衆議院

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第二〇三回

参第一七号

   公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案

 公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)の一部を次のように改正する。

 第二条の次に次の一条を加える。

 (電磁的記録による公文書等の管理)

第二条の二 公文書等の管理は、原則として、電子計算機を用いて電磁的記録により行うものとする。

2 前項の場合においては、電磁的記録の改変等が行われていないかどうかを確認することができる高度な情報処理技術の適切な活用を図るよう努めるものとする。

 第四条に次の一項を加える。

2 行政機関の職員は、当該行政機関における意思決定(前項第一号から第三号までに掲げる事項に係るものを除く。)又は当該行政機関の事務若しくは事業の実施に関し、次の各号に掲げる者から、個別的又は具体的な要求(照会を含む。以下この項において同じ。)(その職務として行う要求であって政令で定めるものを除く。)がされたときは、当該要求の内容及び当該要求への対応等の経過の詳細を記載した文書を、その適正性の確保のための政令で定める手続(その者に対して記載内容の確認のための署名を求める手続を含む。)に従い、作成しなければならない。

 一 衆議院議員又は参議院議員

 二 国務大臣、副大臣若しくは大臣政務官又はこれらに準ずる者として政令で定める者

 三 衆議院議員若しくは参議院議員の秘書(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百三十二条に規定する秘書その他衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するものをいう。)又はこれらに準ずる者として政令で定める者

 四 前号に掲げる者のほか、第一号若しくは第二号に掲げる者の活動を補佐し、又はこれらの者と一体的に活動する者とみなされる者として政令で定める者

 第五条第一項中「付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければ」を「付さなければ」に改め、同条第二項中「(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)」を削り、同条第三項中「付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければ」を「付さなければ」に改め、同条第四項及び第五項を次のように改める。

4 行政機関の長は、歴史公文書等に該当する行政文書ファイル等(行政文書ファイル及び単独で管理している行政文書をいう。以下同じ。)について、政令で定めるところにより、できる限り早い時期に、国立公文書館等に移管する日を設定しなければならない。

5 行政機関の長は、行政文書ファイル等に機密に関する事項が含まれていることその他の事由により当該行政文書ファイル等を当該行政機関において引き続き保存することが必要やむを得ない場合として政令で定める場合に限り、前項の規定により設定した国立公文書館等に移管する日(以下この章において「移管日」という。)を、政令で定めるところにより、当該移管日後の日に変更することができる。これを当該日後の日に変更しようとするときも、同様とする。

 第六条第一項中「、当該行政文書ファイル等の保存期間の満了する日までの間」を削り、「上で」の下に「、永久に(歴史公文書等に該当するものにあっては、移管日(当該移管日後の日に変更された場合にあっては、当該日。次条第一項及び第八条第一項において同じ。)までの間)」を加える。

 第七条第一項中「、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置」を削り、「保存場所」の下に「(歴史公文書等に該当する行政文書ファイル等にあっては、分類、名称、移管日及び保存場所)」を加え、同項ただし書を削る。

 第八条の見出しを「(移管等)」に改め、同条第一項中「保存期間が満了した」を「歴史公文書等に該当する」に改め、「行政文書ファイル等」の下に「で移管日が到来したもの」を加え、「第五条第五項の規定による定めに基づき」を「政令で定めるところにより」に、「移管し、又は廃棄しなければ」を「移管しなければ」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項の」を「前項の」に改め、同項を同条第二項とし、同項の次に次の一項を加える。

3 行政機関の長は、第一項の規定により国立公文書館等に移管した行政文書ファイル等の写し(電磁的記録である行政文書ファイル等にあっては、これと同一の内容の電磁的記録)であって、当該移管の際当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして当該行政機関が保有しているものがあるときは、前三条(第五条第四項及び第五項を除く。)に定めるところに準じて政令で定めるところにより、これを管理しなければならない。

 第八条第四項を削り、同条の次に次の一条を加える。

 (行政文書の専門的知識に基づく適正な管理のための体制整備)

第八条の二 行政機関の長は、行政文書の管理に関する専門的知識をもって助言、指導等を行う者の配置その他の行政文書の管理が専門的知識に基づいて適正に行われるようにするために必要な体制の整備をしなければならない。

