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第二〇一回

衆第一八号

   業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案

 (目的)

第一条 この法律は、性別に関する差別的意識等に基づく業務等における性的加害言動が従業者等の生活に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、あわせて従業者等の就業環境等を害する言動の規制に関する国際的動向を踏まえ、業務等における性的加害言動を禁止するとともに、業務等における性的加害言動を受けた従業者等に対する支援その他の施策を推進することにより、従業者等の職業生活の充実等を図ることを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「業務等における性的加害言動」とは、事業者の使用人、役員その他の従業者又は個人事業者(以下「従業者等」という。)が、その業務に関連し、又はその業務上の地位を利用して他の従業者等(事業者の従業者になろうとする者を含む。以下この条、第四条及び附則第三項において同じ。)に対して行う当該他の従業者等の意に反する性的な言動であって、次に掲げるおそれその他の当該他の従業者等に精神的又は身体的な苦痛を与えるおそれがあるものをいう。

 一 当該言動に対する当該他の従業者等の対応により当該他の従業者等がその就業又は就職に関する事項につき不利益を受けるおそれ

 二 当該言動により、当該他の従業者等の就業環境を害し、又はその求職活動に支障を及ぼすおそれ

 (業務等における性的加害言動の禁止)

第三条 従業者等は、業務等における性的加害言動をしてはならない。

 (事業者の責務)

第四条 事業者は、その従業者が前条の規定に違反して業務等における性的加害言動を行ったときは、当該従業者に対する懲戒等、その更生のための研修の実施その他の当該業務等における性的加害言動への対処、当該業務等における性的加害言動を受けた従業者等(以下「被害従業者等」という。)に対する情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (指針の作成)

第五条 国は、業務等における性的加害言動の禁止に関し、業務等における性的加害言動の具体的内容その他必要な事項を定めた指針を作成するものとする。

 (相談体制の整備等)

第六条 国及び地方公共団体は、業務等における性的加害言動に関する相談に的確に応ずることができるよう、相談体制の整備並びに専門的知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (紛争の迅速かつ適切な解決)

第七条 国及び地方公共団体は、業務等における性的加害言動に関する紛争の迅速かつ適切な解決に資するよう、従業者等が行った言動に関する事実関係を調査して当該言動が業務等における性的加害言動に該当するかどうかを判断し、及びその判断の結果を就業環境の改善等に適切に活用するための体制の整備、被害従業者等の行う損害賠償の請求についての援助その他の必要な施策を講ずるものとする。

 (名誉及び生活の平穏への配慮)

第八条 国及び地方公共団体は、被害従業者等に対する支援その他の施策の実施に当たっては、その名誉及び生活の平穏に十分配慮し、いやしくもこれらを不当に侵害することのないようにしなければならない。

 (教育及び啓発)

第九条 国及び地方公共団体は、業務等における性的加害言動及びこれにより生ずる問題に対する国民の関心と理解を深めるよう、業務等における性的加害言動及びこれにより生ずる問題に関する教育及び啓発の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。

 (検討)

2 国は、この法律の施行の状況等を勘案し、業務等における性的加害言動による被害者の司法を通じた救済の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

3 国は、業務等における性的加害言動以外の従業者等の就業環境等を害する言動が従業者等の生活に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、当該言動の禁止その他の措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


     理 由

 業務等における性的加害言動を禁止するとともに、業務等における性的加害言動を受けた従業者等に対する支援その他の施策を推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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