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第二〇一回

閣第五一号

   大気汚染防止法の一部を改正する法律案

 大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第十八条の二十)」を「第十八条の二十五)」に、「第十八条の二十一−第十八条の三十五」を「第十八条の二十六−第十八条の四十」に、「第十八条の三十六−第十八条の四十」を「第十八条の四十一−第十八条の四十五」に改める。

 第二条中第十六項を第十七項とし、第十二項から第十五項までを一項ずつ繰り下げ、第十一項の次に次の一項を加える。

12 この法律において「特定工事」とは、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事をいう。

 第十八条の十四の見出しを「(特定粉じん排出等作業の作業基準)」に改め、同条中「特定粉じんの種類」の下に「、特定建築材料の種類」を加える。

 第十八条の十五から第十八条の二十までを次のように改める。

 (解体等工事に係る調査及び説明等)

第十八条の十五 建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事(以下「解体等工事」という。)の元請業者(発注者(解体等工事の注文者で、他の者から請け負つた解体等工事の注文者以外のものをいう。以下同じ。)から直接解体等工事を請け負つた者をいう。以下同じ。)は、当該解体等工事が特定工事に該当するか否かについて、設計図書その他の書面による調査、特定建築材料の有無の目視による調査その他の環境省令で定める方法による調査を行うとともに、環境省令で定めるところにより、当該解体等工事の発注者に対し、次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。

 一 当該調査の結果

 二 当該解体等工事が特定工事に該当するとき(次号に該当するときを除く。)は、当該特定工事に係る次に掲げる事項

  イ 特定粉じん排出等作業の対象となる建築物等の部分における特定建築材料の種類並びにその使用箇所及び使用面積

  ロ 特定粉じん排出等作業の種類

  ハ 特定粉じん排出等作業の実施の期間

  ニ 特定粉じん排出等作業の方法

 三 当該解体等工事が第十八条の十七第一項に規定する届出対象特定工事に該当するときは、当該届出対象特定工事に係る次に掲げる事項

  イ 前号に掲げる事項

  ロ 前号ニに掲げる特定粉じん排出等作業の方法が第十八条の十九各号に掲げる措置を当該各号に定める方法により行うものでないときは、その理由

 四 前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項

2 解体等工事の発注者は、当該解体等工事の元請業者が行う前項の規定による調査に要する費用を適正に負担することその他当該調査に関し必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力しなければならない。

3 解体等工事の元請業者は、環境省令で定めるところにより、第一項の規定による調査に関する記録を作成し、当該記録及び同項に規定する書面の写しを保存しなければならない。

4 解体等工事の自主施工者(解体等工事を請負契約によらないで自ら施工する者をいう。以下同じ。)は、当該解体等工事が特定工事に該当するか否かについて、第一項の環境省令で定める方法による調査を行うとともに、前項の環境省令で定めるところにより、当該調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

5 解体等工事の元請業者又は自主施工者は、第一項又は前項の規定による調査に係る解体等工事を施工するときは、環境省令で定めるところにより、前二項に規定する記録の写しを当該解体等工事の現場に備え置き、かつ、当該調査の結果その他環境省令で定める事項を、当該解体等工事の現場において公衆に見やすいように掲示しなければならない。

6 解体等工事の元請業者又は自主施工者は、第一項又は第四項の規定による調査を行つたときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、当該調査の結果を都道府県知事に報告しなければならない。

 (特定工事の発注者等の配慮等)

第十八条の十六 特定工事の発注者は、当該特定工事の元請業者に対し、施工方法、工期、工事費その他当該特定工事の請負契約に関する事項について、作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。

2 前項の規定は、特定工事の元請業者が当該特定工事の全部又は一部(特定粉じん排出等作業を伴うものに限る。以下この条において同じ。)を他の者に請け負わせるとき及び当該特定工事の全部又は一部を請け負つた他の者(その請け負つた特定工事が数次の請負契約によつて行われるときは、当該他の者の請負契約の後次の全ての請負契約の当事者である請負人を含む。以下「下請負人」という。)が当該特定工事の全部又は一部を更に他の者に請け負わせるときについて準用する。