 第九条第三項中「行政機関」の下に「(会計検査院を除く。次条第三項、第三十条及び第三十一条において同じ。)」を加える。

 第十条第二項第五号中「又は廃棄」を削り、同項第七号を同項第八号とし、同項第六号を同項第七号とし、同項第五号の次に次の一号を加える。

 六 管理体制の整備に関する事項

 第十一条第二項中「、保存期間、保存期間の満了する日、保存期間が満了したときの措置」を削り、「保存場所」の下に「(歴史公文書等に該当する法人文書ファイル等にあっては、分類、名称、国立公文書館等に移管する日(当該移管する日後の日に変更された場合にあっては、当該日。第四項において同じ。)及び保存場所)」を加え、同項ただし書を削り、同条第四項中「保存期間が満了した」を「歴史公文書等に該当する」に改め、「法人文書ファイル等」の下に「であって、第二項の規定により記載された国立公文書館等に移管する日が到来したもの」を加え、「歴史公文書等に該当するものにあっては」を削り、「国立公文書館等に移管し、それ以外のものにあっては廃棄しなければ」を「、国立公文書館等に移管しなければ」に改め、同条に次の一項を加える。

6 独立行政法人等は、第四項の規定により国立公文書館等に移管した法人文書ファイル等の写し(電磁的記録である法人文書ファイル等にあっては、これと同一の内容の電磁的記録)であって、当該移管の際当該独立行政法人等の役員又は職員が組織的に用いるものとして当該独立行政法人等が保有しているものがあるときは、第一項から第三項までに定めるところに準じて政令で定めるところにより、これを管理しなければならない。

 第十五条第一項中「廃棄される」を「廃棄等の措置がとられる」に改める。

 第十六条第二項及び第十八条第三項中「第八条第三項」を「第八条第二項」に改める。

 第二十五条の見出し中「廃棄」を「廃棄等」に改め、同条中「認める場合には」を「認められる場合として政令で定める場合に該当するときに限り、政令で定めるところにより」に、「を廃棄する」を「の廃棄等の措置をとる」に改める。

 第二十七条第一項及び第二項第四号中「廃棄」を「廃棄等」に改める。

 第二十九条第一号中「若しくは第四号」の下に「、第四条第二項」を、「第七条」の下に「、第八条第一項若しくは第三項」を加え、「第十条第二項第七号」を「第十条第二項第八号」に改め、「第四項まで」の下に「若しくは第六項」を加え、「又は第二十条第一項」を「、第二十条第一項又は第二十五条」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律による改正後の公文書等の管理に関する法律(以下「新法」という。)第五条から第八条までの規定は、行政文書ファイル等(新法第五条第四項に規定する行政文書ファイル等をいう。以下この項において同じ。)であってこの法律の施行の際保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存期間。以下この条において同じ。)が満了していないものについても、適用する。この場合において、当該行政文書ファイル等に係る行政文書ファイル管理簿(新法第七条第一項に規定する行政文書ファイル管理簿をいう。)における保存期間、保存期間の満了する日及び保存期間が満了したときの措置の記載は、ないものとみなす。

2 新法第十一条の規定は、法人文書ファイル等(同条第二項に規定する法人文書ファイル等をいう。以下この項において同じ。)であってこの法律の施行の際保存期間が満了していないものについても、適用する。この場合において、当該法人文書ファイル等に係る法人文書ファイル管理簿(同条第二項に規定する法人文書ファイル管理簿をいう。)における保存期間、保存期間の満了する日及び保存期間が満了したときの措置の記載は、ないものとみなす。

 (その他の経過措置の政令への委任)

第三条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。

 (関係法律の整備等)

第四条 この法律の施行に伴う関係法律の整備その他必要な事項については、別に法律で定める。


     理 由

 公文書等の管理の適正化を図るため、電磁的記録による公文書等の管理、国会議員等からの要求に係る文書の作成、行政文書の専門的知識に基づく適正な管理のための体制整備等について定めるとともに、保存期間及び廃棄の概念を廃止する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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