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第二〇一回

参第二四号

   地方教育行政改革の推進に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条−第四条)

 第二章 地方教育行政改革の基本的な方針(第五条−第十二条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、地方公共団体において地域の実情に応じた教育行政が行われるようにすることが喫緊の課題となっていることに鑑み、これに対処するための改革(以下「地方教育行政改革」という。)について、その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めることにより、地方教育行政改革を集中的に推進することを目的とする。

 (基本理念)

第二条 地方教育行政改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。

 一 教育行政について地方公共団体に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねるようにすること。

 二 地方公共団体における教育行政の在り方を地方公共団体が自らの判断と責任において決定することができるようにすることにより、教育行政において地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにすること。

 (国の責務)

第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、地方教育行政改革を推進する責務を有する。

 (法制上の措置等)

第四条 政府は、次章に定める基本的な方針に基づく地方教育行政改革に関する施策を実施するため必要な法制上の措置その他の措置を講じなければならない。

2 前項の法制上の措置は、この法律の施行後三年間を集中改革期間として講ずるものとする。

   第二章 地方教育行政改革の基本的な方針

 (国と地方公共団体との役割分担の見直し)

第五条 政府は、第二条第一号の基本理念を実現するため、教育行政における国と地方公共団体との役割分担の在り方について検討を加え、その結果に基づき、必要な施策を講ずるものとする。

 (教育委員会の設置等に係る選択)

第六条 政府は、次に掲げる事項その他教育委員会の組織に関する事項について、地方公共団体が地域の実情に応じた制度を選択することができるようにするため、必要な施策を講ずるものとする。

 一 教育委員会を設置するかどうか。

 二 教育委員会を設置する場合における教育長及び委員の任免、任期及び服務に関する事項

 三 教育委員会を設置する場合において、指導主事を設置するかどうか。

 (地方公共団体における教育行政に係る職務権限の配分に係る選択)

第七条 政府は、次に掲げる事項その他地方公共団体における教育行政に係る職務権限の配分に関する事項について、地方公共団体が地域の実情に応じた制度を選択することができるようにするため、必要な施策を講ずるものとする。

 一 教育委員会を設置する場合における当該地方公共団体の長と教育委員会との間の職務権限の配分に関する事項

 二 地方公共団体が設置する学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園をいう。以下同じ。)の校長(園長を含む。第九条において同じ。)の職務権限の拡大

 三 教育委員会又は地方公共団体の長による当該地方公共団体が設置する学校に対する教育課程に関する指導その他の関与の縮減

 (学校の設置及び管理の基準の見直し)

第八条 政府は、地方公共団体による学校の設置及び管理が地域の実情に応じて行われることとなるよう、これに係る基準の在り方について検討を加え、その結果に基づき、必要な施策を講ずるものとする。

 (地方公共団体が設置する学校の教職員の身分取扱いに係る選択)

第九条 政府は、次に掲げる事項その他地方公共団体が設置する学校の教職員(以下この条において単に「教職員」という。)の身分取扱いに関する事項について、地方公共団体が地域の実情に応じた制度を選択することができるようにするため、必要な施策を講ずるものとする。

 一 校長及び副校長(副園長を含む。)についての任期を定めた任用及び教育に関する職にあった者以外の者からの任用の拡大その他教職員の任用に関する事項

 二 教職員の人事評価に関する事項

 三 教職員の服務及び教職員が職務上の義務に違反した場合等における処分に関する事項

 (地方公共団体が設置する学校の運営に関する協議機関に係る選択)

第十条 政府は、地方公共団体がその設置する学校の運営に関する地域住民、生徒等の保護者等による協議のための機関(以下この条において単に「協議機関」という。)を設ける場合における次に掲げる事項その他協議機関に関する事項について、地方公共団体が地域の実情に応じた制度を選択することができるようにするため、必要な施策を講ずるものとする。

 一 協議機関の権限に関する事項

 二 協議機関の構成員の任命に関する事項

 (地方教育行政改革に関するその他の見直し)

第十一条 政府は、第五条から前条までに規定するもののほか、地方公共団体が自らの判断と責任において学校以外の当該地方公共団体が設置する教育機関に係る教育行政の在り方を決定することができるようにすることその他の地方教育行政改革に関する事項について検討を加え、その結果に基づき、必要な施策を講ずるものとする。

 (地方公共団体の議会の関与及び住民の意見の反映)

第十二条 政府は、第六条から前条までの規定による施策を講ずるに当たっては、地方公共団体における教育行政の在り方の決定に際し、必要に応じ、当該地方公共団体の議会が関与を行うとともに、住民の投票等を通じて当該地方公共団体の住民の意見が反映されることとなるよう、必要な制度を整備するものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 地方公共団体において地域の実情に応じた教育行政が行われるようにすることが喫緊の課題となっていることに鑑み、地方教育行政改革を集中的に推進するため、地方教育行政改革について、その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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