第一九七回
参第六号
柔道整復師法の一部を改正する法律案
柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三十二条」を「第三十三条」に改める。
第十二条第一項中「衛生学」の下に「(放射線衛生学を含む。)、エックス線撮影技術学、放射線安全管理学」を加える。
第十七条の二を第十七条の四とし、第十七条の次に次の二条を加える。
(エックス線の照射)
第十七条の二 柔道整復師は、第二条第一項に規定する業務のほか、施術所において前条ただし書の応急手当をしようとする場合において、脱臼又は骨折が疑われる者のその患部(撮影のためのエックス線の照射により放射線障害を生じさせるおそれが少ないものとして厚生労働省令で定める部位にあるものに限る。)の状態の確認のため、当該患部に、撮影のためのエックス線の照射(当該患部へのエックス線の照射により放射線障害を生じさせるおそれが少ないものとして厚生労働省令で定める基準に適合したエックス線装置によるものに限る。)をすることを業として行うことができる。
2 柔道整復師は、前項の規定によりエックス線の照射をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その照射に関する事項を記録し、これを保存しなければならない。
(医師による診療)
第十七条の三 柔道整復師は、脱臼又は骨折が疑われる者に、第二十三条の医師その他の医師による診療を求めさせなければならない。この場合において、前条第一項の規定によりエックス線の照射による撮影をしたときは、その診療をする医師にその画像が提供されるようにしなければならない。
第二十三条を次のように改める。
(連携する医師等)
第二十三条 施術所の開設者は、厚生労働省令で定めるところにより、脱臼又は骨折が疑われる者に対応するため連携する医師及び病院又は診療所を定めておかなければならない。
第二十四条第一項中第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。
四 前条の医師の氏名又は病院若しくは診療所の名称
第二十九条第一項第二号中「第十七条の二」を「第十七条の四」に改める。
第三十二条の次に次の一条を加える。
第三十三条 第十七条の二第二項の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、平成三十三年四月一日から施行する。ただし、附則第五項の規定は、公布の日から施行する。
(エックス線の照射に関する経過措置)
2 この法律の施行前に行われた柔道整復師国家試験を受けてこれに合格したことにより、又は次項の規定により柔道整復師国家試験を受けてこれに合格したことにより、柔道整復師の免許を受けた者(厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣が行うこの法律による改正後の柔道整復師法(同項において「新法」という。)第十七条の二第一項のエックス線の照射をする上で必要な知識及び技能に関する講習を受け、及びその修了試験に合格し、又は診療放射線技師国家試験に合格した者であって、柔道整復師名簿にその旨の登録を受けたものを除く。)については、同条の規定は、適用しない。
(柔道整復師国家試験の受験資格に関する経過措置)
3 新法第十二条第一項の規定にかかわらず、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の柔道整復師法第十二条第一項の規定による知識及び技能の修得を終えている者並びにこの法律の施行の際現に同項の規定により知識及び技能を修得中の者であってこの法律の施行後にその修得を終えたもの(新法第十二条第一項の規定による知識及び技能の修得を終えた者を除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、柔道整復師国家試験を受けることができる。
(罰則に関する経過措置)
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
5 前三項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
理 由
柔道整復師が、脱臼又は骨折が疑われる者に応急手当をしようとする場合において、その患部に、一定の条件の下に、撮影のためのエックス線の照射をすることを業として行うことができるようにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。