3 特定工事の元請業者又は下請負人は、その請け負つた特定工事の全部又は一部について他の者に請け負わせるときは、当該他の者に対し、その請負に係る特定工事における特定粉じん排出等作業の方法その他環境省令で定める事項を説明しなければならない。

 (特定粉じん排出等作業の実施の届出)

第十八条の十七 特定工事のうち、特定粉じんを多量に発生し、又は飛散させる原因となる特定建築材料として政令で定めるものに係る特定粉じん排出等作業を伴うもの(以下この条及び第十八条の十九において「届出対象特定工事」という。)の発注者又は自主施工者(次項に規定するものを除く。)は、当該特定粉じん排出等作業の開始の日の十四日前までに、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。

 一 当該届出対象特定工事の発注者及び元請業者又は自主施工者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 二 当該届出対象特定工事の場所

 三 当該特定粉じん排出等作業の対象となる建築物等の部分における当該政令で定める特定建築材料の種類並びにその使用箇所及び使用面積

 四 当該届出対象特定工事に係る第十八条の十五第一項第二号ロからニまで及び第三号ロに掲げる事項

2 災害その他非常の事態の発生により前項に規定する特定粉じん排出等作業を緊急に行う必要がある場合における当該特定粉じん排出等作業を伴う届出対象特定工事の発注者又は自主施工者は、速やかに、同項各号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。

3 前二項の規定による届出には、当該特定粉じん排出等作業の対象となる建築物等の配置図その他の環境省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。

 (計画変更命令)

第十八条の十八 都道府県知事は、前条第一項の規定による届出(第十八条の十五第一項第三号ロに掲げる事項を含むものに限る。)があつた場合において、その届出に係る特定粉じん排出等作業について、次条ただし書に規定する場合に該当しないと認めるときは、その届出を受理した日から十四日以内に、その届出をした者に対し、その届出に係る特定粉じん排出等作業について、同条各号に掲げる措置を当該各号に定める方法により行うことを命ずるものとする。

2 都道府県知事は、前項に規定する場合のほか、前条第一項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る特定粉じん排出等作業の方法が作業基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から十四日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る特定粉じん排出等作業の方法に関する計画の変更を命ずることができる。

 (特定建築材料の除去等の方法)

第十八条の十九 届出対象特定工事の元請業者若しくは下請負人又は自主施工者は、当該届出対象特定工事における第十八条の十七第一項の政令で定める特定建築材料に係る特定粉じん排出等作業について、次の各号のいずれかに掲げる措置(第二号に掲げる措置にあつては、建築物等を改造し、又は補修する場合に限る。以下この条において同じ。)を当該各号に定める方法により行わなければならない。ただし、建築物等が倒壊するおそれがあるときその他次の各号のいずれかに掲げる措置を当該各号に定める方法により行うことが技術上著しく困難な場合は、この限りでない。

 一 当該特定建築材料の建築物等からの除去 次に掲げる方法

  イ 当該特定建築材料をかき落とし、切断し、又は破砕することなくそのまま建築物等から取り外す方法

  ロ 当該特定建築材料の除去を行う場所を他の場所から隔離し、除去を行う間、当該隔離した場所において環境省令で定める集じん・排気装置を使用する方法

  ハ ロに準ずるものとして環境省令で定める方法

 二 当該特定建築材料からの特定粉じんの飛散を防止するための処理 当該特定建築材料を被覆し、又は当該特定建築材料に添加された特定粉じんに該当する物質を当該特定建築材料に固着する方法であつて環境省令で定めるもの

 (作業基準の遵守義務)

第十八条の二十 特定工事の元請業者若しくは下請負人又は自主施工者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業について、作業基準を遵守しなければならない。

