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第二〇一回

参第三〇号

   新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続の迅速化に関する法律案

 (趣旨)

第一条 この法律は、新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続をめぐる現状に鑑み、新型コロナウイルス感染症関連支援を必要とする者がこれを迅速に受けることができるようにするため、新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続の迅速化に関し必要な事項を定めるものとする。

 (定義)

第二条 この法律において「新型コロナウイルス感染症関連支援」とは、新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)附則第一条の二第一項に規定する新型コロナウイルス感染症をいう。)及びそのまん延の防止のための措置が国民の生活及び経済活動に及ぼす影響を緩和するために行われる金銭の給付、資金の融通、債務の保証、納税の猶予、社会保険料の納付の猶予その他の支援をいう。

2 この法律において「公的支援機関」とは、国、地方公共団体及び特定支援機関をいう。

3 この法律において「特定支援機関」とは、株式会社日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、株式会社日本政策投資銀行、株式会社商工組合中央金庫、株式会社地域経済活性化支援機構、信用保証協会、独立行政法人日本学生支援機構その他法律により直接に設立された法人若しくは特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人、特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)のうち新型コロナウイルス感染症関連支援を行う法人として政令で定めるものをいう。

 (申請等の簡素化及び迅速化のための措置)

第三条 公的支援機関は、新型コロナウイルス感染症関連支援に係る申請、契約の申込みその他の公的支援機関に対して行われる手続(以下この条において「申請等」という。)について、次に掲げる場合を除き、電子情報処理組織(公的支援機関の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項において同じ。)と申請等を行う者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下この条において同じ。)を使用する方法により行うことができるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

 一 電子情報処理組織を使用する方法により得られる申請等の簡素化及び迅速化等の効果に比して当該方法の導入及び運用に過大な費用を要すると認められる場合

 二 当該新型コロナウイルス感染症関連支援の性質上対面により申請等を行う必要がある場合等申請等を電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる場合

2 公的支援機関は、電子情報処理組織を使用する方法により行われる申請等について、申請等をできる限り簡素かつ迅速に行うことができるようにするため、次に掲げる措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

 一 本人確認について、その方法を電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。)の利用に限ることなく、できる限り簡易な方法により行うことができるようにすること。

 二 申請等に際し入力等が必要とされる情報について、その入力等の方法を簡易なものとするとともに、公的支援機関が当該情報を自ら入手すること等により、必要最小限のものに限ること。

3 公的支援機関は、電子情報処理組織を使用する方法以外の方法により行われる申請等について、申請等をできる限り簡素かつ迅速に行うことができるようにするため、次に掲げる措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

 一 申請等に際し提出すべきこととされる書面等(書面、書類、文書その他文字、図形その他の人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。第三号において同じ。)について、押印を不要とすること。

 二 本人確認について、できる限り簡易な方法により行うことができるようにすること。

 三 申請等に際し提出すべきこととされる書面等について、その様式及び作成方法を簡易なものとするとともに、公的支援機関が当該書面等により確認すべき事項に係る情報を自ら入手すること等により、必要最小限のものに限ること。

4 公的支援機関は、申請等を行おうとする者の状況に配慮し、申請等を行おうとする者が情報の提供、専門家の助言等を受けることができる環境の整備、申請等に関する各種の相談に総合的に応ずることができる体制の整備その他の申請等を行おうとする者を援助するために必要な措置を講ずるものとする。

 (新型コロナウイルス感染症関連支援の迅速な提供に資するための措置)

第四条 公的支援機関は、新型コロナウイルス感染症関連支援の対象者に対しこれを迅速に提供することができるよう必要な体制を整備するものとする。

2 公的支援機関は、新型コロナウイルス感染症関連支援がこれを受けるべき者以外の者に対して提供された場合においても、当該受けるべき者に対して当該新型コロナウイルス感染症関連支援を提供するものとする。

3 公的支援機関は、新型コロナウイルス感染症関連支援の迅速な提供に資する観点から、新型コロナウイルス感染症関連支援に関する事務を行う職員が負うべき責任の減免について、必要な措置を講ずるものとする。

 (公的支援機関以外の新型コロナウイルス感染症関連支援を行う者の努力義務)

第五条 公的支援機関以外の新型コロナウイルス感染症関連支援を行う者は、第三条及び前条第一項の措置に準じて、新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続の迅速化のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (国の援助)

第六条 国は、地方公共団体及び特定支援機関が第三条及び第四条第一項の措置を講じようとするとき並びに公的支援機関以外の新型コロナウイルス感染症関連支援を行う者が前条の措置を講じようとするときは、情報の提供、財政上の措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

   附 則

 この法律は、公布の日から施行する。


     理 由

 新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続をめぐる現状に鑑み、新型コロナウイルス感染症関連支援を必要とする者がこれを迅速に受けることができるようにするため、新型コロナウイルス感染症関連支援に係る手続の迅速化に関し必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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