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   良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案要綱


第一 目的
  この法律は、良質な賃貸住宅等(賃貸住宅その他賃貸の用に供する建物をいう。以下同じ。)の供給を促進するため、国及び地方公共団体が必要な措置を講ずるよう努めることとするとともに、定期建物賃貸借制度を設け、もって国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とすること。(第一条関係)
第二 良質な賃貸住宅等の供給の促進
  国及び地方公共団体は、適切な規模、性能、居住環境等を有する良質な賃貸住宅等の供給の促進のために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。(第二条関係)
第三 住宅困窮者のための良質な公共賃貸住宅の供給の促進
 一 国及び地方公共団体は、住宅に困窮する者に対する適切な規模、性能、居住環境等を有する良質な公共賃貸住宅(地方公共団体、都市基盤整備公団又は地方住宅供給公社が整備する賃貸住宅をいう。以下同じ。)の供給を促進するため、公共賃貸住宅の整備及び改良等に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。(第三条第一項関係)
 二 公共賃貸住宅の管理者は、公共賃貸住宅の入居者の選考に当たり、住宅に困窮する者の居住の安定が図られるよう努めるものとすること。(第三条第二項関係)
第四 賃貸住宅等に関する情報の提供、相談等の体制の整備
  国及び地方公共団体は、良質な賃貸住宅等に対する国民の需要に的確に対応できるよう、賃貸住宅等に関する情報の提供、相談その他の援助を行うために必要な体制の整備に努めるものとすること。(第四条関係)
第五 借地借家法の一部改正(第五条関係)
 一 定期建物賃貸借
  1 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができるものとすること。この場合には、期間を一年未満とする建物の賃貸借を期間の定めがない建物の賃貸借とみなしている第二十九条第一項の規定を適用しないものとすること。(借地借家法第三十八条第一項関係)
  2 1による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができないものとすること。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでないものとすること。(同法第三十八条第二項関係)
  3 1による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができるものとすること。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了するものとすること。(同法第三十八条第三項関係)
  4 2及び3に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とするものとすること。(同法第三十八条第四項関係)
  5 借賃増減請求権に係る第三十二条の規定は、1による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しないものとすること。(同法第三十八条第五項関係)
 二 建物賃貸借の存続期間等
   賃貸借の存続期間を二十年以下に制限する民法の規定は、建物の賃貸借については、適用しないものとすること。(同法第二十九条第二項関係)
 三 定期建物賃貸借制度導入に伴う措置
   第二十三条第一項(建物譲渡特約付借地権)の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第五の一1の賃貸借契約をしたときは、その定めに従うものとすること。(同法第二十三条第三項関係)
第六 附則
 一 施行期日
   この法律は、公布の日から施行するものとすること。ただし、第五及び第六の二は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。(附則第一条関係)
 二 借地借家法の一部改正に伴う経過措置
  1 第五の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例によるものとすること。(附則第三条第一項関係)
  2 第五の施行前にされた建物の賃貸借契約であって第五による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第三十八条第一項(賃貸人の不在期間の建物賃貸借)の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例によるものとすること。(附則第三条第二項関係)
  3 定期建物賃貸借への切替えに関する経過措置
    第五の施行前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第三十八条第一項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第五による改正後の借地借家法第三十八条の規定は、適用しないものとすること。(附則第四条関係)
 三 検討
   国は、この法律の施行後四年を目途として、居住の用に供する建物の賃貸借の在り方について見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。(附則第五条関係)
第七 その他
  その他所要の規定の整備を行うものとすること。

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