 第二章の五中第十八条の四十を第十八条の四十五とする。

 第十八条の三十九第二項中「第十八条の三十七」を「第十八条の四十二」に改め、同条を第十八条の四十四とし、第十八条の三十八を第十八条の四十三とし、第十八条の三十七を第十八条の四十二とし、第十八条の三十六を第十八条の四十一とする。

 第二章の四中第十八条の三十五を第十八条の四十とし、第十八条の三十二から第十八条の三十四までを五条ずつ繰り下げる。

 第十八条の三十一第一項中「第十八条の二十七」を「第十八条の三十二」に改め、同条第二項中「第十八条の二十三第一項又は第十八条の二十四第一項」を「第十八条の二十八第一項又は第十八条の二十九第一項」に改め、同条第三項中「第十八条の二十九第一項」を「第十八条の三十四第一項」に改め、同条を第十八条の三十六とし、第十八条の三十を第十八条の三十五とし、第十八条の二十九を第十八条の三十四とし、第十八条の二十八を第十八条の三十三とする。

 第十八条の二十七中「第十八条の二十三第一項」を「第十八条の二十八第一項」に、「第十八条の二十五第一項」を「第十八条の三十第一項」に改め、同条を第十八条の三十二とする。

 第十八条の二十六中「第十八条の二十三第一項」を「第十八条の二十八第一項」に、「第十八条の二十二」を「第十八条の二十七」に改め、同条を第十八条の三十一とする。

 第十八条の二十五第一項中「第十八条の二十三第一項又は」を「第十八条の二十八第一項又は」に、「第十八条の二十三第一項第四号」を「第十八条の二十八第一項第四号」に改め、同条第二項中「第十八条の二十三第二項」を「第十八条の二十八第二項」に改め、同条を第十八条の三十とし、第十八条の二十四を第十八条の二十九とし、第十八条の二十一から第十八条の二十三までを五条ずつ繰り下げる。

 第二章の三中第十八条の二十の次に次の五条を加える。

 (作業基準適合命令等)

第十八条の二十一 都道府県知事は、特定工事の元請業者若しくは下請負人又は自主施工者が当該特定工事における特定粉じん排出等作業について作業基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて当該特定粉じん排出等作業について作業基準に従うべきことを命じ、又は当該特定粉じん排出等作業の一時停止を命ずることができる。

 (下請負人に対する元請業者の指導)

第十八条の二十二 特定工事の元請業者は、各下請負人が当該特定工事における特定粉じん排出等作業を適切に行うよう、当該特定工事における各下請負人の施工の分担関係に応じて、各下請負人の指導に努めなければならない。

 (特定粉じん排出等作業の結果の報告等)

第十八条の二十三 特定工事の元請業者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業が完了したときは、環境省令で定めるところにより、その結果を遅滞なく当該特定工事の発注者に書面で報告するとともに、当該特定粉じん排出等作業に関する記録を作成し、当該記録及び当該書面の写しを保存しなければならない。

2 特定工事の自主施工者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業が完了したときは、環境省令で定めるところにより、当該特定工事における特定粉じん排出等作業に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

 (国の施策)

第十八条の二十四 国は、建築物等に特定建築材料が使用されているか否かを把握するために必要な情報の収集、整理及び提供その他の特定工事等に伴う特定粉じんの排出又は飛散の抑制に関する施策の実施に努めなければならない。

 (地方公共団体の施策)

第十八条の二十五 地方公共団体は、建築物等の所有者、管理者又は占有者に対し、特定建築材料及び建築物等に特定建築材料が使用されているか否かの把握に関する知識の普及を図るよう努めるとともに、国の施策と相まつて、当該地域の実情に応じ、特定工事等に伴う特定粉じんの排出又は飛散を抑制するよう必要な措置を講ずることに努めなければならない。

 第二十六条第一項中「若しくは受注者、自主施工者、特定工事を施工する者」を「、元請業者、自主施工者若しくは下請負人」に改め、「解体等工事の現場」の下に「、解体等工事の元請業者、自主施工者若しくは下請負人の営業所、事務所その他の事業場」を加える。

