第十六条第一項第二号中「附則第九条」を「附則第九条第一項」に改める。

 (民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)

第六条 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十九年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。

  第百五十一条中「第三十三条の二第二項」の下に「若しくは第三十三条の三第二項(これらの規定を旧著作権法第百二条第一項において準用する場合を含む。)」を加える。


     理 由

 情報通信技術の進展等に鑑み、児童生徒の教育の充実を図るため必要があると認められる教育課程の一部において、教科用図書に代えてその内容を記録した電磁的記録である教材を使用することができることとする等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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