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公職選挙法の一部を改正する法律案要綱


第一 参議院選挙制度改革の基本
政党本位の比例代表選出議員の選挙を廃止して個人本位の広域選挙区選出議員の選挙を創設することとし、これに伴い、従来の選挙区選出議員の選挙の名称を都道府県選挙区選出議員の選挙とすること。
第二 参議院議員の定数
参議院議員の定数は、二百四十人(現行より十二人減)とし、そのうち、九十人を広域選挙区選出議員、百五十人を都道府県選挙区選出議員とすること。                (第四条第二項関係)
第三 広域選挙区選出議員の選挙
一 選挙事務の管理
広域選挙区選出議員の選挙に関する事務は、中央選挙管理会が管理すること。    (第五条関係)
二 選挙区
選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数は、別に法律で定めること。
                                    (第十四条第一項関係)
三 投票
   投票は、候補者一人の氏名を記載して行うこと。             (第四十六条第一項関係)
四 立候補
1 立候補の届出
  @ 候補者となろうとする者は、当該選挙の期日の公示又は告示があった日に、文書でその旨を当該選挙長に届け出なければならないこと。             (第八十六条の三第一項関係)
  A @のほか、推薦届出による立候補もできること。        (第八十六条の三第二項関係)
  B 広域選挙区選出議員の選挙において候補者となった者は、同時に、他の選挙における公職の候補者となることができないこと。                   (第八十七条第一項関係)
  C 国会法第百七条の規定により広域選挙区選出議員たることを辞した者又は公職選挙法第九十条の規定により他の公職の候補者となったため広域選挙区選出議員たることを辞したものとみなされた者は、それにより生じた欠員について行われる補欠選挙の候補者となることができないこと。
                                    (第八十七条の二関係)
2 供託
  @ 候補者の届出をしようとする者は、候補者一人につき、六百万円を供託しなければならないこと。
                                   (第九十二条第一項関係)
  A 候補者の得票数が、通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもって有効投票の総数を除して得た数の十分の一に達しないときは、供託物は、国庫に帰属すること。
                                   (第九十三条第一項関係)
五 当選人
有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすること。当選人を定めるに当たり得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定めること。ただし、通常選挙における当該選挙区内の議員の定数をもって有効投票の総数を除して得た数の六分の一以上の得票がなければならないこと。
                                    (第九十五条関係)
六 当選人の繰上補充又は議員の欠員が生じた場合の繰上補充
 1 当選人が死亡者であるとき又は被選挙権の喪失、兼職禁止等により当選を失った場合の繰上補充は、五のただし書の得票者で当選人とならなかった者の中から定めなければならないこと。
                                   (第九十七条第一項関係)
2 連座による当選無効又は選挙犯罪による当選無効による当選人の繰上補充又は議員の欠員が生じた場合の繰上補充は、繰上補充事由が選挙の期日から三箇月以内に生じた場合においては五のただし書の得票者で当選人とならなかった者の中から、繰上補充事由が選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合においては得票数が同じであるためにくじで当選人を定めたときに当選人とならなかった者の中から行うこと。                 (第九十七条第二項及び第百十二条第四項関係)
七 特別選挙
1 再選挙
再選挙は、当選人が定数に達しないとき、訴訟の結果当選人が定数に達しなくなったとき等の場合で、当選人の更正決定又は繰上補充により当選人を定めることができるときを除くほか、在任期間を同じくする当選人の不足数が議員の欠員の数と通じて通常選挙における当該選挙区の議員の定数の四分の一を超えるに至ったときに行うこと。訴訟の結果選挙の全部又は一部が無効となったときも、再選挙を行うこと。                           (第百十条第一項関係)
2 補欠選挙
補欠選挙は、議員の欠員が生じた場合の繰上補充により当選人を定めることができるときを除くほか、在任期間を同じくする議員の欠員の数が当選人の不足数と通じて通常選挙における当該選挙区の議員の定数の四分の一を超えるに至ったときに行うこと。        (第百十三条第一項関係)
  3 再選挙及び補欠選挙の期日の統一に係る制度の適用があること。     (第三十三条の二関係)
八 選挙運動
1 選挙事務所
選挙事務所は、候補者一人につき当該選挙区の区域内の都道府県の数に相当する数を上限として設置することができること。                  (第百三十条及び第百三十一条関係)
2 連呼行為
何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができないこと。ただし、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合並びに午前八時から午後八時までの間に限り、選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上においてする場合は、この限りでないこと。  (第百四十条の二関係)
3 自動車、船舶及び拡声機の使用
@ 主として選挙運動のために使用される自動車又は船舶及び拡声機は、候補者一人について、それぞれ別に法律で定める数の自動車又は船舶及び拡声機のほかは、使用することができないこと。ただし、個人演説会(演説を含む。)の開催中、その会場において別に拡声機一そろいを使用することを妨げるものではないこと。                  (第百四十一条第一項関係)