 第二十七条第一項中「第十八条の三十一第一項」を「第十八条の三十六第一項」に、「第十八条の三十一第二項」を「第十八条の三十六第二項」に、「第十八条の二十三から第十八条の二十七まで」を「第十八条の二十八から第十八条の三十二まで」に改め、同条第二項中「第十八条の三十一第二項」を「第十八条の三十六第二項」に、「第十八条の二十三又は第十八条の二十五」を「第十八条の二十八又は第十八条の三十」に改め、同条第三項中「第十八条の二十六」を「第十八条の三十一」に改め、同条第五項中「第十八条の二十九第一項」を「第十八条の三十四第一項」に改める。

 第二十八条の二第一号中「第十八条の十六、第十八条の十九、第十八条の二十六、第十八条の二十九第二項」を「第十八条の十八、第十八条の二十一、第十八条の三十一、第十八条の三十四第二項」に改め、同条第二号中「第十八条の二十九第一項」を「第十八条の三十四第一項」に改める。

 第三十三条中「第十八条の二十六又は第十八条の二十九第二項」を「第十八条の三十一又は第十八条の三十四第二項」に、「者」を「場合には、当該違反行為をした者」に改める。

 第三十三条の二第一項中「該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同項第一号中「者」を「とき。」に改め、同項第二号中「第十八条の十六、第十八条の十九」を「第十八条の十八、第十八条の二十一」に、「者」を「とき。」に改め、同条第二項中「犯した」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加える。

 第三十四条中「該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同条第一号中「第十八条の十五第一項、第十八条の二十三第一項又は第十八条の二十五第一項」を「第十八条の十七第一項、第十八条の二十八第一項又は第十八条の三十第一項」に、「者」を「とき。」に改め、同条第二号中「者」を「とき。」に改め、同条に次の一号を加える。

 三 第十八条の十九の規定に違反したとき。

 第三十五条中「該当する」の下に「場合には、当該違反行為をした」を加え、同条第一号中「第十八条の二十四第一項」を「第十八条の二十九第一項」に、「者」を「とき。」に改め、同条第二号中「第十八条の二十七」を「第十八条の三十二」に、「者」を「とき。」に改め、同条第三号中「第十八条の三十」を「第十八条の三十五」に、「者」を「とき。」に改め、同条第四号中「者」を「とき。」に改め、同号を同条第五号とし、同条第三号の次に次の一号を加える。

 四 第十八条の十五第六項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 第三十七条中「第十八条の三十一第二項」を「第十八条の三十六第二項」に、「第十八条の十五第二項」を「第十八条の十七第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第四条の規定 公布の日

 二 第十八条の十五から第十八条の二十までの改正規定(第十八条の十五第六項に係る部分に限る。)及び第三十五条の改正規定(同条第四号を同条第五号とし、同条第三号の次に一号を加える部分に限る。)並びに次条第二項の規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の大気汚染防止法(次項において「新法」という。)第十八条の十五(第六項を除く。)及び第十八条の十六から第十八条の二十三までの規定は、この法律の施行の日から起算して十四日を経過する日以後に着手する建設工事(この法律による改正前の大気汚染防止法第十八条の十五第一項又は第二項の規定による届出がされた特定粉じん排出等作業に係る建設工事であって、同日前に着手していないもの(以下この項において「届出がされた未着手の工事」という。)を除く。)について適用し、同日前に着手した建設工事(届出がされた未着手の工事を含む。)については、なお従前の例による。

2 新法第十八条の十五第六項の規定は、前条第二号に掲げる規定の施行の日以後に着手する建設工事について適用する。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 この法律の施行前にした行為及び前条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 建築物等の解体等工事における石綿の排出等の抑制を図るため、解体等工事に係る事前調査の方法を定め、当該調査に関する記録の作成・保存及び結果の都道府県知事への報告並びに特定粉じん排出等作業に関する記録の作成・保存及び作業結果の発注者への報告を義務付けるとともに、一定の特定建築材料について遵守すべき作業の方法を定めること等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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