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第二〇三回

閣第一号

   予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案

 (予防接種法の一部改正)

第一条 予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。

  第二十九条中「第六条」を「第六条及び附則第七条第一項」に、「同条第一項」を「第六条第一項」に、「、第十八条並びに第十九条第一項」を「(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)、第十八条(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)、第十九条第一項(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)並びに附則第七条第一項」に改める。

  附則に次の二条を加える。

  (新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に関する特例)

 第七条 厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。以下同じ。)のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者、その期日又は期間及び使用するワクチン(その有効性及び安全性に関する情報その他の情報に鑑み、厚生労働省令で定めるものに限る。)を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。この場合において、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で円滑に当該予防接種が行われるよう、当該市町村長に対し、必要な協力をするものとする。

 2 前項の規定による予防接種は、第六条第一項の規定による予防接種とみなして、この法律(第二十六条及び第二十七条を除く。)の規定を適用する。この場合において、第十三条第四項中「含む。)」とあるのは「含む。)又は同法第十九条の二第一項の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)が同条第三項の規定により選任したもの」と、第十六条第一項中「A類疾病に係る定期の予防接種等又はB類疾病」とあるのは「新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)」と、第二十五条第一項中「市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。

 3 前項の規定により読み替えて適用する第二十五条の規定により市町村が支弁する費用は、国が負担する。

 4 第一項の規定による予防接種については、第二項の規定により適用する第八条又は第九条の規定は、新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができる。

 5 厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。

  一 第一項の厚生労働省令を制定し、又は改廃しようとするとき。

  二 第一項の規定による指示をしようとするとき。

  三 前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。

  (損失補償契約)

 第八条 政府は、厚生労働大臣が新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの供給に関する契約を締結する当該感染症に係るワクチン製造販売業者(前条第二項の規定により読み替えて適用する第十三条第四項に規定するワクチン製造販売業者をいう。)又はそれ以外の当該感染症に係るワクチンの開発若しくは製造に関係する者を相手方として、当該契約に係るワクチンを使用する予防接種による健康被害に係る損害を賠償することにより生ずる損失その他当該契約に係るワクチンの性質等を踏まえ国が補償することが必要な損失を政府が補償することを約する契約を締結することができる。

 (検疫法の一部改正)

第二条 検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)の一部を次のように改正する。

  第三十四条に次の一項を加える。

 2 前項の政令で定められた期間は、当該政令で指定された感染症の種類について、当該感染症の外国及び国内における発生及びまん延の状況その他の事情に鑑み、当該政令により準用することとされた規定を当該期間の経過後なお準用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。

  第四十条中「第三十四条」を「第三十四条第一項」に改め、「場合」の下に「(同条第二項の政令により、同条第一項の政令で定められた期間が延長される場合を含む。)」を加える。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (新型コロナウイルス感染症に係る特例)

第二条 新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)についての第二条の規定による改正後の検疫法第三十四条第二項の規定の適用については、「状況」とあるのは、「状況、当該感染症に係るワクチンの開発の状況並びに予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)附則第七条第一項の規定による予防接種の実施の状況」とする。

 (地方自治法の一部改正)

第三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)の項中「第六条」を「第六条及び附則第七条第一項」に、「同条第一項」を「第六条第一項」に、「、第十八条並びに第十九条第一項」を「(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)、第十八条(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)、第十九条第一項(附則第七条第二項の規定により適用する場合を含む。)並びに附則第七条第一項」に改める。

 (外国軍用艦船等に関する検疫法特例及び感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部改正)

第四条 次に掲げる法律の規定中「第三十四条の規定」を「第三十四条第一項の規定」に改める。

 一 外国軍用艦船等に関する検疫法特例(昭和二十七年法律第二百一号)第八条

 二 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第十五条の二第一項及び第十五条の三第一項

 (住民基本台帳法の一部改正)

第五条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

  別表第二の四の項及び別表第四の三の項中「又は同法」を「、同法」に改め、「徴収」の下に「又は同法附則第七条第一項の予防接種の実施」を加える。

 (新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正)

第六条 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)の一部を次のように改正する。

  第二十九条第五項中「第三十四条に」を「第三十四条第一項に」に改める。


     理 由

 現下の新型コロナウイルス感染症の発生の状況に対処するため、当該感染症に係る臨時の予防接種の実施について定めるとともに、当該感染症に係るワクチンの製造販売業者等に生ずる損失を政府が補償することができることとするほか、検疫感染症以外の感染症について検疫法の規定を準用する期間を延長できることとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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