A 候補者は、供託物が国庫に帰属することとならない場合に限り、一定額の範囲内で@の自動車を無料で使用することができること。                (第百四十一条第七項関係)
4 文書図画の頒布及び掲示
   @ 選挙運動用通常葉書は、候補者一人について別に法律で定める枚数とし、無料とすること。この場合において、候補者は、供託物が国庫に帰属することとならない場合に限り、一定額の範囲内で選挙運動用通常葉書を無料で作成することができること。
                           (第百四十二条第一項、第五項及び第十項関係)
A 選挙運動用ビラは、候補者一人について二種類以内で別に法律で定める枚数とすること。この場合において、候補者は、供託物が国庫に帰属することとならない場合に限り、一定額の範囲内で選挙運動用ビラを無料で作成することができること。    (第百四十二条第一項及び第十項関係)
  B 選挙運動用ポスターは、候補者一人について別に法律で定める枚数とすること。この場合において、候補者は、供託物が国庫に帰属することととならない場合に限り、一定額の範囲内で選挙運動用ポスターを無料で作成することができること。 
                 (第百四十三条第一項及び第十四項並びに第百四十四条第一項関係)
  5 新聞広告
候補者は、同一の寸法で、いずれか一の新聞に、五回を限り、無料で選挙に関して広告をすることができること。                     (第百四十九条第三項及び第五項関係)
  6 政見放送
候補者は、政令で定めるところにより、日本放送協会及び一般放送事業者のラジオ放送又はテレビジョン放送の放送設備により、その政見を無料で放送することができること。この場合において、日本放送協会及び一般放送事業者は、その政見を録音し又は録画し、これをそのまま放送しなければならないこと。                            (第百五十条第三項関係)
  7 経歴放送
日本放送協会は、候補者の氏名、年齢、党派別、主要な経歴等を、ラジオ放送によりおおむね五回及びテレビジョン放送により一回の放送をするものとすること。そのほか、日本放送協会及び一般放送事業者は、テレビジョン放送による政見放送を行う際にテレビジョン放送による経歴放送をするものとすること。                             (第百五十一条関係)
  8 個人演説会及び街頭演説
@ 候補者は、公営施設又は公営施設以外の施設を使用して、個人演説会を開催することができること。                              (第百六十一条第一項関係)
A 街頭演説は、演説者がその場所にとどまり、標旗(候補者一人につき別に法律で定める本数を交付)を掲げて行う場合に認められること。              (第百六十四条の五関係)
  9 選挙公報の発行
都道府県の選挙管理委員会は、候補者の氏名、経歴、政見等を掲載した選挙公報を、選挙ごとに一回発行すること。この場合において、候補者の写真を掲載しなければならないこと。
                                    (第百六十七条第一項関係)
 交通機関の利用
候補者は、無料で、別に法律で定める枚数の特殊乗車券の交付を受けることができること。
                                     (第百七十六条関係)
九 選挙運動費用規制
  広域選挙区選出議員の選挙については、選挙運動費用規制の適用があるものとし、所要の整備を行うこと。                                    (第十四章関係)
十 推薦団体制度及び確認団体制度
 1 広域選挙区選出議員の選挙について、推薦団体制度の適用があるものとし、所要の整備を行うこと。
                                      (第十四章の二関係)
 2 比例代表選出議員の選挙を廃止し、広域選挙区選出議員の選挙を創設することに伴い、確認団体制度について、所要の整備を行うこと。                   (第十四章の三関係)
十一 罰則
  1 広域選挙区選出議員の選挙については、組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による連座を含め、連座制の適用があるものとし、所要の整備を行うこと。
  2 1のほか、広域選挙区選出議員の選挙における選挙運動に係る罰則に関し、所要の整備を行うこと。
                                         (第十六章関係)
第四 都道府県選挙区選出議員の選挙における逆転区の解消
  都道府県選挙区選出議員の選挙における各選挙区において選挙すべき議員の数について、いわゆる逆転区を解消するため、鹿児島県の定数を四から二に改めること。   (別表第三関係)
第五 在外投票の拡大
  在外投票を衆議院議員及び参議院議員の選挙一般に拡大すること。         (附則第八項関係)
第六 参議院議員の定数の特例
  この法律の施行の日の前日までの間は、参議院議員の定数は二百四十人とし、そのうち九十人を比例代表選出議員、百五十人を選挙区選出議員とすること。
第七 その他
一 この法律は、平成十三年十月一日以後において別に法律で定める日から施行し、改正後の公職選挙法の規定は、この法律の施行の日以後その期日を公示される衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙並びにこれらに係る再選挙及び補欠選挙について適用し、同日の前日までにその期日を公示された衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙並びにこれらに係る再選挙及び補欠選挙については、なお従前の例によること。
二 新法の規定に基づく参議院議員の選挙制度については、平成十六年に行われる参議院議員の通常選挙から実施されるよう適切な法制上の措置が講ぜられるものとすること。      
三 この法律の施行に伴い必要な経過措置その他の事項は、別に法律で定めること。 

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