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第二〇一回

参第二八号

   公文書院の設置等による公文書等の管理の適正化の推進に関する法律案

(目的)

第一条 この法律は、公文書等(公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号。以下「公文書管理法」という。)第二条第八項に規定する公文書等をいう。以下同じ。)の管理をめぐる近年の状況に鑑み、独立性及び専門性をもって公文書等の適正な管理を図るために必要な事務をつかさどる公文書院の設置に関する基本的な事項並びに公文書院の設置に伴い講ぜられるべき施策について定めることにより、公文書等の管理の適正化を推進することを目的とする。

(公文書院の設置に関する基本理念)

第二条 公文書院は、独立性及び専門性をもって、一元的な行政文書(公文書管理法第二条第四項に規定する行政文書をいう。以下同じ。)の管理に資するよう行政文書の管理に関する統一的な基準を策定するとともに、中立公正な立場において行政文書の管理の状況を継続的に監視することにより、行政文書の管理の適正化を図ることを旨として、設置されるものとする。

(公文書院の設置のための措置等)

第三条 前条の基本理念にのっとり、内閣の所轄の下に公文書院を置くものとし、政府は、次条から第六条までに定めるところにより、そのために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

2 公文書院は、この法律の施行後三年以内に置かれるものとする。

(公文書院の基本的な事務)

第四条 公文書院がつかさどる基本的な事務は、次に掲げるものとする。

一 公文書等の管理に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関する事務

二 行政機関(公文書管理法第二条第一項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)における行政文書の管理状況の監視(行政機関の職員からの通報を受けて行うものを含む。)に関する事務

三 行政文書の管理のための行政機関が共用する情報システムの整備及び管理に関する事務

四 歴史公文書等(公文書管理法第二条第六項に規定する歴史公文書等をいう。)の保存及び利用に関する事務

五 公文書等の管理に関する専門的な知識を有する人材の育成に関する事務

(公文書院の組織に関する基本的事項)

第五条 公文書院の組織は、独立性及び専門性をもってその所掌する事務を行うことができるよう整備されるものとする。

2 公文書院に、前条第四号に掲げる事務を行わせるため、公文書館を置くものとする。

(公文書院の権限に関する基本的事項)

第六条 公文書院は、その所掌する事務に関する規則の制定、行政機関における行政文書の管理状況の調査、行政機関の長に対する行政文書の管理についての勧告その他第四条各号に掲げる事務を的確に行うために必要な権限を有するものとする。

(公文書院に対する行政文書の管理に関する通報をした職員の保護)

第七条 政府は、行政文書の管理における不正行為の防止に資するため、公文書院に対する行政文書の管理に関する行政機関の職員からの通報について、当該通報をした職員の保護に関し必要な施策を講ずるものとする。

(専門的な知識を有する人材の活用)

第八条 政府は、専門的知識に基づく適正な公文書等の管理を確保するため、第四条第五号の公文書等の管理に関する専門的な知識を有する人材について、行政機関への配置等これを活用するために必要な施策を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 公文書等の管理をめぐる近年の状況に鑑み、公文書院の設置等による公文書等の管理の適正化を推進するため、独立性及び専門性をもって公文書等の適正な管理を図るために必要な事務をつかさどる公文書院の設置に関する基本的な事項並びに公文書院の設置に伴い講ぜられるべき施策について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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